ほしおさなえのレビュー一覧
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「琴子は着物の夢を見る」その3。
本庄の家の物置部屋から出てきた手描き友禅は、まぼろしの友禅作家・朽木聡子の作品らしい。
柿彦の持参したその着物の柄は、琴子の記憶の中にある風景とそっくりだった。
この着物の持ち主は誰か、なぜそれが琴子の養父母の手元にあったのか。
3歳で本庄家の養女となる以前の記憶が抜け落ちたまま、あえてそれを探し求めようとも思わなかった琴子だが、みずからの出生の謎へと繋がるかもしれないこの着物の見る夢は…
さまざまな産地や伝統技法の着物を取り上げて永遠に続くかもと思っていたシリーズ、本作では大きく動いた感じ。
続きが待ち遠しい。 -
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「琴子は着物の夢を見る」その1。
織物の町・八王子に店を構える、大正時代創業の本庄呉服店で、二代目社長の善一の養女・琴子と、三代目社長の次男・柿彦は、きょうだいのように育った。
柿彦が本店での商売から距離をとって立ち上げたリユース着物店「本庄の蔵」で、着物の査定を請け負う琴子には、夢を通して着物の来歴や持ち主の記憶を垣間見ることができるという秘密があった。
店に持ち込まれた、戦前のものと思われる椿の柄の銘仙の着物に残された女性の思いをたどる琴子と柿彦は…
実の親を知らず、養女として育った生い立ちや、着物の夢を見るという秘密を持つためか、基本的に柿彦のように気の合う人以外とは交わらず、ひとりで暮らす琴子の静けさが、全体のトーンとなっていて、着物に宿る過去を追うミステリでもあるけれど、淡々と物語はすすむ。
何というか、じわっと引き込まれる世界。
そして、装画が丹地陽子さんなのも、個人的にポイント高し。 -
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大大大好きな銀河ホテルのシリーズ。本当に楽しみに待っていた。まず表紙もいい。頭の中に自分なりの銀河ホテルが思い浮かぶ。主人公がかかえるモヤモヤが、手紙を書く中で、整理されて前に進んでいく。というのが本作の大筋。主人公が章ごとにかわる。今回は3人。この中では、一番初めの、ピアノの話が一番よかった。人間の心情描写が悩んでるんだけど、嫌な気持ちでなく、そういうことあるよねという気持ちになれる書き方。自分も手紙室で苅部さんと話している気持ちにもなれる。苅部さんの過去は毎巻少しずつ小出しに本当にちょっとだけ分かる仕組みなのだな。
最後の話は悲しみを強気感じた。
2番目は、息子をもつ父として、亡き父のこどもとして。料理長の半生がつまっていて読み応えがあった。グランドキャニオンの旅の話が目から鱗ものだった。
まだ続くようで、楽しみ。映像化されたらとてもきれいなんだろうな。銀河ホテルに行ってみたい。 -
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銀河ホテル、そこは
静かな時間、
色とりどりのカラフルなインク、
フカフカのカーペットとアンティークの家具、
想像するだけで素敵でうっとり。
さて、肝心の物語の中身はと言うと…
3話目の十人十色。
大学の先生がこれほどまでに生徒達の心に寄り添うものなのかという新鮮な驚きと、
学生達の瑞々しい感性に私の心も弾んだ。
でも、先生がやっぱり素晴らしいですね。
学生達とは明らかに世代間ギャップがあるにもかかわらず、ちゃんと尊重しながら見守り、指導している。
学生さん達にもそれがちゃんと伝わっていたのがとても嬉しかった。
とてもよいお話でした。
軽井沢にも行ったことがありません。
いつか行ってみたい場所がまたひとつ増えました。
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活版印刷三日月堂以来の作家さん。
活版の文体が好きになれず、それ以降読んでなかったけど内容と表紙に惹かれて購入。
本を読むのと書くのはこんなにも違うのかと思った。
また同じ読むでも、自分とはこんなにも読み方が違うのかとびっくりした。
私は作者の意図や行間を読むとかは得意ではなく、単純に物語を楽しく読むだけなんだけど、本作に出てくる人たちは皆「書く」ことを生業としていきたい人や書かずにはいられない人たちの話なので、まぁ読み方や感性が深い。
なるほどなーと思いながら、それぞれ個性があり小説についてのスタンスも違って面白かった。
ハッとする文章もいくつかあって読んで良かった。 -
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銀河ホテル三作目。
今回は亡くなった両親との想い出の銀河ホテルで手紙を受け取る姉妹の話。
銀河ホテルのガイドスタッフとして働く子が、薦められて手紙室のアクティビティに参加する話。
いつもゼミ合宿で銀河ホテルを使っていた大学教授が退職することになり、その最後のゼミ合宿の話。
二話目のスタッフのモチベーションというか、温度がちょっとなぁと思ったところもあり。(勝手に銀河ホテルには素晴らしいスタッフがいてほしい願望)
でも、一話目と、三話目がよかったなぁ。
特に、全員にそれぞれのカラーで手紙を書く大学教授。
銀河ホテルでのゼミ合宿といい、こんなゼミ羨ましいなぁ!
私も私の色で書いて欲しい!
周りからみたら何色なのか、それだけでもワクワクドキドキ嬉しいだろうなぁ。