ほしおさなえのレビュー一覧
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『植物の妖怪とも称されるウツログサ。多くは無害だが人についたものは宿主の欲望を読んで成長することもある』
生まれながらに隣に穴がついてまわっていた「アナホコリ」
恋すると爪から芽が出て成長する「オモイグサ」
文字が体に纏わりつき変化していく「ツヅリグサ」
村人みなが瓢箪を背負っている「ウリフネ」
空に浮かんでいる透明な綿菓子のような「ヒカリワタ」
憑いている人、あるいは一部の人にしか見えないウツログサ。すっかり取り憑かれている人もいれば、そこにいるのが当たり前すぎて違和感を感じていない人も。
皆、見えない人たちとの疎外感や違和感を感じつつも困り果てているという感じはない。
だが様々なウツ -
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言葉の園のお菓子番シリーズの(ニ)
カバー絵は歳時記を抱いて立つ一葉。彼女を優しく包むように咲く白い花はヒトツバタゴ(なんじゃもんじゃ)です。
花の名が連句会につけられた謎が明かされるニ巻目は、生と死について、人が生きて行く意味を考えさせられました。
勤めていた書店が閉鎖して実家に戻り、亡くなった祖母、治子の代わりに連句会「ひとつばたご」に通うようになった一葉。約束事の多い連句は難しいけれど皆で巻く楽しさもわかる様になった。
連句仲間の萌さんに「手作りマーケットに出す焼き菓子に付けるタグを考えて欲しい」と頼まれ、一葉は萌さんの句とお子さんの絵を入れた豆絵本を作る。蛍さんの妹の海月さんと出会い -
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連句をテーマにしたシリーズ第五冊。
連句サークル「きりん座」との交流が深まっていく。
きりん座メンバーが、一葉の勤めるブックカフェ、あずきブックスに遊びに来たり、ひとつばたごの蛍と一葉がきりん座の定例会に顔を出して連句を巻いたり。
文芸マーケットの話が出てきた。
コミケではなく、文芸同人誌のマーケットがあるということを初めて知った。
ひとつばたごも、若いメンバーを中心に、作品集を出してみようという話にも発展する。
一葉がきりん座の雑誌にエッセイを頼まれ、若いころの父の取った夕焼けだんだんの写真と組み合わせて掲載するのが評判となっていく。
ほしおさんの作品を何シリーズか読んできたが、父親が -
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ネタバレ着物に宿る記憶を視ることができる琴子。
琴子が働くリユース着物店「本庄の蔵」の店長、柿彦。
ほしおさなえさんが今まで書かれてきた主人公たちより少し上の世代のふたりが今作の中心。
ふたりは姉弟のように育ったが、その実、関係性は叔母と甥である。
琴子は本庄呉服店2代目店主の養女、柿彦は3代目店主の次男。
一見複雑なようで、当人たちは全くそんなことはなく。お互い以外の家族との関係の方がよほど複雑で厄介だ。
着物に宿る記憶は、幸せな記憶もあれば暗く重い記憶もある。
戻ってこれないかもしれないと感じながらも視ずにはいられない琴子が危うく感じる。