ほしおさなえのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
第1話 長い黄昏 Twilight
近代文学史の教授が主人公で、ところどころに本に関する愛や姿勢を感じられる描写があるのが嬉しかった。
前昨でも登場した作中作の『夜に想う』の文章が良い。
“命を精一杯感じること”
人それぞれどんなときにそれを感じるかは異なる。
私にとってのそれに読書は必ず入るなぁと、自分にとって本を読むことの大切さを改めて感じた。
悲しみもあったけれど、長く連れ添ってきた相手だからこそ、きっとまた会えると信じられる希望を感じて、寂しさよりあたたかさが心に残るお話だった。
第2話 光り続ける灯台のように Vert Atlantide
自分が何をどうしたいのかわからない、
何を求めてどの方向に向かえばいいのかわからない、
すごく自分に似た主人公で、
だからこそ心がハッキリするまですごくイライラした。
手紙というのも一種のジャーナリングっぽいと思うけど、この話は特にそうだった。
これまでと一味違うインクで、特別感に見合わない展開だと寒々しさを感じるのではないかと、一瞬不安がよぎったのだが、
生き生きした主人公の未来が垣間見えるような、希望を感じる決意があり、ピッタリのインクだった。
最初は陰鬱とした雰囲気を纏っていた主人公が、ラストではそのインクと同様の煌めきを放っているようで、こちらまで晴れやかな気持ちをお裾分けしてもらったような気持ちになれた。
第3話 軽井沢黄金伝説 GOLD
銀河ホテルに勤めるフロント係の三枝さんが主人公。
だけど、主軸になるのは宿泊客の男の子で、その子との交流を通じて三枝さん自身の子についても描かれる。
自分にも子どもがいるので、進路のこと、将来のことについて考えさせられた。
他2編に比べると少しテーマが散漫になっているように感じられたのだけど、手紙室の謎多き人物・苅部さんについて少しずつ明かしていくのも、この物語の目的だったのだと思うと納得。
苅部さん始め、ホテルの従業員についてのお話もこの先もっと出てくるのかな。
続きが楽しみ。 -
Posted by ブクログ
手紙、1000色のインク、また万年筆で書くことを始めた自分には魅力的なアイテム。このアイテムをホテルにまつわる人々を通して作品が進む。
この作品が初めての著者との出会いになった。
老舗と呼ばれる企業、団体にも関わる人もまた新陳代謝がある人生を送る。3人のお客中心にその世界がホテル時間でリセットだったり、整理のきっかけつくりになる。
スマホ依存へのオマージュか、私は、紙ページを巡りながら読んでよかった。
どの世代にも引っかかりがありながら、年齢や経験によってはまだ想像も難しいところもある。
児童書を書かれている著者だからか
特に3話目、ひらがな表記も多様されている、たいへん、ひらがな表記は久々にみて、柔らかさというか作風に彩りになっていた。
すでにサブタイトル違いの著書があった。
シリーズものになるのかもしれないな
本を読み、自分の頭の中も整理していけるようなこの出会いに感謝する