ほしおさなえのレビュー一覧

  • 言葉の園のお菓子番 孤独な月

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    連句の会の繋がりでブックカフェで働くことになった一葉。ポップのお仕事も順調。航人さんがひとつばたこを始めたのは治子さんがきっかけ。祖母の治子さんの知らない一面を知って祖母への思いを新たにする一葉。ほたるさんの妹のくらげちゃん登場、高校生らしい感性で言葉選びが上手。
    連句のルールはちょっと難しいけどやってみたいなぁ。毎回でてくるお菓子もみんな美味しそう。

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    2024年08月01日
  • 言葉の園のお菓子番 未来への手紙

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    言葉の園のシリーズ第五弾。

    定期的に連句会「ひとつばたご」に通う一葉は、自分と同世代が集う「きりん座」のメンバーとも交流を持つ。
    「きりん座」で連句を経験した一葉は、軽やかでシャープな印象だと感じ、短歌から来た創設メンバーのせいか表現者を志しているように思い、自分とは違うと。
    どちらかといえば、「ひとつばたご」は、年齢もバラバラで家庭を持っている人もいて、見てきたものが多いので言葉の幅も広がっているようで、その場でほかの人の句に触れることで、ことばが生まれてくる…というのが一葉なんだろう。

    「きりん座」でエッセイを書いた一葉は、文芸マーケットにも行ったことで、「あずきブックス」のカフェスペ

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    2024年07月31日
  • 言葉の園のお菓子番 見えない花

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    勤めている書店が閉店した一葉は祖母の手紙に導かれて連句の会ひとつばたごに入会する。
    一葉はポップやリーフレットを作成をお仕事にするのかな。とんとん拍子に3件お仕事が繋がったけどこれで生活はなかなか大変だと思うからなにか強みがあるといいけど。出てくるお菓子がどれも美味しそうなんだけど、今回一番心惹かれたのは食器の応量器。食器てあれこれ買っちゃうけど結局使うのはいつも同もの。人生最後は応量器だけでいいのでは、と思った。

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    2024年07月30日
  • 言葉の園のお菓子番 未来への手紙

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    「連句」の場とが人との繋がりをもたらし「言葉」を通してやり取りしながら自分の心を見つめ、人との縁に助けられながら前を向いていく過程が素敵だった。作中で披露される連句のひとつひとつからは“言葉”の凄さや温かみが感じられて良い。

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    2024年07月29日
  • 祓い師 笹目とウツログサ

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    植物やキノコやカビに近い、植物の妖怪のような、この世の理とは別のところで存在するもの、ウツログサ。
    意思も何もないはずなのに、欲望のようなものを察して、宿主が喜ぶことをする。
    これがまぁ、切ない。
    5話の編成なのだけれど、ひとつひとつのおはなしに、1人の人生のうちの多くの年月が記されていて、そこにウツログサがどう関わっていたのか、それが物語の軸になっているから、ウツログサの存在が良くないものだと思っていても、いざ払うとなると迷いが出てしまう。
    ずっと一緒に生きてきた、体の一部のようなものになってしまうんだなぁと、こちらまで切なくなる。
    例えるなら蟲師のような。と、語彙力の乏しさを誤魔化すために

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    2024年07月27日
  • 紙屋ふじさき記念館 あたらしい場所

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    シリーズ完結巻。

    今までを振り返ることもできる納得の最終巻。

    ふじさき記念館でアルバイトを始めてから大学卒業後に、晴れて藤崎産業に入社した百花。
    これまでのワークショップや関わってきた人たちとの再び交流ができるであろうことは、川越で新記念館が開館されることでわかる。
    今回も新入社員とともに新記念館の準備に奔走する。
    第一話 記念館準備室は、紙屋ふじさきとして世の中に提示できることがなにかを考えるスタート。

    第二話 誕生の日は、百花の亡き父の『東京散歩』の復刊にという話から雑誌に掲載されたエッセイがあったことを母が思い出し…。

    第三話 あたらしい場所は、百花が入社して1年半が経ち、父のエ

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    2024年07月20日
  • まぼろしを織る

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    川越の染織工房を手伝いながら「なぜ生き続けなければならないのか」という問いと向き合っていく物語。答えは見つからないまでも、読後は少しだけ、前を向けたようなすっきりした気分に。主人公達が「自分の生きる意味がわからない。死ぬ気力もないから生きている」ともがく姿には、数年前の自分を見ているようで共感した。染織の世界にも興味が持てた。

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    2024年07月12日
  • 言葉の園のお菓子番 孤独な月

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    ネタバレ

    一作目より、面白く感じた。
    連句会、ひとつばたごに集う様々な人達。そのつながりの中で、主人公の一葉は亡き祖母に思いを馳せ、生や死について考える。仕事の面でも一葉にとってうってつけの話が舞い込み、そこにも祖母の縁がちらほら。もっと祖母と話をすれば良かったという後悔は、私にも身に覚えがある。

    連句会メンバーのダンナさんが亡くなるというエピソードは、当事者、周りのメンバー達の心の揺れが丁寧に描写されていて、しんみりしつつも静かな感動を覚えた。
    ひとつばたごができた経緯も明らかになって、登場人物達により感情移入できるようになったけど、けっこうな人数いるので、この人は何だっけ?と読み返す事も度々‥。ミ

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    2024年07月10日
  • 言葉の園のお菓子番 未来への手紙

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    やはり、いい。

    私は、表現は苦手だ。でも、表現されたものには触れたい。触れた記憶を残しておきたい。

    自ら作り出したい熱を持つ人と、その熱を受け止めて返す人が編む連句がとても魅力的。
    もちろん、登場人物たちそれぞれの物語もいい。でも、主役は連句。編まれていくところを読んでいると、「あぁ、そう来るのか」とか「おお、そうなるのか!」など、片隅に座らせてもらっているかのような気持ちになれる。

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    2024年07月06日
  • 言葉の園のお菓子番 未来への手紙

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    『言葉にしない気持ちはだんだんぼんやりとあいまいになっていく。写真に撮らなかった人の姿形の記憶がぼんやりしていくように。』
    12年間続けている別の趣味、それを通じて出会った人、出来事はなるべく書き残しているつもりだけど自分に向けた思い出や感想、出来事綴っているばかりになっている。。
    文章を構築する力が未熟な身として、
    人に趣味の魅力を他者に伝えること、言語化することは難しい。
    それでも写真を撮るように、自分の場合は文章で残していかないと即興の言葉では伝わらない雰囲気や気持ちが相手には伝わらない。

    ちゃんとnoteにでも残していかないとって感じた二文が印象的でした。

    これもある意味では『未来

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    2024年07月03日
  • 紙屋ふじさき記念館 あたらしい場所

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    小説というより説明文みたいな文章に毎回うーむとなってしまうけど、アイディアが楽しくてわくわく読んでしまうシリーズでした。今回も楽しそうなイベント良いなぁと思いながら読んでた。紙って、良いですよね。

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    2024年07月02日
  • 活版印刷三日月堂 空色の冊子

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    「活版印刷三日月堂」シリーズ第5弾。
    本編は第4巻で完結しているので、第5弾は番外編。
    弓子の祖父母や両親のこと。
    弓子が三日月堂に戻るきっかけ等々。
    じんわり心に沁みる。
    うん、好きなシリーズ。

    文庫初版本の扉ページはなんと活版印刷で刷られたもの!
    紙も他のページとは違って、何とも味わい深い!

    この本をずーっと積読していた私。
    シリーズ第4弾を読んだのはいつだろう?と読書ノートを見てみると
    2019年2月だった…

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    2024年06月29日
  • まぼろしを織る

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    生きるとは、自身の存在意義とは、、そんな思いに絡め取られる事のある主人公、槐。
    これは、私の思考をトレースしているのかと思う程に共感する部分があったのですが、、
    生きていく事を前向きに捉えられた終わりでよかった。
    染めと織物の世界観にも触れられて読み応えありました。漢字難しかったけど。

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    2024年06月16日
  • 言葉の園のお菓子番 孤独な月

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    ゆっくりと時間が進む物語。
    ちょうど良い距離感の人間関係が羨ましい。
    連句も素敵だけど、何か趣味を持ちたいと思える。

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    2024年06月05日
  • 紙屋ふじさき記念館 あたらしい場所

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    いよいよ完結
    百花も大人になりました。

    今までの6巻を
    あんなこともこんなこともあったと
    走馬灯のように思い出しつつ
    百花の成長もしっかり描かれています。
    またいつか違う作品でひょっこり
    百花の様子を知ることが出来るかもしれませんね。

    今の時代だからこそ
    丁寧なもの作りを大切にしていきたいと感じるシリーズでした。

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    2024年05月31日
  • 言葉の園のお菓子番~復活祭の卵

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    航人さんの過去。
    深いなぁ…

    連句の大会のお話もとても新鮮だった。

    歌仙「復活祭の猫」。いいなぁ…
    連句をやってみたくなりますね!(読み終わると毎回出る感想)

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    2024年05月29日
  • 歌う家 菓子屋横丁月光荘

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    馴染みのある川越を舞台に、やさしい物語が展開されていていた。
    知っている地名、スポットがたくさん出てきて、楽しかった。
    川越の奥深さを感じる物語で、特に夜の描写が印象に残っている。何度も川越には足を運んでいるが、不思議と「また行きたい」と思えるような作品。

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    2024年05月25日
  • 菓子屋横丁月光荘 文鳥の宿

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    シリーズ三作目。

    「自分がどういうところに住んでるのかちゃんと確かめたい(中略)生きるってそういうことですよね。それに、いまできることだけやってるんじゃダメなんだ(中略)あたらしいことに取り組まないと先細りになる」

    個人事業主として非常にハッとさせられる言葉。

    「続いてきたものを受け継ぐことと、更新していくこと。両方ないと続けていくことはできない。店を大事にする気持ちはもちろん、商人としての才覚、っていうのかな、時代を見る目みたいなものが必要なんですね」

    守人の将来の方向性も見えてきたもよう。

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    2024年05月22日
  • 言葉の園のお菓子番 孤独な月

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    ネタバレ

    初めてかと思ったけど、ところどころ覚えがあった。読んでたみたい。
    つながり、人と人がつながっていく。それがいいなと思った。
    あ、連句もつながりだ、と、あらためて思った。
    全体がふんわりとやわらかい雰囲気に包まれてる。

    私の想像力の問題だろうけど、連句仲間の数人がどうも覚えられない…。この人がどの人だっけと。うむ。

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    2024年05月18日
  • 言葉の園のお菓子番 見えない花

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    ほしおさなえさんの作品はどれも優しい雰囲気で包まれてる。言葉が柔らかい。
    優しいながらも背中をしっかり押してくれるような前向きさがあって好き。

    連句というのも初めて知った。

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    2024年05月10日