ほしおさなえのレビュー一覧
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『植物の妖怪のようなウツログサ』に囚われた人々と、ウツログサを祓う祓い師・笹目を描く連作集第二作。
個人的には全体的に柔らかな雰囲気のこちらの方が良かった。
一晩で消えてしまう光る草 オカエリソウ
濡れないし触れない水 サザナミモ
手の甲に広がる山なみと町 シンキロウゴケ
大切な探し物をする夢を繰り返し見る マドロミソウ
生まれた時から寄り添うもう一つの影 フタツカゲ
今回も放っておくと危険なウツログサがあり、笹目に祓ってもらうものもあったが、全体的には前向きで温かい話だったのが良かった。
印象的だったマドロミソウ、こういうタイプのウツログサもあるのかと、作家さんのアイデアに感心。私も最近よく眠くなるが取り憑かれている? だが夢は見ないので違うか。
またシンキロウゴケの大叔母の『あれは全部まやかしなんだ』という言葉にドキッとする。私の意思や選択でしたことと思っていることが、実はウツログサの仕業だったりする?
フタツカゲも温かくて良かった。笹目も驚く希少さと尊さに、ウツログサの新たな側面を見た。 -
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「言葉の園のお菓子番」の4冊目。
3冊目を読んでから1年以上が経っているので登場人物や連句の式目が覚束ないのではないかと思っていたが、程よい感じに説明が入っていてそれほど戸惑わずに読めたのはありがたかった。
今回は、睡月さんから誘われた連句の大会が物語の中心。他のグループと一緒に半歌仙を巻くというイベントに皆で参加することになるが、そこから航人さんの過去の話に展開する。
その人が今あるのは、歳を重ねていくつもの分岐点を経てその人の心持ちも変化成長してきたからだ、といったことがお話を通して描かれていたが、この歳になっても葛藤を抱えてなかなかそれなりの境地に到達しない我が身を思うといささか恥じ入る。
航人さんといわくがある森原泉という女性作家が描かれる中、彼女が書いた「おもいで糸巻き堂」というシリーズ物の作品が語られ、これがまた、これで別に一冊出せそうなネタが披露されていて、作家さんの引き出しの多さに感じ入った。
他のグループとの交流も始れば、ひとつばたごの中の人のつながりだった話の世界が広がっていきそうね。
冬日和言葉の海に出帆す
なんとなく今の自分の心境に沁みた2句。
昼月とかつて星屑たりし我
旅立ちは花とわたしで決めたこと -
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4冊目までの本編を読破してひと息ついていました。5冊目の番外編は、ちょっと後回しにしてましたが、これも早く読めば良かった(;^ω^)。お母さんの短歌の回に、ぐっときた民だったので、あの話で1人疎遠になってた友達の裕美さん視点は思いがけないストーリーでした。
過去編という事もあって、祖父・カラスの親父さんが活版印刷の作業に励んでいるところも胸熱。弓子さんのおぼろげな思い出から、だいぶ解像度も上がって、三日月堂がさらに素敵な場所に思えました。
『―どんなときでも勇気を持って、元気に進もう。―原稿はそう終わっている。読みながら、そうだな、とうなずいた。結局、私たちにできるのはそれだけなのかもしれない。-空色の冊子-』
2025.7 -
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勤めていた書店が、閉店することになり実家に戻った「一葉」。本と本棚を入れるスペースが自室にはなかったため、生前祖母が使っていた部屋に置くことになった。
祖母の部屋で本を片付けているとき、祖母のことを思い出す。
「おばあちゃんはやさしかった。」
祖母が使っていた本棚を見ると、俳句の本が目に留まる「そういえば、祖母は俳句をよく作っていた。いや、俳句じゃない。連句だ。」
祖母は昔から毎月連句の集まりに通っていた。
「いつか、一葉も一緒に行かない?」
残念ながら日々の仕事に追われ行くことは叶わなかった。
体調を崩し、入院した祖母が「ここから戻れなかったら、本棚にあるノートを見てほしいの。」
そう言っていた祖母の言葉も思いだし、ノートを手に取ってみると、連句が綴られており1度位は一緒に行けば良かったなぁと思いを馳せる。
そのノートには、1枚のメモがはさまっており12ヶ月分のお菓子の名前と一葉へのメッセージが残されていた。
「私はお菓子番だったのよ」と笑って話していた祖母に代わり桜餅を持って、連句の会「ひとつばたご」に顔を出す一葉。そこで出会う人たちから、祖母「治子」の祖母ではない姿に触れることが出来た。
連句というものは難しく、理解出来ないことが多い一葉だったが、出会った人たちとの交流を通して祖母が語っていた言葉の意味や、思い出にふれていくことでかけがえのない体験をしていることに気付いていく。
一方で、書店時代に店内ポップを手掛けていた一葉は連句の会の女性から、知り合いのお店のポップを手掛けてみないか?と誘われる。その輪がつながり、一葉は自分に出来ること、向いていることはこういうことなのではないかと感じることが出来る。
未だ、仕事は見つからないが、少しずつ前を向いて歩いていっている自分に気付いていく…。
と、珍しくあらすじを書いてみたくなるような
丁寧なお話でした。
連句に出てくる季語や決まりごとなども難しかったけれど、全部理解出来なくてもいいんだと思えるような優しさや、ポップ作成パートで出てくるパン屋さんや道具屋さんの、作り手への敬意が溢れた丁寧な1冊だった。
題名で、読みたいなと思っていて本屋さんでシリーズものだと知ったので、続きが楽しみなシリーズがまた増えてしまったと嬉しくなりました。 -
Posted by ブクログ
言葉の園のシリーズ第6弾。
亡き祖母が通っていた連句会「ひとつばたご」と出合い連句を始めた一葉は、ブックカフェで働きながらもたくさんの人と交流もでき、さまざまな場に参加するようになった。
若手歌人が結成した「きりん座」の大輔とも父の写真好きを通じて親しくなる。
今回は、父の大学時代の頃の思いを知ることになった驚きや写真撮影を大輔と父が一緒にすることにより、以前よりも気になる存在になった感じがする。
同人誌サークルで「坂道ノート」を販売したり、あずきブックスで朗読会を開催したり…と新たなことにも挑戦する。
これもいろんな人と繋がりができたからだろう。
毎月の連句会もいろいろな人と場を共有するのが好きで、誰かの句にこんなふうに反応するんだというのを見るのも好きだと言う一葉の気持ちが、この6弾目になってよりわかってきた。
みんなで梅を見たあとの連句会は、それぞれの溢れ出る句の素晴らしさにその才能の一片でもあれば…と思わずにはいられなかった。
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このシリーズを読むといつも思う
年代が違っても分かり合えるものがあるっていいよね
お父さんがいいよね
著者もこんな交流をしたかったんだろうな
さみしい気持ちが少し見える
詩を朗読する事 しずかな迫力
才能っていうのは世界とのズレだから孤独と同じ
むかしは「自分の果たすべき役割」のことばかり気にしていた
みんなが「自分」を求めはじめたから「自分と世界」のことを考えなければならなくなった?
連句の「自他場」という考え方
どれかひとつだけが続くのを嫌う
今回は集まりの中の個々の生き方や人間模様がいろいろ…
登場人物が多くなって誰だったっけ?ってなる笑