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Posted by ブクログ
複数の人が集まって作る連句。式目に倣って付いては離れを繰り返し、やがてひとつの連句が出来上がる。違う年代で考え方も違う人たちが集まって作る連句には善し悪しはなく、否定も拒絶もない。みんな違ってみんないい。
連句を通して人の想いに触れる度にいろんな魅力が伝わってきて、こんなに寛大で温かい世界があるんだなあと読みながら心が綻んだ。職を失って先が見えない一葉の心中はきっと不安が大きいと思う。それでも一つひとつの描写が繊細で穏やかで、連句を通じて人と人との繋がりにほのかな輝きと希望を見出すことができる、とっても素敵な話でした。毎月の連句会「ひとつばたご」で用意される和菓子が美味しそうなこと!
銀河ホテルの居候最新刊(第3弾)を読む前に、またひとつ、新たなほしおさんの素敵なお話に出会ってしまった…!シリーズ全読破目指そう!!
Posted by ブクログ
『連句』って面白そう!この本を読んですっかり魅了されてしまった。
勤めていた書店の閉店で、根津にある実家に戻った豊田一葉(かずは)。
亡くなった祖母の部屋の本棚で一枚の手紙を見つける。十二ヶ月分のお菓子の名前が並ぶ紙の裏には祖母の字で、「一葉へ。ひとつばたごの皆さんに私のことを伝えてくれるとうれしいです。
ずっと楽しかった、ありがとう」と書かれてあった。
「春の香りの菓子を携え 治子」
の句を見た一葉は、祖母に代わって三月の菓子「長命寺桜もち」を携え会に向かう。祖母の歩いた道筋を辿りながら自分の新たな一歩を踏み出す一葉にエールを送りたくなった。
連衆が座に集い連句を巻く(作る)
句は皆で出し合い『捌き』と呼ばれる進行役が合う句を選んでいく。
五七五の長句、七七の短句が三十六句つながる『歌仙』という形式を用いる。
「ひとつばたご」主宰の航人さんが解説を加えながら、『発句(ほっく)』『脇』『第三』…と次々に句が決まっていく。
「発句と脇はふたつでひとつの世界を作るように」季節は同じで名詞で終わる。
「なつかしき春の香の菓子並びをり」
蒼子さんの発句に、祖母の記憶を重ねて
「のどかに集う言の葉の園」と付けた一葉の句が『脇』に選ばれ嬉しくなった。
生前の祖母を知る人たちとの連句の会。
穏やかな雰囲気が伝わってきた。
決まり事はあるが自由に連想して構わない連句。なにかの想いをこっそりこめて句を出す。だれかがその意味を読みとり自分もこっそりなにかの想いをこめて句を打ち返す…連句にとても興味を覚えた。
季節の和菓子がどれも美味しそう!
パン屋さんのケークサレも食べてみたい。
物語の中には四季折々の東京の下町を巡る楽しみもあった。
鈴代さんから紹介された「パンとバイオリン」のポップを書いたことで、園芸店「houshi」、生活雑貨の「くらしごと」からも仕事の依頼がくるようになる。
一葉が書店員だった頃、お客さんとして来店していた萌さんと連句会で再会した偶然にも人の不思議な繋がりを感じた。
年齢や経歴を飛び越えて連句の"付け合い"が特別な繋がりを生む。こんな時間を私も持ちたいと思った。
Posted by ブクログ
勤めていた書店が、閉店することになり実家に戻った「一葉」。本と本棚を入れるスペースが自室にはなかったため、生前祖母が使っていた部屋に置くことになった。
祖母の部屋で本を片付けているとき、祖母のことを思い出す。
「おばあちゃんはやさしかった。」
祖母が使っていた本棚を見ると、俳句の本が目に留まる「そういえば、祖母は俳句をよく作っていた。いや、俳句じゃない。連句だ。」
祖母は昔から毎月連句の集まりに通っていた。
「いつか、一葉も一緒に行かない?」
残念ながら日々の仕事に追われ行くことは叶わなかった。
体調を崩し、入院した祖母が「ここから戻れなかったら、本棚にあるノートを見てほしいの。」
そう言っていた祖母の言葉も思いだし、ノートを手に取ってみると、連句が綴られており1度位は一緒に行けば良かったなぁと思いを馳せる。
そのノートには、1枚のメモがはさまっており12ヶ月分のお菓子の名前と一葉へのメッセージが残されていた。
「私はお菓子番だったのよ」と笑って話していた祖母に代わり桜餅を持って、連句の会「ひとつばたご」に顔を出す一葉。そこで出会う人たちから、祖母「治子」の祖母ではない姿に触れることが出来た。
連句というものは難しく、理解出来ないことが多い一葉だったが、出会った人たちとの交流を通して祖母が語っていた言葉の意味や、思い出にふれていくことでかけがえのない体験をしていることに気付いていく。
一方で、書店時代に店内ポップを手掛けていた一葉は連句の会の女性から、知り合いのお店のポップを手掛けてみないか?と誘われる。その輪がつながり、一葉は自分に出来ること、向いていることはこういうことなのではないかと感じることが出来る。
未だ、仕事は見つからないが、少しずつ前を向いて歩いていっている自分に気付いていく…。
と、珍しくあらすじを書いてみたくなるような
丁寧なお話でした。
連句に出てくる季語や決まりごとなども難しかったけれど、全部理解出来なくてもいいんだと思えるような優しさや、ポップ作成パートで出てくるパン屋さんや道具屋さんの、作り手への敬意が溢れた丁寧な1冊だった。
題名で、読みたいなと思っていて本屋さんでシリーズものだと知ったので、続きが楽しみなシリーズがまた増えてしまったと嬉しくなりました。
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小説・文芸
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