ほしおさなえのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレいい話を集めた連作短編集です。
このジャンルはついついいろんなものを読んでしまいます。
ありがちなパターンではあります。
このジャンルは、次々と主役が変わるので、
感情移入しにくくなってしまいがちですが、
この作品は前のエピソードに出てきた人がすぐ次のエピソードに出てくるので、違和感なくスッと入れました。
「活版印刷」というややニッチなテーマですが、
興味が湧きましたし、活版印刷で名刺などを作りたくなりました。
最後のエピソードの結婚式の案内状は、ビジュアルで見たかったですね。
映像化されないかな。
弓子さんは黒木華さんとかどうでしょう。
舟を編むとか重版出来とか出版系のイメージから真っ先に浮かんでしまいましたw -
Posted by ブクログ
ネタバレ感想を書く時のカテゴリ区分が下手だからこれはファンタジーとして良いのか分からないところではあるけど自分の本棚だし良しとした。
普段他の方の感想読むこと少ないけどチラッと見掛けてこれ良いなってカテゴリあったら参考にさせてもらおう……
この物語の主人公は、さすがに境遇もあってか元々の性格もあって作中にも揶揄されていた仙人のような雰囲気漂うタイプの大学院生。
川越のあの家に引っ越すことになって矢先、帰りの夜道にふらふら闇の方に誘われていた描写の頃はまだようやく身の回りのあれこれが落ち着こうとしていた時だったんだなと後で気付いた。
きっと自分と向き合うような暇もなくただ必死にここまできてようやくその時間が与えられたんだとしたら、まだ個としてしっかり地に足が着いてないような状態だっただろうから連れて行かれそうになっても仕方なかったのかなぁと感じた。
でもすっと“帰らなければ”となるところが仙人と言われる所以を感じさせたな(笑)
ここで本当に暗い闇の方に引き込まない所が土地の良さを感じるところでもあった。
本来昔ながらの土地は良くも悪くも色々居そうだもんな。
でも闇の方向いっちゃうと作品変わっちゃうしな……
辛い過去は読んでいてもすごく苦しかったし泣けてしまった。
でも自棄にならず半ばヤケクソのようであっても生きていてくれて良かった。
家を引き払って伯父たちへ明け渡そうという決断がふと出来たことが一つ区切りとして動いたような感じがあった。
感覚として自分の家ではないと思っていた場所だったとしても長年住んでいた所を手離そうと思えたことはふとしたことだったとしても大きい一歩だったと思う。
ここから過去の自分の中で燻っていた綻びの様なものが少しずつ解けていくように話が展開していくのにとても胸が温かくなった。
実はあの時ああだった、こうだった、こう思っていた感じたのかもしれないっていう事って当時は気付いたり考えが及ぶことってきっとほとんどなくて、本当に後からになって誰かから知ることになったり冷静に振り返ることが出来てようやくたどり着けるものだと思う。
人との繋がりと物や土地との縁が少しずつ広がることでタイミングが合致したんだろうなぁ。
個人的に歴史ある建物や品物が好きなので、作品中の色々な描写がとても楽しかった。
新しいことをやる上でもこれまであった造形や質感を大切にしながら紡がれていくのが本当に素敵。
そしてパン屋さんに行きたくなったし案の定珈琲に和三盆がいただきたくなった(笑)和菓子に珈琲って合いますよね……!
何より月光荘が凄く落ち着く空間を作っている感じがして良いなぁ……
私は長年ザ・昭和の家って雰囲気の賃貸に住んでたこともあって、すりガラスに土壁に縁側のある今の家を選んだくらいにはレトロな雰囲気が大好きで、古い家は所々勝手が悪かったり補修も必要だったり色々ままならないところもあるけどそこがまた愛着が湧く感じがして…
他からしたら理解しづらいものかもしれないけど、この作品を読んでより自分のお家を大事にこれからも一緒に暮らしていきたいなと思った。
続編も今から楽しみにしてる。
ほしおさなえさんの同じ文庫から出てる別タイトルも以前読んだことあるけど、改めて読み返して感想起こしたいな。 -
Posted by ブクログ
初めての作家さんでしたが、
以前からとても気になっていた
お話です。
舞台は
軽井沢って聞くだけでも
おしゃれで素敵な感じがするのに
銀河ホテルという名前もあじがありますよね。
実際実在するホテルなら
是非訪れてみたいホテルリストに
あげていると思います。
さてお話の中心となる
手紙室
それから
1000種類以上あるインク
重厚感あるお部屋…
考えるだけでワクワクドキドキです。
なかなか最近は、手紙って書かなくなってしまいましたが、
字を書く手紙というのは
やはりとてもいいですよね。
自分の選んだ素敵な色のインクで思いを書きながら
心が少しづつ整っていく
素敵だなと思いました。 -
Posted by ブクログ
「琴子は着物の夢を見る」その3。
本庄の家の物置部屋から出てきた手描き友禅は、まぼろしの友禅作家・朽木聡子の作品らしい。
柿彦の持参したその着物の柄は、琴子の記憶の中にある風景とそっくりだった。
この着物の持ち主は誰か、なぜそれが琴子の養父母の手元にあったのか。
3歳で本庄家の養女となる以前の記憶が抜け落ちたまま、あえてそれを探し求めようとも思わなかった琴子だが、みずからの出生の謎へと繋がるかもしれないこの着物の見る夢は…
さまざまな産地や伝統技法の着物を取り上げて永遠に続くかもと思っていたシリーズ、本作では大きく動いた感じ。
続きが待ち遠しい。 -
Posted by ブクログ
「琴子は着物の夢を見る」その1。
織物の町・八王子に店を構える、大正時代創業の本庄呉服店で、二代目社長の善一の養女・琴子と、三代目社長の次男・柿彦は、きょうだいのように育った。
柿彦が本店での商売から距離をとって立ち上げたリユース着物店「本庄の蔵」で、着物の査定を請け負う琴子には、夢を通して着物の来歴や持ち主の記憶を垣間見ることができるという秘密があった。
店に持ち込まれた、戦前のものと思われる椿の柄の銘仙の着物に残された女性の思いをたどる琴子と柿彦は…
実の親を知らず、養女として育った生い立ちや、着物の夢を見るという秘密を持つためか、基本的に柿彦のように気の合う人以外とは交わらず、ひとりで暮らす琴子の静けさが、全体のトーンとなっていて、着物に宿る過去を追うミステリでもあるけれど、淡々と物語はすすむ。
何というか、じわっと引き込まれる世界。
そして、装画が丹地陽子さんなのも、個人的にポイント高し。