ほしおさなえのレビュー一覧

  • 紙屋ふじさき記念館 結のアルバム

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    コロナ禍の始まりは、こんな風だったなぁと思い出しながら読んだ。
    それまでの当たり前が当たり前でなくなった日々。
    不要不急の外出は禁止。それでも勉強や仕事はしなくてはならない。
    世の中が停滞と変化を同時に求められたもどかしい時期。
    学生さんは、特に気の毒だった。
    百花はまさに学生さんで、その中で卒論や就活をしなくてはならなかったのは大変だったろう。
    急速に変化した世の中で、「和紙」への意識が今後どんな風に変わっていくのか、変わらないのか、楽しみにしたい。

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    2023年12月02日
  • 言葉の園のお菓子番~復活祭の卵

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    年齢も立場も違う人たちがひとつの目的で集うのはいいな
    自分も若い頃に集まってたなー楽しかったな
    他からみたら不思議な感じがするんでしょうね

    身近に歌を詠む人がいないので
    こんな集まりがあるっていうのが興味深い

    印象を三十一文字に落とし込む
    自分の感動をコンパクトにとっておけるのはいいなぁ
    自分はよその人の心の動きをテキストで感じよう(^_^;)

    連歌が生まれる過程が見える小説
    地味なストーリーだが冒険が隠れています
    小説の中の小説があったりするのもひとつ
    表紙は若い女子向きだけどオトナの小説だなー

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    2023年11月27日
  • 歌う家 菓子屋横丁月光荘

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    建物の声が聞こえる主人公が、川越の古民家に引っ越すお話。

    昔ながらとかの家って何かいますよね。私も実家がそんな感じで、小さい頃は怖がってました…笑

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    2023年10月28日
  • 活版印刷三日月堂 星たちの栞

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    三日月堂を訪れる人の「活字を通しての想い」を綴った短編集。とても優しいお話しが詰まってるので、サスペンスや経済本など頭を使った本を読んた後に読むと安らげるかもしれない。活字の深々とした佇まいから生み出す言葉の重みを魅力的に表現してるのは素晴らしかった。だが、個人的には全体的にお話しの流れが平坦で、少々退屈なところが多かった気がします。

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    2023年10月09日
  • 紙屋ふじさき記念館 故郷の色 海の色

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    ★いまあたらしく紙を作るとき、むかしの人たちの手にあたらしい人の手が重なる。その瞬間を思うと心がふるえる。(p.295)
    ・ターニングポイントになる巻なのかも。百花も一成も自分の道を自分で決めようとしはじめた。
    ・著者は書きながら伝統とは、伝統を継承するとは、今に活かすためにはなどを考察しているようにも思えます。そしてだんだん煮詰めてこられたような気も。

    【活版印刷】百花新三年生。新入生天野楓さんの紹介で新歓遠足で川越の活版印刷所見学に行くことになる。「三日月堂」ついに本格登場。これまでにもちらほら影は見えていたが。菓子屋横丁も見物するというので月光荘も出てきたりしないか? ・・・名前は出て

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    2023年10月07日
  • 活版印刷三日月堂 空色の冊子

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    ネタバレ

    三日月堂の過去の話。暖かい話だけど、時折胸が苦しくなった。タイトルにもある「空色の冊子」は実体験とも重なり話の外に辛さを憶えた。それでもじんわりと暖かくなる不思議。このシリーズは結末までを書かないからそこが気に入っている。

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    2023年09月25日
  • 言葉の園のお菓子番 見えない花

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    この作者さん、「三日月堂」「月光荘」「紙屋ふじさき」「ものだま探偵団」と読んできて、また別のシリーズに行ってみる。

    今回の題材は「連句」。
    勤めていた書店の閉店で職を失い実家に戻った一葉が、亡き祖母の遺品から連句のノートを見つける。亡き祖母のことを知らせに連句の席を訪れた一葉は、メンバーに迎え入れられ連句に参加することになる、という出だし。

    なつかしき春の香の菓子並びけり
     のどかに集う言の葉の園

    連句とは全く知らなかった世界だが、最初の句からしてほんのり良かった。
    次々と出て来る連句のルールがさっぱり頭に入らないのは困ったものだが、それでもなかなか興味深くはある。
    『連句を続けていると

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    2023年09月10日
  • 菓子屋横丁月光荘 浮草の灯

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    ネタバレ

    菓子屋横丁 月光荘シリーズ2作目
    川越の古民家で地図資料館を任された 大学院生の遠野守人
    彼は(家の声が聞こえる)不思議な力を持っていた。
    2作目となる今作品 
    登場する家は・古書を扱う浮草・和紙を扱う紙屋・昔は2軒並んでいた古民家
    それぞれの家にはそれぞれの家族の歴史があり、そこで生業をする人々の記憶が刻まれている。そして 家にもそれぞれの想いがあった。

    明治から昭和にかけての家や店 街の繁栄や衰退 川越らしい情緒があいまって 
    読者も登場人物たちと一緒に 街を歩き、歴史を学び、それぞれの家の想いに触れていく。
    また
    主人公 遠野の周囲の人々がとても優しいので、心がざらつくことなく 読み進

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    2023年09月03日
  • 菓子屋横丁月光荘 光の糸

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    完結編だったのね。いつもの柔らかな雰囲気で無事終了でした。川越はまた別シリーズで出てきそうだが、月光荘の声はもう聞けないのね

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    2023年08月28日
  • 紙屋ふじさき記念館 カラーインクと万年筆

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    ★ユイっていうのは、助け合いの心だったんだそうだよ。(p.71)
    「結の里」飯田の祖母の家に行き水引を教わる百花。
    「水引の雛飾り」祖母の家で皆で作った水引からワークショップを開こうという話に。
    「カラーインクと万年筆」カラーインクとガラスペンをコラボした商品の名称とパッケージの依頼。父の万年筆と百花の名前の由来。

    ■紙屋ふじさき記念館についての簡単なメモ(★は主要語)

    【一行目】
     そもそものはじまりは叔母からの誘いだった。(第一巻 麻の葉のカード)
     やっぱり、そんな簡単に覚えられるものじゃないよなあ。(第二巻 物語ペーパー)
     十二月、師走。(第三巻 カラーインクと万年筆)

    【空き

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    2023年08月13日
  • 紙屋ふじさき記念館 結のアルバム

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    6作目で現時点(2023年8月)での最新作。第1作のころに比べて、前向きになったね、百花。コロナ禍での就活、大変だね。様子がうまく描けてると思う。ただ、やはりコロナ禍では行動に制約が多く、その分は今までより物足りない。ただ、それが現実だったよね

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    2023年08月09日
  • 紙屋ふじさき記念館 結のアルバム

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    ネタバレ

    【収録作品】手漉き和紙見本帳/わたしたちの日常/結のアルバム

    現実と地続きの世界なので、リアルさも感じられる。等身大の女子大生が模索しながら前に進む様子は好もしい。が、現実を前に立ちすくむ身からすると、羨ましくもある。

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    2023年08月05日
  • 紙屋ふじさき記念館 春霞の小箱

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    最初に4作目を読んだので、ようやくその続きの5作目。今回は和紙の世界にどっぷりと。小川町は通ったことあるけど、見どころもあるんだ。そして最後に現実とリンクの2020年3月・・・

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    2023年07月29日
  • 紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード

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    工芸品として見る事の多い和紙ですが、昔から生活に溶け込んでいたものだったんだと改めて感じました。
    和紙ってなんであんなに魅力的なんでしょうね……。

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    2023年07月27日
  • 紙屋ふじさき記念館 物語ペーパー

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    ★僕は記念館を守ると決めた(p.191)
    すべてがうまくいく小説ってのはいいもんです。

    「本美濃紙」薫子さんとの会食。/美濃市で紙漉き体験/紙の歴史と自分ができることを考える百花。
    「garden diary」記念館に物販スペースを設ける。/彫金アクセサリーと和紙。/一成にライバル心むき出しのいとこ、浩介。
    「物語ペーパー」小冊子研究会の大学祭用冊子作成。/栞に蠟引き紙を。/一成の先輩、綿貫の書店。/コラボ企画として考えた「物語ペーパー」。/積極的になりつつある百花。

    ■紙屋ふじさき記念館についての簡単なメモ(★は主要語)
    【一行目】
     そもそものはじまりは叔母からの誘いだった。(第一巻

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    2023年07月22日
  • 菓子屋横丁月光荘 光の糸

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    シリーズ第六弾にして完結編。

    川越を舞台に、“家の声”が聞こえる遠野守人と彼を巡る人々との繋がりを描いた物語。
    完結巻の今回は、連作中編二話の構成となっております。

    月光荘オーナーの島田さんと大学の恩師・木谷先生と共に、狭山市の古民家を改修した蕎麦懐石店「とんからり」を訪れた守人は、そこで聴こえた機織りの音と“家の声”から得た構想を物語にすることに・・・。(第一話「広瀬斜子」)
    そして、コロナ禍で月光荘でのイベントが中止になり、動画配信やオンラインに切り替えていく中、守人の書いた小説が優秀作に選ばれて・・・。(第二話「光る糸」)

    月光荘の管理人だけでなく、小説家としての道を歩む決意をした

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    2023年07月22日
  • 菓子屋横丁月光荘 光の糸

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    シリーズ完結編。
    月光荘の管理人となった守人はイベントなどと忙しい日々を送っていた。
    そんな中、月光荘のオーナーと恩師である木谷と一緒に蕎麦懐石のお店をやっている古民家を訪れる。
    その店で出会った不思議な音が、不思議な縁を結んでいき、守人はある決意をすることになる。
    同じく家の声が聞こえた喜代の死後、落ち込むこともあった守人だが、その喜代の家の声に背中を押され、強く生きることを決意する。
    シリーズ序盤から、主人公の性格に芯がないことが気になったいたが、守人がやりたかったことは、このことだったんだ、と言うのが正直な感想。
    少し拍子抜けのような、そんな感じ。
    今作が終わったら、もう川越のみんなの様

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    2023年07月01日
  • 紙屋ふじさき記念館 結のアルバム

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    ネタバレ

    「紙屋ふじさき記念館」その6。

    前作で現実世界のコロナ禍が物語を変化させ、本作ではコロナ禍中の一年が綴られる。

    オンラインでのゼミや就職活動、最後の大学祭、卒論。
    百花は無事に藤崎産業への就職を決め、ビルの建替えのため閉鎖された記念館は、より大規模な記念館として(ほしおさんお得意の)川越市で再開する運びとなる。もちろん百花は、そこの専任スタッフに迎えられる運びと、とことんとんとん拍子。
    めでたしめでたし。

    『結のアルバム』とは、水引細工を組み合わせた百花手作りの夫婦箱に、手製本で綴じ合わせた学生たちから恩師へのメッセージをおさめたもの。
    一昔前なら色紙に寄せ書きなんてことをしたものだけれ

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    2023年05月31日
  • 言葉の園のお菓子番 森に行く夢

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    ネタバレ

    【収録作品】 ビギナーズラック/たんぽぽの綿毛のように/森に行く夢/句の心/どこまでも飛ぶ/まぼろしの店

    このシリーズを読んでいると、連句に興味が湧く。一つの世界を複数人で作りあげる楽しさ、深さに触れる。お菓子もいつもおいしそうで、心惹かれる。
    自分の世界も、他人の世界も大切にしていけたら、いいのにね。

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    2023年05月25日
  • 紙屋ふじさき記念館 物語ペーパー

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    シリーズ2作目。一成は全然マシになって、百花も前向きになって来ていいんだけど、またイランキャラの浩介登場。いらんよなあ、こういうキャラ。紙の説明はほとんど興味ないけど、感心する

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    2023年05月17日