津村記久子のレビュー一覧

  • とにかくうちに帰ります

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    私も家に帰りたかった。
    豪雨にあったとき、ひたすらどうやったら家に帰れるか考えて結局今の家族がいる家じゃなくて元の家族がいる実家にたどり着けた。両親とすごい雨の音を聞いているとき不安だったけど屋根がある、家があるって安心する、って思った。

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    2024年06月28日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    ネタバレ

    いろいろな趣きを楽しめる短編集。

    表題作は、素敵で温かい気持ちになった。

    「行列」はなんとも言えないもぞもぞした感覚に。
    世の中そのものが、〝あれ〟の行列に並んでいる人のように
    お得と思っていたら、あれこれ売りつけられているのかな〜と思ったり。

    「Sさんの再訪」はラストのキレが最高!

    ゲームブックは、何度かバッドエンドになりながらも
    いろんな経路をじっくり楽しめた。
    物語そのものは不思議な感じ。
    ちゃんと人と関わろうとすると救われ、
    知らんぷりするとバッドエンドになりやすいのかな、と。

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    2024年06月16日
  • とにかくうちに帰ります

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    職場を舞台にした短編集。
    「いるいる!こんな人!」と、嵐の中の職場から自宅への帰宅大作戦。

    なんで津村先生は、こんなに日常を拾うのが上手いのだろうか。
    今回は会社を舞台にした短編集。
    特別大きな事件は起こらない。
    無くした万年筆が予想通りのおじさん社員の机に入っていたとか、嫌な対応をしてくる営業マンに地味〜な復讐をする現場を見たとか…。
    何が面白いって、津村先生の感受性と表現。
    大雨の中で登場人物が、もうグッシャグシャになって家が恋しいと表現する言葉。
    『うちに帰りたい。切ないぐらいに、恋をするように、うちに帰りたい』
    もう共感でしかない。
    大雨に降られて、服もグシャグシャで寒くて歩くのも億

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    2024年06月05日
  • この世にたやすい仕事はない

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    ほんとは…転職の方が大変だと思うんだけど。
    人間関係を1から作っていくなんて私にはかなりのストレスだ。
    たやすい仕事はないけど、自分の居場所を作るのもたやすくはない。

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    2024年05月31日
  • この世にたやすい仕事はない

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    津村さんの本には本当にハズレがない。
    センスと簡易な文章。
    あまりスポットの当たることのない物事に焦点を当てているんだけど、そこが本当に絶妙に興味をそそってくる。デティールへの拘りから現実味を与えてくる。とても良い。

    本作は、章ごとに舞台は変わるものの、新卒以降長年勤めた会社を燃え尽き症候群で辞め、短期の仕事を転々とする主人公にフォーカスを当て続ける連作小説。

    モニターでひたすら執筆業を生業にする男性を見張り続ける仕事。
    地元企業に行ったインタビューをもとにバスのアナウンス原稿を書き上げる仕事。
    おかきやせんべいなど、商品ごとに企画・シリーズ化し、袋裏に掲載する豆知識などの原稿を作成する仕

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    2024年05月21日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    私は「しずかなインターネット」という文章投稿サービスを使っており、日記というか雑記というかそういったものを投稿している
    文章を何かしら毎日書くようにしたいと思っているため、可能な限り毎日投稿するようにしているのだけど
    書くことがねえ!とか書いたけどなんかなーということも多かったのでそういう文章を書くことに関する本を読みたくて色々と探したらこの本にたどりついた
    文章に関する本というと小説などの創作に関する技術のことを書いている本が多く、
    またネットに文章を上げることに関してもアフェリエイトで稼ぐ!みたいなものが多くて、いや、そういう方向性じゃない…っていうものが多かった
    これは作文とあるけれど、

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    2024年05月19日
  • この世にたやすい仕事はない

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    有機農家の久松達央さんが「仕事で悩んでいる30代の方などに」とおすすめしていた本。
    小説はあまり読んだことがなかったが、面白いと思った。なんだろう、読み進めていく中で小説中の物語が頭の中でどんどんイメージが膨らんでいくのが楽しく、読み進めるほど面白かった。

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    2024年05月13日
  • 枕元の本棚

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    普通に過ごしていてなかなか手に取らなそうな本の書評。
    作家が取材以外に、情報収集するための本ってこういう本なのかと垣間見えた気がする。

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    2024年05月08日
  • まともな家の子供はいない

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    父親が«働かない»という状態の主人公のセキコ
    もうすぐ受験なのに、こういう父親がいたらそりゃ、終始むかつくし家以外に居場所を求めてうろつくだろうなと思う
    母親と妹が父親に対してそんなに怒っておらず、家の中に味方がいない気がするのもまたしんどい
    自分が思春期の頃の、何か分からないけどずっと何か思いつめたようにイラついていたのをまざまざと思い出した
    この年代って、何だかずっとあらゆることに怒っているよな
    それにしても、まともってなんだろうとずっと考えながら読んでいた
    出てくる子どもたち、誰も彼も別にいわゆるまともな家は出てこないのだ
    まともっていうのは何というかただの幻想で、何かあるのがフツーの家

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    2024年04月09日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    何かが起こった後の不穏な空気を孕みながら、本題にふれずにダラダラ進んでいく感じが、どこに向かっていくのかわからず、大丈夫かな、と多少不安になりながらも、ポツポツと挟まれるじめっとしたヒントのようなものを頭で繋げながら最後まで一気に読んでしまった。

    絡むエピソードがどれも強烈で、主人公の周りに集中して起こるのはドラマが過ぎるけど、現実ではそれぞれの事件は日々起こっていて、私もまたそんなエピソードを持っていて、この物語の登場人物の1人だ。

    イノギさんの過去の詳細が回想される場面は不意打ちで、胸に重りが乗ったみたいになった。

    自分に対してどこか諦めた態度や、他人への嫉妬心も静観し部外者みたいに

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    2024年04月10日
  • 浮遊霊ブラジル

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    ちょっと不器用とか、ちょっと人生うまく立ち回れないとか、そういう人の生活を描くのが抜群だなあ。
    と津村記久子さんを読んだあとはいつも思い、まるっと自分も許された感が広がる。

    「うどん屋のジェンダー、またはコルネさん」
    「地獄」
    「個性」
    が特に好き。


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    2024年03月29日
  • 子どもお悩み相談会 作家7人の迷回答

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    文章には人柄が出るということがわかった。それぞれの作者(何人かの本は読んだことがあるけど)の素性は一切わからないけど、質問に答えていく回答文自体が自己紹介をしているようだった。
    そして、私が普段よく思っていることが、忠実に言語化されていて勝手に爽快な自分を味わった。


    個人的には、「人と人とが関係を結ぶときは、もしかしたら美点によってかもしれない。けれどその関係を深めていくのは、美点ではなく欠点なのではなかろうか。また、私たちが人間くささを感じるのは、どういうわけだか美点ではなく欠点である。」

    「私は今現在『早めに終わらせ、夏休み最後まで何度も見直す派』なのだが、もちろんそんなことは言わな

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    2024年03月18日
  • 二度寝とは、遠くにありて想うもの

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    ◆ 明日などないぜ編みまくれ。

    ◆わたしならあたふたする。掛け値なしに。

    ◆ 「パイクエイジ」をライブで聴ける日が来るとは思っていなかった。自分は、女であれ男であれ、どんな主人公の小説を書いている時にも、必ずあのやりきれなさと怒りを通過してきた人間について書いている、と思う。「自分には助けられなかった」ことが疾走していく。それとどうしても折り合いが付けられないから、ただもう歌うしかない。その様子には、個人的な二者関係を超えた、人間と世界との軋轢が凝縮されている。そういう視点を提示してくれる表現はとても少ない。

    ◆ 時計は四時半を指していた。誰かが、早朝と真夜中の間のこの時間に、わたしをよ

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    2024年03月16日
  • やりたいことは二度寝だけ

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    『ポトスライムの舟』で知った津村記久子さんのエッセイ集
    独特の視点と語り口調で、ふとした瞬間に手に取りたくなる作品
    特にお気に入りなのは
    「いっそ妖精ということで」
    →日常生活でたまに出会うびっくりするような人や現象はもうそういう妖精がいるんだということにしとこ?という大胆な諦め方が気持ちいいし、実際そう思うといろいろなことを流せるように思う

    「何者なのだアレックス【「毎日スペイン語 エリのドキドキ☆スペイン留学」の感想】」
    →語学の勉強あるあるのその設定無理じゃない?という会話例へのツッコミ集

    「数珠のようなものと弟」
    →津村記久子さんの弟さんとのお話。弟さんと弟さんの勤め先の入居者さん

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    2024年03月04日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    いやぁ、またまた津村ワールド 楽しめた
    まったくつながらない短編9つ。

    たやすくない日常にところどころやってくる、人からの小さな毒を払いつつ、聞こえなかったふりをしたり、流しながら、本当に小さなあたたかさを見つけたり、出会ったりの物語。どうも見つからないのもある(笑)

    表題の「サキの忘れ物」が一番よかった。

    「喫茶店の周波数」はタイトルが秀逸。ちょっと
    ”むらさきのスカートの女”の世界も思い出させる。
    「とにかくうちに帰ります」の懐かしの人を連想させる登場人物もちょろっと出てきて、にやにやしてしまった。
    「河川敷のガゼル」の少年も良かったなあ。まるで、理想的な親みたいだった。

    他にも「

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    2024年10月09日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    数々の賞を受賞されている著者が記すエッセイテイストの作文指南書。フワリとした雰囲気の中に知を盛り込み、肩肘張らずに気楽に日常に作文を取り込むといいことあるよ、楽しいよと教示してくれる内容でした。
    何か書いてみようと思わせてくれる一冊です。

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    2024年02月09日
  • ウエストウイング

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    ネタバレ

    老朽化した雑居ビルを舞台に、そこに通う人々のあれこれを書いた話だけれど、こういうテーマで想像する小説とは手触りが違った。
    トラブルが起きてもあくまでも地味で、湧き起こる興奮もなく、主人公三名はいつも頭の中で静かに考えるタイプだし、盛り上がりそうな場面でも作者は決して盛り上げる様子がない。最後まで何もない小説と言ったら語弊があるかもしれないけれど、あえて平静に描かれる日常は自分の日常にも近くて、無理なく馴染んでくる。これはとても高度なことが行われている気がする。
    ヒロシ視点の時は特に、ハッとするようなことが書いてあり、彼に教わることが沢山あった。まだ子どもだけれど大人の部分があって、それは両親が

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    2023年12月23日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    おかしみの中に悲しみのある、血の通ったユーモアだ
    題がとても好きです

    大学生という、羞恥をすてて、無意識で過ごしたほうが勝ち、みたいな時期をこうも自意識ばちばちに過ごしてしまっては、それはポチョムキンにもなるよなあ、と覚えがあります

    一度読んだだけではなんともまとめられないけど、とても好きな感じでした
    あと何度か読む

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    2023年11月11日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    他の方も書かれているが、タイトルが圧倒的に素晴らしい。そして、タイトルの意味もわからぬままダラダラと読み進める、大学時代のダラダラとしたやるせない日々の物語りはなかなか面白い。本題はなかなか提示されない。
    「雨のように降ってくるトラブルを、僕たちは夢中になって拾い集め、ポケットに詰め込んだ。」
    たまたま並行して読んでる関係のない小説の一節だが、そんな無意味にも見えるけど愛おしい日々。だけどそんな日々のトラブルの中に、雷のような悪意が潜んでいた。
    かつてはやり過ごすしかなかった理不尽な悪意に対し、今でも解決出来るかは判らないけれど、それでも前向きに進んでいく、そんな主人公に寄り添いたくなる小説で

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    2023年10月22日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    初めは全体が掴めず進まなかった。

    淡々とユーモアもあり、しんどいストーリーも受け入れられる。

    相手を受け入れる。

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    2023年08月27日