津村記久子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ登場人物が多いので、読み始めは新しい名前が出て来るたびに「うぅ~」と思いながら必死に頭に入れ、住宅地の地図を確かめ、の繰り返しで、一通り把握するまでは我慢(?)の読書ですが、津村記久子さんだもん、絶対楽しくなる、と思うと、このうじうじタイムも楽しいもんでして・・・
それにしても外からは見えない各家庭の抱える不安要素というか、”不幸”とよぶほどではないかもしれないけれど、当人の心には確実に影を落とすであろう様々な事情がうまく描かれていて、本当に津村さんはうまいな~と思わされます。私はやはり、子どもが関わってくると非常に辛くなるので、お母さんに好きな人ができるとネグレクト気味になる矢島家と、息子 -
Posted by ブクログ
ネタバレ理佐も律も、一生消えない傷をつけられたのに。でも彼女たちには、悲劇のヒロインぶる余裕なんてなくて、1日1日の食べ物のことを考えながら、必死に生きた。手を差し伸べた大人たちの優しさを、彼女たちは独り占めせずに、次の世代へ繋いでいく。思いやりや優しさって、地道に、ちゃんと世界をよくしていくのだと、久々に感じられたような気がする。
「しばらくの間、自分という人間がおらず、何もしなくていいように感じることを気分良く思いながら、律は去っていった守さんや杉子さんや、この場にいない藤沢先生のことを思い出していた。
むしろ彼らや、ここにいる人たちの良心の集合こそが自分なのだという気がした。」
人に振り -
Posted by ブクログ
津村さんの初期作品、意外と初めて読んだ。やっぱり津村作品は良い。
『ポトスライムの舟』
働いて得たお金で世界一周するのを選択肢として持つこと。食べられない観葉植物を、お金をかけずに工夫して育てること。できる範囲で友達を助けること。
結婚にこだわらず、手に届く範囲で楽しみを見出し、遊び心を持ってコツコツ働く。それでいいじゃないか、と少しも押し付けがましくなく言ってくるような一編で、すごく好きだった。
出てくる人みんなが普通の人で、それぞれ悩みもありながら日々を過ごしているのもいい。
『十二月の窓辺』
パワハラの描写がしっかりあり、津村作品にしてはいろいろな事件が起こる、メッセージ性の強い作品 -
Posted by ブクログ
92作品の世界文学を飲みの隣の席で「てかさーっこの主人公さー、ちょっとヤバいんだけど」って軽い感じで語りつつも、だがあってはならない事に対しては厳粛に非難する、1冊5.6ページで簡潔に語ってくれるそんな本です。
世界文学というと構えてしまって学校の教科書を読むような机と椅子に正座して読まなくてはという雰囲気があるけど津村さんの軽妙で率直な感想を聞くと何だかもう読んだ気になってしまう。
この中で実際に読んだ事があったのは恥ずかしながら5冊くらい、あらすじくらいなら知ってる程度なのは15冊くらいで他の作品は知らないものが多くてそんな作品でも面白く読めた。ただ全く知らないものは読んでもよく分からない -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んでよかったし、この作品を読んで心から「良かった」と思えることが誇らしい気さえした。
ユーモラスな語りと人間味あふれる人物たちの人間模様はエンターテイメントとしても成立していて、でも、どうしようもなく現実と地続きだ。
女版の童貞・ポチョムキンを名乗る主人公は女性らしさを排した振る舞いをするのだけど、一方で彼女はどこまでも女性であることに自覚的である。男性から性的に求められることはなくとも、彼女は常に「男に殴られれば勝てない女性という肉体の弱さ」を噛みしめている。
そういった原体験による主人公の原動力を安易な男女差に押し込めないことが、本作品最大の魅力だろう。
改題である「君は永遠にそい