津村記久子のレビュー一覧

  • 浮遊霊ブラジル

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    どのお話もクスッと笑えておもしろい
    後半の話しになればなるほど
    ワクワクしてきた
    「地獄」なんかは
    こんな地獄なら楽しいかもとさえ思える
    私もたぶん
    「物語消費しすぎ地獄」に落ちるだろうから
    それはそれで楽しみすぎる
    だって話しの主人公になれるんですから!
    こんな素敵なことはない!
    あっ、でも楽しみにしていたらいけなそうなので
    黙っておく!
    内緒!

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    2025年06月09日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    脱獄犯がやってこないか住宅地の住人が交代で見張りをする話というと、津村さんの作品の中では比較的派手な設定ではないかと思われるけど、内容はあくまでも十軒の家+αの事情を丹念に描いたもので、期待通り。さすがの職人芸。
    それぞれの家の事情は結構ヘビーで、前半は読んでいて気が滅入るほどだった。ラスト、それぞれの生活に差し込む光はほんのわずかなのだけど、登場人物たちが抱くささやかな希望のいじらしさに、全然御涙頂戴ではないどちらかと言えばドライな筆致にも関わらず、泣きそうになる。
    津村作品を読むと、好きでも嫌いでもない関係だからこそ、煮詰まった家族関係の差し水となれる時がある、と思う。ご近所付き合いなんて

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    2025年06月06日
  • 現代生活独習ノート

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    カバー装画と挿絵が敬愛する木下晋也さんなのを見てこれは絶対に好きに違いないと思い購入したけど期待どおりだった。

    その木下晋也さんの名作「ポテン生活」にも通ずる非日常的な日常が、自分自身の荒んだ日常に何かホッとしたものをくれます。でも「牢名主」と「フェリシティの面接」はちょっと不穏な気持ちになったな。

    そして最後の「イン・ザ・シティ」は多分あの名曲のことだろうなと思っていたらやはりそうで嬉しかったな。

    オススメです。

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    2025年06月04日
  • とにかくうちに帰ります

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    ネタバレ

    「なんかわかるなぁ」となる登場人物や状況が多く、会社での何気ない場面などリアルだった。
    個人的には表題のお話がとくに好きで、天気が荒れている日の帰り道の心情はいたく共感した。

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    2025年05月17日
  • この世にたやすい仕事はない

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    5つの仕事の中で路地を訪ねる仕事は『さびしくない』とこちらの攻防がとても楽しかった。おかきの袋の仕事では人間の方のふじこさんにこう言う無邪気に侵食してくる人っているよなあとイライラしたり『私』に感情移入して読めました。
    仕事と自分自身の適切な距離感ってなんだろう。
    職を変えようと思うたびにたしかに適切な距離感ではなかったと思う。そのバランスが取れているのが1番いい状態なんだよな。会社と愛憎関係になってはいけないという言葉が心に響きました。愛憎関係になると過度に期待したりされたり心がどんどん消耗していく気がする。
    たくさんの仕事を経て最後『私』が出した結論を応援したい気持ちになりました。
    ふぅ、

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    2025年04月23日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    津村記久子さんの小説は読んだことがなかったが、本書の文体のとにかく飾らない、フラットな感じが好き。おやつのうまい棒やプライベートブランドの話、みたいな超卑近な話をさらりとしたりとか、こうすべきである、という偉ぶった感じが全くない感じとか。文体について、ある人のものを真似ている、と本文中にあったが、誰のものなのか、気になるなあ。
    「作文」に対してのスタンスも、ものすごくあっさり淡々としている。芥川賞作家が「書きたいとも思わない」とさらりと言ってのける、意外な感じ。純文学の作家は、何かを書くこと、物語を書くことへのオブセッションのようなものがあるのではと勝手に思っていたけれど、そうでもないのか。ま

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    2025年04月22日
  • この世にたやすい仕事はない

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    私の今と結構似ているなと思って楽しく読めた。
    私も4日後の面接頑張ろうと勇気をもらえた。

    ただ1点、私の中で盛永さんの所の仕事や盛永さん本人については何か謎のままでした。

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    2025年03月13日
  • とにかくうちに帰ります

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    会社にはいろいろなタイプの人間がいるものだ。この小説に登場する人物たちは、ほんとに『こういう人いるなあ』と思えた。

    『職場の作法』という短編には、社内で仕事を受ける立場の女性社員と依頼する側とのやり取りが面白い、また誰も興味がない自慢話を延々と話し続ける上司がいる。人の文房具を黙ってパクリ、それを忘れてしまう人、インフルエンザで職場が閉鎖の危機になる際の立ち回り方の個人差があること…思い当たる節があるようなことが多く、非常に面白かった。

    そして表題の『とにかく家にかえります』は、豪雨で帰宅困難な最悪な日に会社から帰る際に起こる予想外なアクシデントの数々。バスが来ない…道路は浸水して通行不可

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    2025年03月07日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    遅ればせながら、津村記久子の大ファンとなったので、デビュー作を読んでいないことを恥じ、手に取る。
    なぜこの人をずっと追ってなかったのか!後悔後悔…。でもこれからの楽しみが増えたと思えば!

    リアリティに寄与するユーモアの匙加減が心地よい。群像を描いて種をばら撒き、どこに到着するかわからない書き方は新鮮。
    仕掛けられた種が想像もつかないところに芽をふくのが楽しい。
    そう来たか!
    最後は泣けました。

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    2025年01月27日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    ネタバレ

    いままででいちばんいい読書読本だと思われる。なにしろ有名な小説を手本にしていないことがいい。そして日常の感想文やメモなど簡単に始められるアドバイスをしているのがいい。子どもだけではなく、文章を書くことが苦手な大学生にも薦められる本である。

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    2025年01月14日
  • 水車小屋のネネ

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    長い年月を書いた物語。

    何でもない日常を書いているのだけれど、その中に人との関わりの温かさや、繋がっていく優しさがあって。穏やかな気持ちで読み進められた。
    エピローグもとっても温かい場面が描かれていて、当たり前が幸せで涙が出そうになった。

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    2025年11月10日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    ネタバレ

    高度成長期あたりに開発されたであろう戸建て分譲地に建つ10軒の家に住む家族と、その近くに出没する脱獄した女刑囚。

    それぞれの家族にも囚人にも欠けている事情があって、その背景が判明していくとともに有機的に絡んでいく構成が見事。ミステリーみたいに謎が解けていく感じじゃなくて、要素が影響しあって物語を構築していく感じが面白い。

    過剰な振れ幅を抑制するような津村記久子の文体で丁寧に構築されていく物語。特に大きなハッピーエンドはないけど、彼らの明日にが昨日よりマシっぽい明るさが、これまた良いのだ。

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    2024年12月22日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    書きたいなら読んだ方がいいし、
    読んだなら書いたほうがいい。
    もっとちゃんと感想や自分の気持ちを言語化しておこうと思いました。

    作文の書き方について、理論→実践の手法が素晴らしくわかりやすくてとてもよかった。途中絶賛されていた高校生のてんぷらの作文もよかったなー。てんぷら!

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    2024年12月16日
  • この世にたやすい仕事はない

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    ネタバレ

    休職して1ヶ月が経ったころ、タイトルを見て「ほんとそうよな、」と思い、読み始めた。
    この本に出会えて本当によかった。
    最後の文、言葉に出会えて本当によかった。

    ただ祈り、全力を尽くすだけ。
    どうかうまくいきますように。

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    2024年12月01日
  • とにかくうちに帰ります

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    嫌な感じで頼まれた仕事は先延ばしにするとか、取引先のFAX番号が分からずオフィスを大捜索するとか、マイナーなフィギュアスケート選手を応援するとか、ものすごくささいな日常の出来事が大切に描写される短編集。
    こういう小さなことの積み重ねでできている日々の、ちょっとした面白い出来事やひっかかりを楽しみながら生きていくのっていいよなあと、自分の生活が少し愛おしくなる。津村さんどんどん好きになってきたな、もっといろいろ読みたい。
    必ず何かはっとさせられる文章がある津村作品、今回の心に残る一文は、田上さんがノートに書いていた仕事への心構えである「どんな扱いを受けても自尊心は失わないこと。またそれを保ってる

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    2024年11月27日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    兎にも角にも、ずっとすごーーーー!と思いながら読み進めた。
    かなりパワーがあるのに言葉の優しさとか柔軟さが際立っている感じ 

    キャラの濃さもそこそこにあるけれど、まどろっこしさは全然感じなくて、いやこういう人たち居るなあってしみじみするような

    勝手に私もホリガイになったような気持ちで色々な人に関わって苦しんでもがいて少し嬉しくなったりした。私も日々の不安や様々な感情と真正面から向き合ってちゃんと言葉にしていけたら、、と思う。

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    2024年10月19日
  • やりたいことは二度寝だけ

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    誰かのSNSの投稿で見かけて購入した本です。このエッセイはまるで肩の力を抜いてリラックスするような感覚を与えてくれる一冊ですね。津村記久子さんが芥川賞を受賞した作家であることは知りませんでしたが、この本をきっかけにこの方の本を読もうかとも思いました。30代独身で、その時期に書かれたエッセイで、親近感があり、ユーモアもあって、そのゆるやかな文体や冷静でありながらどこか温かい微笑みが心地よいです。「まあ、明日も頑張ってみようかな」と思わせてくれます。好きな場所から読み始められるので、疲れた時や重厚なテーマの本の合間に息抜きとして手に取って読みたくなるエッセイでした。

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    2024年10月09日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    111108さんにおすすめしていただいて。いつも素敵な作品を教えていただきありがとうございます。

    どの小説の人物の日常も地味でうだつが上がらないのだけど、その中のほんのわずかな転機や喜びが描かれていて、なんだか読んでいて励まされるような気持ちになった。適度な距離感で幸運を祈ってくれるような1冊。
    職場で、自分は便利な駒あるいははけ口にすぎないと感じ、出勤の足が重いなあという時、通勤電車で何度もほのかに気分を上向かせてもらった。
    「どこもかしこも居心地が悪いのだとしたら、それは柵や檻の外を選ぶだろう」という文章もすごく好きだった。津村作品はいつも心に響く文章がある。
    どの作品も捨て難いけど、「

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    2024年10月09日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    登場人物の各視点での話が徐々〜〜にどんどん進んでいくのが読んでて最高だった〜!最初の方は何度も登場人物を見直したけど、最後の方は各登場人物の人生応援してた 一つの事件を多面的に喋る小説好き!もっと読みたい!結末もとっても私は好き!

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    2024年08月31日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    刑務所を脱獄した女性受刑者が向かった先のとある住宅地で、それぞれ事情を抱えた10軒の家の住人たちが交代で見張りをするという、「ご近所付き合い」という言葉が死語になっている都会ではまずあり得なさそうな展開なんだけど、不思議と違和感なくすらすら読めてしまう。
    この設定であれば、例えばエンタメ系の作家が扱う場合だといかに派手に盛り上げるかが勝負所になりそうなんだけど、本作はラストに向けての盛り上げ方はかなり抑制的で、静かな中に浮かび上がってくるものを味わう作品だと理解した。
    自分の中ではこれまであまり読んだことのない新鮮さがあって意外なほど楽しめたし、よくよく考えると相当な筆力が無いと成立しない描き

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    2024年08月21日