津村記久子のレビュー一覧

  • 水車小屋のネネ

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    淡々とした日常の描写になかなか進まなかったけれど、徐々に心に染みてくる感じ。読後感はとても良い。もう一度読みたい。洋楽や洋画の話が出てくるので、聴いたり、観たりしたくなる。
    姉妹や主に若者の登場人物の成長の記録で、その時間の経過のなかで老いたり、旅立ったりする人もいる。仕方のないことが起きて、切ない。現代の問題、ヤングケアラー、高齢者問題、震災、不登校が挟まれている。家族の繋がりに依存しない、他者の親切により成り立つこと、素敵だと思う。自分は誰かの役に立ちたいと思うから、たまには機会があれば誰かの親切に甘えてみてもいいのかも。
    ネネにいつまでも元気でいて欲しい!

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    2026年04月02日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    ネタバレ

    衝動を描くのがうまい作家だと思った。どうしてそうしたのか分からないけれどもそうした、という行動の描き方。大学時代の、利益でもなんでもないのになぜか付き合って不利益を被る、あの感じ。読んでいて自分の過去を思い出した。
    最後にホリガイが男の子を助ける場面は、ただの衝動ではなくて、大切にできなかった誰かの代わりに誰かを助けようとする意志のようなものだった。この作者にとって、それが大事なことなのだと思う。
    イノギさんとホリガイの関係については、まだうまく言葉にならない。ならないこと自体が、自分にとってのこの本の意味なのかもしれない。

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    2026年04月02日
  • 現代生活独習ノート

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    襟を正して読むのではなく、ソファに転がってダラっとしながら読むような、脱力系の短編集。
    どこかありそうなネタの数々は、冒頭は不思議な感じで始まるものの、いつの間にか本編に引き込まれていく。
    全編通して、頑張らなくて良いんだよ的なメッセージを感じた。

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    2026年03月30日
  • まともな家の子供はいない

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    ちょうど本作を読む前に畑野智美さんの『14歳までの犯罪』を読んだので、それぞれの対比が興味深かったです。うちもまさに子どもが14歳のときが一番家族の断絶感がすごかったのでそれも少し思い出していました。

    親(大人)の方も子どもに対する覚悟が求められているんだろうな。

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    2026年03月28日
  • 水車小屋のネネ

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    最初は頭の端でずっと怒ってた。
    母親の婚約者が文句なしのクズで、
    その婚約者を止めようともしない母親に腹立って。
    どんな理由があっても子供が優先でしょうに、
    って思ってたけど、物語が2011年まで進んだ辺りで、
    母親も余裕がなくて辛かったのかもしれない、
    って思い至った。
    離婚して一人で頑張ってきた母親も限界だったかも。
    だからって子供の進路を妨げたり、
    手を上げたり追い出したりしていい理由にはならないんだけど、離婚じゃなくて、災害とかが原因で一人で頑張らなきゃならなかった母親に、子供が優先でしょう!なんて偉そうな事は言えないなって。

    世代的には律が近いんだけど、
    第一子長女なので、理佐の方

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    2026年03月18日
  • 水車小屋のネネ

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    文章が所々読みにくい。
    何気ない日常だけど美しく感じる。物語が10年単位で進むのはちょっと悲しい。全て知りたくなる。
    古き良き日本を感じた。ネネを中心に周りの人々が助け合い喜びあっていくことは尊い。
    律や理沙も自分らしい道を見つけられてよかった。

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    2026年04月06日
  • 水車小屋のネネ

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    毎日新聞連載2024本屋大賞第2位。母と母の婚約者から逃れるため家出をする高卒直後姉と10才離れた妹。1981-2021山あいそば打ち水車小屋の寿命50年鸚鵡ネネと姉妹、人々の想いは引き継がれる。

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    2026年03月14日
  • 現代生活独習ノート

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    88点「いいだろ八百円ぐらい、と私はメーカーに問い、メーカーも私に無言で問うている、という攻防が、この二年続いている。」

    短編が8本あって、毎日寝る前に1本ずつ読むのに適している。衝撃的な展開もなく、心を大きく揺さぶる展開もなく、にも関わらず読ませる文章が淡々と配置されているのは流石というしかない。

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    2026年03月09日
  • この世にたやすい仕事はない

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    どの仕事も一生懸命やっていて、エライ!
    おかきの仕事はなかなか大変そうで、でもすごくおかきが食べたくなった!

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    2026年02月26日
  • 浮遊霊ブラジル

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    不思議な読後感の短編集

    うどん屋のジェンダー、またはコルネさん
    アイトール・ベラスコの新しい妻
    個性
    浮遊霊ブラジル
    が好きでした。

    運命はちょっとよくわからなかったので再読します。

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    2026年02月21日
  • ポトスライムの舟

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    限界会社員小説。
    パワハラで前職を退職し、単純作業をする現職に勤めるナガセが、掲示板に貼り出されたピースボートと思われる世界一周旅行のポスターを見て、自分の年収と同じ163万円を貯金しようとする話。友達と遊びに行っても、友達を助けてもずっとその交通費や食費を計算し続けるという、馬鹿らしいようで、現代っぽくて切実な感じが胸に来る。どこか現実との接触の実感が乏しい感じがよく出ている。2009年芥川賞受賞。
    併録されている「12月の窓辺」は、著者もインタビューで答えていたが、パワハラにあった職場の実体験に基づく話。読んでて辛くなるが、どこか滑稽さもある。どこか憧れともゲームの背景のやうな非現実とも思

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    2026年02月21日
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

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    着眼点がユニークで文章も小気味良く、書評で笑ってしまうなんて新鮮だった。文学作品をテーマにしたエッセイと言ってもいいのかも。
    紹介されているどの本も読みたくなってしまうので、その都度本書は中断することになり、なかなか読み進まないのがたまにキズ!

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    2026年02月15日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    デビュー作だからかraw power感がすごい。エモいではなくEMOだなあと思いました。

    吉崎くんのバンドTシャツもいちいちツボでした。

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    2026年02月14日
  • ポトスライムの舟

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    仕事や日常生活に行き詰まった時に読み返しています。「今がいちばん働き盛り」と入れ墨を彫りたくなったナガセの気持ちを自分に置き換えて奮い立たせました。
    十二月の窓辺の上司がほんとにくそすぎて
    こんな人間にはなるまいと真剣に思いました。

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    2026年02月13日
  • とにかくうちに帰ります

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    再読
    だいぶ前に読んだ時は、ある日の出来事ととして淡々と読んだ気がする。
    改めて読むと人の親切が身に染みる物語だった。
    それと「部屋でくつろぐ」の気持ちがわかりすぎるくらい納得した!
    いい本だなぁ

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    2026年02月11日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    自分のことは至って謙虚に、平易な言葉で、簡単なステップから文章て書けるんだよと教えてくれている。メモを取ることってだいじだなと思う。本をたくさん読むが、内容を覚えていない、あの本とこの本のあらすじがまざってしまう私にも役に立つ内容であった。

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    2026年02月09日
  • この世にたやすい仕事はない

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    疲弊しきって前職を辞めた主人公。紹介された仕事は仕込まれたカメラからの映像を監視し、密輸品を見つけること。監視しているうちに対象者の小説家の好みや行動パターンがわかってきて…

    5話の連作短編集。各話の1ページ目がその話に出てくる登場人物のイラスト+題名になっていて、その不気味な表情が何とも言えない不思議な気分にさせてくれます。
    各話で仕事を辞める決断をするので、今度はどういったことが起きて、どんな形で辞める決断をするのか、ちょっとした謎解きを含めてドキドキしながら読んでいきました。
    どれも、辞める理由にうんうん、と頷きたくなります。

    主人公の一人称で描かれていて、ちょうどいい力の抜け具合が

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    2026年02月08日
  • 水車小屋のネネ

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    〜人生は、誰かに親切にしなきゃ、長くて大切なものですよ〜

    お互いを支え合うこと自体が人生の目的や生きがい、軸になる。そんな関係性って素敵だなと思った。わかりあえる人がいれば、人は強く生きていける。

    長い時間を流れてもずっと変わらない人と人との温かい関わりが描かれている。大変な環境にあっても、人生の底に沈んだ気でいても、ネネや周辺の人との関わりを通してみんなが再生して穏やかに豊かに暮らしていく姿が心温まった。

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    2026年02月08日
  • 浮遊霊ブラジル

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    定年退職したおじさん、地獄界の人、人に憑いて旅する霊、会うたびに激変する友人など…7短篇。どこかへんてこで、ユーモラスであたたかい気持ちになりました。いろんな人がいるなぁ。人間って面白いなぁ。他作品も読んでみたい作家さん。

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    2026年02月07日
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

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    よかった。
    人の面白さに着目して、こういうめんどくさいやついるいるとか、DQNのわからなさを実感したり、別の側面にじんときたり。特に普通の人を面白がっているところがすごい。
    難しい本も含まれているけど難しいことは書かれておらず、でも読み応えがある本。

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    2026年02月04日