津村記久子のレビュー一覧
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限界会社員小説。
パワハラで前職を退職し、単純作業をする現職に勤めるナガセが、掲示板に貼り出されたピースボートと思われる世界一周旅行のポスターを見て、自分の年収と同じ163万円を貯金しようとする話。友達と遊びに行っても、友達を助けてもずっとその交通費や食費を計算し続けるという、馬鹿らしいようで、現代っぽくて切実な感じが胸に来る。どこか現実との接触の実感が乏しい感じがよく出ている。2009年芥川賞受賞。
併録されている「12月の窓辺」は、著者もインタビューで答えていたが、パワハラにあった職場の実体験に基づく話。読んでて辛くなるが、どこか滑稽さもある。どこか憧れともゲームの背景のやうな非現実とも思 -
Posted by ブクログ
疲弊しきって前職を辞めた主人公。紹介された仕事は仕込まれたカメラからの映像を監視し、密輸品を見つけること。監視しているうちに対象者の小説家の好みや行動パターンがわかってきて…
5話の連作短編集。各話の1ページ目がその話に出てくる登場人物のイラスト+題名になっていて、その不気味な表情が何とも言えない不思議な気分にさせてくれます。
各話で仕事を辞める決断をするので、今度はどういったことが起きて、どんな形で辞める決断をするのか、ちょっとした謎解きを含めてドキドキしながら読んでいきました。
どれも、辞める理由にうんうん、と頷きたくなります。
主人公の一人称で描かれていて、ちょうどいい力の抜け具合が -
Posted by ブクログ
ネタバレAudible
1981年から10年おきに舞台が変わる。著者はちょうどコロナ禍のウィルスの収束が見えない時期に執筆したとのこと。
既に、遠い昔のように感じてしまうが、コロナウィルスと同じように、どうしようもない閉塞感、人生の重さを抱える人物が多く登場する物語。
18歳の高校生は短大に進学予定だった。しかし、母親が婚約者が事業の資金が足りないとのことで、短大の入学金を渡してしまったことで、進学できなくなってしまう。
その婚約者は彼女の家に入り浸るようになり、妹を追い出したり、食事を与えなかったりするようなことがあった。
18歳の少女は8歳の妹を連れて、住居を提供してくれる蕎麦屋で働くことに