津村記久子のレビュー一覧
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淡々とした日常の描写になかなか進まなかったけれど、徐々に心に染みてくる感じ。読後感はとても良い。もう一度読みたい。洋楽や洋画の話が出てくるので、聴いたり、観たりしたくなる。
姉妹や主に若者の登場人物の成長の記録で、その時間の経過のなかで老いたり、旅立ったりする人もいる。仕方のないことが起きて、切ない。現代の問題、ヤングケアラー、高齢者問題、震災、不登校が挟まれている。家族の繋がりに依存しない、他者の親切により成り立つこと、素敵だと思う。自分は誰かの役に立ちたいと思うから、たまには機会があれば誰かの親切に甘えてみてもいいのかも。
ネネにいつまでも元気でいて欲しい! -
Posted by ブクログ
最初は頭の端でずっと怒ってた。
母親の婚約者が文句なしのクズで、
その婚約者を止めようともしない母親に腹立って。
どんな理由があっても子供が優先でしょうに、
って思ってたけど、物語が2011年まで進んだ辺りで、
母親も余裕がなくて辛かったのかもしれない、
って思い至った。
離婚して一人で頑張ってきた母親も限界だったかも。
だからって子供の進路を妨げたり、
手を上げたり追い出したりしていい理由にはならないんだけど、離婚じゃなくて、災害とかが原因で一人で頑張らなきゃならなかった母親に、子供が優先でしょう!なんて偉そうな事は言えないなって。
世代的には律が近いんだけど、
第一子長女なので、理佐の方 -
Posted by ブクログ
限界会社員小説。
パワハラで前職を退職し、単純作業をする現職に勤めるナガセが、掲示板に貼り出されたピースボートと思われる世界一周旅行のポスターを見て、自分の年収と同じ163万円を貯金しようとする話。友達と遊びに行っても、友達を助けてもずっとその交通費や食費を計算し続けるという、馬鹿らしいようで、現代っぽくて切実な感じが胸に来る。どこか現実との接触の実感が乏しい感じがよく出ている。2009年芥川賞受賞。
併録されている「12月の窓辺」は、著者もインタビューで答えていたが、パワハラにあった職場の実体験に基づく話。読んでて辛くなるが、どこか滑稽さもある。どこか憧れともゲームの背景のやうな非現実とも思 -
Posted by ブクログ
疲弊しきって前職を辞めた主人公。紹介された仕事は仕込まれたカメラからの映像を監視し、密輸品を見つけること。監視しているうちに対象者の小説家の好みや行動パターンがわかってきて…
5話の連作短編集。各話の1ページ目がその話に出てくる登場人物のイラスト+題名になっていて、その不気味な表情が何とも言えない不思議な気分にさせてくれます。
各話で仕事を辞める決断をするので、今度はどういったことが起きて、どんな形で辞める決断をするのか、ちょっとした謎解きを含めてドキドキしながら読んでいきました。
どれも、辞める理由にうんうん、と頷きたくなります。
主人公の一人称で描かれていて、ちょうどいい力の抜け具合が