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Posted by ブクログ
住宅地の路地にある10軒の家。住んでいる人や構成は様々な人たち。その住宅地の近くに、横領の罪で捕まった女性が刑務所を脱走し近くにいるかもしれないという情報。そこから住宅地の人たちは協力して見張りをすることに。そうしていくうちに見えてくるそれぞれの家庭の事情や知らなかった家族の一面。女性はなぜ脱走したのか、その真実が見えてくると同時に住宅地のなかの見え方も変化していく。つまらない住宅地が少しいいものに思えてくるようなラストもいい。
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路地をはさむ10軒の家の住人たちのお話。
一見幸せそうに思えても、外からはわからない悩みや秘密、問題を抱えていて、不完全ながらも淡々と生活している住民たち。
お互いがその秘密を何となく感じながらも首を突っ込んだりせず、それでも手をさしのべたりする関係性がいいなぁ、思ってしまった。
Posted by ブクログ
最初は、かなり登場人物の把握に苦労しました。読み終えると、様々な負の感情や歪んだ欲求がギリギリのところで解消されホッとしました。一人一人は、さまざまな一面があることを確認できた作品でした。
Posted by ブクログ
登場人物多くて区別がつけられないかと思ったけど、ある程度説明があって分かるので、あまり気にしないことにして読み進めたら、どんどん面白くなった。
逃亡犯の逃げ方、実際に逃亡犯に聞いたのかと思うくらいスリルある。あんなに必死で逃亡してきた結果呆然としているのにサラッと病室からりんごを盗むこととか、紙を食べるところとか。
犯罪するような人に見えない、と言われるような地味な人が犯罪をやり遂げるギャップが怖い。
思考が怖いよ。
個人的には自分と重なるからか子なし共働き夫婦が好き。
お互いのこと、ちゃんと理解してる感じ。
あと松山さん。明るいおじさん。ムードメーカー、根明、賑やかな感じ。現実世界には居そうで居なさそうだけどなんか想像できる。
子供がオンラインゲーム上の相手の家を特定していく場面、大体悪いことに繋がるからヒヤヒヤしたけど、こういういいエンドもあるんだなーと思った。
祖母〜〜。悪なんだけど、家を守るための悪か。
必死に生きてきただけです、って
仕方なかった、って言ってるようなものだよね。
でも本当にそうするしかなかった、っていうのも伝わる。
孫にめっちゃ冷静に分析されている。
この住宅地はつまらないかもしれないけど、平和で、悪い人はいないんだな。
家の中にいると、一人で悶々と悩んだり、家族をうっとうしく思ったりすることはあるのかもしれないけど。
話してみるといい人だった、とかよく言うけど、
こういうことなのかな。
それがいい方向に進んでいくのが良かった。
いろんな伏線?や細かいつながりがあったと思うけど、読み返すのはちょっと大変かなと思ってできずにいます。
Posted by ブクログ
読み始めは、登場人物が多すぎるし場面の切り替わりも多いしで、頭がついていけず、混乱してしまったけれど、次第に没頭するように読み進めてしまった。
登場人物全員が、自分の身近にいそうな、いかにも平凡なキャラなはずなのに、描写が具体的で、平凡に見えて個性が立っているからか、途中からは巻頭の説明書をいちいち見返すことなく、すいすいとページをくるのを止められなかった。
まるで自分もこの住宅地の一角に住んでいて、一部始終を観察しているかのような感覚。
よくありそうな、平凡な、でも皆、それぞれの人生を生きている…
読み終わった後、なんとも言えないほっこりした気持ちになった。
隣近所の人と関わる事がどんどん減っている今だからこそ、新鮮であり懐かしい、そしてちょっと羨ましくもなる、そんな作品だった。