津村記久子のレビュー一覧

  • まともな家の子供はいない

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    苦しい読書だった。読んでいる間は家族の悪夢を見る程。「まともな家」の子どもではない側の人間なので、登場人物たちの苦しみをダイレクトにくらった。ダメージをくらうということは、この物語には問題のある家庭が抱えた、共通する核心が描かれているのだと思う。楽しくはないが優れた読み物だと感じた。
    読み進めていく内に果たして「まともな家」など存在するのか?という疑問が表出してきた。
    意識的にか無意識的にか、おかしなことがあっても気付かぬフリをする子どもや親にとっては「まとも」なのかもしれない。でも「まともじゃない」と気付いて確信してしまったら最後。後戻りはできないんだろうと感じた。
    思春期特有の、という感想

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    2026年08月30日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    久しぶりに当たりの本に出会えた
    40年に渡るしゃべれる鳥ネネと小3から親元を離れて姉と新天地で生きていく律のストーリー

    律が中年になるまでに色んな人達と出会って別れて
    の事件らしい事件も起きないんだけど
    なーんかほっこりする朝ドラを読んでるような小説

    ネネは、ヨウムと言う鳥で寿命も40年とか
    カラスは7年と聞いていたから、かなりの長寿の
    鳥になるんだろう
    ネネがこの小説の要になるキャラだけども読んでいくに従い感情移入してしまう
    40年のロングな時代背景なので、その時々の文化も違うところがまた興味をそそる
    また、ネネが音楽?が好きなので、洋楽の色々な
    曲だったり、洋画の作品が垣間見れるところ

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    2026年08月29日
  • 水車小屋のネネ

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    ネネの周りの人にはとにかく幸せになってほしいと思う。セリフが絶妙に素敵で、背伸びしすぎず人間味が感じられた。

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    2026年08月29日
  • 水車小屋のネネ

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    こどもにとっての良い大人になりたいと、ずっと思っています。
    この物語には、私が憧れる大人がたくさん出てきます。40年の年月を経て、良い大人から、善意受け取ったこどもたちが、また、成長し、良い大人と育っていく姿がとてもキラキラ見えました。
    人生の良い流れをつかんでその流れの中で自分にとっての幸せをつかんでいく姿に、読み手の心も優しくなる気がしました。
    そして、物語の癒しである、おしゃべり上手なネネが長生きしてくれて、本当に良かった。ネネを中心にたくさんの素敵な人が集まり、つながりを持って次の世代へと受け継いでいく、今の時代に難しいことを、善意だけの関係で繋いでいく様に心が洗われるような、気持ちに

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    2026年08月26日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    船引町の灯籠流し花火大会に電車に乗って行く。とにかく歩いて みる場所を天瑞に待てど暮らせど流れない 上流で引き上げているらしく移動するが天瑞にはたくさんのお年寄りが座っている 上流で見れたが花火大会も始まって 段取り悪いし嘘の情報天瑞言うし、冷めためちゃくちゃ冷めた 母親と来ようと探索したがもう来ない 帰りの電車最終21:05がなんと1両 舐めんなよ ギチギチ。アナウンスも本日は申し訳ございませんでした おいそれで終わりかい。
    読み応えあり過ぎて 章も考えてて 理佐と律と こんなに育つのかと驚く コロナに震災にあーいう書き方も初めてだし、良いと思う

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    2026年08月23日
  • ポトスライムの舟

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    自分の1年間の労働の対価と世界一周旅行の値段が同じ、という事を、自分の労働の価値に繋げていくのが美しいと思った。意味ではなく、価値。実際に世界旅行に行くわけではない、という事に意味がある話だな、と。世界にバズってる商品の工場で働いているとか、飛行機の部品の工場で働いているとか、そういうことではなく、仕事に世界と繋がる意味を持たせる事に意味がある、みたいな。自分の仕事の意味を、自力で世界に繋げていく。労働を一年分、すなわち世界を見た、と捉える。そういう意味で、発給のかわり映えのないライン作業の仕事を肯定する。
    世界旅行が遠のく事を意識しながらも、りつ子に電車賃を貸して、母にランチをおごって、雨水

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    2026年08月23日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    物語は理佐が妹の律を連れて親元を離れるところから始まる。長い小説の中で描かれている関係のほとんどは親以外の良心的な大人たちと若者の交流。律は今まで大人たちから受け取ったバトンを次の世代につないでいく。

    理佐のことを真剣に心配してくれる大人の一人一人の態度と行動にいちいち泣きそうになってしまう。
    親から子に受け継がれる遺伝子のように、たとえ血の繋がらない関係であっても身近な人間の良心や勇気は自分の血肉になる。そうして育って今まで受け取ってきたものは、自分の子どもでなくとも周りにいる若い人たちに還元することができる。そんな風に生きられたらいいな。
    持たざるものであることを心から肯定してくれる、救

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    2026年08月21日
  • 水車小屋のネネ

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    良心、誠実、受け取ってきたものをつなぎたいという気持ち、そんなものが随所に溢れていて、清々しいというか、そうだよな私もこう生きたいんだよな、と思えるお話でした。読んでよかった〜!!


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    2026年08月21日
  • 水車小屋のネネ

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    ネタバレ

    18歳の理佐と8歳の律が姉妹ふたりで暮らし始めることとなり、水車小屋に住むヨウムのネネと町の人たちとの交流を40年間にわたって描いた物語となっている。
    第一章では、18歳の理佐がどうしようも無い母親の元から妹の律と共に去り、妹を養いながら新たな町で生活していく。まだ学生であったり親の庇護下に置かれているのも一般的である年齢の理佐が、妹の事だけを一心に考えて働き、共に生活しているところに胸をうたれた。理佐にも行きたい学校、やりたい事があったにも関わらず、妹にはやりたい事をさせてあげたいという気持ちを持つことは簡単なことではないだろう。少し大人びた律がやっぱりまだ8歳の可愛い妹なのだと実感するとこ

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    2026年08月18日
  • 水車小屋のネネ

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    ボリュームのある内容だったが、一章ごとに十年が経過していくのでさくさくと読むことができた。血の繋がり関係なく、生きていく上で人を助けることがいかに大切かということを考えさせられる一冊だった。終盤の律の心の中の表現が良かった。血が繋がっていなくても、誰かの心の中に生き続けることはできるし、良心を持って助けてくれた人たちの集合体が自分。挿絵集もぜひ読みたい。

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    2026年08月17日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    津村記久子さんを読むのは4冊目。
    今まであまり読んでいないが、読んだ本はどれも不思議な面白味があった。
    今回もまた得も言われぬ味わいがあるお話だった。

    身勝手な母親から逃れ山あいの町で暮らし始めた理佐(18歳)と律(8歳)。姉妹とその周囲の人たちの40年を描いた物語。
    10年ごとに区切られた話では、人々の出会いと別れがあり、過剰にならない人間関係が紡がれ、小さな善意とそれを素直に受け入れる感謝の日々が描かれる。
    蕎麦屋の守さん浪子さんと水車小屋の喋る鳥・ネネ、絵描きの杉子さん、理佐のバイト先の先輩の光田さん、律の同級生の榊原さんや園山くんの親子、担任の藤沢先生、水車小屋で働くことになる聡、律

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    2026年08月17日
  • この世にたやすい仕事はない

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    この本に収録されてるおかきの仕事は別のアンソロジーですでに読んでたわ(お仕事関係のアンソロジーやろな)。

    前置きも脈絡もなく話が始まる仕立てに慣れれば楽しい。
    著者の書き方がこういう感じなのかな?
    (最初は戸惑った。笑)

    主人公(名前出てたっけ?)は社不おように書かれてる(? たぶん)けど、めちゃくちゃまじめな社畜なんやなと思う…。

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    2026年08月13日
  • 浮遊霊ブラジル

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    作者が高校の同窓だと知り、読んでみた。
    同窓と言っても、20期も離れているが。。。

    短編集で、会話文が少なく、読み始めは、うっ!ガルシア・マルケス再来か!と身構えたが、各編主人公の心情が溢れる文面に、肩の力みを抑え込んでくれる心地よさに惹き込まれた。

    力まずに読めた理由は、しばらく読み進めないと主人公が男性なのか女性なのか、はたまた死んだ後の魂なのか、わからないところかな。

    地獄というありえないシチュエーションで、作者の頭の中で独り言のように目まぐるしく繰り出される描写、きっと作者は現世では口数が少なくて、そのぶん頭の中はしゃべくりで溢れてるんやろうな、と。。。
    あ、まだ生きてる方だった

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    2026年08月10日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    家族ではない人との繋がりの連鎖が本当に優しく心温まる物語。
    ネネが可愛すぎる。ヨウムってほんとにこんなに賢くて会話できるの?
    物語の章が10年単位で、10年後どうなってるの?
    と楽しみだった。
    いろんな困難はあるけど人に優しく親切にすることで自分も豊かな人生を送れるんだなぁと思わせてくれた。

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    2026年08月04日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    とにかく心が温まる本当に素敵なお話だった。

    でも今の自分はちょっと疲れてて、
    この人たちは善意だけで生きてるわけじゃないだろうと思ったりしたけと、
    きっとそういうことも全部ひっくるめて折り合いをつけながら生きてるんだろうなと思い直した。

    ネネの存在がとにかく愛おしくて、唯一無二。
    人と人を繋げて、自分(ネネ)もその輪に加わって生きている。
    出てくる人もみんな心が優しくて、
    人生とは人との繋がりであることを教えてくれる。

    間違いなく今年ベスト5には入る作品でした。

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    2026年08月02日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    ネタバレ

    人の温かさ、優しさ、愛情に触れることのできた素敵な本でした。
    律が自分は周りの優しさに育ててもらったという実感から、自分の周囲の困っている人たちを支えることを使命にする姿。とても自然には思えたけど、律のやりたいことをやれているか少し心配になる時もあった。
    でも藤沢先生の「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」という言葉を受けて、ああ、人に優しくすることはきっと自分にとっても素晴らしいことなんだろうなと思った。

    いま私は東京に住んでいて、困っている人を助けるという文化はあまりない。
    自分のことでみんな精一杯で、他人と関わることを避けている。
    でも他人と関わり、親切にすることは、自

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    2026年08月02日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    全体的に長かったでしたけど、飽きることなく読み進めました。本が友達という視点が面白かったり、色々な人との出会いや関わりが良かったです。

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    2026年08月01日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    素晴らしい、もう一度読みたい言葉の数々に感じ入り、滅多にやらない付箋貼りでページが膨れてしまった。
    帯にある「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」しかり。たくさん。

    話のはじまりの1981年に理佐さんが18…ということは私と同い年。私が子供過ぎて比較もできないほど彼女は理性的で肝が座りおおらかだが、確かな当時の空気感があった。

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    2026年07月26日
  • 枕元の本棚

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    津村さんは本当にいろんなジャンルの本を読んでいるなあ。そして、人と違った部分に興味を持つというか、着眼点が面白すぎるし解像度が高すぎる。基本ポジティブな受け取り方をしているところも良い。
    そして津村さんが読んできた本が彼女のの作品に取り入れられているのがよく分かる。
    そのままを小説化してるのではなくて、本を読んで受け取った内容やテーマを自分なりに解釈し自作品に取り入れてうまく展開させているのがよくわかる。「ケアの論理」の本が「水車小屋のネネ」の下地になってるんですね。

    最後のスポーツ関連の本の紹介は、私があまりスポーツに興味がないのでどうかな…と思っていたが、読むとやはり面白かった。スポー

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    2026年07月26日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    ずっと仄暗い。今にも大嵐が来そうなくらい、雰囲気がずっと暗い。というか重い。話の重さ的にその雰囲気は間違いではないんだが、暗さだけでなく、肌がじっとりと湿るような、息苦しくなるような湿度を感じる。話の中身自体は理解できるが、この物語がどんな着地を見せるのかがずっと見通せず、良い方向と悪い方向のどちらにも行く可能性があり、その不安定さに惹きつけられる。

    ホリガイは彼女が持つ人間関係の中で、強き者に虐げられる場面が多い。だが、虐げられるだけではなく、それがあまりにも理不尽な時には立ち向かっていく強さを持っている。一方で、優しい人に対してはすごく弱い。強くて弱い、弱くて強いということは、彼女が優し

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    2026年07月20日