津村記久子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
津村記久子さんの小説を読むのはこれで3作目。面白かった。以前に読んだ作品の表紙や挿絵が『ポテン生活』でお馴染みの木下晋也さんだったのですが、本作も文字どおり『ポテン』なお仕事・生活の話を中心に、タイトル作の『とにかくうちに帰ります』でも人間ってなんかいいなと思わせてくれる素敵な話ばかりでした。
田上さんの
・どんな扱いを受けても自尊心は失わないこと。またそれを保っていると自分が納得できるように振る舞うこと。
・不誠実さには適度な不誠実さで応えてもいいけれど、誠実さに対しては全力を尽くすこと。
は自分も壁に貼って毎日復唱したい。
しばらく自分の中で津村記久子ブームが続きそうです。 -
Posted by ブクログ
心温まる小説でとても良かった。日常的なストーリーで単調そうではあるけど、10年ごとに場面が変わることもあり、先を楽しみにしながら読み進められた。第一話(1981年)はほんま辛い。。。お姉ちゃんまじで頑張った。
時代とともに環境は変わる。去り行く人がいて、来たる人がいて、そこに居続ける人がいる。受けた御恩を、また誰かに与えて、繋いでいく。そんな人達の周りには、同じように徳のある人が集まっていくような。
藤沢先生の言葉も好き
「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」
人生なんてあっという間やし、みんな一生懸命生きてるんに。心の在り方を正された気がする。 -
Posted by ブクログ
18歳、法律上は成人とみなされる。
進学や就職で親元を離れ、新生活を始める人もいるだろう。
でも、主人公の理佐の場合は、とんでもない新生活の始まりだった。
母親、そしてその婚約者、(登場人物の名前が無くてちょうど良い)なんてひどいことを。
子供が辛い思いをするのは、とんでもなく胸が痛い。
8歳の妹、律の保護者をしながら、働いて働いて・・・
ハラハラしながら、ガンバレ~と応援しながら読み進めた。
なんといっても、ネネの存在が人々の心を繋げてくれた。
そして、浪子さんが鳥アレルギーで、よかったw
久々の長編物だったが、姉妹の成長をずっと見守っているような気分だった。
「誰かに親切にしなき -
Posted by ブクログ
涙あり、心が浄化される物語。
それぞれが周囲のことを思って支えて、そして支えられた側もそれに応えた行動を何かしらの形でして、良い循環が生まれるという理想的な社会。
ネネという存在がいたからこそなのかもしれないけれど。
生活が苦しいとき、自分のことを優先することが幸せなのかなと考えてしまったけど、周りの幸せや成長を支えることで自分の人生がさらに豊かになるんだなということがわかった話。
コロナを経て、人との繋がりの大切さが感じられたからこそ書かれた話なのではないかと思った。
あとがきに、コロナ禍だけどウイルスのことを考えないで書けたことに幸せを感じたとあって、作者の人柄にも惹かれた。
自分を大切に -
Posted by ブクログ
「親切」って、もしかしたら「筋肉」みたいなものかもしれない。使わないと衰えるし、使いすぎると疲れちゃう。でもこの本に出てくる人たちは、みんなちょうどいい筋肉の使い道を知ってる気がする。
大きな事件は起きないし、世界がひっくり返るわけでもない。でも、「誰かが誰かをちょっとだけ助ける」ってことが何年も続くと、それはもう奇跡と呼んでいいのかもしれない。
読み終わったあと、あの日レジでおまけしてくれたおばちゃんのこととか、うっかり道を聞いて助けてくれた人のことを思い出した。私はたぶん、そういう「誰かの気まぐれな善意」の集合体でできている。
#水車小屋のネネ #津村記久子 #小説