津村記久子のレビュー一覧
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津村記久子さんを読むのは4冊目。
今まであまり読んでいないが、読んだ本はどれも不思議な面白味があった。
今回もまた得も言われぬ味わいがあるお話だった。
身勝手な母親から逃れ山あいの町で暮らし始めた理佐(18歳)と律(8歳)。姉妹とその周囲の人たちの40年を描いた物語。
10年ごとに区切られた話では、人々の出会いと別れがあり、過剰にならない人間関係が紡がれ、小さな善意とそれを素直に受け入れる感謝の日々が描かれる。
蕎麦屋の守さん浪子さんと水車小屋の喋る鳥・ネネ、絵描きの杉子さん、理佐のバイト先の先輩の光田さん、律の同級生の榊原さんや園山くんの親子、担任の藤沢先生、水車小屋で働くことになる聡、律 -
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作者が高校の同窓だと知り、読んでみた。
同窓と言っても、20期も離れているが。。。
短編集で、会話文が少なく、読み始めは、うっ!ガルシア・マルケス再来か!と身構えたが、各編主人公の心情が溢れる文面に、肩の力みを抑え込んでくれる心地よさに惹き込まれた。
力まずに読めた理由は、しばらく読み進めないと主人公が男性なのか女性なのか、はたまた死んだ後の魂なのか、わからないところかな。
地獄というありえないシチュエーションで、作者の頭の中で独り言のように目まぐるしく繰り出される描写、きっと作者は現世では口数が少なくて、そのぶん頭の中はしゃべくりで溢れてるんやろうな、と。。。
あ、まだ生きてる方だった -
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ネタバレ人の温かさ、優しさ、愛情に触れることのできた素敵な本でした。
律が自分は周りの優しさに育ててもらったという実感から、自分の周囲の困っている人たちを支えることを使命にする姿。とても自然には思えたけど、律のやりたいことをやれているか少し心配になる時もあった。
でも藤沢先生の「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」という言葉を受けて、ああ、人に優しくすることはきっと自分にとっても素晴らしいことなんだろうなと思った。
いま私は東京に住んでいて、困っている人を助けるという文化はあまりない。
自分のことでみんな精一杯で、他人と関わることを避けている。
でも他人と関わり、親切にすることは、自 -
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津村さんは本当にいろんなジャンルの本を読んでいるなあ。そして、人と違った部分に興味を持つというか、着眼点が面白すぎるし解像度が高すぎる。基本ポジティブな受け取り方をしているところも良い。
そして津村さんが読んできた本が彼女のの作品に取り入れられているのがよく分かる。
そのままを小説化してるのではなくて、本を読んで受け取った内容やテーマを自分なりに解釈し自作品に取り入れてうまく展開させているのがよくわかる。「ケアの論理」の本が「水車小屋のネネ」の下地になってるんですね。
最後のスポーツ関連の本の紹介は、私があまりスポーツに興味がないのでどうかな…と思っていたが、読むとやはり面白かった。スポー -
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ずっと仄暗い。今にも大嵐が来そうなくらい、雰囲気がずっと暗い。というか重い。話の重さ的にその雰囲気は間違いではないんだが、暗さだけでなく、肌がじっとりと湿るような、息苦しくなるような湿度を感じる。話の中身自体は理解できるが、この物語がどんな着地を見せるのかがずっと見通せず、良い方向と悪い方向のどちらにも行く可能性があり、その不安定さに惹きつけられる。
ホリガイは彼女が持つ人間関係の中で、強き者に虐げられる場面が多い。だが、虐げられるだけではなく、それがあまりにも理不尽な時には立ち向かっていく強さを持っている。一方で、優しい人に対してはすごく弱い。強くて弱い、弱くて強いということは、彼女が優し -
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身勝手な母親(と、その交際相手)から離れ、田舎の町で暮らし始めた姉妹の40年にわたる物語。
この長編をひとことで表すと、“恩送り”の物語。
恩を受けた人に返す「恩返し」ではなく、自分が受けた恩を次の誰かに向けて与えていく“恩送り”という言葉がぴったりな気がする。
文中である人物が口にする
「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」
というセリフが特に印象的で、この作品を通じて作者が伝えたいメッセージなのかなと感じた。
全500ページの長編だが、読後感がとてもよい。
人にやさしくしようって気持ちになる。
あと、無性に蕎麦が食べたくなる(笑) -
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2026.7.16
穏やかに進む、姉妹と周りの方、そしてヨウムのネネの生活(人生?)のお話。
18歳の理佐が入学金を母親に使われ、母親の彼氏に虐待を受けている8歳の律を連れて生活していく。
ネネを取り巻く人たちがみんな親切で温かい生活だった。ネネ、賢くてかわいくて大好き。会話してみたい。
周りの優しさで生きてきた律がそれをまた周りの人に還元していくのが素敵だった。それを考えていると研司くんが東北に行くとき、泣いてしまいそうになった。
“自分はおそらく姉やあの人たちや、これまでに出会ったあらゆる人々の良心でできあがっている。”
“自分が元から持っているものはたぶん何もなくて、そうやって出会っ -
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身勝手で理不尽な母親と母親の男から、逃げるように家を出る決心をする理沙。
妹の律に「一緒に来る?」と声をかけ、
18歳の理沙と8歳の律は家を出て ふたりで暮らし始める。
見つけた仕事はお蕎麦屋さん。そこにはネネという名の大きな鳥がいて
その世話もすることになった。
お蕎麦屋さんでのふたりの暮らしがはじまり、
心優しいお蕎麦屋さんの店主夫妻、律の学校の先生、
律の友達、保護者さん、あとからやってくる元音大生、
ひょんな事から知り合う中学生、
理沙と律をとりまく人間たちがとても温かく寄り添ってくれている。
ネネがみんなをつなげるキーパーソンになっているよう…。
10年ごとに章が区切られているから、