津村記久子のレビュー一覧

  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

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    世界文学の名作ばかり、というセレクションではない。勿論カラマーゾフもボヴァリー夫人も出てくるが、児童文学やSF、ミステリーも結構ふんだんに盛り込まれているので、多様な本好きに訴えるものがあるはず。
    基本褒めるが前提の書評でそこはプロの筆なのでどれもこれも面白そうに感じ手に取りたくなってしまうが、よく読めば著者自身がはまった本とそれ程でもなかった本は何となくわかってくる。問題は自分自身と津村記久子の好みの違いがどの辺にあるか、これがなかなか判定が難しいところで、津村記久子の著作が好きでも読む本の好みまでが一致するとは限らない。既読の本の評があればまずそれを読んでみる、あるいは好きな作家がいればそ

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    2026年09月01日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    ネタバレ

    優しさの連鎖の話。家の環境が悪くて家を出て行った18歳と8歳の姉妹が新しい土地で周りの人に助けられながら生きていく話。最後2021年だから40年間の話になるのかな?先生や蕎麦屋の夫婦からもらった優しさを姉妹が周りの人に分け与えて、周りの人もその周りの人に優しさをあげるって感じだな。蕎麦を食べたくなり、人に親切にしたくなるなあ。

    実際には優しさを受けても周りに返せない人もいるし、嫌な人もいるから、こんな小説みたいにはいかないよなと思いつつ(自分も貰うばっかりですごめんなさい)、みんな優しさを一歩踏み出していこうねって思えるので、とりあえず日本全国の人が読めば良いと思った笑

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    2026年08月30日
  • うどん陣営の受難

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    4年に1度、会社の代表を決める社内選挙。そんな会社あんのか?とまず思う。しょうもなくて笑えるそれなりの派閥争い、陰湿な駆け引き、社員達の温度差。薄い1冊の中に変なリアルがぎゅっと詰まってる。あぁこれぞ津村さん。当事者にはなりたくない笑

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    2026年08月30日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    読んでいる途中は、なにが書きたいのかいまいち伝わってこなかったのですが、読み進めていくと・・・。
    このような学生生活は送っていなかったですが、送っていたかもしれないし、私の隣に座っていた知らない学生が送っていたかもしれないな。
    さすがの芥川賞作家さんでした。

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    2026年08月27日
  • とにかくうちに帰ります

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    いつもの津村ワールド!
    「わたし」と周りの同僚、上司の解像度が高い。周りをよく見て何かしら考えている人間の脳内を実況するとこんな感じなのかなあ。
    表題作の「とにかくうちに〜」は、家に帰りたくて定時退社ダッシュする会社員の話かと思っていたら、単なる帰宅の話ではなく、おうちに帰りたいのにおうちが遠い、帰りたいと切望する話でした。(残業するわけじゃないよ)
    特に「とにかく〜」はまた津村さんのテーマであるケア理論が強く出ている作品だと思う。

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    2026年08月27日
  • これからお祈りにいきます

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    神様のように崇められている「サイガサマ」。だけど、神様と呼ぶには不器用で、そこがちょっと人間と重なり、住民たちが愛着を感じるのもわかる。
    「サイガサマ」自体は変な風習なんだけど、主人公の視点や思考が繊細に書かれているから、どこか普通の日常として自分の中に入り込んでくる不思議な話。

    セキヅカとシゲルのその後も気になる。幸せになってほしいな。

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    2026年08月21日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    何か大きなことが起きるわけでもなく、でも本人(登場人物)にとっては大きな出来事であり…
    小説を読み進めるというよりは、その中の住人になり一緒に登場人物を見守っているような、そんな感覚になる。
    幸せを言葉ではないけど、幸せの意味を言葉で紡いでいくようなそんな感覚になった。

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    2026年08月18日
  • 水車小屋のネネ

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    2人の姉妹が、見知らぬ町で様々な人に助けられながら生活基盤を築いていく物語です。章ごとに時間が大きく経過するので、前章までの登場人物がどうなっているのか、ワクワクしながら読むことができました。周囲に助けられていた姉妹が、やがて周囲を助ける側になっていく点も好きです。あと会話できる鳥、ネネと登場人物のやり取りもほっこりします。

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    2026年08月17日
  • 水車小屋のネネ

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    みんないい人である、母親と義父以外。
    でもってヨウムという鳥は、ホンマにこんな会話が成り立っちゃう生き物なのだろうか。すごくないか。ちゃんと生きていく登場人物ばかりなので、むしろそっちが気になる。

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    2026年08月16日
  • 浮遊霊ブラジル

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    ネタバレ

    表題の浮遊霊ブラジルの話が特に面白かったです。
    幽霊となった後、人に憑依しながらアイルランドを目指す過程が、冒険している感じで面白かったです。老人会から始まり、ブラジルやオリンピックなど、予想できない展開が続き、惹き込まれました。

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    2026年08月16日
  • 水車小屋のネネ

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    十年刻みで話が進んでいき、その間に何があったのかは読者の想像に委ねられているところが面白い

    不幸な家庭環境で育った姉妹を、周りの人たちが少しずつ支えていく、その優しさが心に染みました

    自分の日常に物足りなさを感じるのは、他人に対する親切が足りないからなのかな、と考えさせられました

    その時代に流行っていた音楽や映画が出てくるのも良くて、物語と一緒に時代の空気まで感じられる作品でした

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    2026年08月13日
  • 現代生活独習ノート

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    ど頭の一文に心を掴まれて購入。
    初めて読んだ津村記久子作品『この世にたやすい仕事はない』に通ずる、世にも奇妙な物語的な雰囲気漂う短編集だった。

    好きな章は「レコーダー定置網漁」「現代生活手帖」「粗食インスタグラム」「メダカと猫と密室」。
    丁寧な暮らしや人に語れるような生き方とは程遠い人生を送りながらも、最後はほんのちょっとだけ世界が動いたような感覚で終わるところが良かった。

    何にもなくてもいい(たまには何かあるかもね)くらいのゆるいスタンスで生きていきたい。

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    2026年08月12日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    主人公とその周囲の人たちの日常を40年間書き記した物語。人と人との繋がりとか、周囲の人のさりげない優しさとか、その優しさが受け継がれていく様子とかが描かれていて、派手さはなくともよい本でした。

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    2026年08月09日
  • 水車小屋のネネ

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    大学進学の費用を母親が恋人のために使ってしまう。その時、妹が母親の恋人から虐待を受けていることを知り、高校を卒業したばかりの少女が妹を連れて自立しようと旅立つところから始まる。
    この2人の少女と取り巻く人たちの人生を描かれているが、その中心にはいつも、ヨウムのネネがいる。
    賢く可愛いヨウムのネネを世話をする?相手をする?遊んであげる?そんな感じで色々な人たちが関わってくる。
    恵まれない家庭環境にいながら、たくさんの人たちに助けられて、たくさんの幸せを掴んでいく。
    そして自分たちがもらったたくさんの助けを他の人たちにも与えようとする。
    ネネの周りの温かい連鎖。とても素敵なお話でした。

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    2026年08月08日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    ネタバレ

    京都の大学舞台の、卒業手前の女の話。
    同級生河北の彼女のアスミを泊め、河北は彼女が腕を傷付けていると告白し、適当なことしか返せないわたしにキレる。アスミの授業に代わりに出ることを頼まれ、そこでイノギと出会いノートを貸す。
    一方わたしと一度だけ飲んだ穂峰が自殺したことを同級生吉崎から聞く。彼は行き場のない少年を匿って警察に捕まりかけたことがある。一方わたしが公務員の福祉課に就職したのは昔ニュースで見た行方不明になった男の子を探すため。
    イノギと仲を徐々に深めるが、一緒にいるときに河北から電話がありアスミの腕を切ったという。わたしはイノギとともに救急車を呼ぶ。
    イノギはわたしとセックスをした夜、中

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    2026年08月07日
  • まともな家の子供はいない

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    暴力や虐待があるわけではないが、まともではない家。そういう家ってたくさんあるんだと思う。孤独な家庭環境で、必死で生き延びて、成長していく子どもたちは、ほんとうに頑張っている。

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    2026年08月07日
  • この世にたやすい仕事はない

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    真っ直ぐに「仕事」に取り組む主人公が素敵だと思った。少々不気味さを漂わせる場面もあったが、毎話読み終わるときにはじんわりと心があたたかくなった。

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    2026年08月05日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    ネタバレ

    震度4の地域であんな空気感だったろうか…?と、つまらないところに引っ掛かり、そうなると所々の誰の描写か分からない文章にもいちいち立ち止まってしまい、終盤はやたら時間が掛かって…それが星一つ減らした理由。

    それ以外は好きな世界観でぐいぐい読んだ。
    登場人物がそれぞれ傷を持ちながらも前向きで気持ちが良い。
    そして律の賢さに色々学びを得るところがある。
    余計な口出しをしない。でも無関心な訳ではないからこそ最終的に自習室を開くところに辿り着く。幼少期から常に色んな事を感じ取り、周りに感謝しながら成長した証だと感じる。受けた親切をきちんと血肉にしているのがいい。
    そして姉夫婦。
    このところ毒親が出てく

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    2026年08月05日
  • 水車小屋のネネ

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    とても読みやすい素敵な物語でした。
    自分自身も小説の中にいるような、
    同じ目線で感じたり考えたりして楽しめました。
    押し付けじゃない優しさや悲しみが、じんわりと心に入り込んできて、登場人物の成長も嬉しかった。

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    2026年08月04日
  • 現代生活独習ノート

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    身の丈に合わない難しすぎる本にようやく踏ん切りをつけて、楽しみのための読書として手に取った。全8遍の短編集で、タイトルの通り現代生活の一コマをいろいろなタッチで描く作品が並ぶ。不思議なSF調のものもあれば、翻訳文学的な口調のものも。

    私は最初のレコーダー定置網漁、がすごく気に入った。苦行のような読書から解放された喜びもあってか、毎ページ滋味深く愉しみながら読んだ。

    主人公は会社で入社希望の学生のSNSチェックをくる日もくる日も続け情報の洪水に疲れ切ってしまった会社員。

    疲れすぎて何もできず、横になって延々とインスタをスワイプし続けてしまうことがある。見終わると不毛感と自己嫌悪でさらに疲れ

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    2026年08月08日