津村記久子のレビュー一覧
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ネタバレ社会人の内容であるため、読書というよりどこかテレビ見ているような感覚だった。ポトスライムの舟はなんのために働いていくのかというところが主題だと思うのだが、それは生きるためなのか、旅行行くためかなど様々であるはずなのだが、主人公は生きるために働いているのか、働くために生きているのかが上手く掴めていない社会人をよく表していると思う。しかし、163万貯金するという目標を達成したことで、そんなに張り詰めなくてもいいと気付くところは面白かった。
12月の窓辺は、パワハラが横行する会社で務める人の話なのだが、読む中で主人公が悪いのかもしれないと錯覚するようにできていて上手いなぁっと思う。パワハラする人が確実に悪いのですが。 ひょんな事で退職の決心ができ、そこから無敵の人のような行動が面白かった。多分人は確たる決心があればどんな人にも強くなれる。通り魔の話は最初理解ができていなかったが、まあその人にも何かしらの理由があるんだよなぁと思った。
総評としては芥川賞を取る作品はどことなく不穏というか、いいエンドがないのが多い印象だが、この作品は前向きになれるような作品だった。 -
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二人で暮らし始めた姉妹の人生を、水車小屋に住むネネと取り巻く人々
うーん。長い!正直な感想としては、ごめんもうちょっと話をはしょってくれません?という感じで、私はこの世界にもう一つしっかりと入り込めなかったようです。あと文体がちょっと単調というか夏休みの日記みたいなですます文体なのも気にはなりつつ。
が、過酷な人生を過ごすと思われた姉妹が(それなりに過酷ではあるが)周囲の良心にひたすら助けられ、そしてそれを周囲に返す、そんなサイクルを繰り返しながら家族ではなくてもみんながそれを受け継いで行く。劇的な大河ではないが、穏やかな川の流れのようなドラマとして、とても暖かな気持ちになりました。悪い人、怒る人、困った人などがほとんど出ない。
ただ、あまりにその、いい人しか登場しなさすぎて、「なんだか、いい人だけの国を作りたいっていう人の夢想する世界ってこんな感じなのかもな」と思って、ちょっと自分に対して嫌な気持ちになりました。もうちょっと素直に「いいなぁ」とだけ思っておくべきですよね、こういう作品は。 -
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勝手なイメージで、難しい教養小説のようなものと想像していて長らく読むのを躊躇っていた。いざ読み始めると全く違った!
文章で読ませるのではなく、情で読ませる感じで、ややヤングアダルト的でもあった。初めての作家さんなのもあってか、正直、語り手が誰なのか?主語が誰なのか?など、ちょっとわかりづらくて戸惑うこともあった。難しい表現は使われていなかったが、読むのに時間がかかった。
それでも、人の優しさに溢れていて、途中泣けてきたくらい、素敵な世界観だった。
姉妹が仲が良いのも羨ましい。親が良くなくても、家族の中の誰か一人だけでも良好な関係を築ければ幸福度や安心感はぐっと上がる。
ネネが遭難した人の名を呼びながら探すシーンは可愛らしくて大好きな場面になった。
◯誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ (小学校の先生の藤沢先生の言葉)
◯自分はおそらく、これまで出会ったあらゆる人々の良心でできあがっている
思いやりのある人々に囲まれ、助けられて来た感謝を、次はまた別の人を助けることで善意が繋がっていく。心から素敵だと思う。こんな世の中で生きられたら、誰も死にたいだなんて考えないだろうな、人の役に立ちたいと心から思える人間になるだろうなと感じた。そんな世界どこかに存在するのかな? -
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人の善意や優しさが、時を越えて受け継がれていく、あたたかい物語。
大きな事件が次々と起こる作品ではなく、物語はゆっくり、淡々と流れていく。人によっては刺激が少なく、物足りなく感じるかもしれない。
でも、その緩やかな時間の中で描かれる、人と人とのつながりがとてもいい。
そして、この物語に欠かせないのがネネの存在。
ネネがいることで、人と人との距離が少し近くなる。ネネのことが大好きな人たちが、ネネを通じてつながっていく。そのつながりが時代を越えて広がっていくのが、この作品の素敵なところだと思う。
章ごとに視点や時代が変わり、それぞれの人生が少しずつつながっていく構成もよかった。
派手さはないけれど、読み終わったあとに残るのは、静かであたたかい気持ち。
読みながら「これ、ドラマにしたらすごくいいだろうな」と何度も思った。
「人って、案外いいものだな」と思わせてくれる一冊だった。 -
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世界文学の名作ばかり、というセレクションではない。勿論カラマーゾフもボヴァリー夫人も出てくるが、児童文学やSF、ミステリーも結構ふんだんに盛り込まれているので、多様な本好きに訴えるものがあるはず。
基本褒めるが前提の書評でそこはプロの筆なのでどれもこれも面白そうに感じ手に取りたくなってしまうが、よく読めば著者自身がはまった本とそれ程でもなかった本は何となくわかってくる。問題は自分自身と津村記久子の好みの違いがどの辺にあるか、これがなかなか判定が難しいところで、津村記久子の著作が好きでも読む本の好みまでが一致するとは限らない。既読の本の評があればまずそれを読んでみる、あるいは好きな作家がいればその人のどの作品が選ばれているか、その辺りで何となく探っていくしか無い。 -
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ネタバレ優しさの連鎖の話。家の環境が悪くて家を出て行った18歳と8歳の姉妹が新しい土地で周りの人に助けられながら生きていく話。最後2021年だから40年間の話になるのかな?先生や蕎麦屋の夫婦からもらった優しさを姉妹が周りの人に分け与えて、周りの人もその周りの人に優しさをあげるって感じだな。蕎麦を食べたくなり、人に親切にしたくなるなあ。
実際には優しさを受けても周りに返せない人もいるし、嫌な人もいるから、こんな小説みたいにはいかないよなと思いつつ(自分も貰うばっかりですごめんなさい)、みんな優しさを一歩踏み出していこうねって思えるので、とりあえず日本全国の人が読めば良いと思った笑