津村記久子のレビュー一覧
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タイトルの『浮遊霊ブラジル』?何だこれ?
これはいったいどんな物語何だろう?と興味を惹かれ手に取った。
表紙の絵がタイトルに負けず劣らずでうどんの海に夜空の月のかわりにすだち?
その下には地獄の鬼が女性の足を引っ張っている。タイトルの字のまわりも最初餃子?と思ったけど耳っぽい。
「流行る芝居は外題から」という【ことわざ】もあるように読む前からバロメーターがぐんぐん上がっていく。
肝心の中身はというと、また風変わりな短編が7編。
最初はおとなしい感じの話だけど徐々にボルテージが上がり最期は天にも昇ってしまうかんじだ。
死後の世界を面白おかしく扱っていたりとうどん屋から外国、地獄へと自由で多彩な -
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今読んでいる”ポースケ”がこのポトスライムの舟の登場人物のその後の話で、しばらく読み進めたものの、ナガセの印象とポトスライムのクライマックスで感じた気持ちの感覚以外はあまり覚えておらず、一旦ポースケを置いて再読。
ポースケの中心人物たちの若かりし日々の奮闘に、今かなり歳を重ねてから、必死だった若い時の自分も思い出し、ちょっと涙がでそうに。津村記久子さんの文体はたんたんとした中に硬質な熱みたいなものがあり、クライマックスにツンとこちらの胸を突いてきて、毎回やられてしまう。流行りの職業についてる人など1人も出てこなくて、ほんとに毎日毎日働いて暮らす普通の人たちを、変に美化したり、抽象化したり、何か -
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卒業間近の大学生の日常の話
心の中にわだかまるものを抱えた女性同士が出会う
最初は何の話かわからず、全体像がつかめない
所々に主人公の諦めやら、今の状況を受け入れてる感じで話が進む
他者を力で制圧する
男性と女性、大人と子ども
力の強いものが弱いものを侵す
弱者の抗いの哀しみを
まるで
傾いて暗くなり翳りゆく部屋のような雰囲気で描きだされてるような作品だと思った
終わり方も、なんだか物語を創っていますという感じかない
自然体がよかった
津村記久子の今の作風では性的な描写が全然ないので、そういう表現があまりすきではない作家さんなんだと認識していたけど、初期の作品は結構それがあるのかな
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▼津村記久子さんの短編集。
収録作は
「レコーダー定置網漁」
「台所の停戦」
「現代生活手帖」
「牢名主」
「粗食インスタグラム」
「フェリシティの面接」
「メダカと猫と密室」
「イン・ザ・シティ」
▼津村さんはけっこう長く、もう15年くらいか、読ませていただいています。何といっても長編の最新作「水車小屋のネネ」が破格に素晴らしかったので、それとくらべちゃうとなんですが、この短編集は津村さんらしい息遣いの一冊。
▼津村さんの文章が好きなので、基本的にはなんでも其れなりには楽しめます。割と解決するのが難しい現代的な「気分」をつかもうとする作風な気もするので、当然ながら必然の結果として 「問 -
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中学生で、誰に対しても見た目だけでなく内面まで見ようとする人が、一体どれほどいるだろう。顔の印象や体格、声・髪など、一瞬で人を判別できる表層的な部分。思春期なんて、大抵そういうもので仲良くなるグループが決まっていたように思う。
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ヒロシのようなクラスメイトがいたら、中学生の頃の私は彼の人間性まで見ようとしていただろうか。小さくて地味な男子、くらいに思って、それだけで心の中で彼