津村記久子のレビュー一覧

  • とにかくうちに帰ります

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    「不誠実さには適度な不誠実さで応えてもいいけど、誠実さに対しては全力を尽くす事」
    タイトルに惹かれて読みはじめたが、『職場の作法』が良い。
    田上さんの仕事への心構えのうち1つが私の信条とドンピシャ。
    ペリカーノジュニアは万年筆の練習で使っていた(赤の軸)し、ロイヤルブルーのインクも。凄く親近感を持って、間宮さんから奪還したくなった。そこまでの件で登場するギジェルミーナと「アニータ・アルバラード的な」との発想が面白過ぎ。鳥飼さんと仲良くなりたい。

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    2026年04月25日
  • 水車小屋のネネ

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    岩井ありささんの本をきっかけに本作を読みました。

    人と人の助け合い、親切をし合う様子が描かれていて良い話でした。

    理佐と律が家を出てから生活が安定するまでのパートが一番好きでした。思わず応援する楽しさがありました。
    この感覚、どこかで味わったなと思い、振り返ってみると畑野智美さんの『神さまを待っている』と同じだ!と思いあたりました。

    それにしても、ヨウムのネネちゃんが可愛かった!
    グレーで羽先は赤色。
    しゃべったり、踊ったり、真似をしたり、歌ったり。
    実際に見てみたいと思いました。

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    2026年04月23日
  • この世にたやすい仕事はない

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    ネタバレ

    「水車小屋のネネ」があまりに良くって、こちらも読んだ。でもなんか普通にホラーじゃなかったか!?
    タイトルと表紙の感じから受けた印象と内容が割と離れてて面白かった。この人が書く主人公の、人との関わり方とか捉え方がやはり好きだな、と再認識できた。

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    2026年04月23日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    題名から予想していた通り登場人物が多い。
    はじめに町内図とそれぞれの家庭の紹介もあるけれど、結局終盤までどの家庭がどういう構成で、というのが覚えきれなかった。
    その状態でも話は楽しく読めた

    名前や家族構成くらいはわかるが、密な近所付き合いはしていないというよくある住宅地での出来事。
    住んでるあたりが脱獄犯に所縁あるので、自治会で見張りをしようと会長が言い出す。
    ここで私ならめんどくさいこと言う人だな、で終わってしまうが小説ではなんやかや近所の人みんな協力して見張を行う事で少しずつ交流が深まり…という和やかな展開でした。

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    2026年04月20日
  • 水車小屋のネネ

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    ネタバレ

    第59回谷崎潤一郎賞受賞作品。

    8歳の律と18歳の理佐の姉妹が家を出て、蕎麦屋の水車小屋にいるヨウムのネネと出会ってからの40年の物語。
    タイトルから想像した通り優しいお話でした。
    1981年から10年ごとに話が進むのですが、前の世代の人が退場していき、次の世代の人が登場してくるのは人生そのものですね。
    地の文章の視点の切り替わりがはっきりしないので、ちょっと読みづらかったけど、年を経るごとに段々話の長さが短くなっていくのも人生の様です。
    姉妹につらく当たった母親のことも年がたつにつれて同情できるように成長していくのも朝ドラみたいで良かったです。
    最期にネネも退場するかと思いましたが、ホッと

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    2026年04月11日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    大学特有の気怠い空気感、若さゆえの純粋な愛と狂気が生々しく描かれていて、まるで一本の映画を観ているようで、ぐんぐん世界観に引き込まれて一気に読んでしまった。
    最後は希望を感じさせる終わり方でよかった。

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    2026年04月07日
  • やりたいことは二度寝だけ

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    御本人もあとがきに書いてましたが、ほんとに日常のどーでもいいことが書いてあります。
    でも、作家さんっていろんなことに気づいて、こだわったりするんだな面白いなぁと思いました
    「友達がいなさそう」の考察が面白かった。
    「友達がたくさんいそう」にも層の薄さをあげつらうニュアンスがあったりもする…と言い「友達」を核にするバロメーターは業が深い。と言い切る。確かに…
    友達がいなければ、そのことへの耐性を持っているかいないかのほうが、大事じゃないかと
    人間関係は、運に左右されることも大きいのだから…
    そうだなぁ〜としみじみ思わされた。

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    2026年04月02日
  • 水車小屋のネネ

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    津村記久子さんの作品、初読みです。
    2026年初作家24人目です。

    こちらの作品は2024年の本屋大賞2位だった作品です。

    母親に、大学の入学金を婚約者のために使われてしまった、理佐と母親の婚約者から邪魔者扱いされ、それを母親も容認している律の姉妹。

    2人は母親の元を離れて自立することに‥。
    本来なら暗く辛い話になるところを、水車小屋にいるヨウムのネネが癒してくれて、優しいお話になっていました。

    家を出てからを10年ごとに描かれています。

    やっぱり1981年と1991年が面白かったです。
    そのあとはちょっと展開が少なくってなかなか読み進められずに、ちょっと焦りました(-。-;

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    2026年03月31日
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

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    頭のキレる方なのであろう。的確な表現に声をあげて笑う場面が多かった。ただやはり、文章のテンポが合わない、句読点の位置や〇〇の▲▲の××は〜という1人の人物を表す際の肩書きを正確に書こうとするあまりわかりにくい箇所が多い。お人柄や考え方自体は好きなので、文章のリズムに自分が順応さえできればという本書とはあまり関係ないところで歯噛みしていた。だが本書のおかげで興味が湧いた本がたくさんあったのは収穫だった。世界文学というなかなか手の出しづらいジャンルへの指南書。

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    2026年03月28日
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

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    小説家の小説の読み方が分かる本。
    読み手であり書き手でもある人の文章に対する琴線や登場人物への思い入れ、そして作家へのリスペクトが気持ち良い。
    自分は挫折した世界文学も何冊かあり、もう少し生きていると楽しめる日が来るかもしれない。

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    2026年03月28日
  • この世にたやすい仕事はない

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    文芸評論家の三宅香帆さんが勧めていたので読んでみた。

    この本から感じたのは
    ・今の仕事に疲れたら一旦離れる勇気も必要
    ・いろんな仕事をすると自分の傾向がわかる
    ・仕事をしない時間をずっと過ごすのもハリがなくてつまらないと感じるようになる
    ・何事も一生懸命にやれば楽しくなる(でもやはり人間関係で苦しむこともある。こればかりは選ぶことができないのがまた難しいところ)

    私は新卒で入社して今も10年以上働いている。4,5年目には転職も考えたけど、結局今の会社。転職した同僚は辞めて初めて自分の会社の良いところを知ったって人もいた。
    やりがい、報酬、人間関係、、、いろんな悩みの種はあるだろうけど自分な

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    2026年03月19日
  • とにかくうちに帰ります

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    ネタバレ

    小説というより、エッセイのような雰囲気を感じる作品でした。表題作は大雨で交通機関が止まる中家に帰ろうとする人達を描いた物語ですが、彼らの行動や会話の内容から彼らの普段の日常が垣間見えます。何かしら特別なことが起こらない日々の自分の生活も物語になり得るのだなと思いました。

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    2026年03月18日
  • この世にたやすい仕事はない

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    燃え尽き症候群のようになって仕事を辞めた30代の女性が5つの仕事に次々ついていく物語。どの仕事も珍しくて少し変わったものばかり。特におかきの袋の話が面白かった。どの仕事にもいっしょうけんめいに打ち込む様子には好感かを持てるのだが、どれもなんか変な仕事だなと現実味が乏しいと思いながら読んだ。一種のファンタジーのような要素もある。

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    2026年03月14日
  • 枕元の本棚

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    本紹介がされている本を読むのが好きだ。
    その人の好みや思考の一部を見ることができる気がするので度々手にすることがあるのだが、この本もとても面白かった。
    津村さんの淡々とした語り口や日々の暮らしを大切にしていることが分かる本紹介は読んでいてなんだかほっとした。
    津村さん自身が分からないことは分からないと率直に書いている潔さもとても好きだった。(津村さんは自分自身のことを頭が良くないと何度か書いていたがセレクトしている本や紹介文を見てとてもそうは思えなかったけれど…笑)

    この本の中で紹介されていた生活図鑑は実際に買って読んでみようと思った。

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    2026年03月12日
  • この世にたやすい仕事はない

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    ネタバレ

    少し文体が自分には読みづらいところもあったが、3話目くらいでよくこんな話の流れを思いつくなと思い、一気に読んだ。最後の喜びが大きいからこそ無力感に苛まれるのかもしれないという言葉が自分の仕事への考えにも合っていると感じた。

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    2026年03月08日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    人間は何かしらのトラウマを抱えて生きているんだろうなと思わされる
    些細なきっかけから繋がる人間関係や他人には理解しきれない関係とか、主人公はそういったことに対して寛容で、自分が分からないことについては認める冷静さがある
    思ったことをありのままに語り、考える主人公にすごく共感したし、救われる部分もあると思った
    タイトルの意味を回収した時、少しだけ安心した

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    2026年03月04日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    長編がおもしろかったので。
    短編だと少しパワーダウンするかな。世に馴染めない人のあるあるを映すのはうまいけど、その解像度の描写を見ているうちに終わり、伝わるような伝わらないようなという印象。何かの列にひたすら並び続ける「行列」がおもしろかった。

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    2026年03月03日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    住宅街の路地10軒の家の住人たち、それぞれの背景と生活模様があるが、近所づきあいは乏しく表面的な付き合いばかり。
    刑務所を脱獄した女性の目撃情報、ニュースから夜間に交代で見張りを行うこととなる。これがきっかけで団結心、よりそれぞれが少しずつつながりを見つけ出していく。

    近所づきあいは意識したことがなく、隣近所の住人たちの顔も名前もわからない。落とし物を拾って届けてくれたり、上の階で水漏れがあると差支えない範囲でできることを行う。
    ある意味特殊な関係であり、唯一の頼りになることもあると振り返る。

    登場人物が多くて、冒頭の「住宅地地図」を何度も確認しながら読み進めた。読み進めると人となりと温か

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    2026年02月22日
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

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    あとがきで、本作は文学の教養が全くない人間が書いてる的なことかいてて、タイトル的にももっと初歩の初歩かしら??と思って手に取ったんですが、私の勉強不足で全然知らない作品ばかりでした。
    読んだことある作品1.2個くらいしかなかった…
    本作ではかなりのタイトルが並んでて、1つにつき5.6ページなのでサクサク読めるかなーと思ったんだけど、意外と読み進めるのに時間がかかってしまった。

    「よい冒険小説は、読者が一切経験したことのないことを書いても、それが日常の困難と遠い延長線上でつながっているものとして人生を仮託させる」という言葉があって、冒険小説に限らず、良い小説って登場人物が突飛だったりしても、ど

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    2026年02月22日
  • 水車小屋のネネ 挿絵集

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    【目次】
    第一話 一九八一年(第1回~第109回)
    第二話 一九九一年(第110回~第187回)
    第三話 二〇〇一年(第188回~第244回)
    第四話 二〇一一年(第245回~第296回)
    エピローグ 二〇二一年(第297回~第300回)
    短編小説 一九八七年

    新聞連載は読んでいないのでありがたい。
    カラーで描き直したものもあり、見比べると雰囲気の違いが興味深い。

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    2026年02月22日