津村記久子のレビュー一覧
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人生は選択の連続だ。しかも、今の世では選択しなかった人生を、簡単に覗き見ることができるのである。比べていいことも、ほとんどない。サンプルは上から下まで幾らでもあるのだから。とても疲れる。
では、良いとされていることをすればよいのかというと、これまた大変である。憧れの生活スタイルもたくさん明示される。しかし、正しいことをし続けるのは、とてもエネルギーが必要になる。
そうなると正しい方を選び、行い続ける、というのはとてもとても疲れるということになる。だから、しょぼくてもしけててもつまらなくても、これでいいというのはひとつの解決法だろう。「台所の停戦」の私や、「牢名主」の鶴丸が心に決めたように、他人 -
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『ポトスライムの舟』『十二月の窓辺』の二編からなる。
『十二月の窓辺』は『ポトスライムの舟』の前日譚として位置づけられているらしい。
29歳の長瀬由紀子(ナガセ)は工場のラインで働く他 友人が経営するカフェでのパート データ入力の内職 パソコン教室の講師 をかけもちしていた。
ナガセは自分の時間がないことに安心していた。どの仕事も薄給だということが時々彼女を追い詰めたが、それでも働かないよりはましだと思っていた。
ナガセは新卒で入った会社を上司からの凄まじいモラハラが原因で退社し、その後の一年間を働くことに対する恐怖で棒に振った経験をもつ。
テーマは二編ともそこそこ重いが何故か悲愴感はない