津村記久子のレビュー一覧

  • 水車小屋のネネ

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    居場所のなかった子供たちが、それぞれの居場所を見つけ、そしてそれを同じような思いを抱えている人達に繋いで行く温かい話だった。ヨウムのネネを中心に話は淡々と進んでいくのだが、少し長くて途中飽きてしまったので星3。

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    2025年11月03日
  • とにかくうちに帰ります

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    なんてことはないことが題材で、淡々と話が過ぎていく。だけど何故か気になる話ばかりでした。
    登場人物たちの「こだわり」が感じられたからなのかなと思います。

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    2025年11月02日
  • 水車小屋のネネ

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    登場人物が様々な困難に立ち向かう中、終始穏やかな空気が流れていた。ネネを含む、丁寧な人間関係を思い出させてくれた。

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    2025年10月28日
  • 水車小屋のネネ

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    ネタバレ

    一つの文章が長くて少し読みにくい部分があったが、理佐の頑張る姿に応援したくなった。聡の理佐への告白が良かった。全体を通して主役であるネネがいい味出してる。

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    2025年10月26日
  • ポトスライムの舟

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    「世界一周クルーズという目標」と「自分の年収」を等号で並べた時、人生はそこから逸脱する事なく小さな幸せと小さな不幸の抑揚の中で流されていく。安月給だが浪費もしない。老朽化した家や夫婦関係、それぞれにスッキリしない不安を抱えながら、それでも働くしかなく、課題は先延ばしになりながら生きていく。

    水だけで育つポトス。根を張らず、土台(会社・家庭・共同体)を持たず、非正規雇用で最低限の“水(収入)”さえあれば生命を保つ。それぞれがその葉のように川の中を舟となり流されていく。カヌーがシングルの方が気楽で安定するという発想は、誰かと生きる方が不安定になることの暗示だろうか。また、クルーズは未来への希望と

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    2025年10月26日
  • ポトスライムの舟

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    ポトスライムの舟、十二月の窓辺の2篇からなる本作。2篇は主人公も舞台も異なるが、上司からパワハラを受けている・受けていた主人公という共通項がある。

    現在進行系でパワハラを受けている女性が主人公の「十二月の窓辺」は、読むほどに自分が仕事が一番辛かったときの喉に何かが詰まるような思いや、冷や汗をかきながら必死に追いつこうとするも、誰も助けてくれない状況を如実に思い出し、とても辛くなった。
    過去にパワハラを受けていた女性が主人公の「ポトスライムの舟」は、工場や友人のカフェ、パソコン教室で働きながら、世界一周旅行のための貯金を始めるところから始まる。未来に希望を持とうとする姿がまぶしく見えたが、そん

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    2025年10月23日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    ネタバレ

    傍から見ると順風満帆そうなあの家も、実は嵐の中にいたりして。

    自分のことに精一杯でリアルな繋がりを面倒くさいと思ってしまう世の中だけど、そのハードルを越えて対話することで知れる一面もある。往々にして私たちは悪い部分だけが脳裏に残りがちだけど、良い一面を知れるのはやっぱ対話だよね。

    全く知らないのも怖いし、知られすぎるのもいや。生活の大部分を占めるご近所は、特に適度な距離感が大事なのかも。 

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    2025年10月11日
  • やりたいことは二度寝だけ

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    アッパッパーってなんだよ、なにかわからんけどくたびれてることはわかる!!!w
    とおもって読み進めてたらチュニック?の別名らしい。言い得て妙な造語だ、私も使っていくぞと思ってたので勝手に悲しい

    最後の解説?がよかった
    なんでもない話っていい。するのも聞くのも。
    いや、嘘かも。オチ、いや、じゃなくても緩急ほしいかも。

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    2025年10月10日
  • 現代生活独習ノート

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    人生は選択の連続だ。しかも、今の世では選択しなかった人生を、簡単に覗き見ることができるのである。比べていいことも、ほとんどない。サンプルは上から下まで幾らでもあるのだから。とても疲れる。
    では、良いとされていることをすればよいのかというと、これまた大変である。憧れの生活スタイルもたくさん明示される。しかし、正しいことをし続けるのは、とてもエネルギーが必要になる。
    そうなると正しい方を選び、行い続ける、というのはとてもとても疲れるということになる。だから、しょぼくてもしけててもつまらなくても、これでいいというのはひとつの解決法だろう。「台所の停戦」の私や、「牢名主」の鶴丸が心に決めたように、他人

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    2025年10月07日
  • 現代生活独習ノート

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    『群像』に掲載された8短編集。レコーダー定置網漁、台所の停戦、現代生活手帖、牢名主、粗食インスタグラム、フェリシティの面接、メダカと猫と密室、イン・ザ・シティ。

    普通に仕事があって、仕事や対人関係やSNSに疲れて、料理の気力もない、でもそれなりに頑張る姿に共感します。端々に、なるほど、そう考えてもいいんですかという応援。

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    2025年10月06日
  • とにかくうちに帰ります

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    「職場の作法」 では田上さんのお作法がなかなか厳しく、でも痛快。「とにかくうちに帰ります」はそれぞれ事情は違っても、やっぱりお家が一番だよねって思いながら、帰る家があることに改めて幸せを感じた。見知らぬ人同士の交錯が良かった。

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    2025年10月05日
  • ポトスライムの舟

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    全然脱力系じゃないよ…仕事に振り回される描写の解像度が高すぎるので元気吸い取られる…
    表題よりも十二月の窓辺の方が好き、トガノタワーの設定が良い。

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    2025年09月27日
  • 浮遊霊ブラジル

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    どの作品も独特の視点や表現で面白いうえに気づかされることが多かった。
    そのなかでも表題作の「浮遊霊ブラジル」の幽霊の在り方が秀逸。怖いや割と万能に描かれがちな幽霊にあんなふうな特性をもたれるなんて今までみたことがなく、ラストも清々しくてよい。

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    2025年09月26日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    ただただ、それぞれの理不尽に対して怒りをぶちまける。
    その様子を綴った物語。
    怒りにかられたとき、思考は支離滅裂になり、とめどなく負の感情が溢れてきて、その奔流に押し流されそうになる。
    それを文章にするとこうなる、という一つの形。
    正直、好きなお話、読んでよかったというものではなかったけど、こういうこともあるよなあ、となんとなく思った。
    作者が、会社勤めをしているとき、その通勤をしていたとき、辞めようと思ったときなどの負の感情を、作品にしたのかな。

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    2025年09月25日
  • ポトスライムの舟

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    『ポトスライムの舟』『十二月の窓辺』の二編からなる。
    『十二月の窓辺』は『ポトスライムの舟』の前日譚として位置づけられているらしい。

    29歳の長瀬由紀子(ナガセ)は工場のラインで働く他 友人が経営するカフェでのパート データ入力の内職 パソコン教室の講師 をかけもちしていた。
    ナガセは自分の時間がないことに安心していた。どの仕事も薄給だということが時々彼女を追い詰めたが、それでも働かないよりはましだと思っていた。
    ナガセは新卒で入った会社を上司からの凄まじいモラハラが原因で退社し、その後の一年間を働くことに対する恐怖で棒に振った経験をもつ。

    テーマは二編ともそこそこ重いが何故か悲愴感はない

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    2025年09月14日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    ヨシノの行動や言動にクスッと、そしてちょっとホロリ。ドタバタして、空腹だしで感極まった感じなのかな。「旅行より強いのが結婚式でそれより強いのがお通夜」らしいです。

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    2025年09月10日
  • ポトスライムの舟

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    生き物として生きること、人間として生きることには、違いがあるように言われるが、どうちがうのか。

    それは自然とのかかわりに組み込まれて生きること、社会とのかかわりに組み込まれて生きること、そういう違いなのかなとおもった。
    だとすれば、それぞれ違っているようでいて、実質は同じなのかもしれない。

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    2025年09月06日
  • ポトスライムの舟

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    津村記久子さんの「この世にたやすい仕事はない」が好きで他の作品も読んでみたいと思っていたところに「芥川賞受賞作品」と文庫の裏にうたわれていたので、詠んでみました。
    中篇2篇でした。
    あとがきを読んで「十二月の窓辺」は、主人公の名前こそ違えども「ポトスライムの舟」の前日譚ということには納得。
    上司のパワハラに悩む主人公から、優良企業を職場の人間関係から辞めて工場の仕事や内職などで暮らす主人公へ…
    みんなそれぞれの悩みを抱えて仕事してるんだな
    ガンバレ〜自分!と思わせてくれる本でした。

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    2025年09月05日
  • 浮遊霊ブラジル

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    おもしろかったです。最初の3作が好きか、後半の4作が好きかで分かれそう。自分は前者で、「給水塔と亀」「アイトール・ベラスコの新しい妻」が津村さんらしくて好きです。

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    2025年08月29日
  • ポトスライムの舟

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    ネタバレ

    オーディブルで聴いた。

    短編2篇が入っているのだけれど、オーディブルで聴いていたので、同じ話の続きで、突然視点とが変わったのかと思い、それがまとまることなく終わったので、「え?これで終わり?どうゆうこと?」と思ってしまった。
    微妙に繋がってる話だったのかな?ちゃんとよく味わえなかったと思う。

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    2025年08月19日