津村記久子のレビュー一覧
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本紹介がされている本を読むのが好きだ。
その人の好みや思考の一部を見ることができる気がするので度々手にすることがあるのだが、この本もとても面白かった。
津村さんの淡々とした語り口や日々の暮らしを大切にしていることが分かる本紹介は読んでいてなんだかほっとした。
津村さん自身が分からないことは分からないと率直に書いている潔さもとても好きだった。(津村さんは自分自身のことを頭が良くないと何度か書いていたがセレクトしている本や紹介文を見てとてもそうは思えなかったけれど…笑)
この本の中で紹介されていた生活図鑑は実際に買って読んでみようと思った。 -
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住宅街の路地10軒の家の住人たち、それぞれの背景と生活模様があるが、近所づきあいは乏しく表面的な付き合いばかり。
刑務所を脱獄した女性の目撃情報、ニュースから夜間に交代で見張りを行うこととなる。これがきっかけで団結心、よりそれぞれが少しずつつながりを見つけ出していく。
近所づきあいは意識したことがなく、隣近所の住人たちの顔も名前もわからない。落とし物を拾って届けてくれたり、上の階で水漏れがあると差支えない範囲でできることを行う。
ある意味特殊な関係であり、唯一の頼りになることもあると振り返る。
登場人物が多くて、冒頭の「住宅地地図」を何度も確認しながら読み進めた。読み進めると人となりと温か -
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あとがきで、本作は文学の教養が全くない人間が書いてる的なことかいてて、タイトル的にももっと初歩の初歩かしら??と思って手に取ったんですが、私の勉強不足で全然知らない作品ばかりでした。
読んだことある作品1.2個くらいしかなかった…
本作ではかなりのタイトルが並んでて、1つにつき5.6ページなのでサクサク読めるかなーと思ったんだけど、意外と読み進めるのに時間がかかってしまった。
「よい冒険小説は、読者が一切経験したことのないことを書いても、それが日常の困難と遠い延長線上でつながっているものとして人生を仮託させる」という言葉があって、冒険小説に限らず、良い小説って登場人物が突飛だったりしても、ど -
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ネタバレところどころ読みづらい部分があって躓いてしまった。
大きく心揺さぶられることはなかった。
「自分はおそらく姉やあの人たちや、これまでに出会ったあらゆる人々の良心でできあがっている。」
この言葉に共感できたらよかったのかもしれないが、私は良心だけではなくむしろネガティブな経験も大きく影響して自分は出来上がっていると思うので、しっくりこなかった。
ただ水車小屋やネネ、地元に残る人など、形は変われど残る、帰る場所があることは素敵だなと。
あとは亡くなった人のものも大事に受け継いで、いなくなったあとも物や記憶の中で生きていく。そういう暖かさを感じた。 -
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ネタバレまず本のタイトルが絶妙です。
うちに帰ります、に「とにかく」が付くことで何としても帰りたいという気持ちがプラスされていて(深読み)、家大好き民としては共感しかないです。
「職場の作法」は主人公鳥飼さんの独白のような、日記のような、エッセイを読んでいる感覚でした。
黙々と働きながらも心の中では雄弁で、突っ込んだり呆れたり…。様々な社員の職場での在り方が、どこにでも居る誰かの日常の一部として書かれていてまさに共感度高めのお話です。
田上さんがノートに書いていた仕事への心構え、わたしも職場の作法として胸に刻んでおきたいです。
一方表題のお話はじわじわ心に沁みて、家でくつろいで読書できる自分がいか -
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なんとか読み終えることが出来た。
私には時期尚早、分不相応な濃密な本だった。
そもそもこの本のタイトルは「やりなおし世界文学」だ。そう、「やりなおし」なのである。一度は読んだが途中で挫折してしまった、という人が一番の訴求先なのだろう。
そう捉えると私はその対象としては不適切極まりない。なぜならこの本に掲載されている作品のほぼすべてを読んだことがないからだ。2,3作、タイトルやあらすじを知っているものはあったが、まともに読んだことがある作品は1つもない。つまり私にとっては「やりなおし世界文学」ではなく「はじめまして世界文学」に等しい。
そんなわからないだらけの状態なのだから、読むのに時間がかかる -
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なんとなく結構昔の話だな〜って感じ
今の自分と年は同じくらいだけど、価値観違いそう
昔の30前後って今の30前後よりもすごい大人な感じですよね
兼業作家でいろいろ悩んだりだらけたりしながらなんとか小説書いてるっていうのは
なんか等身大な感じ
自分は小説書いてないけど、日常生活のところでわかるよって部分はあったかも
この人こういうのが好きだったり身近な存在だから
小説に出てきたんだなってのがいくつかあった
スペインとか
登場人物の名前を考えるのは難しいってところで
この人の名前は私(作者)が考えるけど、
実際はこの人の両親が考えたってことだから
この人の両親が考えたっぽい名前にしないといけ -
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ネタバレ2026.01.高校3年生の理佐は短大の入学金を母親の婚約者のために使い込まれた.そして,小学生の妹の律がその婚約者から虐待を受けているのに気付いて,妹とともに家を出てそば屋で働き始めた.守さんと波子さんの蕎麦屋では水車でそば粉を挽いていて,その水車小屋にはヨウムのネネがいた.理佐と律のことを律の担任の先生の藤沢先生が支援してくれた.水車小屋には画家の杉子さんもよく来ていた.杉子さんが亡くなった部屋に聡が住むようになり理佐と結婚した.律は中学生の研司の勉強をみるようになり,研司はちょくちょく水車小屋に来るようになる.また,律は藤沢先生の教え子の美咲の面倒もみていた.社会人になった研司は震災後希
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◼️ 津村記久子「ポトスライムの舟」
芥川賞。小説らしい作品だな、と。読みやすく展開は、把握しやすい。
たまたまではあるけど、最近芥川賞を読むことが多い。中には、博多弁で言うといっちょん分からんやったり、やたら理屈が多かもんもあるとばい。しかしながら、この作品は平易な言葉で、設定も展開もオチも分かりやすい。ただ、そこに含まれている意味を言葉でうまく表現できない。
長瀬由起子29歳は、工場でベルトコンベアの乳液のキャップをチェックする仕事をし、夕方からは友人のヨシカが経営するカフェで働き、夜は入力の内職をしている上、土曜日はパソコン教室でお年寄り相手にメールの送り方などを教えている。ある日