津村記久子のレビュー一覧

  • アレグリアとは仕事はできない

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    表題作は、アレグリアという性悪な?複合機を通して、会社の中の歪みを浮き彫りにしていく。詳細なアレグリアの仕事に対する描写が滑稽でもあり、ただそれによって暗鬱なリアルな感情が浮かび上がる。不機嫌が不機嫌のままに過ぎていく。所々に自分が感じられる感情が散りばめられていて物語に引き込まれていく。

    地下鉄の方は、まあ藪の中、といった感じで構成的には新鮮味はないかなと。

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    2014年07月02日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    「人間と機械は違うでしょう」
    「同じですよ」

    アレグリアというコピー機は大事なところで動かなくなる。
    機械に本気で腹を立てる女子社員の主人公と、
    いつも涼しい顔でおだやかな先輩と、
    アレグリアを通じて恋する修理屋とその他いろいろ。

    一台の機械をはさんでここまで人間関係を克明に描けるのか。見せかけじゃない。本気で生きている人間の感情が動いているからずっと読んでしまうし緊迫したシーンとくだらないシーンのメリハリがわし掴んで離さない。

    同時収録の「地下鉄の叙事詩」は
    正直退屈だと思った。さいしょ。
    でも痴漢された女子高生の章を読んで、これは
    「それでも僕はやってない」ばりに映画にできる、と思っ

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    2014年05月29日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    ネタバレ

    表題作が特に面白かった。
    津村さんの小説の中でも好きなタイプの話。
    友人の結婚式の当日に、上司の父親の通夜に行かなくてはならなくなり結婚式をキャンセルして……というストーリー。小さな会社に勤める立場の会社員のままならなさが、真面目なんだけれどユーモア混じりに描かれている。
    通常、身内でもなければ「結婚式>葬式」だろうと思うが、社員18人しかいなくて、しかも全員参加が余儀なくされている状況なら断れるのかどうか……、と本人でなくても真剣に悩むところだろうと、フィクションながら気の毒に思う。
    参列した通夜での人間関係や、キャンセルした結婚式に出席している大学時代の友人達が、それぞれ個性的なキャラクタ

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    2014年04月09日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    収録作はどれも、他者に理解してもらえない主人公のディスコミュニケーションの孤独さがよく表れていた。表題作よりかは2作目の方が、4人の人物にそれぞれ焦点をあて、場面を丁寧に描いたところがとても良かった。著者持ち味であるユーモア溢れる表現は少なかったように思う。

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    2014年01月26日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    祝福したい気持ちはある。心から。
    しかし、服やら靴やら髪型はどうしよう?
    お祝儀…。
    メッセージビデオを作るのか。 あぁ面倒臭い。
    そんなことを感じちゃ駄目だ、と思う。
    でも憂鬱。
    幸い幹事を頼まれたことはないし(頼まれるような人徳がない)、結婚式の途中でお通夜に呼び出されたこともないのですが。
    この冠婚葬祭のテンパった苛々する感じを追体験してしまいました。
    本人は必死なのに客観視するとひどく滑稽ですね。
    人生って面倒臭いことだらけだ。
    でも過ぎてしまえば、それも愛しき日々…なのかな?

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    2013年10月22日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    本書には、「婚礼、葬礼、その他」と「冷たい十字路」の短編2作品が所収されている。

    「婚礼、葬礼、その他」は、1日の間に、友人の婚礼(2次会の幹事を依頼されている)と会社の上司の父の葬儀が重なってしまって、さあ大変、という状況での主人公の行動や、人間観察、人間関係の機微、そこでの主人公の心の移ろいが描写されている。

    一方、「冷たい十字路」では、自転車通学の高校生達による傍若無人な自転車の乗り方から起こるべくして起こった事故を題材に、その事故の周辺の人びとの生活や思いなどが粛々と綴られた作品。

    いままで、津村さんの作品では、どちらかというと20歳代後半から30歳代の働いている女性達を主人公に

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    2013年08月24日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    婚礼、…:よくあるいらだち、どうしてこうなるの?という感じ、ぼんやりとした設定。津村さんらしい話。
    冷たい…:心が重くなります。これも津村さんらしさ。

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    2013年07月19日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    登場人物達の人間臭きドタバタ感が好かった。人間的等身大のユーモアとアイロニーの流れが、何処か澄ましたような文体から滲み出て来る小説で、アイロニカルな穏やか空気の流れを肌で感じるようだった。

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    2013年04月18日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    『ポトスライムの舟』や『アレグリアとは仕事はできない』もそうですが、働くこと、あるいは働いている人についてとなると、津村さんの筆致はひときわ冴えまくります。コピー機や故人といったモノ(物・者)に対する呪詛にどこか共感できたり笑えたりするのは快感です。

    本書に収録されている「冷たい十字路」は、『アレグリア~』に収録されている「地下鉄の叙事詩」と似た手法で書かれています。一つの出来事を複数の関係者の視点から描くというのは新奇ではありませんが、プロ作家としての手腕が発揮されています。

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    2013年03月14日
  • ポトスライムの舟

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    狙いだろうけど、少し誰が誰の感情になっているのか分からなくなる瞬間があった。
    労働に対する感情移入が難しかった。
    ただまずまず面白かった。

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    2026年05月24日
  • この世にたやすい仕事はない

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    世の中色んな仕事がある。
    その中で本当に楽な仕事なんてない。

    最後の最後は自分がずっとしてた
    仕事が良いってなるのかな?と
    ちょっと思いました。

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    2026年05月19日
  • 水車小屋のネネ

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    プロコルハルム、ニルバーナ、レッチリ、エンヤ、懐かしいなぁ、出てきた曲をつぎつぎYouTubeで聴いた。ヨウムのネネにはラジオも人のおしゃべりも狼の遠吠えも聞こえるものすべてが音楽であってコピーしたくてたまらなかったんだ。

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    2026年05月15日
  • 水車小屋のネネ

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    うーむ、面白かったし、どんどん読み進められた。
    いい人しか出てこない。
    あっ、実母とその新しい連れ合いはちょっと悪いやつかな。
    でもそれ以外はいい人しか出てこない。
    幸せな世界でもあり,願うべき世界でもある。

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    2026年05月09日
  • 二度寝とは、遠くにありて想うもの

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    津村さんの素朴な人柄が感じられるエッセイ。
    1つ1つが短く完結しているので、移動中にチマチマ読んだ。
    スポーツに関するエッセイもちらほらあり、今まで全く興味がなかったが今度見てみようかと思えた。

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    2026年05月09日
  • ポトスライムの舟

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    ポトスライムの舟は、第140回芥川賞を受賞した。
    一人称を、カタカナの姓で示した作風。
    ナガセは、クルージングのポスターの金額が自分の年収と同じことから、貯金を始める。

    十二月の窓辺は、その前日譚
    ツガワは、パワハラの渦中で、耐え、仕事を続けている

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    2026年05月08日
  • 水車小屋のネネ

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    母親とその彼氏のもとから逃げるように出てきた18歳と8歳の姉妹が田舎で優しい人たちに囲まれて生活を始める。その後40年ほどが飛ばし飛ばしに語られるのだが、蕎麦屋の水車小屋に住むヨウムのネネを中心にしてみんなの「良心」がつながり、人の輪が広がっていく…という話。
    前半は次から次へと憎たらしい毒親たちが登場してきて常に暗雲を感じながらのもやもやいらいらした読書だったけど、姉妹や周りの人たちが成長して毒親たちの影響が遠くなってくると一転してなんだか退屈に感じてきてしまった。自分にはたんたんとしすぎていたのか、感受性が死んでいるのか…。考えてみれば、私は「苦しい時には助けてくれる人がいる」とか「人生な

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    2026年05月05日
  • つまらない住宅地のすべての家

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     登場人物が多すぎて笑っちゃう。刑事が捜査するみたいにメモにたくさん記録して読み進めた。実際の住宅街を考えるとたくさんの家庭があり、それぞれ異なった生活をしていることが細かく書かれていてリアル。それぞれの家庭が、様々な事情や問題を抱えていたけど、最後には小さなハッピーエンドで終えられていてよかった。

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    2026年05月05日
  • 水車小屋のネネ

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    ネタバレ

    津村さんはいちいち言葉遣いが好き!!
    「その時はどうしても自然に手が出て、目の前の律の頭をなでた。まだ小さな、子供の頭だった」
    理佐だって子供と言ってもいい年齢なのに…
    自分に下がいないからお姉ちゃんお兄ちゃん役をしてきた人は本当にえらいと思うしこの歳ではもう2度と矯正できないことに絶望

    「老けたな、と思った。父親と別れてから、苦労して自分たちを育てたのは知ってる。だから今になって男に寄りかかりたくなったのかもしれない。それはもう本能なんだと言われたら、自分は否定はしない、と理佐は思う。」
    津村さんの本に書いてあったけど、この人はこうやって理解できない親を、肉身だけではない自分以外の他人とし

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    2026年05月11日
  • 二度寝とは、遠くにありて想うもの

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    もう家にいるのに「家に帰りたい」と言ってしまう。わかりみが深い。消耗の仕方と回復の不器用さ加減が筆者と似ている傾向があるのだろうか。親近感が沸いた。ちなみに私もモネが一番好きな画家である。

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    2026年04月30日
  • 二度寝とは、遠くにありて想うもの

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    前作エッセイより大人しい感じ。
    淡々としてていい。
    ただやはり、津村さんの、物事一つ一つへの解像度が恐ろしく高い。それもは例えば、会社での裏紙の利用方法などといった、モノに対しても。
    大量に溜まってゆく裏紙を何とかしようとしてあぶらとり紙、雑巾、保水オブジェクトなどを試したとあったりですごいなー。
    私だったら裏紙はメモとしてしか使用法が思いつかないや。

    おそらくエッセイだけでなく雑誌連載を本書にまとめたのだろう、途中から美術展レポートがいくつか掲載されていてそれも面白い。全然知らない画家や器の展覧会に行っても「これぞ」的なものを見つけて描写してくれる。
    さらに販売されているグッズまで毎回記述

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    2026年04月30日