津村記久子のレビュー一覧

  • 枕元の本棚

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    本紹介がされている本を読むのが好きだ。
    その人の好みや思考の一部を見ることができる気がするので度々手にすることがあるのだが、この本もとても面白かった。
    津村さんの淡々とした語り口や日々の暮らしを大切にしていることが分かる本紹介は読んでいてなんだかほっとした。
    津村さん自身が分からないことは分からないと率直に書いている潔さもとても好きだった。(津村さんは自分自身のことを頭が良くないと何度か書いていたがセレクトしている本や紹介文を見てとてもそうは思えなかったけれど…笑)

    この本の中で紹介されていた生活図鑑は実際に買って読んでみようと思った。

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    2026年03月12日
  • この世にたやすい仕事はない

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    ネタバレ

    少し文体が自分には読みづらいところもあったが、3話目くらいでよくこんな話の流れを思いつくなと思い、一気に読んだ。最後の喜びが大きいからこそ無力感に苛まれるのかもしれないという言葉が自分の仕事への考えにも合っていると感じた。

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    2026年03月08日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    人間は何かしらのトラウマを抱えて生きているんだろうなと思わされる
    些細なきっかけから繋がる人間関係や他人には理解しきれない関係とか、主人公はそういったことに対して寛容で、自分が分からないことについては認める冷静さがある
    思ったことをありのままに語り、考える主人公にすごく共感したし、救われる部分もあると思った
    タイトルの意味を回収した時、少しだけ安心した

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    2026年03月04日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    長編がおもしろかったので。
    短編だと少しパワーダウンするかな。世に馴染めない人のあるあるを映すのはうまいけど、その解像度の描写を見ているうちに終わり、伝わるような伝わらないようなという印象。何かの列にひたすら並び続ける「行列」がおもしろかった。

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    2026年03月03日
  • 水車小屋のネネ

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    出てくる登場人物が皆温かくてこちらまで温かい気持ちになれたそんな作品でした。

    あと、過ごす環境が人を作っていくんだなと改めて思いました。

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    2026年02月28日
  • 水車小屋のネネ

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    ネネがおもしろくて笑ったり、その周りの人達の人柄に心が温まる1冊だった。
    劇的な展開はなく、ある意味ストレスフリーで淡々と読み進められた。
    お姉さんをはじめ、どんどん優しさが伝播していく。自分が施してもらった優しさと、それを次へ渡すことについて気付きをくれた。

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    2026年02月26日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    住宅街の路地10軒の家の住人たち、それぞれの背景と生活模様があるが、近所づきあいは乏しく表面的な付き合いばかり。
    刑務所を脱獄した女性の目撃情報、ニュースから夜間に交代で見張りを行うこととなる。これがきっかけで団結心、よりそれぞれが少しずつつながりを見つけ出していく。

    近所づきあいは意識したことがなく、隣近所の住人たちの顔も名前もわからない。落とし物を拾って届けてくれたり、上の階で水漏れがあると差支えない範囲でできることを行う。
    ある意味特殊な関係であり、唯一の頼りになることもあると振り返る。

    登場人物が多くて、冒頭の「住宅地地図」を何度も確認しながら読み進めた。読み進めると人となりと温か

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    2026年02月22日
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

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    あとがきで、本作は文学の教養が全くない人間が書いてる的なことかいてて、タイトル的にももっと初歩の初歩かしら??と思って手に取ったんですが、私の勉強不足で全然知らない作品ばかりでした。
    読んだことある作品1.2個くらいしかなかった…
    本作ではかなりのタイトルが並んでて、1つにつき5.6ページなのでサクサク読めるかなーと思ったんだけど、意外と読み進めるのに時間がかかってしまった。

    「よい冒険小説は、読者が一切経験したことのないことを書いても、それが日常の困難と遠い延長線上でつながっているものとして人生を仮託させる」という言葉があって、冒険小説に限らず、良い小説って登場人物が突飛だったりしても、ど

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    2026年02月22日
  • 水車小屋のネネ

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    ネタバレ

    ところどころ読みづらい部分があって躓いてしまった。
    大きく心揺さぶられることはなかった。
    「自分はおそらく姉やあの人たちや、これまでに出会ったあらゆる人々の良心でできあがっている。」
    この言葉に共感できたらよかったのかもしれないが、私は良心だけではなくむしろネガティブな経験も大きく影響して自分は出来上がっていると思うので、しっくりこなかった。
    ただ水車小屋やネネ、地元に残る人など、形は変われど残る、帰る場所があることは素敵だなと。
    あとは亡くなった人のものも大事に受け継いで、いなくなったあとも物や記憶の中で生きていく。そういう暖かさを感じた。

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    2026年02月22日
  • 水車小屋のネネ 挿絵集

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    【目次】
    第一話 一九八一年(第1回~第109回)
    第二話 一九九一年(第110回~第187回)
    第三話 二〇〇一年(第188回~第244回)
    第四話 二〇一一年(第245回~第296回)
    エピローグ 二〇二一年(第297回~第300回)
    短編小説 一九八七年

    新聞連載は読んでいないのでありがたい。
    カラーで描き直したものもあり、見比べると雰囲気の違いが興味深い。

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    2026年02月22日
  • とにかくうちに帰ります

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    ネタバレ

    まず本のタイトルが絶妙です。
    うちに帰ります、に「とにかく」が付くことで何としても帰りたいという気持ちがプラスされていて(深読み)、家大好き民としては共感しかないです。

    「職場の作法」は主人公鳥飼さんの独白のような、日記のような、エッセイを読んでいる感覚でした。
    黙々と働きながらも心の中では雄弁で、突っ込んだり呆れたり…。様々な社員の職場での在り方が、どこにでも居る誰かの日常の一部として書かれていてまさに共感度高めのお話です。
    田上さんがノートに書いていた仕事への心構え、わたしも職場の作法として胸に刻んでおきたいです。

    一方表題のお話はじわじわ心に沁みて、家でくつろいで読書できる自分がいか

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    2026年02月19日
  • 浮遊霊ブラジル

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    7つの短編。昔々ある所に…といったお伽話のような、不思議な物語たち。死後の世界とか地獄とかの話だが、ふわふわと軽い独特の世界が語られる。

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    2026年02月09日
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

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    なんとか読み終えることが出来た。
    私には時期尚早、分不相応な濃密な本だった。
    そもそもこの本のタイトルは「やりなおし世界文学」だ。そう、「やりなおし」なのである。一度は読んだが途中で挫折してしまった、という人が一番の訴求先なのだろう。
    そう捉えると私はその対象としては不適切極まりない。なぜならこの本に掲載されている作品のほぼすべてを読んだことがないからだ。2,3作、タイトルやあらすじを知っているものはあったが、まともに読んだことがある作品は1つもない。つまり私にとっては「やりなおし世界文学」ではなく「はじめまして世界文学」に等しい。
    そんなわからないだらけの状態なのだから、読むのに時間がかかる

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    2026年02月08日
  • 現代生活独習ノート

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    粗食インスタグラム
    メダカと猫と密室
    このふたつだいぶ好きだった。

    心が軽くなって、読んでよかったと思った。

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    2026年02月07日
  • やりたいことは二度寝だけ

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    なんとなく結構昔の話だな〜って感じ
    今の自分と年は同じくらいだけど、価値観違いそう
    昔の30前後って今の30前後よりもすごい大人な感じですよね

    兼業作家でいろいろ悩んだりだらけたりしながらなんとか小説書いてるっていうのは
    なんか等身大な感じ
    自分は小説書いてないけど、日常生活のところでわかるよって部分はあったかも

    この人こういうのが好きだったり身近な存在だから
    小説に出てきたんだなってのがいくつかあった
    スペインとか

    登場人物の名前を考えるのは難しいってところで
    この人の名前は私(作者)が考えるけど、
    実際はこの人の両親が考えたってことだから
    この人の両親が考えたっぽい名前にしないといけ

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    2026年02月05日
  • とにかくうちに帰ります

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    職場の作法が好き。
    これが小説だよなって思う。
    みんななんてことない顔してるけど、みんなそれぞれ色んなことを考えて、それぞれの人生がある。
    それを教えてくれる。
    バリローチェのフアン・カルロス・モリーナも好き。 
    え、これ何の話?って途中で何度か思うけど。
    生きるってこういうことだよな、生活っていいなって思う。
    とにかくうちに帰ります
    このタイトルに惹かれてこの本を買ったけど、読むのに時間がかかってしまった。
    雨に濡れて嫌な感じがリアルで、気持ちが重くなってしまった。
    でも最後はほっこりしたいい気分になれた。

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    2026年02月02日
  • やりたいことは二度寝だけ

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    この世にたやすい仕事はないを読んで面白かったので、エッセイを読んでみた。
    小説を読むと「もっと厭世的な、もしくは淡々と世の中を見てる方なのかな?」という印象だったが、このエッセイを読むと想像以上にお友達と生活を楽しんでるまじめで地に足のついた方なのだなと思った。
    芥川賞受賞作家さんだということを存じないまま読んだので、読んでる途中で受賞の話が出てきて驚いた。
    どちらかというと山本周五郎賞とか直木賞とかそっちかと思っていたが芥川賞なんですね!?

    ものすごく面白いというエッセイでもないが、ぼーっと読むにはいい本だった

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    2026年02月02日
  • 水車小屋のネネ

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    ネタバレ

    2026.01.高校3年生の理佐は短大の入学金を母親の婚約者のために使い込まれた.そして,小学生の妹の律がその婚約者から虐待を受けているのに気付いて,妹とともに家を出てそば屋で働き始めた.守さんと波子さんの蕎麦屋では水車でそば粉を挽いていて,その水車小屋にはヨウムのネネがいた.理佐と律のことを律の担任の先生の藤沢先生が支援してくれた.水車小屋には画家の杉子さんもよく来ていた.杉子さんが亡くなった部屋に聡が住むようになり理佐と結婚した.律は中学生の研司の勉強をみるようになり,研司はちょくちょく水車小屋に来るようになる.また,律は藤沢先生の教え子の美咲の面倒もみていた.社会人になった研司は震災後希

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    2026年02月02日
  • 水車小屋のネネ

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    1羽のヨウムとその周辺の人たちの40年間のお話。
    最初こそ毒親との大きな事柄が出てくるが、その後は淡々と人間ドラマです。
    優しい心の人たちしか出てきません。ヨウムが繋ぐその人たちの人生の一片に引き込まれます。

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    2026年02月01日
  • ポトスライムの舟

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    ◼️ 津村記久子「ポトスライムの舟」

    芥川賞。小説らしい作品だな、と。読みやすく展開は、把握しやすい。

    たまたまではあるけど、最近芥川賞を読むことが多い。中には、博多弁で言うといっちょん分からんやったり、やたら理屈が多かもんもあるとばい。しかしながら、この作品は平易な言葉で、設定も展開もオチも分かりやすい。ただ、そこに含まれている意味を言葉でうまく表現できない。

    長瀬由起子29歳は、工場でベルトコンベアの乳液のキャップをチェックする仕事をし、夕方からは友人のヨシカが経営するカフェで働き、夜は入力の内職をしている上、土曜日はパソコン教室でお年寄り相手にメールの送り方などを教えている。ある日

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    2026年01月29日