津村記久子のレビュー一覧

  • サキの忘れ物(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    いやぁ、またまた津村ワールド 楽しめた
    まったくつながらない短編9つ。

    たやすくない日常にところどころやってくる、人からの小さな毒を払いつつ、聞こえなかったふりをしたり、流しながら、本当に小さなあたたかさを見つけたり、出会ったりの物語。どうも見つからないのもある(笑)

    表題の「サキの忘れ物」が一番よかった。

    「喫茶店の周波数」はタイトルが秀逸。ちょっと
    ”むらさきのスカートの女”の世界も思い出させる。
    「とにかくうちに帰ります」の懐かしの人を連想させる登場人物もちょろっと出てきて、にやにやしてしまった。
    「河川敷のガゼル」の少年も良かったなあ。まるで、理想的な親みたいだった。

    他にも「

    0
    2024年10月09日
  • うどん陣営の受難

    Posted by ブクログ

    うどんが食べたくなる。うどんのための小説ではないと思うが、著者が描く職場の雰囲気、仕事への向き合い方、日々の楽しみが好きだ。少しSFのようなここではないどこかの世界観も好きなのかも。

    0
    2024年02月21日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

    Posted by ブクログ

    数々の賞を受賞されている著者が記すエッセイテイストの作文指南書。フワリとした雰囲気の中に知を盛り込み、肩肘張らずに気楽に日常に作文を取り込むといいことあるよ、楽しいよと教示してくれる内容でした。
    何か書いてみようと思わせてくれる一冊です。

    0
    2024年02月09日
  • うどん陣営の受難

    Posted by ブクログ

    短くて1時間もかからずに読めてしまう、くだらなくも真剣な社内派閥問題をつづった物語。

    シニカルでそっと笑えて、けれどさりげなく働く人々の打算や本音も練り込んであるのは、作者のお仕事小説ならでは。初期の「アレグリアとは仕事ができない」や「ワーカーズダイジェスト」の風味を懐かしく漂わせつつ、うどんさながらにつるっとすすり上げるように滑らかに楽しめました。

    うどんをキーアイテムに持ってきたり、陣営を色で判別したり、やりすぎるとコメディになりすぎる要素をちりばめていても、そこは会社のお仕事模様の描写が巧い作者ならではで、変に浮いていないのはさすがです。パソコンの買い替えに関してのエピソード回りなん

    0
    2024年02月01日
  • ウエストウイング

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    老朽化した雑居ビルを舞台に、そこに通う人々のあれこれを書いた話だけれど、こういうテーマで想像する小説とは手触りが違った。
    トラブルが起きてもあくまでも地味で、湧き起こる興奮もなく、主人公三名はいつも頭の中で静かに考えるタイプだし、盛り上がりそうな場面でも作者は決して盛り上げる様子がない。最後まで何もない小説と言ったら語弊があるかもしれないけれど、あえて平静に描かれる日常は自分の日常にも近くて、無理なく馴染んでくる。これはとても高度なことが行われている気がする。
    ヒロシ視点の時は特に、ハッとするようなことが書いてあり、彼に教わることが沢山あった。まだ子どもだけれど大人の部分があって、それは両親が

    0
    2023年12月23日
  • うどん陣営の受難

    Posted by ブクログ

    こんな会社は嫌だ。会社の代表者を投票で決める社内選挙のドタバタ劇。「どうでもええわい」と思える非常にミクロな話をあたかもマクロみたいに書く津村さんの手腕は流石だが、私、この会社、耐えられなーい!オンとオフはわけたいし、仕事以外のことで選挙活動とか会合とか煩わしいのは勘弁してほしい。私もうどんは大好きだけど、皆で事あるごとにうどん食べてるのもよく考えたらシュールだ。その他ちょっとしたディテールに心がざわつく。「これ手帳?」のような薄さと小ささの本なのになかなかの破壊力を私にもたらした。

    0
    2025年03月26日
  • 君は永遠にそいつらより若い

    Posted by ブクログ

    おかしみの中に悲しみのある、血の通ったユーモアだ
    題がとても好きです

    大学生という、羞恥をすてて、無意識で過ごしたほうが勝ち、みたいな時期をこうも自意識ばちばちに過ごしてしまっては、それはポチョムキンにもなるよなあ、と覚えがあります

    一度読んだだけではなんともまとめられないけど、とても好きな感じでした
    あと何度か読む

    0
    2023年11月11日
  • 君は永遠にそいつらより若い

    Posted by ブクログ

    他の方も書かれているが、タイトルが圧倒的に素晴らしい。だけど、タイトルの意味はわからぬままダラダラと読み進める。
    大学時代のダラダラとしたやるせない日々の物語りはなかなか面白い。本題はなかなか提示されない。
    「雨のように降ってくるトラブルを、僕たちは夢中になって拾い集め、ポケットに詰め込んだ。」
    たまたま並行して読んでる関係のない小説の一節だが、そんな無意味にも見えるけど愛おしい日々。だけどそんな日々のトラブルの中に、雷のような悪意が潜んでいた。
    かつてはやり過ごすしかなかった理不尽な悪意に対し、今でも解決出来るかは判らないけれど、それでも前向きに進んでいく、そんな主人公に寄り添いたくなる小説

    0
    2023年10月22日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

    Posted by ブクログ

    楽しく読めた。文章を書く事や本を読む事について、日常の中で力まずに取り組みたい。まず、メモを取ろう。

    0
    2023年09月19日
  • アレグリアとは仕事はできない

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    表題作は1ページ目から面白かった。アレグリアを罵倒する言葉のバリエーションの豊かさに笑ってしまった。
    まともにコピーもできないなんて、文句の一つも言いたくなるのは分かる。分かるけど、あまりに細かいのでそうイライラせかせかするなよと言いたくなってくる。そこへ来て先輩の冷ややかな一言で凍えそうになった!
    たった二年とはいえ一緒に仕事をしてきた二人の仲が、こんな機械ひとつで亀裂が入るのは悲しかった。仲直りできて良かったけれどもう一緒に仕事をすることはないのが切ない。
    ただの複合機の話なのになんでこんなに面白いんだろうと不思議だった。

    二作目は電車の痴漢の話で気持ちが沈んだ。
    人は見たいものしか見な

    0
    2023年08月23日
  • 枕元の本棚

    Posted by ブクログ

    ”第5章 このぐらい頭がよかったらなあ”の章で紹介されていた本はどれも読んでみたいと思う本ばかりだった。紹介されている本を読んだことがなくても、作者の独特な紹介や感想が面白かった。

    0
    2023年08月07日
  • ウエストウイング

    Posted by ブクログ

    あ、良かったな。これ三者の邂逅は出会いにまで繋がらずに終わるのか?と不安だったけどラストも良かったな。俺からするとこれは早熟な少年が主人公で彼の物語だったんだけど、読む人によって違うんだろな。うん。いいな津村記久子。こう言うのが読みたかったんだよ。すごく良かったな。ビルオーナーとしても思うところ沢山あったな。

    0
    2023年07月22日
  • アレグリアとは仕事はできない

    Posted by ブクログ

    うーん、なんというか津村記久子のいいところ無しでネガティヴな部分だけが際立った一冊かな。彼女の良さって世の中の窮屈さや生きづらさや会社での苦しさをベースにしながら、その中での人の気持ちの触れ合いとかを上手に描くとこかと思ってたんだけど、この本の二編にはそれがない。ひどい複合機で辛いだけ。地下鉄の中でみんな殺伐としてて辛いだけ。救いがないよ。特にアレグリアの方は過去プリンタの保守をやっていた自分としては全く感情移入出来ないし笑えもしなかった。地下鉄の方は言いたいことわかるし俺も尊大やら無礼な奴らには辛辣だけど、ここまでじゃないなあと冷めて読んでた。

    0
    2023年07月20日
  • 枕元の本棚

    Posted by ブクログ

    芥川賞作家の津村記久子さんが、独自の感性でセレクトした58冊の読書案内。

    津村記久子さんの本の紹介本、あるいは読書エッセイ。
    自分の思い出や感じたことに絡めて、この本はこういうところが好き。こういうところが面白い。こういうところが素晴らしいと紹介しているのがとても良いです。
    本当に好きな本なんだなぁと思えて、普段の趣味から外れた本でもぜひ読んでみたくなる。例えば、私はオリンピックやワールドカップ、WBCなどの時期でもほぼ中継やニュースを見ないくらい普段スポーツに関心がないのですが、「スポーツの本」の章を読んでいると何だかとても楽しそうに思えてきます。新しいものに興味が湧くのは、なんだかとって

    0
    2023年05月15日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

    Posted by ブクログ

    読書は友達の話を聞くことに似ている。
    動きを追う必要がなく、ただ聞いていれば良い、ただ文を読んでいれば良い親密さがあるとのこと。

    抜き書きではなく、要約をメモすること。

    0
    2023年05月04日
  • 子どもお悩み相談会 作家7人の迷回答

    Posted by ブクログ

     どの質問も簡単に「こう言うものだ!」と、キッパリ言い切ってしまう事も出来るのだが、どの回答者も心から真摯に向き合ってくれています。
    社会のままならなさ、白黒で割り切れない所を知った上で一生懸命経験を交えて説いてくれています。
     こう言う類いのおしゃべりは好きです。例え親子であっても子どもの質問にこんな風に向き合ってあげたいな。と思います。

    0
    2023年03月29日
  • 子どもお悩み相談会 作家7人の迷回答

    Posted by ブクログ

    津村喜久子さんが好きなので、読んでみた。

    津村さんの他にも6名の回答者(皆文筆家さん)がいるのだが、どの方もいわゆる優等生的な回答、教科書的な回答ではなく、「だよねぇ」と思えるような回答をしてくれている。
    だからといって質問者に寄り添った(質問はズバッと短文で質問者の名前もないので質問者の存在感はゼロだが)感じではなく、みなさんの実感からの回答なので、スッと入ってくるものが多い。

    子供向けだと思うけど、悩んでいる時に読むと少し気が晴れるかも。

    0
    2023年03月19日
  • 浮遊霊ブラジル

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    様々な人生のドラマを描いた7つの短編集。
    特に『地獄』が好みで何度も笑ってしまった。「物語消費しすぎ地獄」だなんて、物語を食い散らかす人生もいいじゃないと思えてしまった。
    でも地獄のタスクを見ていると、それぞれに合わせた地獄が待ち受けているので精神力を削ってくるのが分かる。重要なページを破られた小説を読まされるだとか、鬼に恋愛相談をされるくだりは本当に面白くて。業が深い。

    表題作の『浮遊霊ブラジル』は良い話だった。
    自らの執着を捨てて自らの成仏を目指すという幽霊目線の話だが、成仏するために必死で人に取り憑いて乗り移ろうとする姿が滑稽で悲しくて。死んでからこんな苦労をしていたら。一発で成仏した

    0
    2023年03月11日
  • やりたいことは二度寝だけ

    Posted by ブクログ

    筆者独特の観察力が詰まったエッセイでなんだかいっきに読んでしまった。

    津村さんの感性はなんだかとても良いなぁと読んでて感じました。

    杭全神社の読み方を初めて知った。

    0
    2023年02月25日
  • エヴリシング・フロウズ

    Posted by ブクログ

    始めはなかなか読み進められなかったけど、半分くらいから一気に読んでしまいました。津村記久子さんの作品を読むと何故かいつもそんな感じになってしまいます。やっぱり津村さんの作品が好きだなぁと改めて思いました。
    解説もわかりやすくてとても良かったです。

    0
    2022年08月19日