津村記久子のレビュー一覧

  • まともな家の子供はいない

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    わたしもまともな家の子どもではないなと思った
    主人公はこの後も家族を嫌って暮らしていくのかな
    わたしからすると両親の仲が悪くないのにセキコがここまで家族を嫌う理由がよくわからないけど、わたしのそんな感情も含めて家庭への思いは人それぞれだなと思う

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    2025年01月08日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    面白かったー。この手の小説は引力が弱いと、すぐ読むのを放棄したくなっちゃうから。
    結局は、津村さんの視線が良いのだと思う。神様目線で、誰のことも裁かない。それぞれに言い分があるよね、というスタンスである。

    構成的には、少しだけ作り込みすぎかな、という気もした。路地を囲む家のどこかに一軒くらい、のんきな、健やかな家庭があっても良かった。ま、タイトルが「すべての家」だもんね……。

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    2025年01月02日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    読んでばっかりよりは書いたほうがいいし、書いてばっかりよりは読んだほうがいいです。読んでばっかりだと、単なる読書家になってしまうというのはおわかりだと思いますが、(でも読書家でいるのは本当にすばらしいことですよ)、書いてばっかりでも、自分の慣れた文章の書き方、ものの考え方、内容の展開のさせ方にこり固まってしまって、あまり良くないように思います。
     また、書いてばかりで他の人の文章を読まないと、自分だけがものすごくいいことを言っていて、自分だけが上手だという気分になりやすいという罠があるようにも思います。そのぐらい、文章を書くということは、書いてくれる人に対して優しい、誰にでも開かれた趣味だと私

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    2024年12月20日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    津村記久子さん初見。短編集。
    恥ずかしながらこれまで存じ上げず、世界観も作風も何もわからないのであくまでこの本だけの感想をと思いましたが
    うーん…言語化しにくいです…
    わざと誇張されているわけではないはずなのに、人間社会で拭いきれないグロテスク、狡さ、隠した本音(秘密)、憶測による歪曲、自己中心性、流されやすさ…不意にザラリとしたところに触れて、驚きと嫌な気分が少しずつ少しずつ混ざるような もやもやした感覚が、読んでいる間ずっと傍にいた感じがします。文庫うしろの紹介文やカバー絵が爽やかなだけに「あれ?」と言う気持ちで頁をめくっていました。
    そんな作品群のなかで、人との出逢いによって何かに気づき

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    2024年12月11日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    ネタバレ

    活気がなく、不便で、つまらない住宅地。そこの住人も変わり映えのない日常を送っているが、単調ながらも小さなデコボコはある。
    ある日、逃走犯をきっかけにそれぞれの日常のデコボコが干渉しあって大きな波を生んでいく、そんな物語である。

    最終的にすべてのデコボコがぴったりハマる感覚が爽快だった。
    ある地域の一区画の住人がまるっと登場人物なので読む方もけっこう大変だけど、そんな彼らのいろいろな想い・行動のパズルを完成させた津村さん、すごすぎる。


    この小説を読んで印象に残ったのは2つ。
    ひとつは、千里の祖母の覚悟と孤独。
    逃走犯の事件をきっかけに、人とのつながりを新たに生んだ人、閉鎖的で暗い未来から抜

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    2024年11月16日
  • とにかくうちに帰ります

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    文体にはユーモアがあり、特に「職場の作法」で顕著だった。主人公鳥飼を取り囲む人物たちは一癖も二癖もあり、それがいい味を出している。

    会社勤めの経験があれば、うんうんと頷けてしまうように、会社風景を細やかで丁寧に切り取り方をしている。

    私も覚えがある。終業前5分、残業で夜遅くなる夕方。ひたすら思ったことが。「とにかく家に帰りたい」と。

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    2024年11月16日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    サキの忘れ物、隣のビルが特に良かったです。
    私もサキの短編集読んでみたくなりました。
    行列のあれは結局なんだったんだろうか、、、笑
    どれも一癖?ある不思議な作品でした。

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    2024年11月14日
  • とにかくうちに帰ります

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    すごく感動する出来事があるわけではなく、考えさせられるというわけでもなく、なんかこういうことあるなあとか、こういう人いるなあと思っているうちに読み終わった。
    津村さん独特の突っ込みや少し後ろ向きなところが面白く思った。

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    2024年10月30日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    路地に面したご近所さんたちの話し。
    登場人物が多くて、最初に書いてある地図と、そこに住む人たちの詳細を何度も見直しながら読み進めた。

    登場人物が丁寧に描かれている。
    自分の家のお隣さんにはお隣さんの、全くつまらなくない人生と事情がある。
    当然のことなんだけど、しばしば見失っている感覚。

    たまたま起こったきっかけから、近所の人と関わりを持ち、あるいは、持たざるを得なくなり、繋がる。
    繋がることで、思いもよらぬ自分の家族の思いを知ったりする。
    人は、人と繋がることでしか知り得ないこともあるんだろうなあ。

    でも、自分には難しいかもしれない。
    繋がるって、ちょっと怖い。

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    2024年10月27日
  • とにかくうちに帰ります

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    ネタバレ

    表題作よりも鳥飼早智子が主人公の前半部分のほうが、なんとなく印象に残った。職場の人間関係を観察したという感じで、なんて事ない日常の記録だけれど、本当にこういう人がいると錯覚しそうになるくらい細部がしっかり書かれていた。
    表題作を振り返ってみると、とにかく家に帰りたいというだけの話なのに何故だかよく理解できた。台風や何かで家に帰るのに苦労したこと、私自身にもあるし、そのときその場にいる人たちとの妙な仲間意識みたいなものが、普段と違う距離感にさせたりする。みんな無事に帰れてよかった。

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    2024年10月25日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    作文なる学生時代の苦難を、気軽に吹き飛ばしてくれる一冊。
    そっか、もっと気楽なものでいいんだー!
    書くと同時に読むことも大事、とはこれまた納得。

    津村さんの、うまい具合に肩の力が抜けた柔らかい文体が好きなので、ここに真髄をみた気がしました。

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    2024年10月13日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    登場人物が多くて序盤はなかなか物語に入り込めなかった。この本を購入したときは結構ポップなお話かなと思ってた、ドタバタ逃走劇!てきなね。だけどなかなかにシリアスなところもある感じ。中盤になると段々キャラクター達も馴染んできて少し読みやすくなる。
    最後変に綺麗に収まりすぎな気がして、フォーカスする住人を絞ってエピソードを深くすればとも思ったけど、群像劇ってこういうものかとも思う。
    普段何気なく生活してるけど、すれ違う人達にはそりゃあ家があって家族がいて物語があるんだなって感じた。

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    2024年09月28日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    ちょっと不思議な短編集。

    独特の世界観なんだけど、
    入り込んでしまえばあるような気持ちになる。

    通勤に読むのにちょうどよかった。

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    2024年09月27日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    ネタバレ

    中盤くらいまでは、登場人物が変わる度に最初のページに戻ってどこに住んでる誰?といちいち確認していた。(正直少し読みづらかった。)

    10人以上の人物が主要キャラになっているのに、全部きちんと片付いて綺麗にまとまっていた。
    ただ、うまくまとまっているけど、まとまり過ぎ感もある。
    そんな何もかもうまいこといかないでしょとはやっぱり思う、、、。

    あと、登場人物の子供達は何故か逃亡犯に捕まってほしくないと思っていて、逃亡犯に同情?しているけど、
    読んでいて、やはり犯罪者は犯罪者だなーという感想。
    一度道を誤ったからなのか、協力してくれた人から無理やり財布奪ったり、人の家の事情も考えずに洗濯物を取った

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    2024年09月23日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    津村さんの作品を2作ほど読んで、この方は日常のほんの一ミリの感情を、私たちにこうだよね?と示してくれる作品が多い気がする。
    確かに、そうかも、と思いながら読む作品が多い。

    個人的には「王国」と「ペチュニアフォールを知る二十の名所」が好き。

    私も変わった子だったので、「王国」のソノミの行動や考える事が自分と面影を重ねて読んでしまっていた。

    「ペチュニアフォールを知る二十の名所」はプチミステリー感があって面白かった。

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    2024年09月19日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    とにかく登場人物が多い!

    とある住宅地に住む人々
    そんな住宅地に住んでいた人が横領で捕まり、さらに刑務所から脱獄した

    普段、人との関わりなんて全然ないのに脱獄犯が帰ってくるかもしれないと見張りをするために団結する

    訳ありっぽい人が多いけど、少しずつ理解し合えるのはいいなと思う

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    2024年09月11日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    ドラマや映画化されるほどかな〜?
    それぞれの背景が次第に組み合わさっていく感じは面白いけど、少し不自然なお話でした。

    ネネの方が断然好き!

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    2024年09月04日
  • 子どもお悩み相談会 作家7人の迷回答

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    小説家や歌人などによる子どものお悩み相談会。
    子どものお悩みというのが、子供側の事情を詳しく書いたものではなく「謙虚になるにはどうしたらいいですか?」「遅刻グセがなおりません」といった一行のみ。
    だから、お悩みに対するアドバイスというより、それをテーマにしたエッセイのようなものだった。参考になるかどうかは、微妙だった笑。
    作家さんたちの多くは、自分の経験について語っているのが、大人として読む側はおもしろかったな。
    子どもと大人、どっちが読めば共感できたり面白く感じたりするんだろう。

    一番最初に「夏休みの宿題ぎりぎり派はだめ?」というテーマについての角田光代さんの回答で、小学生の時絵が好きで美

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    2024年08月23日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    横領の罪を犯して
    刑務所を脱獄した日置昭子
    ある住宅地に向かっているとニュースがとびこむ
    10軒の家の住人達は夜間に交代で見張りを始める

    誘拐を密かにたくらむ25歳の男
    父と中3男子の2人暮し
    12歳の息子を部屋に一時的に閉じ込める夫婦
    祖母と母は気が向く時だけ家事をする家の小学生の姉妹達など
    訳あり家族が非日常がおこり
    交流をもつことで少しずつ世界が変わる

    海外文学なみに登場人物が多くて
    最初は登場人物を追うことに必死だったが
    読み進めると非常に面白い小説

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    2024年08月17日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    ネタバレ

    どの物語も、普段の日常的で起こりそうなんだよなあ、と思う。ありふれていそうな事が、津村さんの手にかかると途端に面白くなる不思議。「行列」
    も「河川敷のガゼル」も、ガゼルが何なのか、何を見るために行列に並んでいるのか明らかにされないし、読者の想像でしかないけれど、自分が体験したような既視感のある風景が浮かんでくる。
    「サキの忘れ物」は素敵な物語だった。仕事って誰もが楽しく働けるわけじゃないし、色々な思いを抱えながらやってるけど、もし一つでもこんな経験があれば、それを糧に働いていけるんだよなあと思う。

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    2024年08月17日