津村記久子のレビュー一覧

  • サキの忘れ物(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    津村記久子は社会人が読んで首がもげそうになるほど解像度の高い「何気ないイラつく感じ」を文章にするのがうまい。生きていれば大なり小なり理不尽と思うことはあるわけで、なんで?おかしいのはどっち?と。無神経だったり、厚かましさだったり、絶対、そっちのほうが生きるのが楽だろうなと思いながらも、そっちにはいけない、いきたくない。つまらない美学かもしれないけれど、それが矜持。そういうちょっと偏屈さを感じるけどいたって普通の人の物語が収められている。おすすめはガゼル。お気に入りは隣のビル。

    0
    2025年11月20日
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    レビュー3人目にして評価は2.9、単行本は3.8

    高価な単行本は「津村記久子」で売れ、安価な文庫本は「文学案内」で手に取られたのかと短絡的に察してしまうが、そうなのであれば評価の差は妥当である

    津村記久子が好き、さらには彼女と同世代で同じ属性の文学好きに最も刺さる仕様だと思う

    好きな本の紹介ではなく、仕事として読んだ本の感想を綴っているようだ

    それぞれテンションの違いや言葉遣いによって書いた時の筆の進み具合が察せられ、違った楽しみ方をしてしまったかもしれないし狙い通りに読めたのかもしれない

    紹介されているのは未読作品だらけであったが、読んでみようと思ったものは一つもない。読んだつもり

    0
    2025年11月18日
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    聞いたことはあるけど読んだことがない、だけどいつか読みたい、そんな古典的名作92作を作者が語るかのように綴る文学案内。

    本はたくさん読むけど、いわゆる古典と呼ばれるものはほとんど読んでないな〜。ここに掲載された92作も、恥ずかしながらタイトルすら知らないものが多々あるし、タイトルだけは知っているけど映画とかを見て読んだ気になっているものも。

    津村さんの普段使いの言葉で語られる解説がまた面白く、これも読みたい、あれも読みたいってなるんだけど、こんなに深く読み込めなくて、結局わかんね〜で終わりそうな自分が情けない。

    とりあえず3作品だけはチェックして、読むことにしました。そのうちね。

    0
    2025年11月17日
  • 現代生活独習ノート

    Posted by ブクログ

    8編の短編集。どれも楽しく読めました。

    前半3遍は、作中人物がエッセイを書いているような不思議な作風。ちょっと長めのショートショート?って感じでもあります。
    4編目以降は小説感が出てきます。
    気に入ったのは5編目「粗食インスタグラム」と7編目「メダカと猫と密室」。どちらもお仕事小説。津村紀久子さんのお仕事小説は共感する事や気付かされる事が多く、“同志“を見つけたようで嬉しくなります。私も仕事相手については余計な情報入れたくないし、仕事がスムーズであれば善人か悪人か問わないです。でもついつい感情が働いちゃいますよね。
    ラストは「イン・ザ・シティ」。The Jamの名曲ですね。読み終わった後すぐ

    0
    2025年11月15日
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    新しい扉を開く、違う世界線に出会うきっかけになる本…ではない。すでに新しい扉を開けた人が更に新しい扉を開ける手助けになる本である。定期的に開くことをお勧めする。

    0
    2025年11月15日
  • ポトスライムの舟

    Posted by ブクログ

    20代後半って世界旅行できるくらいの金があるべきなのかしらと自分を省みて侘しくなった。何にお金を使ってきたのか、何も考えずに28歳まで来てしまった。ピースボートは気になる。

    0
    2025年11月06日
  • とにかくうちに帰ります

    Posted by ブクログ

    なんてことはないことが題材で、淡々と話が過ぎていく。だけど何故か気になる話ばかりでした。
    登場人物たちの「こだわり」が感じられたからなのかなと思います。

    0
    2025年11月02日
  • ポトスライムの舟

    Posted by ブクログ

    ポトスライムの舟、十二月の窓辺の2篇からなる本作。2篇は主人公も舞台も異なるが、上司からパワハラを受けている・受けていた主人公という共通項がある。

    現在進行系でパワハラを受けている女性が主人公の「十二月の窓辺」は、読むほどに自分が仕事が一番辛かったときの喉に何かが詰まるような思いや、冷や汗をかきながら必死に追いつこうとするも、誰も助けてくれない状況を如実に思い出し、とても辛くなった。
    過去にパワハラを受けていた女性が主人公の「ポトスライムの舟」は、工場や友人のカフェ、パソコン教室で働きながら、世界一周旅行のための貯金を始めるところから始まる。未来に希望を持とうとする姿がまぶしく見えたが、そん

    0
    2025年10月23日
  • つまらない住宅地のすべての家

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    傍から見ると順風満帆そうなあの家も、実は嵐の中にいたりして。

    自分のことに精一杯でリアルな繋がりを面倒くさいと思ってしまう世の中だけど、そのハードルを越えて対話することで知れる一面もある。往々にして私たちは悪い部分だけが脳裏に残りがちだけど、良い一面を知れるのはやっぱ対話だよね。

    全く知らないのも怖いし、知られすぎるのもいや。生活の大部分を占めるご近所は、特に適度な距離感が大事なのかも。 

    0
    2025年10月11日
  • やりたいことは二度寝だけ

    Posted by ブクログ

    アッパッパーってなんだよ、なにかわからんけどくたびれてることはわかる!!!w
    とおもって読み進めてたらチュニック?の別名らしい。言い得て妙な造語だ、私も使っていくぞと思ってたので勝手に悲しい

    最後の解説?がよかった
    なんでもない話っていい。するのも聞くのも。
    いや、嘘かも。オチ、いや、じゃなくても緩急ほしいかも。

    0
    2025年10月10日
  • 現代生活独習ノート

    Posted by ブクログ

    人生は選択の連続だ。しかも、今の世では選択しなかった人生を、簡単に覗き見ることができるのである。比べていいことも、ほとんどない。サンプルは上から下まで幾らでもあるのだから。とても疲れる。
    では、良いとされていることをすればよいのかというと、これまた大変である。憧れの生活スタイルもたくさん明示される。しかし、正しいことをし続けるのは、とてもエネルギーが必要になる。
    そうなると正しい方を選び、行い続ける、というのはとてもとても疲れるということになる。だから、しょぼくてもしけててもつまらなくても、これでいいというのはひとつの解決法だろう。「台所の停戦」の私や、「牢名主」の鶴丸が心に決めたように、他人

    0
    2025年10月07日
  • 現代生活独習ノート

    Posted by ブクログ

    『群像』に掲載された8短編集。レコーダー定置網漁、台所の停戦、現代生活手帖、牢名主、粗食インスタグラム、フェリシティの面接、メダカと猫と密室、イン・ザ・シティ。

    普通に仕事があって、仕事や対人関係やSNSに疲れて、料理の気力もない、でもそれなりに頑張る姿に共感します。端々に、なるほど、そう考えてもいいんですかという応援。

    0
    2025年10月06日
  • とにかくうちに帰ります

    Posted by ブクログ

    「職場の作法」 では田上さんのお作法がなかなか厳しく、でも痛快。「とにかくうちに帰ります」はそれぞれ事情は違っても、やっぱりお家が一番だよねって思いながら、帰る家があることに改めて幸せを感じた。見知らぬ人同士の交錯が良かった。

    0
    2025年10月05日
  • ポトスライムの舟

    Posted by ブクログ

    全然脱力系じゃないよ…仕事に振り回される描写の解像度が高すぎるので元気吸い取られる…
    表題よりも十二月の窓辺の方が好き、トガノタワーの設定が良い。

    0
    2025年09月27日
  • 浮遊霊ブラジル

    Posted by ブクログ

    どの作品も独特の視点や表現で面白いうえに気づかされることが多かった。
    そのなかでも表題作の「浮遊霊ブラジル」の幽霊の在り方が秀逸。怖いや割と万能に描かれがちな幽霊にあんなふうな特性をもたれるなんて今までみたことがなく、ラストも清々しくてよい。

    0
    2025年09月26日
  • アレグリアとは仕事はできない

    Posted by ブクログ

    ただただ、それぞれの理不尽に対して怒りをぶちまける。
    その様子を綴った物語。
    怒りにかられたとき、思考は支離滅裂になり、とめどなく負の感情が溢れてきて、その奔流に押し流されそうになる。
    それを文章にするとこうなる、という一つの形。
    正直、好きなお話、読んでよかったというものではなかったけど、こういうこともあるよなあ、となんとなく思った。
    作者が、会社勤めをしているとき、その通勤をしていたとき、辞めようと思ったときなどの負の感情を、作品にしたのかな。

    0
    2025年09月25日
  • ポトスライムの舟

    Posted by ブクログ

    『ポトスライムの舟』『十二月の窓辺』の二編からなる。
    『十二月の窓辺』は『ポトスライムの舟』の前日譚として位置づけられているらしい。

    29歳の長瀬由紀子(ナガセ)は工場のラインで働く他 友人が経営するカフェでのパート データ入力の内職 パソコン教室の講師 をかけもちしていた。
    ナガセは自分の時間がないことに安心していた。どの仕事も薄給だということが時々彼女を追い詰めたが、それでも働かないよりはましだと思っていた。
    ナガセは新卒で入った会社を上司からの凄まじいモラハラが原因で退社し、その後の一年間を働くことに対する恐怖で棒に振った経験をもつ。

    テーマは二編ともそこそこ重いが何故か悲愴感はない

    0
    2025年09月14日
  • 婚礼、葬礼、その他

    Posted by ブクログ

    ヨシノの行動や言動にクスッと、そしてちょっとホロリ。ドタバタして、空腹だしで感極まった感じなのかな。「旅行より強いのが結婚式でそれより強いのがお通夜」らしいです。

    0
    2025年09月10日
  • ポトスライムの舟

    Posted by ブクログ

    生き物として生きること、人間として生きることには、違いがあるように言われるが、どうちがうのか。

    それは自然とのかかわりに組み込まれて生きること、社会とのかかわりに組み込まれて生きること、そういう違いなのかなとおもった。
    だとすれば、それぞれ違っているようでいて、実質は同じなのかもしれない。

    0
    2025年09月06日
  • ポトスライムの舟

    Posted by ブクログ

    津村記久子さんの「この世にたやすい仕事はない」が好きで他の作品も読んでみたいと思っていたところに「芥川賞受賞作品」と文庫の裏にうたわれていたので、詠んでみました。
    中篇2篇でした。
    あとがきを読んで「十二月の窓辺」は、主人公の名前こそ違えども「ポトスライムの舟」の前日譚ということには納得。
    上司のパワハラに悩む主人公から、優良企業を職場の人間関係から辞めて工場の仕事や内職などで暮らす主人公へ…
    みんなそれぞれの悩みを抱えて仕事してるんだな
    ガンバレ〜自分!と思わせてくれる本でした。

    0
    2025年09月05日