津村記久子のレビュー一覧

  • 婚礼、葬礼、その他

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    登場人物達の人間臭きドタバタ感が好かった。人間的等身大のユーモアとアイロニーの流れが、何処か澄ましたような文体から滲み出て来る小説で、アイロニカルな穏やか空気の流れを肌で感じるようだった。

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    2013年04月18日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    『ポトスライムの舟』や『アレグリアとは仕事はできない』もそうですが、働くこと、あるいは働いている人についてとなると、津村さんの筆致はひときわ冴えまくります。コピー機や故人といったモノ(物・者)に対する呪詛にどこか共感できたり笑えたりするのは快感です。

    本書に収録されている「冷たい十字路」は、『アレグリア~』に収録されている「地下鉄の叙事詩」と似た手法で書かれています。一つの出来事を複数の関係者の視点から描くというのは新奇ではありませんが、プロ作家としての手腕が発揮されています。

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    2013年03月14日
  • この世にたやすい仕事はない

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    この主人公は30代の女性だが、仕事を辞めてもっと自分に合った所、やりがいのある仕事を求めるのは、どの年代でも考える(実行するかどうかは別として、定期的に辞めたい辞めたいとなる)
    ただ高齢になると選択できる職が少なくなり、雇用条件も悪くなる一方⋯結果 辞められない
    この本に出てくる職は多種多様で面白く、やってみたいと思う職もあった
    2025/1

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    2026年08月16日
  • 水車小屋のネネ

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    理佐が律を連れて、新たな生活を始めたのは18歳の時。そのいきさつから、当然苦難の連続であったはず。周りの人々の支えとヨウムのネネによって、そして姉妹の努力によって、奇跡的に平穏な日々を過ごしてきた。

    出来事や日常は、ぎりぎりまで喜怒哀楽を取り除いて、淡々と描かれている。
    親を除く周りの人々は善意にあふれた人ばかりだ。
    しかし、姉妹の苦悩、怒り、絶望、勇気、努力、希望、喜び、感謝は、いかばかりであったのか。
    読み手は文章の余白に想像力を持つことが求められ、それは経験や知識や感受性などによっても変わってくると思った。

    人の温かさや支え合うことの大切さなど、生きていくことの理想が詰まっている。

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    2026年08月08日
  • この世にたやすい仕事はない

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    『There's No Such Thing as an Easy Job』という題名で英訳されていてさらに柚木麻子の『バター』も翻訳しているPolly Bartonが担当しているので興味が出た。
    主人公は前の職場でうまく行かず、逃げ出すように辞めてハローワークのようなところにお世話になる。
    とにかく楽な仕事をリクエストして紹介される仕事が全てニッチでマイナーだけど主人公はしっかり仕事こなしながら一緒に働いている人を冷静に見て様々な分析をする。
    ・作家を監視する仕事
    ・おかきの袋に記載されているプチ知識を考える仕事
    ・バスのアナウンス原稿を考える仕事
    ・ポスターを貼り替える仕事
    ・公

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    2026年07月31日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    つらつらと日常を書くのは得意なんだが、どうやったら面白い文章が書けるようになるかのプロセスがまとまってておもしろかった

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    2026年07月30日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    ネタバレ

    義理の父親に虐待され、姉妹で家出をして水車小屋に、言葉を話すヨウムを飼っている奇妙な蕎麦屋で暮らし始める。姉妹が成人して独り立ちし、結婚、出産していく姿をずっと描き続ける。
    家出の後は、大きな出来事は起こらない、おだやかな時間の流れが描かれる。東北大震災も描かれるが、水車小屋にはそれほど影響がなかった。
    描かれる雰囲気はいいのだが、物語としては少し物足りない感じがした。

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    2026年07月27日
  • 二度寝とは、遠くにありて想うもの

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    やりたいことは二度寝だけをすっ飛ばしてこちらから読み始めました。
    スポーツに音楽にお仕事に展覧会にとあらゆる文化への造詣が深い
    そして視点が面白い
    布団コールから始まり、最後らへんの素人展覧会巡りの話が特に好き
    神戸市立博物館の展覧会にナガサワ文具センターが張り切って限定のカラーインク売り出すの笑いました。ジュンク堂にくっついて店舗展開されてますよねぇ
    解説も津村さん愛がすごくてよかった
    美術展のチケットのミシン目をつけるお仕事はもしやと思ったら大好きな この世にたやすい仕事はない のシーンで嬉しかった。

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    2026年07月24日
  • 水車小屋のネネ

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    「貧乏が怖いの、わさるよ」
     律は夜空を見上げながら言った。右を見たり左を見たりしているので、おそらく正座を探しているのだろうと理佐は思う。
    「学校の意地悪な男子は、ものすごく貧乏をばかにするからね。だから怖いのはわかる。でも私の読んでいる本に出てくる人は、貧乏な人が多い。私も例外じゃないのかもしれない」
     そういう連中にばかにされない生活をしているからって幸せだとは限らないし、ばかにする連中が幸せだとも思わない。
    (P.169)

    「あれがたぶんアルビレオだ。はくちょう座の。肉眼で見るとひとつに見えるけど、望遠鏡で見ると二つあって、二重星っていうんだって。金色と青色の星でできてるんだって」

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    2026年07月21日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    古き良き日本ってこんな感じだったのかも〜?って思って読みました。
    そして、お姉さんの強さがいい。なのに、謙虚。
    自分の状況を受け入れて嘆かず前に進む。
    見習いたいけど、難しい。

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    2026年07月13日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    父の日に息子からプレゼントされた本

    息子、俺の好みを分かってるね!

    人との繋がりの大切さを優しく教えてくれる物語

    小説は、ほとんどがフィクションだから「こんな話あるか?」と疑問に思う事もあるが、この物語は、子供だった頃、大人に言われた事を思い出せてくれました

    人には、親切にしろ
    素直な心を持て など

    また、各、主要な登場人物目線で物語が進んでいくので、読みやすく、登場人物の想いや情景が浮かびやすかった


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    2026年07月12日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    ある姉妹の30年間が描かれていて、2人にかかわる人たちがすごく温かくて、その温かさが次へ次へとつながっていく、心があったかくなるお話。

    出会い、別れ、嬉しいこと、辛いこと、みんな何かを抱えながら生きていて、それを自分たちで乗り越えて前に進んで今がある。

    人から受けた親切を今度は自分が返していく、そんな優しさと思いやりがあれば、人は前を向いて生きていける!と思いました。

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    2026年07月12日
  • ポトスライムの舟

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    薄給で働く日々、人間関係やお金のことで思った通りにいかないけど、なんか前向きにいけそう。
    「十二月の窓辺」が辛すぎる。登場人物の誰が誰なのか、性別もわからなくなる、追い詰められた気持ちになる。

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    2026年07月12日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    意趣に富んだ短編集でした。多彩な作品を書かれる方ですが、今作はエンタメよりは純文学よりかと。シックなトーンですが、切実さとユーモアが混在する作品が多く、面白い読書体験でした。

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    2026年07月11日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    大きな出来事が続くわけじゃないけど、
    読んでいる間ずっと優しさを感じる物語でした。
    人とのつながりってこういうことなのかなって、読んでいて考えさせられる作品でした。

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    2026年07月10日
  • うどん陣営の受難

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    100分で読めるシリーズというので面白そうなので購入。
    社内政治をテーマにした内容。
    タイトルからはもっと変な世界観かと思ったけど結構現地味がある内容だった。
    (そば派vsうどん派とかそんなのを予想してた)

    主人公の女性が、同じ派閥の会合に政治的な意味で参加せず、食べ物につられて参加している様子は、どこか抜けていて、お気楽な感じで面白かった。

    うどん陣営の登場人物にそこまでの個性は感じず、ところどころ、「これ誰だっけ?」と思いながら読んだ。

    中編小説という謳い文句だが、短編じゃないかなってくらいの分量で少し物足りなさは感じたが(この作品の読み易さもそう感じさせる要因だった)、概ね満足。小

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    2026年07月08日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    この小説を読まなかったら一生ヨウムなんて知らなかったと思う。
    時代が違ったら主人公姉妹に対する周りの人々の対応が違っただろうから、きっと行く末は違ったんじゃないだろうか。
    この物語にはそういったことを考える前に人としての優しさから先に身体が動いてしまう、そんな人が多くて、つい責任や損得勘定で動きがちな私が忘れていた気持ちをほんの少し思い出させてくれた。

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    2026年06月28日
  • 水車小屋のネネ

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    夫が読んでて表紙が可愛かったので読んでみた。個人的に珍しい動機。久しぶりに夫婦で同じ作品を読んだので感想戦が楽しかった。義母もこれから読むみたい、楽しみ。内容は穏やかな物語だった。警察が登場するような事件は起きず、姉が妹を連れて、鳥のネネがいる蕎麦屋に住み込みで働くところになり、新天地で姉妹2人がどう生き往うたかの物語。物語の内容とリンクする表紙のイラストを探すのが楽しかった。作品中の挿絵は一捻りされてて、描き手の遊び心を感じた。挿絵のページがくると嬉しかった。2001年まではとても面白かった!2011年から失速した感じがした。「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」このフレーズ

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    2026年06月26日
  • ポトスライムの舟

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    ネタバレ

    ページにぎっしりと詰まった文章、改行はほとんどなし。初手から読みづらそうと思いましたが、予想は的中しました。『コンビニ人間』と『推し、燃ゆ』とはぜんぜん違う。描かれるのは過労とパワハラ。過労なんて関係なくどんどん増えていくポトスライムと、主人公の差はなんなんだろう。女4人の暮らしぶりに疑似家族好きの私は心躍りました。年収って、結婚って、子供ってなんなんだろう。お金よりも大切なことがあるって言いたいの?結局、作者が伝えたいことが分からないまま、私は本を置いたのです。人生とは辛いものなのです。

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    2026年06月22日
  • 水車小屋のネネ

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    ある姉妹とネネ、その周りの人たちの40年もの間のほっこりする話。姉妹は子供なのに少し大人びて、それをとりまく周りの人が優しく温かく支えて成長していく。そして彼女たちも次の世代を温かく見守っていく。
    最後にネネが死んじゃって終わり、みたいな終わりじゃなくて良かった。

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    2026年06月22日