津村記久子のレビュー一覧

  • アレグリアとは仕事はできない

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    面白い!!
    表題作はよくPCのエラーに悩まされる私には、共感の嵐。読後のなんともいえない爽快感も良い感じ。
    そして併録作のリアリティが素晴らしい。
    満員電車ってああだよね。

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    2015年05月01日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    表題作は、アレグリアという性悪な?複合機を通して、会社の中の歪みを浮き彫りにしていく。詳細なアレグリアの仕事に対する描写が滑稽でもあり、ただそれによって暗鬱なリアルな感情が浮かび上がる。不機嫌が不機嫌のままに過ぎていく。所々に自分が感じられる感情が散りばめられていて物語に引き込まれていく。

    地下鉄の方は、まあ藪の中、といった感じで構成的には新鮮味はないかなと。

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    2014年07月02日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    「人間と機械は違うでしょう」
    「同じですよ」

    アレグリアというコピー機は大事なところで動かなくなる。
    機械に本気で腹を立てる女子社員の主人公と、
    いつも涼しい顔でおだやかな先輩と、
    アレグリアを通じて恋する修理屋とその他いろいろ。

    一台の機械をはさんでここまで人間関係を克明に描けるのか。見せかけじゃない。本気で生きている人間の感情が動いているからずっと読んでしまうし緊迫したシーンとくだらないシーンのメリハリがわし掴んで離さない。

    同時収録の「地下鉄の叙事詩」は
    正直退屈だと思った。さいしょ。
    でも痴漢された女子高生の章を読んで、これは
    「それでも僕はやってない」ばりに映画にできる、と思っ

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    2014年05月29日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    ネタバレ

    表題作が特に面白かった。
    津村さんの小説の中でも好きなタイプの話。
    友人の結婚式の当日に、上司の父親の通夜に行かなくてはならなくなり結婚式をキャンセルして……というストーリー。小さな会社に勤める立場の会社員のままならなさが、真面目なんだけれどユーモア混じりに描かれている。
    通常、身内でもなければ「結婚式>葬式」だろうと思うが、社員18人しかいなくて、しかも全員参加が余儀なくされている状況なら断れるのかどうか……、と本人でなくても真剣に悩むところだろうと、フィクションながら気の毒に思う。
    参列した通夜での人間関係や、キャンセルした結婚式に出席している大学時代の友人達が、それぞれ個性的なキャラクタ

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    2014年04月09日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    祝福したい気持ちはある。心から。
    しかし、服やら靴やら髪型はどうしよう?
    お祝儀…。
    メッセージビデオを作るのか。 あぁ面倒臭い。
    そんなことを感じちゃ駄目だ、と思う。
    でも憂鬱。
    幸い幹事を頼まれたことはないし(頼まれるような人徳がない)、結婚式の途中でお通夜に呼び出されたこともないのですが。
    この冠婚葬祭のテンパった苛々する感じを追体験してしまいました。
    本人は必死なのに客観視するとひどく滑稽ですね。
    人生って面倒臭いことだらけだ。
    でも過ぎてしまえば、それも愛しき日々…なのかな?

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    2013年10月22日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    本書には、「婚礼、葬礼、その他」と「冷たい十字路」の短編2作品が所収されている。

    「婚礼、葬礼、その他」は、1日の間に、友人の婚礼(2次会の幹事を依頼されている)と会社の上司の父の葬儀が重なってしまって、さあ大変、という状況での主人公の行動や、人間観察、人間関係の機微、そこでの主人公の心の移ろいが描写されている。

    一方、「冷たい十字路」では、自転車通学の高校生達による傍若無人な自転車の乗り方から起こるべくして起こった事故を題材に、その事故の周辺の人びとの生活や思いなどが粛々と綴られた作品。

    いままで、津村さんの作品では、どちらかというと20歳代後半から30歳代の働いている女性達を主人公に

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    2013年08月24日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    婚礼、…:よくあるいらだち、どうしてこうなるの?という感じ、ぼんやりとした設定。津村さんらしい話。
    冷たい…:心が重くなります。これも津村さんらしさ。

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    2013年07月19日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    登場人物達の人間臭きドタバタ感が好かった。人間的等身大のユーモアとアイロニーの流れが、何処か澄ましたような文体から滲み出て来る小説で、アイロニカルな穏やか空気の流れを肌で感じるようだった。

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    2013年04月18日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    『ポトスライムの舟』や『アレグリアとは仕事はできない』もそうですが、働くこと、あるいは働いている人についてとなると、津村さんの筆致はひときわ冴えまくります。コピー機や故人といったモノ(物・者)に対する呪詛にどこか共感できたり笑えたりするのは快感です。

    本書に収録されている「冷たい十字路」は、『アレグリア~』に収録されている「地下鉄の叙事詩」と似た手法で書かれています。一つの出来事を複数の関係者の視点から描くというのは新奇ではありませんが、プロ作家としての手腕が発揮されています。

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    2013年03月14日
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

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    名作と言われる作品を、高尚なものだと捉えすぎていたのかもしれない。
    自分たちの延長線上にいるのではなく、なんだかもっと、後世の人たちが言動を一つずつ分析し、意義を見出せるような、自分たちとは違った存在なのだと思いすぎていたんじゃないか。

    そんな気持ちにさせてくれる、名作たちの書評をまとめた一冊。

    英米文学科を出ていると言いたくなくなるくらい、名作を読んでない。
    専攻は英語学だったんだと言い訳だけさせてほしい。英文学史も米文学史も必修でとったけど、本当に苦行でしかなかった。
    それは翻訳の日本語への苦手意識があるけれども、「こいつなんでこんなことしてるの?」に無駄に意味を見出そうとしすぎていた

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    2026年08月27日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    よく似た登場人物が多くて、何回も前に載っている住宅地地図を見ながら読まなければならず、ちょっと疲れた。
    結末はあっけなかったかな。3軒分つないで住んでいる長谷川家が怖かった。

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    2026年08月25日
  • この世にたやすい仕事はない

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    お仕事葛藤記かと思いきや日常に隠れるちょっとした時空が歪んだのかな?という不思議感もある小説。確かにお仕事転々とするのでタイトル通りどの仕事もたやすい物なんて1つもない、すごい仕事も楽な仕事もない。全ての仕事にはよしも悪しもあるのは間違いないけどふいに挟まる不可解な謎。私の職場にも触れてはないがその隙間から広がるまだ知らない謎を見てみぬふりしてるのかも?を進んでいく主人公がいるのでちょっとした冒険とも似て非なるもの。どの章も読みやすくてなるほどなるほどとなり、最後の集結もこれまでの事が繋がってたりして一体感が心地よかった。けどそこから得る教訓というものがなかったので、お仕事葛藤記だ!と思い込ん

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    2026年08月24日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    薄氷の上を踏むのではなく、薄氷を横から見ているような、氷の薄さを感じながら、それを眺めているような感じのする本だった。主人公のホリガイさんの語りで進んでるんだけど、どこか距離があるのが不思議な感覚。描写が細かすぎて、まるで彼女たちの生活を上から覗いてるような、普段の小説とはまた違った第三者視点がおもしろい。手首の表皮も、ホリガイさんとイノギさんの関係も、ホセキくんの命も、ヤマカワくんの淡い思いも、全てが薄くて、柔くて、儚くて、脆くて、でも薄いからこそ、それが、彼らがしっかりそこにあることを、存在することを感じるような、そんな感じのする本だった。あと、あまりにも唐突に話が始まるものだから、話をつ

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    2026年08月23日
  • 浮遊霊ブラジル

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    帰りの電車で読んだ。
    なんか不思議な世界に連れて言ってくれたような気がする。
    全て短編で、非現実的な世界観である。

    女性だけれども、中年〜高齢男性の思考を理解して書いていることが素晴らしいと思う。経験したことしかわたしは書けないことが多い。いろんな引き出しを持っている方が、小説に深みが出ることを表現していると思う。
    娯楽摂取しすぎで地獄に行った人の話が面白い。そんな時間どこから捻出したんだよとツッコミも入れたくなる。本人がそのくらい娯楽をしているのだろうか。自分への戒めの小説か。笑

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    2026年08月18日
  • この世にたやすい仕事はない

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    この主人公は30代の女性だが、仕事を辞めてもっと自分に合った所、やりがいのある仕事を求めるのは、どの年代でも考える(実行するかどうかは別として、定期的に辞めたい辞めたいとなる)
    ただ高齢になると選択できる職が少なくなり、雇用条件も悪くなる一方⋯結果 辞められない
    この本に出てくる職は多種多様で面白く、やってみたいと思う職もあった
    2025/1

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    2026年08月16日
  • 水車小屋のネネ

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    理佐が律を連れて、新たな生活を始めたのは18歳の時。そのいきさつから、当然苦難の連続であったはず。周りの人々の支えとヨウムのネネによって、そして姉妹の努力によって、奇跡的に平穏な日々を過ごしてきた。

    出来事や日常は、ぎりぎりまで喜怒哀楽を取り除いて、淡々と描かれている。
    親を除く周りの人々は善意にあふれた人ばかりだ。
    しかし、姉妹の苦悩、怒り、絶望、勇気、努力、希望、喜び、感謝は、いかばかりであったのか。
    読み手は文章の余白に想像力を持つことが求められ、それは経験や知識や感受性などによっても変わってくると思った。

    人の温かさや支え合うことの大切さなど、生きていくことの理想が詰まっている。

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    2026年08月08日
  • この世にたやすい仕事はない

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    『There's No Such Thing as an Easy Job』という題名で英訳されていてさらに柚木麻子の『バター』も翻訳しているPolly Bartonが担当しているので興味が出た。
    主人公は前の職場でうまく行かず、逃げ出すように辞めてハローワークのようなところにお世話になる。
    とにかく楽な仕事をリクエストして紹介される仕事が全てニッチでマイナーだけど主人公はしっかり仕事こなしながら一緒に働いている人を冷静に見て様々な分析をする。
    ・作家を監視する仕事
    ・おかきの袋に記載されているプチ知識を考える仕事
    ・バスのアナウンス原稿を考える仕事
    ・ポスターを貼り替える仕事
    ・公

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    2026年07月31日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    つらつらと日常を書くのは得意なんだが、どうやったら面白い文章が書けるようになるかのプロセスがまとまってておもしろかった

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    2026年07月30日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    ネタバレ

    義理の父親に虐待され、姉妹で家出をして水車小屋に、言葉を話すヨウムを飼っている奇妙な蕎麦屋で暮らし始める。姉妹が成人して独り立ちし、結婚、出産していく姿をずっと描き続ける。
    家出の後は、大きな出来事は起こらない、おだやかな時間の流れが描かれる。東北大震災も描かれるが、水車小屋にはそれほど影響がなかった。
    描かれる雰囲気はいいのだが、物語としては少し物足りない感じがした。

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    2026年07月27日
  • 二度寝とは、遠くにありて想うもの

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    やりたいことは二度寝だけをすっ飛ばしてこちらから読み始めました。
    スポーツに音楽にお仕事に展覧会にとあらゆる文化への造詣が深い
    そして視点が面白い
    布団コールから始まり、最後らへんの素人展覧会巡りの話が特に好き
    神戸市立博物館の展覧会にナガサワ文具センターが張り切って限定のカラーインク売り出すの笑いました。ジュンク堂にくっついて店舗展開されてますよねぇ
    解説も津村さん愛がすごくてよかった
    美術展のチケットのミシン目をつけるお仕事はもしやと思ったら大好きな この世にたやすい仕事はない のシーンで嬉しかった。

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    2026年07月24日