津村記久子のレビュー一覧
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「この世にたやすい仕事はない」や「とにかくうちに帰ります」を読んだ時も思ったのだけど、現代日本人の多くが、疲れはててどこに向かっているのかわからなくなった虚しい毎日を、マウントをとってみたり、回避してみたり、空想に逃避してみたりしながらなんとか生き延びていることを突きつけられて、わりとしんどい。
生きる喜びなんて感じられないくらい、子供から大人まで毎日毎日疲れ切っている。
週休2日ノー残業を実現するために昼休みにカロリーゼリーを啜りながらPCを叩き、帰宅してからは疲れ果てて動けず、休日は一日中眠りこける日々に矛盾を感じる方にオススメです。 -
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津村さんは『水車小屋のネネ』が良かったので、こちらを購入した。読み始めて3週間程と何度も挫折しかけた。逆コの字の住宅地に10軒の住宅と24人の住人。冒頭に住宅地地図と住人全員の名前が掲載されていて、住人が登場する度に何度も見返した。住人達はまともな人達がおらず、訳あり家族が多く、暗い気持ちにさせられる。暴れる子供を隔離して縛りつけようとする夫婦、少女を誘拐しようと企てる独身男性、何やら曰く付きで金持ちとなった家族、等々。
これが脱獄した女性受刑者のニュースで、住人達が嫌々ながら交代で見張り番をする事に。纏まりが無い住宅地で唐突な提案が受け入れられてしまう。この展開も予想外。親が出ない家は子供が -
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津村さんの小説が好きなので読んでみた。
まず、津村さんが文章を書くことが苦手だと書いていることに驚く。小説家が文章を書くことと、学校の授業で作文を書くことは「あまり変わりはありません。」(P8)それでも書くのは「「それが仕事だから」と説明するよりほかはありません。」(P9)
こんな芥川賞作家がいるだろうか。他にも色々な賞を受賞していて、コンスタントに作品を発表し、長編も短編もエッセイも書き、ドラマ化されたこともある、デビュー20年(この本がでた時は17年だけど)の作家なら、一流と言って良く、大いに威張っても誰も文句は言えないのだが、とことん謙虚であるのが津村さんらしいというか、そこが好きだなと -
Posted by ブクログ
とにかく登場人物が多い?
10軒分なので...
最初のページの
住宅地の見取り図、登場人物の紹介が ありがたかった
視点が変わるたび、それそれの家庭の事情も 描かれていて
なかなかの事情
自警によって
疎遠だったご近所付き合いが
すこーしづつ動きだしていく
脱獄犯含め
関係ないかと思いきや
実は まあまあ絡み合っていて
ここ繋がって.?
はっ!ここも繋がったー!
級密で小さなパズルのピースがはまっていくような感覚 は、とても面白かった
それぞれの家庭の事情は
かなり重いのだけど
脱獄犯の自警の関わり合いで
なんとなくゆる~っとほどけていく過程が
初めて読むタイプの小説で新鮮でした
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Posted by ブクログ
読み終わって感じたことは、少々読みづらかったヵ所が幾つかあったということ。例えば主人公「律」の言動と思えるヵ所の次の行で、そのまま言葉や行動が書かれていたので、「律」が言っている、行っていると思っていたら、本当は「研司」の言動じゃあないかと思える所があった。ちょっと分かりにくいし、のめり込むことが難しかった。そのように、ある人の言動が実は別の人の言動だと思えるヵ所が幾つかあった。
そして何と言っても、この小説、殆んどが善人(と言うかお人好し)ばかり。よって主人公の「理佐」と「律」姉妹2人は、困難があっても周りの人たちが助けてくれて、何か常に順調な人生を送っているように思える。
また、インコの1