津村記久子のレビュー一覧

  • まともな家の子供はいない

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    違和感…そりゃそうだよね。
    まともかどうかなんて、分からないんだから。
    自分ち基準で判断するんだから。
    そして今日も我が家は緑色のドリンクが
    出てくるのだ。うーん、なんて健康的‼

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    2016年08月21日
  • まともな家の子供はいない

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    同世代だった時にじぶんが見ていた風景が脳内に広がって、読んでいるのが苦しいほどに14歳の苦悩が詰まっている。
    だけど、彼女らの気づきや動きにわたしもちょっと感化されて よーし!と走り出したい気持ちになった。

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    2016年05月04日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    2つの短編集。
    アレグリアの方はすぐ壊れる、まったく言うことをきかない複合機アレグリアと主人公との仁義なき戦い。
    うちの複合機も時々腹立つ動きをするので主人公の怒りがすごいよくわかるし面白かった!
    もうひとつは地下鉄に乗り合わせた人物を視点を変えながらただ自らの人生と重ねつつ批評していく話。
    こちらも電車あるある満載で面白かった。
    世間にいるマナーの悪い嫌な人々に本気で死んでくれと願ってるような人が出てくるけど、これもわからなくもない。
    みんなの愚痴を集めたような話で最後はちょっとすっきりで終わった。

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    2016年01月10日
  • 婚礼、葬礼、その他

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     それぞれがはっきりとはしてないけど確かな不満を抱えていて、でもそれを抑えて社会で足並みを揃えて生きているのだけど、ちょっとした拍子にその膿が表面化してしまう怖さ。そういう意味では、実は非常に脆い日々を送っているんだなと思った。他人の地雷がどこにあるのかも分からないし、どれだけ憂鬱でも社会的に生きていくことから簡単に逃れられないから、だからみんな何とか折り合いをつけている、その閉塞感が本当に晴れることはないのだろうけど、悪いことばかりでもないとぼんやり思える津村さんの仕事描写がとても好き。

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    2015年12月24日
  • アレグリアとは仕事はできない

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     読んでいて辛くて泣きそうになった。すごく重々しい描写はされていないのだけど、不平不満を抱えていたり、自分や社会に対して諦めや限界を感じていたり、自分の立場を守るために他人を見下したりしながら生きている登場人物たちがどうしようもなく孤独に感じられたから。でも決して悲観的なだけではなく、特に「地下鉄の叙事詩」のラストではなんとか前向きに生きていけそうだと思うことができて、また違った意味で涙が出そうだった。

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    2015年12月09日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    短編が2つ収録。表紙のイメージや語りの軽快さから軽く読める感じの話なのかな?と思って読み進めるけど、意外とそうでもない。

    <アレグリアとは仕事はできない>
     文句を垂れながらも、なぜだかうまくやっていく主人公は、同著者のほかの小説同様健在。ややバイオレンスな傾向はあるかもしれないが。
     バイオレンスなだけに、もう一人の中心人物「トチノ」は主人公とは対照的。蹴りを食らわせるも大慌てで足跡を消す主人公「ミノベ」と、突然ケーブルをぶった斬る「トチノ」。
     「だからどうしてそれを口に出してくれなかったんですか。」(p.89)の言葉はもっともだし、私自身そう心がけているつもりではいる。しかし、「ミノベ」のように生きるべし、というほど単純なものでもない。そこには孤独との戦いもある。でも、何より、取り返しのつかないことが、起きてしまっている。
     ではどうすればいいんだろう?なんて聞いたところで明確な答えがあるものでもないし、だからこうした小説があるのかとも思う。笑いを誘う文体やきれいな終わり方に救われる感じはするが、結構重い。
     ただ、この話を重いと捉えるのも、よくないことなのかも。

    <地下鉄の叙事詩>
     小説を読むのは難しいな、と感じた。
     大学生イチカワのいかにもな斜に構えた態度は、若き日の過ちというか、みっともないな、くらいには思っていた。しかし、語り手が変わってからの徹底的な叩かれっぷりは想像をはるかに超えていた。
     (余談ながら、先日読んだ平山瑞穂『ラス・マンチャス通信』も、語り手と周囲の認識の差が特徴的で、本作を読んでから、いろいろ気付くことになった)
     小説を読み始めたころ、登場人物の心理描写をしっかり見ていこう!と意気込んでいたけど、字面に頼りすぎていたのかもしれないなぁ・・・と、何百と読んできて今更ながらに気が付いた。読んでよかったと思う。

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    2015年09月03日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    表題作は、コピー機をめぐる会社員小説・・・と書くと、地味すぎる物語に思えるかもしれませんが、やはりそこは芥川賞作家による作品、やっぱり読ませます。機械と人間に対するモヤモヤした気持ちが交錯しながら物語は進みます。きっと一気に読ませます。

    同書に収録されている「地下鉄の叙事詩」では、電車という機械と乗客という人間に対するモヤモヤした思いが増幅されていきます。その意味で、表題作の延長にあります。

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    2015年08月28日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    面白い!!
    表題作はよくPCのエラーに悩まされる私には、共感の嵐。読後のなんともいえない爽快感も良い感じ。
    そして併録作のリアリティが素晴らしい。
    満員電車ってああだよね。

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    2015年05月01日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    表題作は、アレグリアという性悪な?複合機を通して、会社の中の歪みを浮き彫りにしていく。詳細なアレグリアの仕事に対する描写が滑稽でもあり、ただそれによって暗鬱なリアルな感情が浮かび上がる。不機嫌が不機嫌のままに過ぎていく。所々に自分が感じられる感情が散りばめられていて物語に引き込まれていく。

    地下鉄の方は、まあ藪の中、といった感じで構成的には新鮮味はないかなと。

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    2014年07月02日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    「人間と機械は違うでしょう」
    「同じですよ」

    アレグリアというコピー機は大事なところで動かなくなる。
    機械に本気で腹を立てる女子社員の主人公と、
    いつも涼しい顔でおだやかな先輩と、
    アレグリアを通じて恋する修理屋とその他いろいろ。

    一台の機械をはさんでここまで人間関係を克明に描けるのか。見せかけじゃない。本気で生きている人間の感情が動いているからずっと読んでしまうし緊迫したシーンとくだらないシーンのメリハリがわし掴んで離さない。

    同時収録の「地下鉄の叙事詩」は
    正直退屈だと思った。さいしょ。
    でも痴漢された女子高生の章を読んで、これは
    「それでも僕はやってない」ばりに映画にできる、と思った。
    やられた側の耐えがたい心情と、痴漢男への憎悪と、一部始終と、わかってくれたひとができる範囲の現実と、そういったことがただのフィクション・作り話ではない、とおもった。
    ほんとうに殺したいとおもったって、殺せないから。
    殺しちゃうひとはやっぱちょっと私たちと生きてる世界が違うから。
    ミステリーとか、事件ものとは違う、一見地味なんだけど、すごくすごく、わたしたちが通過していること。

    ここにはわたしたちのわかる(理解・共感できる)世界のことが、ちゃんと書いてある。

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    2014年05月29日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    ネタバレ

    表題作が特に面白かった。
    津村さんの小説の中でも好きなタイプの話。
    友人の結婚式の当日に、上司の父親の通夜に行かなくてはならなくなり結婚式をキャンセルして……というストーリー。小さな会社に勤める立場の会社員のままならなさが、真面目なんだけれどユーモア混じりに描かれている。
    通常、身内でもなければ「結婚式>葬式」だろうと思うが、社員18人しかいなくて、しかも全員参加が余儀なくされている状況なら断れるのかどうか……、と本人でなくても真剣に悩むところだろうと、フィクションながら気の毒に思う。
    参列した通夜での人間関係や、キャンセルした結婚式に出席している大学時代の友人達が、それぞれ個性的なキャラクターで、当人たちは皆真面目にやっているであろうからこその面白みがある。
    津村さんの描く登場人物は、語りが堅実なのか、どこか他人のような気がしない。友人の話を聞いているようで面白い。よくよく状況を考えると、まあ現実にはあまりないようなことなのだけれど。その辺、本当にありそうな感じに書けるのがさすが。
    最後にラーメンを食べるシーンが印象的で、のどかでぽっかり明るい感じがして、明日に希望を持てるラストなのが好きだ。

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    2014年04月09日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    祝福したい気持ちはある。心から。
    しかし、服やら靴やら髪型はどうしよう?
    お祝儀…。
    メッセージビデオを作るのか。 あぁ面倒臭い。
    そんなことを感じちゃ駄目だ、と思う。
    でも憂鬱。
    幸い幹事を頼まれたことはないし(頼まれるような人徳がない)、結婚式の途中でお通夜に呼び出されたこともないのですが。
    この冠婚葬祭のテンパった苛々する感じを追体験してしまいました。
    本人は必死なのに客観視するとひどく滑稽ですね。
    人生って面倒臭いことだらけだ。
    でも過ぎてしまえば、それも愛しき日々…なのかな?

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    2013年10月22日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    本書には、「婚礼、葬礼、その他」と「冷たい十字路」の短編2作品が所収されている。

    「婚礼、葬礼、その他」は、1日の間に、友人の婚礼(2次会の幹事を依頼されている)と会社の上司の父の葬儀が重なってしまって、さあ大変、という状況での主人公の行動や、人間観察、人間関係の機微、そこでの主人公の心の移ろいが描写されている。

    一方、「冷たい十字路」では、自転車通学の高校生達による傍若無人な自転車の乗り方から起こるべくして起こった事故を題材に、その事故の周辺の人びとの生活や思いなどが粛々と綴られた作品。

    いままで、津村さんの作品では、どちらかというと20歳代後半から30歳代の働いている女性達を主人公に設定し、彼女たちが日々悩み、悶々としながら、それでも頑張って働いている姿が描かれることが多かった。
    本書は、そうしたイメージが完全には払拭されたわけではないけれど、それでも今までとは違った感じがする2作品。こういう津村作品も、イイ!

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    2013年08月24日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    婚礼、…:よくあるいらだち、どうしてこうなるの?という感じ、ぼんやりとした設定。津村さんらしい話。
    冷たい…:心が重くなります。これも津村さんらしさ。

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    2013年07月19日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    登場人物達の人間臭きドタバタ感が好かった。人間的等身大のユーモアとアイロニーの流れが、何処か澄ましたような文体から滲み出て来る小説で、アイロニカルな穏やか空気の流れを肌で感じるようだった。

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    2013年04月18日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    『ポトスライムの舟』や『アレグリアとは仕事はできない』もそうですが、働くこと、あるいは働いている人についてとなると、津村さんの筆致はひときわ冴えまくります。コピー機や故人といったモノ(物・者)に対する呪詛にどこか共感できたり笑えたりするのは快感です。

    本書に収録されている「冷たい十字路」は、『アレグリア~』に収録されている「地下鉄の叙事詩」と似た手法で書かれています。一つの出来事を複数の関係者の視点から描くというのは新奇ではありませんが、プロ作家としての手腕が発揮されています。

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    2013年03月14日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    最初は、姉が妹を守る物語。でも年月が経つにつれて、姉妹自身も誰かを支える側になっていく…二人はずっと守られるだけの人ではなく、成長するにつれ、今度は自分たちが誰かを気にかけ、助ける側になっていきます。
    この変化に、じんわり感動しました。

    人は、苦しい経験をしたからといって、必ず強くならなければいけないわけではありません。つらかったことが消えるわけでもありません。

    それでも、自分の暮らしを続けていくうちに、いつの間にか誰かに手を差し伸べられるようになっている。

    自分の人生を生きることと、誰かを支えることは、両立できるんだな。と思えました。

    人の優しさが、時間をかけて次の人へ手渡されていく物語。

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    2026年10月29日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    毒親の元を離れた18歳と8歳の姉妹の40年にわたる物語。
    優しい人達に助けてもらいながら成長した姉妹が、困っている人に自然に手を差し伸べる姿が印象的。優しさの連鎖。人間は支え合いながら生きていることを改めて気付かされる素敵な物語でした。
    …が、いかんせん長すぎる。少々退屈でした(^_^;)

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    2026年10月27日
  • 現代生活独習ノート

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    この忙しない現代に、ホッと一息つける時間をくれる本だった。
    ただ、ストーリーの面白さは、自分には物足りなかった。

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    2026年10月24日
  • この世にたやすい仕事はない

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    「水車小屋のネネ」が素晴しかったので他の作品も読んでみようと手に取ったのだが、さすがにあれほどの完成度は望めず、まったくの手遊び。しかし、謎の監視カメラを見張る仕事から、バスの車内音声広告を考える仕事、おかきの小袋に書く蘊蓄を考える仕事、町のポスターを貼り帰る仕事、森林公園の小屋を守る仕事と、おかしな仕事ばかりだが、どの話にも謎があり、それなりに読ませる上に、着地をきっちりと決めるあたりは才能を感じさせる。

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    2026年10月23日