津村記久子のレビュー一覧
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理佐が律を連れて、新たな生活を始めたのは18歳の時。そのいきさつから、当然苦難の連続であったはず。周りの人々の支えとヨウムのネネによって、そして姉妹の努力によって、奇跡的に平穏な日々を過ごしてきた。
出来事や日常は、ぎりぎりまで喜怒哀楽を取り除いて、淡々と描かれている。
親を除く周りの人々は善意にあふれた人ばかりだ。
しかし、姉妹の苦悩、怒り、絶望、勇気、努力、希望、喜び、感謝は、いかばかりであったのか。
読み手は文章の余白に想像力を持つことが求められ、それは経験や知識や感受性などによっても変わってくると思った。
人の温かさや支え合うことの大切さなど、生きていくことの理想が詰まっている。 -
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『There's No Such Thing as an Easy Job』という題名で英訳されていてさらに柚木麻子の『バター』も翻訳しているPolly Bartonが担当しているので興味が出た。
主人公は前の職場でうまく行かず、逃げ出すように辞めてハローワークのようなところにお世話になる。
とにかく楽な仕事をリクエストして紹介される仕事が全てニッチでマイナーだけど主人公はしっかり仕事こなしながら一緒に働いている人を冷静に見て様々な分析をする。
・作家を監視する仕事
・おかきの袋に記載されているプチ知識を考える仕事
・バスのアナウンス原稿を考える仕事
・ポスターを貼り替える仕事
・公 -
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「貧乏が怖いの、わさるよ」
律は夜空を見上げながら言った。右を見たり左を見たりしているので、おそらく正座を探しているのだろうと理佐は思う。
「学校の意地悪な男子は、ものすごく貧乏をばかにするからね。だから怖いのはわかる。でも私の読んでいる本に出てくる人は、貧乏な人が多い。私も例外じゃないのかもしれない」
そういう連中にばかにされない生活をしているからって幸せだとは限らないし、ばかにする連中が幸せだとも思わない。
(P.169)
「あれがたぶんアルビレオだ。はくちょう座の。肉眼で見るとひとつに見えるけど、望遠鏡で見ると二つあって、二重星っていうんだって。金色と青色の星でできてるんだって」
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100分で読めるシリーズというので面白そうなので購入。
社内政治をテーマにした内容。
タイトルからはもっと変な世界観かと思ったけど結構現地味がある内容だった。
(そば派vsうどん派とかそんなのを予想してた)
主人公の女性が、同じ派閥の会合に政治的な意味で参加せず、食べ物につられて参加している様子は、どこか抜けていて、お気楽な感じで面白かった。
うどん陣営の登場人物にそこまでの個性は感じず、ところどころ、「これ誰だっけ?」と思いながら読んだ。
中編小説という謳い文句だが、短編じゃないかなってくらいの分量で少し物足りなさは感じたが(この作品の読み易さもそう感じさせる要因だった)、概ね満足。小 -
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夫が読んでて表紙が可愛かったので読んでみた。個人的に珍しい動機。久しぶりに夫婦で同じ作品を読んだので感想戦が楽しかった。義母もこれから読むみたい、楽しみ。内容は穏やかな物語だった。警察が登場するような事件は起きず、姉が妹を連れて、鳥のネネがいる蕎麦屋に住み込みで働くところになり、新天地で姉妹2人がどう生き往うたかの物語。物語の内容とリンクする表紙のイラストを探すのが楽しかった。作品中の挿絵は一捻りされてて、描き手の遊び心を感じた。挿絵のページがくると嬉しかった。2001年まではとても面白かった!2011年から失速した感じがした。「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」このフレーズ