津村記久子のレビュー一覧
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ポトスライムの舟、十二月の窓辺の2篇からなる本作。2篇は主人公も舞台も異なるが、上司からパワハラを受けている・受けていた主人公という共通項がある。
現在進行系でパワハラを受けている女性が主人公の「十二月の窓辺」は、読むほどに自分が仕事が一番辛かったときの喉に何かが詰まるような思いや、冷や汗をかきながら必死に追いつこうとするも、誰も助けてくれない状況を如実に思い出し、とても辛くなった。
過去にパワハラを受けていた女性が主人公の「ポトスライムの舟」は、工場や友人のカフェ、パソコン教室で働きながら、世界一周旅行のための貯金を始めるところから始まる。未来に希望を持とうとする姿がまぶしく見えたが、そん -
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人生は選択の連続だ。しかも、今の世では選択しなかった人生を、簡単に覗き見ることができるのである。比べていいことも、ほとんどない。サンプルは上から下まで幾らでもあるのだから。とても疲れる。
では、良いとされていることをすればよいのかというと、これまた大変である。憧れの生活スタイルもたくさん明示される。しかし、正しいことをし続けるのは、とてもエネルギーが必要になる。
そうなると正しい方を選び、行い続ける、というのはとてもとても疲れるということになる。だから、しょぼくてもしけててもつまらなくても、これでいいというのはひとつの解決法だろう。「台所の停戦」の私や、「牢名主」の鶴丸が心に決めたように、他人 -
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「この世にたやすい仕事はない」や「とにかくうちに帰ります」を読んだ時も思ったのだけど、現代日本人の多くが、疲れはててどこに向かっているのかわからなくなった虚しい毎日を、マウントをとってみたり、回避してみたり、空想に逃避してみたりしながらなんとか生き延びていることを突きつけられて、わりとしんどい。
生きる喜びなんて感じられないくらい、子供から大人まで毎日毎日疲れ切っている。
週休2日ノー残業を実現するために昼休みにカロリーゼリーを啜りながらPCを叩き、帰宅してからは疲れ果てて動けず、休日は一日中眠りこける日々に矛盾を感じる方にオススメです。