津村記久子のレビュー一覧

  • 君は永遠にそいつらより若い

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    あなたがわたしのことをすっかり諦めて忘れてしまっても、わたしはあなたのことを気にしているんだろうということを、どうやってイノギさんに伝えようかと思った。

    なにもない。何もないことがある。
    小説だから何か起こるけれど、あくまで小説だから。
    この作品の世界は、小説でなかったらおそらく何も起こらなかっただろう。
    それでも私はこの世界を体験してみたいと思う。

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    2024年01月17日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    面白かった。主人公の、ひんやりとした自己分析が、「あーわかるわかる、この気持ちは確かに言葉にしたらこんな感じだよね」というのが何度もあり、小説を読む醍醐味だと思った。

    ただ、一方、私の読解力が低いからなのか、最後の結末(タイトルがそのまま出てくるところ)が、少し唐突に感じたというか、それまでとの文脈と上手く自分の中で繋がらなかった。

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    2023年11月27日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    読み終わってから毎日、ふとしたきっかけで大学時代の何気ない一コマを思い出します。かつて贅沢すぎるくらいの「自由な時間」を持て余して、ただ好きな人と好きなことしてた大学後期の頃の自分が、物語のくだらないエピソードと薄く広くリンクしていたのだと思います。個性的な登場人物たちと、またあの頃を共に過ごせたかのような。

    終わり方も含めて決して明るい物語ではないけれど、読み終わってからしばらく、心地よい余韻が残るような、良い作品に出会えた気がします。

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    2023年10月14日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    文章の中でも「作文の書き方」に
    焦点を当てた本。
    テーマの選び方や作文を書く意味、
    書き出しの方法などサラッと書かれている。
    作家の方ならではの視点が面白く小気味よいが、
    中高生向けのようでやや物足りなさを感じた。

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    2023年08月29日
  • 子どもお悩み相談会 作家7人の迷回答

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    作家さんそれぞれの回答にユーモアがあって、楽しく読めました。
    読んだことのない作家さんもいたので、小説も読んでみたいなと思いました。

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    2023年07月28日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    ネタバレ

    冷たい十字路
    「ん?…ってことは!?」の構成。
    登場する全部の関係性やその後が明示されるわけではないので、人々の生活の一部を切り取ってきたような印象の中編。

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    2023年06月01日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    この本の登場人物は、みんな怒っている。その理由に初めは共感するけれども、だんだん「そんなに?」と思ってしまうほど、怒っている。でも、不思議と不快ではない。言いたいことを言ってくれているから。そして、それが過剰な表現になる程、読んでいる側は冷静になる。怒りのデトックスになる本である。

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    2023年03月07日
  • ウエストウイング

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    途中ちょっと飽きる感じもあった。なんでそこ描写したん?とかもちょこちょこ。けど総じて、そこそこ面白かった。いろんな人が出てきて、それぞれに仕事や日常があって、「椿ビルディング」で交わる感じが。あとがきは×。

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    2023年03月01日
  • 子どもお悩み相談会 作家7人の迷回答

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    大人が読んでも楽しかったです。
    ちなみに夏休みの宿題はわたしは早めに終わらせるタイプでしたが会話のマナー的にはなってないのかな笑。

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    2023年01月25日
  • 子どもお悩み相談会 作家7人の迷回答

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    7人の作家によるエッセイアンソロジー。
    もともと『考えるマナー』『楽しむマナー』という本の中からエッセイを抜き出して、子どもの悩みや質問に対する回答という形式で再編集されている。
    サブタイトルに「迷回答」とあるが、そもそも質問に答えるために書かれた文章ではないため、答えになっていない「迷回答」になるよね、とは思う。
    子どもの素朴な質問に対して作家が答えてくれた本だと思えば肩透かしを食らうし、一方で様々な作家たちの気軽なエッセイだと思えば楽しめる一冊。

    好きなエッセイは
    三浦しをんの「ボウリング最弱王決定戦」
    高野秀行の、ありがとうを言わない民族と褒めることについて。
    角田光代のクヨクヨしてし

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    2023年01月06日
  • 子どもお悩み相談会 作家7人の迷回答

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    謎の本である。

    買って読んでおいて、この感想は?と思うのだけど、まぁそんな予感で買ったとも言える。
    まず、ターゲットの子ども、とはどれくらいの年齢を対象にしているのか。
    受験のこととか、スマホの質問なんかが入っているので、小学校高学年から中学生くらいなのかなーという感じがする。

    質問が「積極性がないとダメか?」とか「大人になるって楽しいか?」というものなので、子どもの側は至って素朴なのだ。

    だけど、「迷回答」してくれる作家陣のラインナップが、ちょっと不思議。
    角田光代さんとか、三浦しをんさんは、あぁ!となるかもしれないが……。

    素朴な質問に、しっかり「迷回答」するものだから、なんだかも

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    2022年12月25日
  • 浮遊霊ブラジル

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    実際のところは知らないけど津村記久子の人間観察具合が滲み出てると思った
    ユーモア
    初見の固有名詞が多くなってきてだんだんこんがらがった

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    2022年10月28日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    大学を卒業して四半世紀が経とうとしている。たった4年間なのか4年間もなのか、あの時を過ごした同級生や教授や後輩や先輩は厳密に言ったら4年間に満たないつきあいもあるんだけど、濃密だったなと思い出す。自意識過剰っぷりだったり、自尊心やら屁理屈やらごたまぜになったあの感性を「若さ」でくくるのは乱暴かもしれないけれど、会話の端々に似たようなやりとりしたことあったなと懐かしいような苦々しいような思いがこみあげてくるのは、作者と同世代だからなのか。大学生というものがそういうものだからなのか。私には判断がつかない。

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    2022年09月23日
  • 二度寝とは、遠くにありて想うもの

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    前作『やりたいことは二度寝だけ』よりもさらに淡々とした印象。前作の方がくだらなくて面白い。展覧会を取材した章は飄々としていて良い。

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    2022年09月13日
  • 浮遊霊ブラジル

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    「私の落ちた地獄は、物語消費しすぎ地獄ということになると思う。飽食の罪というのがあるけれども、私は、飽・物語の罪で地獄にいるようだ。」
    一緒に交通事故で死んでしまった友達と地獄でこなすノルマについて愚痴を言い合う、何歳でもどこにいてもなぜか道を尋ねられる、死ぬ直前に決まっていた海外旅行に未練がのこって幽霊になってしまう、などなど。ヘンテコでユーモラスな短篇集。力の抜け具合がとてもいいです

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    2022年09月03日
  • まともな家の子供はいない

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    強気なタイトルに惹かれて手にとりました。

    私の両親、とりわけ父親もまともではなく、家庭という小さな社会がとても居心地の悪い場所だったので、主人公に10代の自分を重ね、「普通の家庭の子」をうらやましく、時に妬ましく思う、そんな自分さえもあの頃は嫌だったことを思い出しました。

    家族の事って周りに相談し辛いので、この本を通してあえて言わないけど同じように悩んでいる人がいる。と気付いたり思えることで気持ちが軽くなるのではないでしょうか。

    ひとつ気になったのは、宿題を写す事に躍起になって時間を使っていたこと。学力は武器やスキルなので、レベルアップ出来るチャンスを自ら棒に振るなんて勿体無い。

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    2023年09月27日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    作者と同世代なんで、大学時代の繁華街の夜の猥雑な空気などを懐かしく思い出した。

    当時よく吸っていた煙草の匂いが確かに蘇りました。

    性がアイデンティティに深く食い込んで振り回されていたあの頃。
    暴力も性犯罪も自傷も死も、ふりかえってみれば意外な程身近にあった事実に、今さらたじろぎます。

    評価があまり高くないのは、最初は不器用で人のよい主人公をほほえましく思っていたけど、あまりの煮え切らなさに次第に苛立ってしまったこと。
    君は永遠にそいつらより若い、って、揺るぎない事実によって最大限励ましているのは分かる。
    でも、それがどうした?
    だからって少しでも傷が癒されるのか?
    という疑問符も同時にわ

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    2022年09月19日
  • 二度寝とは、遠くにありて想うもの

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    緩いけどちゃんと毒を持った生き方でそういう所が良い。
    ローカル小話は共感できるとこもあって面白かった。

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    2022年06月24日
  • 二度寝とは、遠くにありて想うもの

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    とても似たような感覚を持っている部分があり、共感したり笑い転げたりした。特に「本年もよろしくお願い致します」が好き。私も年賀状を書きながら毎年思うことだろう。

    引用 82ページより
    今年もわたしは、小さい遅刻をするでしょう。今年もわたしは、背後に誰がきてもコピー機を明け渡したりはしないでしょう。今年もわたしは、締め切り当日に「すみません明日になりそうです」というメールをお送りしたりするでしょう。今年もわたしは….…。ですがよろしくお願い致します、という不測の悪事の予約のような、悪びれに満ちた「今年もよろしくお願い致します」なのだった。

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    2022年02月11日
  • これからお祈りにいきます

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    お祈りがベースにある中編と短編
    中編の「さいがさまのウィッカーマン」の主人公の住む町のサイガサマのお祭り。ウィッカーマンだなんて怖すぎる。こぶとりじいさんのこぶだったらいいけれど、でもこの町の人々は引き換えになっても叶えたいことのために、むしろ喜んで受け入れる。シゲルのたんたんとした人間観察も面白いし、きっとこうなると思っていた酷いニキビの落ちが半分だけなのには笑ってしまった。

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    2022年02月07日