津村記久子のレビュー一覧

  • ポトスライムの舟

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    ポトスライムの舟、十二月の窓辺の2篇からなる本作。2篇は主人公も舞台も異なるが、上司からパワハラを受けている・受けていた主人公という共通項がある。

    現在進行系でパワハラを受けている女性が主人公の「十二月の窓辺」は、読むほどに自分が仕事が一番辛かったときの喉に何かが詰まるような思いや、冷や汗をかきながら必死に追いつこうとするも、誰も助けてくれない状況を如実に思い出し、とても辛くなった。
    過去にパワハラを受けていた女性が主人公の「ポトスライムの舟」は、工場や友人のカフェ、パソコン教室で働きながら、世界一周旅行のための貯金を始めるところから始まる。未来に希望を持とうとする姿がまぶしく見えたが、そん

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    2025年10月23日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    ネタバレ

    傍から見ると順風満帆そうなあの家も、実は嵐の中にいたりして。

    自分のことに精一杯でリアルな繋がりを面倒くさいと思ってしまう世の中だけど、そのハードルを越えて対話することで知れる一面もある。往々にして私たちは悪い部分だけが脳裏に残りがちだけど、良い一面を知れるのはやっぱ対話だよね。

    全く知らないのも怖いし、知られすぎるのもいや。生活の大部分を占めるご近所は、特に適度な距離感が大事なのかも。 

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    2025年10月11日
  • やりたいことは二度寝だけ

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    アッパッパーってなんだよ、なにかわからんけどくたびれてることはわかる!!!w
    とおもって読み進めてたらチュニック?の別名らしい。言い得て妙な造語だ、私も使っていくぞと思ってたので勝手に悲しい

    最後の解説?がよかった
    なんでもない話っていい。するのも聞くのも。
    いや、嘘かも。オチ、いや、じゃなくても緩急ほしいかも。

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    2025年10月10日
  • 現代生活独習ノート

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    人生は選択の連続だ。しかも、今の世では選択しなかった人生を、簡単に覗き見ることができるのである。比べていいことも、ほとんどない。サンプルは上から下まで幾らでもあるのだから。とても疲れる。
    では、良いとされていることをすればよいのかというと、これまた大変である。憧れの生活スタイルもたくさん明示される。しかし、正しいことをし続けるのは、とてもエネルギーが必要になる。
    そうなると正しい方を選び、行い続ける、というのはとてもとても疲れるということになる。だから、しょぼくてもしけててもつまらなくても、これでいいというのはひとつの解決法だろう。「台所の停戦」の私や、「牢名主」の鶴丸が心に決めたように、他人

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    2025年10月07日
  • 現代生活独習ノート

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    『群像』に掲載された8短編集。レコーダー定置網漁、台所の停戦、現代生活手帖、牢名主、粗食インスタグラム、フェリシティの面接、メダカと猫と密室、イン・ザ・シティ。

    普通に仕事があって、仕事や対人関係やSNSに疲れて、料理の気力もない、でもそれなりに頑張る姿に共感します。端々に、なるほど、そう考えてもいいんですかという応援。

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    2025年10月06日
  • とにかくうちに帰ります

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    「職場の作法」 では田上さんのお作法がなかなか厳しく、でも痛快。「とにかくうちに帰ります」はそれぞれ事情は違っても、やっぱりお家が一番だよねって思いながら、帰る家があることに改めて幸せを感じた。見知らぬ人同士の交錯が良かった。

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    2025年10月05日
  • 浮遊霊ブラジル

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    どの作品も独特の視点や表現で面白いうえに気づかされることが多かった。
    そのなかでも表題作の「浮遊霊ブラジル」の幽霊の在り方が秀逸。怖いや割と万能に描かれがちな幽霊にあんなふうな特性をもたれるなんて今までみたことがなく、ラストも清々しくてよい。

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    2025年09月26日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    ただただ、それぞれの理不尽に対して怒りをぶちまける。
    その様子を綴った物語。
    怒りにかられたとき、思考は支離滅裂になり、とめどなく負の感情が溢れてきて、その奔流に押し流されそうになる。
    それを文章にするとこうなる、という一つの形。
    正直、好きなお話、読んでよかったというものではなかったけど、こういうこともあるよなあ、となんとなく思った。
    作者が、会社勤めをしているとき、その通勤をしていたとき、辞めようと思ったときなどの負の感情を、作品にしたのかな。

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    2025年09月25日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    ヨシノの行動や言動にクスッと、そしてちょっとホロリ。ドタバタして、空腹だしで感極まった感じなのかな。「旅行より強いのが結婚式でそれより強いのがお通夜」らしいです。

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    2025年09月10日
  • 浮遊霊ブラジル

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    おもしろかったです。最初の3作が好きか、後半の4作が好きかで分かれそう。自分は前者で、「給水塔と亀」「アイトール・ベラスコの新しい妻」が津村さんらしくて好きです。

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    2025年08月29日
  • とにかくうちに帰ります

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    「不誠実さには適度な不誠実で応えてもいいけれど、誠実さに対しては全力を尽くすこと」をモットーにして働いている田上さんが好き。

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    2025年08月17日
  • ウエストウイング

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    ある場所をフックにして関係のない人が交わっていく津村さんお馴染みの展開。軸になる3人以外の登場人物も、いそうでいないユニークな人たち。でも実は隣にいる普通っぽい人も頭の中はこんなだったりするかも・・。最後の方で雪崩打つように話が展開するけど、そこまでが長すぎたのが残念。

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    2025年08月15日
  • とにかくうちに帰ります

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    読後感が いい。舌打ちしたくなることだって じたばたしたいときもある。けど どうしてか まぁいいかで 納得してページをめくってしまう。津村さんのアンテナって すごい!鳥飼さんの職場仲間 なんか好き。ハラもオニキリもサカキも 無事に帰れたことを祈ります(笑)

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    2025年08月10日
  • 現代生活独習ノート

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    「ポトスライムの舟」から時々読んでいる津村記久子さん、相変わらずの独特感。

    その中でも「現代生活手帖」は読みやすくおもしろかった。恐らく作家さん自身のファンタジー的な願望とか反映してるのではないかと思う。

    それぞれまったく違った話の短編集

    現代生活とあるけど、
    現実からほんの少しズレる話が多く、
    それをユーモア溢れる描写で表現しているため、読者側は理解するのに時間がかかる印象になるんだと、実感。

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    2025年08月02日
  • ウエストウイング

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    読み終えて冷静に考えてみるとそんなに場面展開はしてないはずなんだけれど、なんだか奥行きのある話を読んだなという感想を持たされるのが著者の本なのかもしれない。

    例えは合っていないと思うが、NHKのドキュメント72hourを観終えたあとの読後感。

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    2025年07月15日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    表題作の「サキの忘れ物」が一番好きです。何がきっかけで人生変わるか分かりませんよね。ある人との出会い、あるいは映画やドラマを観て影響を受けて職業を選んだりすることあると思います。 「ペチュニアフォールを知る二十の名所」は不思議な感じ。シニカルというかネガティブなムードな作品。

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    2025年07月13日
  • 現代生活独習ノート

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    「この世にたやすい仕事はない」や「とにかくうちに帰ります」を読んだ時も思ったのだけど、現代日本人の多くが、疲れはててどこに向かっているのかわからなくなった虚しい毎日を、マウントをとってみたり、回避してみたり、空想に逃避してみたりしながらなんとか生き延びていることを突きつけられて、わりとしんどい。
    生きる喜びなんて感じられないくらい、子供から大人まで毎日毎日疲れ切っている。
    週休2日ノー残業を実現するために昼休みにカロリーゼリーを啜りながらPCを叩き、帰宅してからは疲れ果てて動けず、休日は一日中眠りこける日々に矛盾を感じる方にオススメです。

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    2025年06月29日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    日常生活からヒントを得て空想して広がってつくられた感じの不思議な話たちの短編集

    どの話も何気なく読み始めたら「え、こんな話なんだ」と思わせてくれる。どこに着地するのか分からない。ので苦手なひとはいるかも。

    その中のひとつ「真夜中をさまようゲームブック」
    ゲームブック方式になっているお話で
    話を読んで、示されたいくつかの行動の番号を選択して進んでいく。

    楽しめたけどゲームオーバーの時は「本を閉じる」と書いてあって
    2回「本を閉じる」になり、3回目で無事クリアした。結構時間がかかった。

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    2025年06月24日
  • この世にたやすい仕事はない

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    仕事に燃え尽きた主人公が、短期の仕事をいくつも経験し仕事を考えるストーリー。
    隠しカメラが設置された部屋に住む女性をみはる仕事、ローカルバスのアナウンスを作成する仕事など、どれも最初はこんな仕事あるんだ!と思えるような現実味のある仕事内容。なのに、勤務をこなすにつれて徐々に現実から離れて不思議な感覚が増していくのが面白かった。

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    2025年06月23日
  • この世にたやすい仕事はない

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    仕事をやめた主人公がニッチな職を転々とする物語。
    なんだか不思議で奇妙でおかしな一冊だった。

    出てくる5つの職はありそうでなさそうな、仕事という単位になるほど大きくない作業で、それを主人公が真剣にやっていることになんだか面白みが感じられた。

    物語は淡々と進んでいく。
    主人公が一生懸命で真面目だからこそ生まれる悩みや葛藤は誰しも抱くものだと思うし、そうやって沼に落ちてもまた戻ってこられるかもなと思えた。
    ☆2.8

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    2025年06月21日