あらすじ
「女子」と自称することに違和感を持ったりしっくりきたり、「いい年」という言葉に委縮するけど、いなそうと思ってみたり。「スイーツ」の行列に反発したり、「便所飯」と「一人ごはん」の違いを考えたり。はたまた、「無縁死」という死に方にもやもやしたりと、現代の言葉や身の回りの出来事について、「話しかけられ顔」を自任する庶民派・芥川賞作家が綴る、味わい深くてグッとくる日常エッセイ集第二弾!
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Posted by ブクログ
◆ 明日などないぜ編みまくれ。
◆わたしならあたふたする。掛け値なしに。
◆ 「パイクエイジ」をライブで聴ける日が来るとは思っていなかった。自分は、女であれ男であれ、どんな主人公の小説を書いている時にも、必ずあのやりきれなさと怒りを通過してきた人間について書いている、と思う。「自分には助けられなかった」ことが疾走していく。それとどうしても折り合いが付けられないから、ただもう歌うしかない。その様子には、個人的な二者関係を超えた、人間と世界との軋轢が凝縮されている。そういう視点を提示してくれる表現はとても少ない。
◆ 時計は四時半を指していた。誰かが、早朝と真夜中の間のこの時間に、わたしをよく思ってくれている。午前四時半に読まれ、いいな、と思われる本。わたしはそれこそを目指しているような気がして、それはそれはうれしかったのだった。
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表題のエッセイがでてこない! そんなトリッキーなタイトルに笑える。芥川賞作家とは、このような視点と思考の展開ができるものなんだと感心し、やはり文筆業を生業にできる選ばれし人だと思った。「幸せになれないということ」で職場いじめを題材にしているが、他人事ではなく、結論に留飲の下がる思いだ。
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会社員と作家業を並行しておられていた時期と、会社を辞職し作家業のみに専念され始めた時期とにまたがるエッセイ集。津村さんの色んな面が垣間見られたようで興味深い。
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とても似たような感覚を持っている部分があり、共感したり笑い転げたりした。特に「本年もよろしくお願い致します」が好き。私も年賀状を書きながら毎年思うことだろう。
引用 82ページより
今年もわたしは、小さい遅刻をするでしょう。今年もわたしは、背後に誰がきてもコピー機を明け渡したりはしないでしょう。今年もわたしは、締め切り当日に「すみません明日になりそうです」というメールをお送りしたりするでしょう。今年もわたしは….…。ですがよろしくお願い致します、という不測の悪事の予約のような、悪びれに満ちた「今年もよろしくお願い致します」なのだった。
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前回のエッセイから3年後で、会社員を辞めてフリーランスになったので自由に時間が使えるようになったのに二度寝どころか海外ドラマにハマったとか‥
布団への懲りない敬愛
布団のすごさとは、電気、ガス、石油は不要なまま、人間の体温のフィードバックのみで暖かくしてくれる素敵な人間の発明であると断言せざる得ない。
に読んでる時期が冬という事もあり、拍手を送りたいくらい納得し、私も布団に話しかけて感謝の気持ちを述べて最後に「ふーとーん」と布団コールで締める。
自分が少し幸福になったような気分になりそう!
正しい死に方なんて誰も知らない
「無縁死」について思うことを書いていて、自分が、無縁で死ぬ事が怖いのか、誰もいない部屋で腐ることが怖いのか、孤独な老後がこわいのかごっちゃにしてとらえているところがあるので、興味深く読めました。
コロナになって世の中が変わっているので、コロナ前の世の中の感覚とは違ってきているという気づきもあり、前回よりも興味深い内容が多い本でした。
ゆる〜い挿し絵を眺めるのが楽しい本でした。
Posted by ブクログ
後半飛ばし読み。
一つ一つの密度が高いので、少しずつ読み進める。
通読に時間がかかったので、前半部分はあやふやに…
たまにパラパラめくって読むのがちょうどいいかもしれない。
Posted by ブクログ
このタイトルに両腕つかまれ、
ぶんぶん揺らされてしまった。
あたしの幸せを感じるときランキングの
殿堂入り寸前。
それが、寝るということ。
1日を終え、ベッドに横になる…
この時期くらいになると布団にすっぽりおさまり
あたたかい最高の位置を探す。
あたしはそれを【ぬくぬくポイント】と呼んでいる。
津村さんの布団への情熱は
わたしなど足元にも及ばない神レベル。
「布団への限りない敬愛」は
もう声に出して笑ってしまった。
なにげない日常の1コマを面白おかしく、
かと思えば、やや重たさを感じるテーマを
さらっと書いていたりする。
津村さんとサシ飲みしながら
話を聞いているような感覚でさくさく読めた。