津村記久子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
100分で読めるシリーズというので面白そうなので購入。
社内政治をテーマにした内容。
タイトルからはもっと変な世界観かと思ったけど結構現地味がある内容だった。
(そば派vsうどん派とかそんなのを予想してた)
主人公の女性が、同じ派閥の会合に政治的な意味で参加せず、食べ物につられて参加している様子は、どこか抜けていて、お気楽な感じで面白かった。
うどん陣営の登場人物にそこまでの個性は感じず、ところどころ、「これ誰だっけ?」と思いながら読んだ。
中編小説という謳い文句だが、短編じゃないかなってくらいの分量で少し物足りなさは感じたが(この作品の読み易さもそう感じさせる要因だった)、概ね満足。小説初心者にもオススメ。
このシリーズは気になるものは今後も買っていきたい。 -
Posted by ブクログ
誰もが思うことだが、登場人物が多すぎる。多いなら多いでそれに見合う紙幅があればいいけれど、文庫本で300ページ弱なので固有名詞の密度が高くなりすぎてしまっている。
ただ、この満員電車のような群像劇は、次作の「水車小屋のネネ」で上手く消化されている。テーマ的にも通底するものがある。
ひとびとはいろんな複雑な事情を孤独に抱えながら生きている一方、どこかで繋がりながら暮らしている。そのようなコミュニティを軽い筆致で描く。「水車小屋のネネ」はそのようなテーマが結実したもので、とてもよかった。その雛形がこの小説になんだろうと思う。
津村の小説は、むかしのジャンルでいえば中間小説のような印象がある。純文学と大衆小説の中間という意味での中間。軽さと重さをちょうどよい塩梅で配置するバランス感覚はこの小説でも発揮されているが、やはり最初に書いたとおり登場人物の多さで、その感覚を味わうより先に混乱を招きやすい。
ところでこの小説には料理や食事のシーンが多くでてくる。登場人物の数の多さと比例するように。ひとはみんな食事をするので当たり前といえば当たり前だが、この小説ではひとつひとつの食事についても意味が付与されている。生活感が強い料理が多い(手作りのものが多い)ので、さほどおいしそうには思えないが。 -
Posted by ブクログ
前作エッセイより大人しい感じ。
淡々としてていい。
ただやはり、津村さんの、物事一つ一つへの解像度が恐ろしく高い。それもは例えば、会社での裏紙の利用方法などといった、モノに対しても。
大量に溜まってゆく裏紙を何とかしようとしてあぶらとり紙、雑巾、保水オブジェクトなどを試したとあったりですごいなー。
私だったら裏紙はメモとしてしか使用法が思いつかないや。
おそらくエッセイだけでなく雑誌連載を本書にまとめたのだろう、途中から美術展レポートがいくつか掲載されていてそれも面白い。全然知らない画家や器の展覧会に行っても「これぞ」的なものを見つけて描写してくれる。
さらに販売されているグッズまで毎回記述してくれる着眼点、好きなグッズがあると小躍りして「これを買った」と書くのが津村さんらしい笑