津村記久子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
強気なタイトルに惹かれて手にとりました。
私の両親、とりわけ父親もまともではなく、家庭という小さな社会がとても居心地の悪い場所だったので、主人公に10代の自分を重ね、「普通の家庭の子」をうらやましく、時に妬ましく思う、そんな自分さえもあの頃は嫌だったことを思い出しました。
家族の事って周りに相談し辛いので、この本を通してあえて言わないけど同じように悩んでいる人がいる。と気付いたり思えることで気持ちが軽くなるのではないでしょうか。
ひとつ気になったのは、宿題を写す事に躍起になって時間を使っていたこと。学力は武器やスキルなので、レベルアップ出来るチャンスを自ら棒に振るなんて勿体無い。 -
Posted by ブクログ
作者と同世代なんで、大学時代の繁華街の夜の猥雑な空気などを懐かしく思い出した。
当時よく吸っていた煙草の匂いが確かに蘇りました。
性がアイデンティティに深く食い込んで振り回されていたあの頃。
暴力も性犯罪も自傷も死も、ふりかえってみれば意外な程身近にあった事実に、今さらたじろぎます。
評価があまり高くないのは、最初は不器用で人のよい主人公をほほえましく思っていたけど、あまりの煮え切らなさに次第に苛立ってしまったこと。
君は永遠にそいつらより若い、って、揺るぎない事実によって最大限励ましているのは分かる。
でも、それがどうした?
だからって少しでも傷が癒されるのか?
という疑問符も同時にわ -
Posted by ブクログ
ネタバレ前回のエッセイから3年後で、会社員を辞めてフリーランスになったので自由に時間が使えるようになったのに二度寝どころか海外ドラマにハマったとか‥
布団への懲りない敬愛
布団のすごさとは、電気、ガス、石油は不要なまま、人間の体温のフィードバックのみで暖かくしてくれる素敵な人間の発明であると断言せざる得ない。
に読んでる時期が冬という事もあり、拍手を送りたいくらい納得し、私も布団に話しかけて感謝の気持ちを述べて最後に「ふーとーん」と布団コールで締める。
自分が少し幸福になったような気分になりそう!
正しい死に方なんて誰も知らない
「無縁死」について思うことを書いていて、自分が、無縁で死ぬ事が怖い -
Posted by ブクログ
エッセイは、合う合わないが全てだと思う。
そしてさらに言えば、好きな作家さんのエッセイがそのまますごく好きか、と言われればそうではない。
津村記久子さんという作家さんが好きだ。彼女の文章は淡々としているように見えて、主人公の正義感が強く、内に秘めたエネルギーが溢れ出していて、いつも圧倒される。くだけた文体でユーモアを言ってきたかと思えば、皮肉っぽく鋭い指摘をしてきたり。そういうところが結構好きだ。わたしにとっては初めての津村さんのエッセイ。わくわく。
日常の細々したことに対する見方にクスッと笑ってしまう作品がたくさん入っていて読んでいて飽きないが、こちら側の持っている知識量と、彼女が好きな -
Posted by ブクログ
ネタバレこここ、これは凄い。何が凄いって、この本の中で、津村さんが紹介されている本、ほぼ1冊も、自分は、読んだことが無い!という衝撃の事実が、凄い。自分的に。
津村さんの著書は、好きなものが多いのです。ですので、勝手に、津村さんと自分の読書体験というか読書傾向は、ちかいもんだと思ってたんです。勝手に。津村記久子さん、1978年の1月生まれという事で。で、自分、1978年の3月生まれなんですよね。ですので、この世の中を見てきた過ごしてきた期間と世の中の雰囲気、ほぼほぼ一緒のはずなので、なんか、勝手に、似たような傾向の本を、読んできている筈、とか、勝手に一方的に思っておりました。マジすみません。
いや