津村記久子のレビュー一覧

  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    ネタバレ

    どの物語も、普段の日常的で起こりそうなんだよなあ、と思う。ありふれていそうな事が、津村さんの手にかかると途端に面白くなる不思議。「行列」
    も「河川敷のガゼル」も、ガゼルが何なのか、何を見るために行列に並んでいるのか明らかにされないし、読者の想像でしかないけれど、自分が体験したような既視感のある風景が浮かんでくる。
    「サキの忘れ物」は素敵な物語だった。仕事って誰もが楽しく働けるわけじゃないし、色々な思いを抱えながらやってるけど、もし一つでもこんな経験があれば、それを糧に働いていけるんだよなあと思う。

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    2024年08月17日
  • この世にたやすい仕事はない

    いろんな仕事、いろんな世界があって、前向きな気持ちになれる話だった。
    どの仕事においても主人公は誠実に自分がやれることをしっかり全うしてて、ある程度はどの環境でも順応できるシゴデキの人なんだろう。

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    2024年08月10日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    「隣のビル」がだいぶよかった。

    言葉にしづらいできごとがあって、どうにもできないと思っていたら、なにかきっかけがあって動き始め、動き始めたことに主人公が気づいて、おそるおそるでもちょっとずつ動かしていく感じ、津村さんの物語でよく見るような気がする。
    初めは受動で、なにかに転がされているのかと思ったら、のろのろと能動になってやがて立ち上がって歩いていくような。

    なんともひょうひょうとした感じの津村さんの文章、面白い。

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    2024年07月29日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    普通ーであってもおかしくない状況が全然普通じゃない世界。どれも静かにながれる川のようだった。好きだったのはずっとガゼルを見ていた少年

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    2024年07月25日
  • この世にたやすい仕事はない

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    『水車小屋のネネ』が良かったのとタイトルに惹かれて手にしたが、うーん、進まない…。ネネも時間はかかったので、私には読みにくいのかも。

    長年勤めた仕事を逃げるように辞めて、恐らく前職とは180度違う職業を求めてハローワークに行く主人公。
    一見後ろ向きだけど、仕事を始めてしまうと意外とのめりこんでしまう性格が見てとれる。
    それにしても、こんなニッチな職業ってあるの?
    ちょっと面白いけど、これを続けるとなるとどの仕事も困ったことが出てくる。
    全てに満足できる仕事って、ないよね。

    いろいろあって、目をそらし続けた元々の職業に戻るときの複雑な気持ちは共感できる。

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    2024年07月13日
  • この世にたやすい仕事はない

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    ふふふ、おもしろかったです♪
    ミステリアスなお仕事ばかりに転職していくわけですけど、主人公、なかなかにたくましい!
    わりと順応して(なんなら前のめりぎみ)、その能力があるのに、すり減ってしまった本職って…

    でも、最後に本職に戻ろうとするところや、菅井さんとの語らいの部分には、なんか考えさせられた。
    ずっと笑える話だったのに、最後意外とグッときました。

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    2024年06月25日
  • やりたいことは二度寝だけ

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    脱力系エッセイ。
    ひとつひとつの話が短く、読みやすい。
    大きな盛り上がりがあるわけではないが、ちょっとした時間に読むのに向く。
    ユーモラスな思考と表現力は著者ならでは。
    ほっと心が落ち着くような、そんな一冊。

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    2024年06月08日
  • やりたいことは二度寝だけ

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    ネタバレ

    【平和で気楽に読みたいときにぜひ】
    芥川賞受賞されてから出された初のエッセイ。
    大阪のかたとのことで、関西圏が出てきて。
    作品のもとになったショッピングモールや奈良での体験も書かれていて、
    まだ読んでいないのでまた読みたいと思う。そんな津村さんを引っ張っているYちゃんの存在も少し気になった。
    どっちでもないことばかり考えている人がいる、ということが伝われば、というノリで、

    気楽さがなにより。二度寝についてはほぼ書かれていません。

    予感への楽しみ。いいよね。

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    2024年05月21日
  • この世にたやすい仕事はない

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    こんな仕事ある?というお仕事に少しの謎が混ざった話。
    違う仕事を経験して最後には元々していた仕事に戻る。
    謎が少し盛り上がったかなというところで終わってしまう感じがありもう少し謎に踏み込みたかったなという感想。

    仕事辞めたいーって思ってもやっぱり戻っちゃうんですかね。

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    2024年05月06日
  • この世にたやすい仕事はない

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    どんな仕事でも主人公のように真剣に取り組んだら面白くなるんだろうな。
    愚痴ばかり言ってないで、今の仕事をしっかり頑張ろうと思えた。

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    2024年05月03日
  • この世にたやすい仕事はない

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    大学を出て14年間働いた前職で燃え尽き症候群になった36歳の彼女がハローワークで様々な仕事を紹介される。
    短期間のうちに5つの職を体験して何かを感じ取ったって感じの作品でした。
    あっ、でもこれダメなやつでした。
    ありそうで、なさそうな架空の仕事なんですよね。
    特に意味もなさそうな主人公の趣向回路に流されて、
    波長が合わなかったみたいで興味が出ませんでした。
    そんななか次第に飽きてくるんですが最後まで読み切ろうと大好きな山関連のワードを拾ってました。
    1話目では、監視の対象者の名前が山本山江ってフルネームで終始語られてたことと、
    2話のバスのアナウンスで出会った江里口さんが全然自分語りしないなか

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    2024年04月30日
  • とにかくうちに帰ります

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    ネタバレ

    朝は小降りだった雨が昼過ぎには激しさを増して豪雨の状況になってきた。
    退社しようと外に出たは良いが、橋の上では事故が発生したのも重なり交通網も乱れて帰宅するのも困難な状況になっていた。
    バスは来ないし、ようやく来たバスは満員で乗れない。
    大雨が降りしきる埋め立て洲に取り残された4人が主に取り上げられる。
    自分の飲食のために買った空揚げや飲み物を分け与えたり、自分が二枚重ねで着ていたレインコートを一枚分けたり。
    ようやく来たバスは満員で乗れなさそうだったが、何とか一人分を空けてもらって同行していた少年を乗せてやったり。
    みんな、とにかくうちに帰りたいのに自分優先ではない。

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    2024年04月01日
  • ウエストウイング

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    津村さんの作品は、これまで楽しく読んできた。
    長編はこれが初めてかもしれない。

    解体が噂される古びた雑居ビル「椿ビル」が舞台。

    そこに入っている会社の事務員ネゴロ。
    給料が安く、嫌みな上司や困った後輩に翻弄される以外は不服もないが、そのぬるさに不安も感じている。

    そこに入っている学習塾に通う小学六年生のヒロシ。
    去年いじめにあったせいで、母は母子家庭で大変なのにヒロシの中学受験を望んでいる。
    ヒロシは絵を描くことに才能があり、勉強には全く身が入らない。
    母親の心配をうっとうしがりながらも、母親の意思を理解し、それに合わせていこうとする大人な面を持っている。

    そして、そこに入っている検査

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    2024年03月24日
  • とにかくうちに帰ります

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    前半の作品は、とにかく楽しそうな職場だった。
    途中、エッセイ?実話なのかな?と錯覚するほど、リアルな話だったなー
    何度かふふっと笑ってしまった。

    後半は前半とは違い、過酷な状況でみんなが必死で帰る中、出会いもあったりして、寒い中、心温まる出来事もあってよかった。
    あの晩、みんなの中で、少し何かが変わったのかな。

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    2024年03月10日
  • ダメをみがく “女子”の呪いを解く方法

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    ネタバレ

    p196「そうやって、自分が持っているものを見せて、「これを持っていないのはあんたが悪い」って言いたがる人はいます。」

    p242「だから子育てで悩んでる最中の人もいれば、同じ歳なのに介護で悩んでたり今まさに恋愛で悩んでる人とかどんどんどんどん変わってくるものだから、その背景の細部を見ちゃうとイライラしちゃうんだけど(中略)それぞれに学びの段階とか時期が違ってて。その人は今、自分からしたら終わったような問題で悩んでるけど、反対に自分がまだ入り口にも立っていない物事を理解しているかもしれない、とかありますし、あの人はこの年なのにこうで!みたいに、自分の物差しで全部測ったらダメですよね。」

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    2024年02月08日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    あなたがわたしのことをすっかり諦めて忘れてしまっても、わたしはあなたのことを気にしているんだろうということを、どうやってイノギさんに伝えようかと思った。

    なにもない。何もないことがある。
    小説だから何か起こるけれど、あくまで小説だから。
    この作品の世界は、小説でなかったらおそらく何も起こらなかっただろう。
    それでも私はこの世界を体験してみたいと思う。

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    2024年01月17日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    面白かった。主人公の、ひんやりとした自己分析が、「あーわかるわかる、この気持ちは確かに言葉にしたらこんな感じだよね」というのが何度もあり、小説を読む醍醐味だと思った。

    ただ、一方、私の読解力が低いからなのか、最後の結末(タイトルがそのまま出てくるところ)が、少し唐突に感じたというか、それまでとの文脈と上手く自分の中で繋がらなかった。

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    2023年11月27日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    読み終わってから毎日、ふとしたきっかけで大学時代の何気ない一コマを思い出します。かつて贅沢すぎるくらいの「自由な時間」を持て余して、ただ好きな人と好きなことしてた大学後期の頃の自分が、物語のくだらないエピソードと薄く広くリンクしていたのだと思います。個性的な登場人物たちと、またあの頃を共に過ごせたかのような。

    終わり方も含めて決して明るい物語ではないけれど、読み終わってからしばらく、心地よい余韻が残るような、良い作品に出会えた気がします。

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    2023年10月14日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    文章の中でも「作文の書き方」に
    焦点を当てた本。
    テーマの選び方や作文を書く意味、
    書き出しの方法などサラッと書かれている。
    作家の方ならではの視点が面白く小気味よいが、
    中高生向けのようでやや物足りなさを感じた。

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    2023年08月29日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    大型複合コピー機のアレグリア対女子社員ミノベの対決譚。これで話を広げられる作者のクレバーさが好きだ。

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    2023年08月08日