津村記久子のレビュー一覧

  • とにかくうちに帰ります

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    ネタバレ

    朝は小降りだった雨が昼過ぎには激しさを増して豪雨の状況になってきた。
    退社しようと外に出たは良いが、橋の上では事故が発生したのも重なり交通網も乱れて帰宅するのも困難な状況になっていた。
    バスは来ないし、ようやく来たバスは満員で乗れない。
    大雨が降りしきる埋め立て洲に取り残された4人が主に取り上げられる。
    自分の飲食のために買った空揚げや飲み物を分け与えたり、自分が二枚重ねで着ていたレインコートを一枚分けたり。
    ようやく来たバスは満員で乗れなさそうだったが、何とか一人分を空けてもらって同行していた少年を乗せてやったり。
    みんな、とにかくうちに帰りたいのに自分優先ではない。

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    2024年04月01日
  • この世にたやすい仕事はない

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    ネタバレ

    (2024/03/26 2h)

    さまざまな職種のリアルな内情を明かす系の小説かと思ったら、世にも奇妙な物語系のファンタジー小説だった。

    サクッと読めておもしろい。
    バスのアナウンスと路地の話が好き。

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    2024年03月26日
  • ウエストウイング

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    津村さんの作品は、これまで楽しく読んできた。
    長編はこれが初めてかもしれない。

    解体が噂される古びた雑居ビル「椿ビル」が舞台。

    そこに入っている会社の事務員ネゴロ。
    給料が安く、嫌みな上司や困った後輩に翻弄される以外は不服もないが、そのぬるさに不安も感じている。

    そこに入っている学習塾に通う小学六年生のヒロシ。
    去年いじめにあったせいで、母は母子家庭で大変なのにヒロシの中学受験を望んでいる。
    ヒロシは絵を描くことに才能があり、勉強には全く身が入らない。
    母親の心配をうっとうしがりながらも、母親の意思を理解し、それに合わせていこうとする大人な面を持っている。

    そして、そこに入っている検査

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    2024年03月24日
  • とにかくうちに帰ります

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    前半の作品は、とにかく楽しそうな職場だった。
    途中、エッセイ?実話なのかな?と錯覚するほど、リアルな話だったなー
    何度かふふっと笑ってしまった。

    後半は前半とは違い、過酷な状況でみんなが必死で帰る中、出会いもあったりして、寒い中、心温まる出来事もあってよかった。
    あの晩、みんなの中で、少し何かが変わったのかな。

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    2024年03月10日
  • とにかくうちに帰ります

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    おもしろいんだけど、読みにくかった。
    単行本は一日で読みきれる薄さなのに、ぜんぜん終わらなかった。
    実在する固有名詞が結構でてくるので、誰かのブログかなと、錯覚してしまった。

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    2024年02月18日
  • ダメをみがく “女子”の呪いを解く方法

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    p196「そうやって、自分が持っているものを見せて、「これを持っていないのはあんたが悪い」って言いたがる人はいます。」

    p242「だから子育てで悩んでる最中の人もいれば、同じ歳なのに介護で悩んでたり今まさに恋愛で悩んでる人とかどんどんどんどん変わってくるものだから、その背景の細部を見ちゃうとイライラしちゃうんだけど(中略)それぞれに学びの段階とか時期が違ってて。その人は今、自分からしたら終わったような問題で悩んでるけど、反対に自分がまだ入り口にも立っていない物事を理解しているかもしれない、とかありますし、あの人はこの年なのにこうで!みたいに、自分の物差しで全部測ったらダメですよね。」

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    2024年02月08日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    あなたがわたしのことをすっかり諦めて忘れてしまっても、わたしはあなたのことを気にしているんだろうということを、どうやってイノギさんに伝えようかと思った。

    なにもない。何もないことがある。
    小説だから何か起こるけれど、あくまで小説だから。
    この作品の世界は、小説でなかったらおそらく何も起こらなかっただろう。
    それでも私はこの世界を体験してみたいと思う。

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    2024年01月17日
  • とにかくうちに帰ります

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    感想
    帰りたい。なんなら外に出たくない。と言いつつ帰りにお気に入りの本屋に。デパ地下でお惣菜も買ってしまおう。みんな帰りたい場所がある。

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    2024年01月10日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    面白かった。主人公の、ひんやりとした自己分析が、「あーわかるわかる、この気持ちは確かに言葉にしたらこんな感じだよね」というのが何度もあり、小説を読む醍醐味だと思った。

    ただ、一方、私の読解力が低いからなのか、最後の結末(タイトルがそのまま出てくるところ)が、少し唐突に感じたというか、それまでとの文脈と上手く自分の中で繋がらなかった。

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    2023年11月27日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    読み終わってから毎日、ふとしたきっかけで大学時代の何気ない一コマを思い出します。かつて贅沢すぎるくらいの「自由な時間」を持て余して、ただ好きな人と好きなことしてた大学後期の頃の自分が、物語のくだらないエピソードと薄く広くリンクしていたのだと思います。個性的な登場人物たちと、またあの頃を共に過ごせたかのような。

    終わり方も含めて決して明るい物語ではないけれど、読み終わってからしばらく、心地よい余韻が残るような、良い作品に出会えた気がします。

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    2023年10月14日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    文章の中でも「作文の書き方」に
    焦点を当てた本。
    テーマの選び方や作文を書く意味、
    書き出しの方法などサラッと書かれている。
    作家の方ならではの視点が面白く小気味よいが、
    中高生向けのようでやや物足りなさを感じた。

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    2023年08月29日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    大型複合コピー機のアレグリア対女子社員ミノベの対決譚。これで話を広げられる作者のクレバーさが好きだ。

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    2023年08月08日
  • 子どもお悩み相談会 作家7人の迷回答

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    作家さんそれぞれの回答にユーモアがあって、楽しく読めました。
    読んだことのない作家さんもいたので、小説も読んでみたいなと思いました。

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    2023年07月28日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    ネタバレ

    冷たい十字路
    「ん?…ってことは!?」の構成。
    登場する全部の関係性やその後が明示されるわけではないので、人々の生活の一部を切り取ってきたような印象の中編。

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    2023年06月01日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    この本の登場人物は、みんな怒っている。その理由に初めは共感するけれども、だんだん「そんなに?」と思ってしまうほど、怒っている。でも、不思議と不快ではない。言いたいことを言ってくれているから。そして、それが過剰な表現になる程、読んでいる側は冷静になる。怒りのデトックスになる本である。

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    2023年03月07日
  • ウエストウイング

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    途中ちょっと飽きる感じもあった。なんでそこ描写したん?とかもちょこちょこ。けど総じて、そこそこ面白かった。いろんな人が出てきて、それぞれに仕事や日常があって、「椿ビルディング」で交わる感じが。あとがきは×。

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    2023年03月01日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    作家の津村記久子さんによる子供向けの作文のハウツー本。
    子供向けに書かれていますが、大人でもためになります。文章から津村さんの大人と子供を区別しないフラットな考え方が伝わってきて、なんだか気持ちがいいです。
    体験談を交えて作文と読書の楽しさを伝えていて、いちいちなるほどな〜と思わされます。
    この本を読んで、自分の好きなことってなんだろうと考え、日々の出来事についてメモを取りたくなりました。

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    2023年02月24日
  • 子どもお悩み相談会 作家7人の迷回答

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    大人が読んでも楽しかったです。
    ちなみに夏休みの宿題はわたしは早めに終わらせるタイプでしたが会話のマナー的にはなってないのかな笑。

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    2023年01月25日
  • 子どもお悩み相談会 作家7人の迷回答

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    7人の作家によるエッセイアンソロジー。
    もともと『考えるマナー』『楽しむマナー』という本の中からエッセイを抜き出して、子どもの悩みや質問に対する回答という形式で再編集されている。
    サブタイトルに「迷回答」とあるが、そもそも質問に答えるために書かれた文章ではないため、答えになっていない「迷回答」になるよね、とは思う。
    子どもの素朴な質問に対して作家が答えてくれた本だと思えば肩透かしを食らうし、一方で様々な作家たちの気軽なエッセイだと思えば楽しめる一冊。

    好きなエッセイは
    三浦しをんの「ボウリング最弱王決定戦」
    高野秀行の、ありがとうを言わない民族と褒めることについて。
    角田光代のクヨクヨしてし

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    2023年01月06日
  • 浮遊霊ブラジル

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    実際のところは知らないけど津村記久子の人間観察具合が滲み出てると思った
    ユーモア
    初見の固有名詞が多くなってきてだんだんこんがらがった

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    2022年10月28日