津村記久子のレビュー一覧

  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    水車小屋のネネと高校生の理沙と小学生の律の姉妹の40年間に渡る物語。周りの人々のあたたかい交流の物語かな。出会うべくして出会う人々、人は支え合い助け合って、誰かの為に少しでも役に立てるといいなと思える作品。

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    2026年09月13日
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

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    名作と言われる作品を、高尚なものだと捉えすぎていたのかもしれない。
    自分たちの延長線上にいるのではなく、なんだかもっと、後世の人たちが言動を一つずつ分析し、意義を見出せるような、自分たちとは違った存在なのだと思いすぎていたんじゃないか。

    そんな気持ちにさせてくれる、名作たちの書評をまとめた一冊。

    英米文学科を出ていると言いたくなくなるくらい、名作を読んでない。
    専攻は英語学だったんだと言い訳だけさせてほしい。英文学史も米文学史も必修でとったけど、本当に苦行でしかなかった。
    それは翻訳の日本語への苦手意識があるけれども、「こいつなんでこんなことしてるの?」に無駄に意味を見出そうとしすぎていた

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    2026年08月27日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    よく似た登場人物が多くて、何回も前に載っている住宅地地図を見ながら読まなければならず、ちょっと疲れた。
    結末はあっけなかったかな。3軒分つないで住んでいる長谷川家が怖かった。

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    2026年08月25日
  • この世にたやすい仕事はない

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    お仕事葛藤記かと思いきや日常に隠れるちょっとした時空が歪んだのかな?という不思議感もある小説。確かにお仕事転々とするのでタイトル通りどの仕事もたやすい物なんて1つもない、すごい仕事も楽な仕事もない。全ての仕事にはよしも悪しもあるのは間違いないけどふいに挟まる不可解な謎。私の職場にも触れてはないがその隙間から広がるまだ知らない謎を見てみぬふりしてるのかも?を進んでいく主人公がいるのでちょっとした冒険とも似て非なるもの。どの章も読みやすくてなるほどなるほどとなり、最後の集結もこれまでの事が繋がってたりして一体感が心地よかった。けどそこから得る教訓というものがなかったので、お仕事葛藤記だ!と思い込ん

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    2026年08月24日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    薄氷の上を踏むのではなく、薄氷を横から見ているような、氷の薄さを感じながら、それを眺めているような感じのする本だった。主人公のホリガイさんの語りで進んでるんだけど、どこか距離があるのが不思議な感覚。描写が細かすぎて、まるで彼女たちの生活を上から覗いてるような、普段の小説とはまた違った第三者視点がおもしろい。手首の表皮も、ホリガイさんとイノギさんの関係も、ホセキくんの命も、ヤマカワくんの淡い思いも、全てが薄くて、柔くて、儚くて、脆くて、でも薄いからこそ、それが、彼らがしっかりそこにあることを、存在することを感じるような、そんな感じのする本だった。あと、あまりにも唐突に話が始まるものだから、話をつ

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    2026年08月23日
  • 浮遊霊ブラジル

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    帰りの電車で読んだ。
    なんか不思議な世界に連れて言ってくれたような気がする。
    全て短編で、非現実的な世界観である。

    女性だけれども、中年〜高齢男性の思考を理解して書いていることが素晴らしいと思う。経験したことしかわたしは書けないことが多い。いろんな引き出しを持っている方が、小説に深みが出ることを表現していると思う。
    娯楽摂取しすぎで地獄に行った人の話が面白い。そんな時間どこから捻出したんだよとツッコミも入れたくなる。本人がそのくらい娯楽をしているのだろうか。自分への戒めの小説か。笑

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    2026年08月18日
  • この世にたやすい仕事はない

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    この主人公は30代の女性だが、仕事を辞めてもっと自分に合った所、やりがいのある仕事を求めるのは、どの年代でも考える(実行するかどうかは別として、定期的に辞めたい辞めたいとなる)
    ただ高齢になると選択できる職が少なくなり、雇用条件も悪くなる一方⋯結果 辞められない
    この本に出てくる職は多種多様で面白く、やってみたいと思う職もあった
    2025/1

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    2026年08月16日
  • 水車小屋のネネ

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    理佐が律を連れて、新たな生活を始めたのは18歳の時。そのいきさつから、当然苦難の連続であったはず。周りの人々の支えとヨウムのネネによって、そして姉妹の努力によって、奇跡的に平穏な日々を過ごしてきた。

    出来事や日常は、ぎりぎりまで喜怒哀楽を取り除いて、淡々と描かれている。
    親を除く周りの人々は善意にあふれた人ばかりだ。
    しかし、姉妹の苦悩、怒り、絶望、勇気、努力、希望、喜び、感謝は、いかばかりであったのか。
    読み手は文章の余白に想像力を持つことが求められ、それは経験や知識や感受性などによっても変わってくると思った。

    人の温かさや支え合うことの大切さなど、生きていくことの理想が詰まっている。

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    2026年08月08日
  • この世にたやすい仕事はない

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    『There's No Such Thing as an Easy Job』という題名で英訳されていてさらに柚木麻子の『バター』も翻訳しているPolly Bartonが担当しているので興味が出た。
    主人公は前の職場でうまく行かず、逃げ出すように辞めてハローワークのようなところにお世話になる。
    とにかく楽な仕事をリクエストして紹介される仕事が全てニッチでマイナーだけど主人公はしっかり仕事こなしながら一緒に働いている人を冷静に見て様々な分析をする。
    ・作家を監視する仕事
    ・おかきの袋に記載されているプチ知識を考える仕事
    ・バスのアナウンス原稿を考える仕事
    ・ポスターを貼り替える仕事
    ・公

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    2026年07月31日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    つらつらと日常を書くのは得意なんだが、どうやったら面白い文章が書けるようになるかのプロセスがまとまってておもしろかった

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    2026年07月30日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    ネタバレ

    義理の父親に虐待され、姉妹で家出をして水車小屋に、言葉を話すヨウムを飼っている奇妙な蕎麦屋で暮らし始める。姉妹が成人して独り立ちし、結婚、出産していく姿をずっと描き続ける。
    家出の後は、大きな出来事は起こらない、おだやかな時間の流れが描かれる。東北大震災も描かれるが、水車小屋にはそれほど影響がなかった。
    描かれる雰囲気はいいのだが、物語としては少し物足りない感じがした。

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    2026年07月27日
  • 二度寝とは、遠くにありて想うもの

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    やりたいことは二度寝だけをすっ飛ばしてこちらから読み始めました。
    スポーツに音楽にお仕事に展覧会にとあらゆる文化への造詣が深い
    そして視点が面白い
    布団コールから始まり、最後らへんの素人展覧会巡りの話が特に好き
    神戸市立博物館の展覧会にナガサワ文具センターが張り切って限定のカラーインク売り出すの笑いました。ジュンク堂にくっついて店舗展開されてますよねぇ
    解説も津村さん愛がすごくてよかった
    美術展のチケットのミシン目をつけるお仕事はもしやと思ったら大好きな この世にたやすい仕事はない のシーンで嬉しかった。

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    2026年07月24日
  • 水車小屋のネネ

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    「貧乏が怖いの、わさるよ」
     律は夜空を見上げながら言った。右を見たり左を見たりしているので、おそらく正座を探しているのだろうと理佐は思う。
    「学校の意地悪な男子は、ものすごく貧乏をばかにするからね。だから怖いのはわかる。でも私の読んでいる本に出てくる人は、貧乏な人が多い。私も例外じゃないのかもしれない」
     そういう連中にばかにされない生活をしているからって幸せだとは限らないし、ばかにする連中が幸せだとも思わない。
    (P.169)

    「あれがたぶんアルビレオだ。はくちょう座の。肉眼で見るとひとつに見えるけど、望遠鏡で見ると二つあって、二重星っていうんだって。金色と青色の星でできてるんだって」

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    2026年07月21日
  • ポトスライムの舟

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    薄給で働く日々、人間関係やお金のことで思った通りにいかないけど、なんか前向きにいけそう。
    「十二月の窓辺」が辛すぎる。登場人物の誰が誰なのか、性別もわからなくなる、追い詰められた気持ちになる。

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    2026年07月12日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    意趣に富んだ短編集でした。多彩な作品を書かれる方ですが、今作はエンタメよりは純文学よりかと。シックなトーンですが、切実さとユーモアが混在する作品が多く、面白い読書体験でした。

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    2026年07月11日
  • うどん陣営の受難

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    100分で読めるシリーズというので面白そうなので購入。
    社内政治をテーマにした内容。
    タイトルからはもっと変な世界観かと思ったけど結構現地味がある内容だった。
    (そば派vsうどん派とかそんなのを予想してた)

    主人公の女性が、同じ派閥の会合に政治的な意味で参加せず、食べ物につられて参加している様子は、どこか抜けていて、お気楽な感じで面白かった。

    うどん陣営の登場人物にそこまでの個性は感じず、ところどころ、「これ誰だっけ?」と思いながら読んだ。

    中編小説という謳い文句だが、短編じゃないかなってくらいの分量で少し物足りなさは感じたが(この作品の読み易さもそう感じさせる要因だった)、概ね満足。小

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    2026年07月08日
  • ポトスライムの舟

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    ネタバレ

    ページにぎっしりと詰まった文章、改行はほとんどなし。初手から読みづらそうと思いましたが、予想は的中しました。『コンビニ人間』と『推し、燃ゆ』とはぜんぜん違う。描かれるのは過労とパワハラ。過労なんて関係なくどんどん増えていくポトスライムと、主人公の差はなんなんだろう。女4人の暮らしぶりに疑似家族好きの私は心躍りました。年収って、結婚って、子供ってなんなんだろう。お金よりも大切なことがあるって言いたいの?結局、作者が伝えたいことが分からないまま、私は本を置いたのです。人生とは辛いものなのです。

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    2026年06月22日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    津村記久子さん毎回面白いので今回はオヤッと…つまらない住宅地なので住んでいる人々もつまらないせいなのか、あまり読み進められず。興味もわかなかったので、挫折。

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    2026年06月11日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    総じて、自分の心と向き合うような内省的な短編集でした。

    登場人物たちは、前向きに捉えられない出来事や感情について思いを巡らせており、その心の動きには共感できる部分も多かったです。一方で、それぞれの作品にテーマはあるものの明確な答えが示されないことも多く、読後も霧の中にいるような感覚が残りました。すっきりとした結末を求める人には合わないかもしれませんが、人の心の曖昧さを味わえる一冊でした。

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    2026年06月09日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    誰もが思うことだが、登場人物が多すぎる。多いなら多いでそれに見合う紙幅があればいいけれど、文庫本で300ページ弱なので固有名詞の密度が高くなりすぎてしまっている。

    ただ、この満員電車のような群像劇は、次作の「水車小屋のネネ」で上手く消化されている。テーマ的にも通底するものがある。
    ひとびとはいろんな複雑な事情を孤独に抱えながら生きている一方、どこかで繋がりながら暮らしている。そのようなコミュニティを軽い筆致で描く。「水車小屋のネネ」はそのようなテーマが結実したもので、とてもよかった。その雛形がこの小説になんだろうと思う。

    津村の小説は、むかしのジャンルでいえば中間小説のような印象がある。純

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    2026年06月06日