津村記久子のレビュー一覧
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ネタバレ朝は小降りだった雨が昼過ぎには激しさを増して豪雨の状況になってきた。
退社しようと外に出たは良いが、橋の上では事故が発生したのも重なり交通網も乱れて帰宅するのも困難な状況になっていた。
バスは来ないし、ようやく来たバスは満員で乗れない。
大雨が降りしきる埋め立て洲に取り残された4人が主に取り上げられる。
自分の飲食のために買った空揚げや飲み物を分け与えたり、自分が二枚重ねで着ていたレインコートを一枚分けたり。
ようやく来たバスは満員で乗れなさそうだったが、何とか一人分を空けてもらって同行していた少年を乗せてやったり。
みんな、とにかくうちに帰りたいのに自分優先ではない。 -
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津村さんの作品は、これまで楽しく読んできた。
長編はこれが初めてかもしれない。
解体が噂される古びた雑居ビル「椿ビル」が舞台。
そこに入っている会社の事務員ネゴロ。
給料が安く、嫌みな上司や困った後輩に翻弄される以外は不服もないが、そのぬるさに不安も感じている。
そこに入っている学習塾に通う小学六年生のヒロシ。
去年いじめにあったせいで、母は母子家庭で大変なのにヒロシの中学受験を望んでいる。
ヒロシは絵を描くことに才能があり、勉強には全く身が入らない。
母親の心配をうっとうしがりながらも、母親の意思を理解し、それに合わせていこうとする大人な面を持っている。
そして、そこに入っている検査 -
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ネタバレp196「そうやって、自分が持っているものを見せて、「これを持っていないのはあんたが悪い」って言いたがる人はいます。」
p242「だから子育てで悩んでる最中の人もいれば、同じ歳なのに介護で悩んでたり今まさに恋愛で悩んでる人とかどんどんどんどん変わってくるものだから、その背景の細部を見ちゃうとイライラしちゃうんだけど(中略)それぞれに学びの段階とか時期が違ってて。その人は今、自分からしたら終わったような問題で悩んでるけど、反対に自分がまだ入り口にも立っていない物事を理解しているかもしれない、とかありますし、あの人はこの年なのにこうで!みたいに、自分の物差しで全部測ったらダメですよね。」 -
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7人の作家によるエッセイアンソロジー。
もともと『考えるマナー』『楽しむマナー』という本の中からエッセイを抜き出して、子どもの悩みや質問に対する回答という形式で再編集されている。
サブタイトルに「迷回答」とあるが、そもそも質問に答えるために書かれた文章ではないため、答えになっていない「迷回答」になるよね、とは思う。
子どもの素朴な質問に対して作家が答えてくれた本だと思えば肩透かしを食らうし、一方で様々な作家たちの気軽なエッセイだと思えば楽しめる一冊。
好きなエッセイは
三浦しをんの「ボウリング最弱王決定戦」
高野秀行の、ありがとうを言わない民族と褒めることについて。
角田光代のクヨクヨしてし