津村記久子のレビュー一覧
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なんとなく結構昔の話だな〜って感じ
今の自分と年は同じくらいだけど、価値観違いそう
昔の30前後って今の30前後よりもすごい大人な感じですよね
兼業作家でいろいろ悩んだりだらけたりしながらなんとか小説書いてるっていうのは
なんか等身大な感じ
自分は小説書いてないけど、日常生活のところでわかるよって部分はあったかも
この人こういうのが好きだったり身近な存在だから
小説に出てきたんだなってのがいくつかあった
スペインとか
登場人物の名前を考えるのは難しいってところで
この人の名前は私(作者)が考えるけど、
実際はこの人の両親が考えたってことだから
この人の両親が考えたっぽい名前にしないといけないから大変
みたいなことが書いてて、当然だけどいろんなこと考えまくって小説って書かれてるんだなと思った
エッセイだからささっと読むのにいいかんじですね
寝る前に読んで、読んでるとなんか眠くなってちょうどよかった -
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◼️ 津村記久子「ポトスライムの舟」
芥川賞。小説らしい作品だな、と。読みやすく展開は、把握しやすい。
たまたまではあるけど、最近芥川賞を読むことが多い。中には、博多弁で言うといっちょん分からんやったり、やたら理屈が多かもんもあるとばい。しかしながら、この作品は平易な言葉で、設定も展開もオチも分かりやすい。ただ、そこに含まれている意味を言葉でうまく表現できない。
長瀬由起子29歳は、工場でベルトコンベアの乳液のキャップをチェックする仕事をし、夕方からは友人のヨシカが経営するカフェで働き、夜は入力の内職をしている上、土曜日はパソコン教室でお年寄り相手にメールの送り方などを教えている。ある日、工場に貼ってあるポスターの163万円で世界一周、というふれ込みに、この金額は自分の工場の年収と同じ、と気づき、節約を始める。そんな折、母親と住む4LDKの古い持ち家に大学の同級生・りつ子が幼い娘を連れて、ほぼ無一文で家出してくるー。
「ポトスライムの舟」自体は100ページくらいの作品。主人公ナガセの前日譚「十二月の窓辺」も収録されている。
離婚した母に、離婚協議をしているりつ子、離婚を考え始めた、工場でともに働く岡田さん。回りがいろいろと動く中、目標である貯金に向けて働く、細かくカネの計算をしては心を痛めるナガセ。止まらず働く女に、束の間の休息が訪れる。そして心境の変化が・・?
最近意図せず関西ものに当たる気がしている。ポトスライムの舟」は奈良が舞台で関西弁も多い。そしてそちこちに奈良の細かいあるある、が散りばめられる。さて、この作品はお金の算段を中心にストーリーが進む。周囲に影響されて、働いて、エアポケットが生じて、というわかりやすい展開だと思う。
では、何を掴み、どう変わっのか。成長したり、自信を取り戻したり、というのはわかる気がする。ただそれを、えも言われぬグネグネしたような感情、変化の度合いと瞬間をどう表現していいのが、ホントにむずかしい。分かる気はするけど、この胸の中のもの、これがこの作品を読んだ時残るものでは、という気もした。
タトゥー、百科事典が好きなりつ子の娘・恵奈との触れ合い、自転車で走る、など印象的で計算されてそうな要素が織り込まれていていて非常にテクニカルだなと思えてしまう。
等身大の物語、平易な文章とあまり波のない展開。しかし何かある、という確信、あまり言葉にしたくないような気もすふ。様々な知識。小説らしい作品だな、と思ったりした。 -
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ポトスライムの舟
なんかわかりそうでわからない。
でも心地よいって感じの話
社会人になってからお金が苦しい時期があったので、友達と会うための電車賃を脳内計算する主人公に共感しかなかった
将来のための投資を頑張ってるけど、それは幸福なのか?みたいなことを改めて考えた
いまいち掴みきれてないので、みんなの感想も見てみたい。
十二月の窓辺
ひたすらパワハラ描写がきつかった。
主人公もかなり限界まできてたし…
「でもまあ仕事ってそういうもんなよなあっていう。ばかみたいな恥をかきながらもそれは続くわけですよ。遠い空の下でアホにされながら、それでも会社員ははたらくんだよなあ」
ってセリフ好きだった。諦めと希望のブレンドが(この段階ではまだ主人公は吹っ切れきれてないけど)。
道中がしんどすぎたので、ちゃんと前向きに終わってくれてよかった。 -
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2編のお仕事小説。
どちらの話も、悩みながら仕事を頑張っている姿が描かれている。キャリアウーマンではないところが、現実をリアルに切り取っていると感じた。
1話目は薄給の中でも夢や目標を持って働き、2話目は仕事がうまくできないことを自覚しながら、いじめに耐えるようにして働く姿が描かれる。
芥川賞受賞作の1話目「ポトスライムの船」は、生きるために働くのか、その人生にどんな意味があるのかという、多くの人が一度は考えるテーマ。
主人公は働くこと自体は苦ではなさそうで皆勤だが、給料の重みや働く意味について、漠然としたものから次第に形をもって考えるようになる。
2話目「十二月の窓辺」では、パワハラ上司に耐えて働く姿に、偉いなと思う反面、もっとその努力を認めてくれる人が近くにいればいいのにと感じた。
働く環境はとても大切で、QOLは大きく変わってくる。
一方で、社会では理不尽に耐える力も必要だとは思う。
嫌だからとすぐに投げ出すのが良いとも限らない。
ただ、パワハラに無理して耐えることが正義なわけではなく、自分を大切にすることも必要で、現代ではそのバランスがとても難しいと感じた。 -
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まず、タイトルに驚いた。
つまらない住宅地って…⁉️
すごいタイトルつけるなぁって。
誰かにケンカ売ってるのか?って心配になるくらい。
でも…私の住んでる住宅地もそんなもんか。
つまりは、しないな。
つまらないかもしれん。
そんでもって、登場人物が多い。多すぎる。
つまらない住宅地と見取り図があって、住んでる住民の構成が書かれてて。
何度もパラパラと読み返さないと、誰これ?と思ったもん。
ここで挫折した人の気持ちは分かる。
でも、最後まで頑張りました。
読後感は爽やかだった。
日置、あなたがしたことはあのつまらない住宅地に波紋を起こして、救われた人も居たよ。なんて、言ってあげたい気になる。
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バリローチェのファン・カルロス・モリーナの話がお気に入り。
オフィスを舞台にした話も多くて、
めちゃくちゃありそうな、とりとめのない出来事ばかり。
当事者だったら気になって仕方ないのに、
小説として読むと、そのくだらなさにちょっと笑えてしまう。
ただ、現実逃避気味に読んでいると、
あまりにもリアルすぎて逆にしんどくなる瞬間もあって、
その行き来が不思議な読書体験だった。
特に印象に残ったのが、
タイトルにもなっている「とにかくうちに帰ります」。
台風の日、中洲にオフィスがある人たちが、
バスの運行状況に翻弄されながら、
洲と本土をつなぐ大橋を大雨の中歩いて渡る話。
それぞれの装備品が、とにかくリアルでぐっとくる。
レインコートなし、大きな傘だけのサラリーマン。
スーツに革靴、同行者は小学校高学年の男の子。
男の子は傘が壊れてしまって、サラリーマンが買い直してあげる。半袖短パン。
一方、女性は「雨の日のために」と取っておいた
おろしたてのレインブーツ。コンビニで買ったレインコートを二重に着て、ホットドリンクを4本、カイロ代わりに抱えている。
連れの男性は厚手のレインコートに、
嵐のため急遽店じまいになったコンビニで買った半額のカウンターフーズ。
カウンターフーズ袋3重にしてって頼んでたり、
ホットドリンク4本も袋4重にしてって頼んでたり、いやそれ以前に4本持って歩くの重いやろ!とか笑えるんだけど
備えていたもの、備えていなかったもの、
それぞれの装備の役立ち方に妙に胸を掴まれた。
「家に帰りたい」という気持ちに共感しすぎて、
外で読んでた自分も「帰りたいな……」ってなってしまった。笑 -
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著者が92冊の色んな分野の文学を楽しくお喋りするかのような一冊。知らない作家、作品も多かったが、文豪大作(「カラマーゾフの兄弟」、「かもめ」(チェーホフ)、「赤と黒」(スタンダール)、「ボヴァリー夫人」(フローベル)「ペスト」その他フランスの多くの作品)から推理小説(クロフツの「樽」)、探偵小説(ルブランの「813ルパン傑作集」)、SF小説(クラークの「幼年期の終わり」、オーウェンの「1984年」)エンタメ小説(デュマ「椿姫」、ミュルジュール「ラ・ボエーム」)、映画の原作小説(「アラバマ物語」「郵便配達は二度ベルを鳴らす」など極めて広い領域の登場人物に焦点を当てて解説するのに目が開かれることも多かった。この著者のあまりにも幅広い興味に圧倒される思い。カラマーゾフの登場人物の解説は今まで読んだどんな説明よりも(良い意味で)通俗的で分かり易い!この著者が楽しんで書いていることが伝わってきて、読んでみたいと思う本が多くでてきた!アガサ・クリスティ「終わりなき夜に生まれつく」やレイモンド・チャンドラー「長いお別れ」、カポーティー「遠い声 遠い部屋」ホーソーン「緋文字」…。
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ネタバレ私はとても血圧が低い。そして起き抜けはだいたい激怒している。(中略)ただ起床しなければいけないことを憎んでのたくっている。(現代生活手帖 60ページ)
→ここ好き。静かに怒りに震えていて、でもきっとそれを他人にあたることは決してなく、自分の怒りが理不尽であることを自覚している感じが好き。『現代生活手帖』では、ほぼ説明もないまま、少なくとも今は存在しない近未来的なロボットやサービスや出てきて、書き方がおしゃれだなあと思った。
食べることに疲れていて、自分はそのことに罪悪感があるのかもしれないと思う。しかし食べることは私にとっては判断を伴う。私は判断がもうしんどい。けれども何かを食べないと生きていけないのは理解しているから、せめて悲しい食事で生きようとしている仲間を探して安心しようとしている。(粗食インスタグラム 131ページ)
→
ここも好き。他人の粗食を見たいとは思わないが、コンビニに行っても何も食べたいと思わないとき、心が疲れているんだなあと感じる。 -
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随分前に放映された井ノ原快彦主演のドラマの原作だというので手にしたが、推理小説のように登場人物が多く、見開きの「住宅地地図」の10軒の住人紹介を確認しながら読み進めた。刑務所から脱獄中の36歳の女が彼らの住宅に近づいていく過程と、それぞれに抱えている家庭事情と秘密を絡ませながら、どうなるのかハラハラしたが、ほっとできるエンディングになっていて良かった。今までは疎遠だった家同士の関係が、だんだんにほぐれていくのは、孤独がちな現代社会に希望を灯すようだ。タイトルでもある「つまらない住宅地」の住人たちの人生が、平凡でつまらないと思っていても、実はさまざまな思いや感情が詰まっていることを、他者と関わるうちにわかってくる様子が、ドタバタ劇のようなストーリーから見えてきた。個性あふれる登場人物の設定も面白かった。ドラマ、見たかったな。著者の作品を久しぶりに読んだが、細かい描写と温かな結末、また読んでみたくなった。