津村記久子のレビュー一覧
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同僚が結婚式を挙げた。
わたしは出席していない。
友人が亡くなって一年が経った。
わたしは彼女に会いに、地元に帰れていない。
結婚式は、事前に出席者の予定を空けておくように告知がなされる。その時点で、最重要案件である。一方で、葬儀は突然告知される。当然だが、突如として最重要案件となる。
では、そんな結婚式と葬儀が重なった場合。あなたならどうするか。
この作品では、主人公ヨシノがその重なった最重要案件に立ち向かっていくお話。
まるで、そんな日常を一挙手一投足で描いたエッセイのような作品でした。
本作品でも、津村さん持ち前のユーモアが冴えわたっている。そして、主人公の正義感の強さとなめらかに -
Posted by ブクログ
表題作の『浮遊霊ブラジル』の他、『給水塔と亀』『運命』『地獄』『個性』などを収録した短編集。
この中で私の一推しは何と言っても『地獄』です。
この短編集全体で言うと、すごく好きなのとそうでもないのがあったので星4評価ですが、『地獄』は満星!面白くてずっと笑いながら読みました。
生前、ドラマや映画、ドキュメンタリーやスポーツなど、虚実の物語を消費しすぎた罪で物語消費しすぎ地獄に堕ちた主人公。同じバス事故で死んで喋り過ぎ地獄に堕ちた友人と、担当の鬼についてLINEでやりとりしたり、どこか暢気な地獄での暮らし。
隣の席の喋り好きの女同士の会話を、ずっと聞いているかのような面白さ。
コロナでなか -
Posted by ブクログ
自分の思春期のころを思い出した。
多くの子供は、自分の家がおかしい、まともじゃないってことに気付かないふりをしてるんだと思う。
分かりやすく父親が働かない等の事情を抱えるセキコはそれに気付いてしまう。
中学生が向かい合わなくて良いはずの問題に向かい合って、イライラするセキコ。
友達とバカバカしいことしてる間(男子の尾行とか、やってるの、私と友達だけじゃなかったのね)はイラつきも少しは忘れられるんだよな。
セキコの友達のナガヨシが、これまた私の中学時代の友達に似てた。
何が似てるって、気になる異性の基準が、変で興味深いかどうか、というところ。私の友達が1学年下のメガネかけた怒り肩の男子に興味を -
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魂は万物に宿る。ミノベはそう思っている。
だからこそ、やたらとウォームアップに時間がかかり、1分動いては2分止まり、もうダメェ〜とばかりに8秒間もエラー音を鳴らして黙り込むアレグリア(A1サイズのコピーができる複合機)に対して『怠けている』と思えて、苛立って仕方がない。
わーかーるー!!!
急いでいる時に限って何度も紙詰まりを起こすプリンタ、フリーズするPC、何故か文字化けするファイル、果ては消えるデータ!
相手が機械とはいえ、悪意を持って邪魔してきているのかと思うことは起こる。忙しくて時間がない時を狙いすましたように、それは起こる。
津村記久子さんはお仕事小説の人、というイメージが強い -
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作家の津村さんと、編集者の深澤さんの対談。
人間関係、仕事上の失敗など「ダメダメなわたし」を語る。
二人の息が合っていて、よむほうもテンポよく進む。
編集さんから、「まだダメが足りない」というダメ出しが下ったという話が途中で出てきた(笑)。
でも、たしかに、そうかもね、と思う。
お二人とも物書きなので、失敗談なのに、客観視できているし、理性的な印象になる。
パワハラを受けた、親とうまくいかない―当事者にはむろんつらい体験だけど、自分はハラスメントするほうが悪い、という前提でいるので、それが「ダメなわたし」という枠組みに収まらない。
すごい人だって、若い頃はそれなりに失敗するだろう。
そんな感 -
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ネタバレ書評本、ブックレビュー、ブックガイド。
いろいろ読んできたけれど、この本ほど、作家のする読書の特異性を感じたものはなかったなあ。
第一章の「絵本と児童書」ではまだそれほど自分との違いを感じなかった。
それよりも最初の一冊が「デブの国ノッポの国」で、懐かし~とテンションが上がり、次の一冊に「マガーク少年探偵団」が来た時点で、この著者は私と大変読書の趣味が似通っていると錯覚してしまった。
その後も「図鑑が好き」の記載に激しく同意(わたしが幼稚園時代に一番好きだった本は動物図鑑)し、妖精事典や歳時記や哲学入門など、私の好きなジャンルの本がこれでもかと出てくる。
ついうっかり楽しい本だなあとへ