津村記久子のレビュー一覧

  • 枕元の本棚

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    ネタバレ

    書評本、ブックレビュー、ブックガイド。
    いろいろ読んできたけれど、この本ほど、作家のする読書の特異性を感じたものはなかったなあ。

    第一章の「絵本と児童書」ではまだそれほど自分との違いを感じなかった。
    それよりも最初の一冊が「デブの国ノッポの国」で、懐かし~とテンションが上がり、次の一冊に「マガーク少年探偵団」が来た時点で、この著者は私と大変読書の趣味が似通っていると錯覚してしまった。
    その後も「図鑑が好き」の記載に激しく同意(わたしが幼稚園時代に一番好きだった本は動物図鑑)し、妖精事典や歳時記や哲学入門など、私の好きなジャンルの本がこれでもかと出てくる。

    ついうっかり楽しい本だなあとへ

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    2020年04月28日
  • エヴリシング・フロウズ

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    ネタバレ

    再読だけど文庫本買ったしこっちで。記憶してたとおりすごく好きな本だった。中学校の入学祝い候補にしてたけどさすがに早いかなと認識できて良かった。『愛を知らない』を読んだ時の何とも言えない気持ちはこれだったか,と思った。
    解説も何とも良くて,得した気分。

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    2020年03月30日
  • まともな家の子供はいない

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    私も家に居たくない子供時代を過ごしたので、主人公の中学生の感情がものすごくよくわかる。
    外から見ればまともな家でも、内実はどこもそれなりに何かあるものなのかもしれない。
    親という大人が、実はそれほど大人じゃないって事に気がついてしまう年頃。でも「大人であれよ!」と思ってしまう年頃の親子関係はキツイ。
    もっと大人になれば、精神的にも経済的にも親と自分を分離できるようになるのだけれど。

    主人公たちの心の重苦しさは充分に伝わってくるけれど、淡々とした筆致のせいか読み心地は決して重くなく、さらりと読めます。

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    2020年03月02日
  • 二度寝とは、遠くにありて想うもの

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    表題のエッセイがでてこない! そんなトリッキーなタイトルに笑える。芥川賞作家とは、このような視点と思考の展開ができるものなんだと感心し、やはり文筆業を生業にできる選ばれし人だと思った。「幸せになれないということ」で職場いじめを題材にしているが、他人事ではなく、結論に留飲の下がる思いだ。

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    2019年08月18日
  • エヴリシング・フロウズ

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    ヒロシが、明確な意志がもてず、迷いながらも、自分にも他人にも誠実に生きようとしている姿が好もしい。決め付けない在り方に希望を感じる。

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    2019年06月25日
  • 二度寝とは、遠くにありて想うもの

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    会社員と作家業を並行しておられていた時期と、会社を辞職し作家業のみに専念され始めた時期とにまたがるエッセイ集。津村さんの色んな面が垣間見られたようで興味深い。

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    2019年04月14日
  • ウエストウイング

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    わーめんどくさっ!やっぱり進まなくって、でもだんだんなじみが出てくると、ふんふん、そんで?でもなんかペースおっそ!って進まない。
    けど我慢してるわけじゃなくて、流し読みせず「ちゃんと」読んでるだけ。
    面白い。

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    2018年01月25日
  • ウエストウイング

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    傑作『八番筋カウンシル』もそうでしたが、三者三様の日々を緩やかに、伸びやかに描いています。

    三人それぞれの日常に起こる出来事。それらを流れるように読ませながら、同時に鼓動の高まりを感じさせ、そしてあざとくない程度にきちんと着地させる技量には、毎回のことながら感服します。

    まさに解説にある通り、「津村氏の精度の高い文章の魅力」を存分に味わえます。

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    2017年10月11日
  • エヴリシング・フロウズ

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    ーーー大人は、さびしい。ーーー

    中学三年生の日常。
    まだ、大人ではない。
    けれども、自分たちの主張は、ある。
    大人の監視下で生きる子どもたちが、必死に抵抗している様に、やれ!やってしまえ!とエールを送りたくなる。

    ヒロシの勇気に胸がふるふるした。

    終わりかたも、とても好きだった。

    IkEAに行きたくなる、自転車で。

    ちなみに everything flows は 万物は流転する という意味。
    すべてのものは常に移り変わってゆく。
    すごくいいタイトルだ。

    読んだ人にしかわからないわたしの好きな一節を書き起こしておきます。

    ーーー自分が世界地図なら、どのぐらいの大きさの島が消えたのだ

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    2017年10月27日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    「おまえなあ、いいかげんにしろよ!」と叫びたくなるほどの性悪女、アレグリア。男に媚ばかり売って、すぐ疲れたと言っては休み、ふて腐れて動かなくなる。ミノベの怒りはとどまるところを知らないのだが、まわりの反応はいまひとつ。コピー機に文句を言ってもねぇ、と先輩は言うが……。


    裏表紙を読んで、コピー機は単に言い回しかと思いきや、アレグリアは本当にコピー機である。正確には複合機。

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    2017年08月27日
  • エヴリシング・フロウズ

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    おもしろかったー。
    男子中学生ってこんなにいろいろなこと考えてるんかな。
    よく見知った街がでてくるのでたのしい。

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    2017年07月08日
  • これからお祈りにいきます

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    いずれも表題作ではない2作を収録した本作は、大事なひとのために祈る青年(高校生と大学生)を好意的に描いています。

    そう書くと、いかにも主人公らしい人物像を思い浮かべるかもしれませんが、そこは津村さんの作品ですから・・・独特の悩みを抱えてます。

    そう書くと、いかにも純文学らしい人物像を思い浮かべるかもしれませんが、そこは津村さんの作品ですから・・・独特の笑いを味わえます。

    村上春樹氏の言う「小確幸」(小さいけれども確かな幸せ)にも通ずる、細やかだけれども確かな幸せ(「細確幸」?)を感じれる2作でした。

    個人的に、それぞれの作品で感じ入った一節は以下のとおりです。

    「うっさいボケ帰れ」

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    2017年06月26日
  • エヴリシング・フロウズ

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    今までに読んだ津村さんの本は、割と薄めで、そんなに大きな事件が起こるわけでもなく、淡々とOLとかの生活を書いてるという印象でした。
    なので、今回本屋でこれを見つけて、結構厚かったので「あの調子の内容でこの厚さ……。読み続けられるかな」なんて心配してしまいました。
    結局は淡々、というよりは結構ヒロシの周りで色々あって、続きが気になって一日で読んでしまいましたが。

    大阪の、イケアのあるところをマップで確認したら、巻頭に載ってる地図と同じ地域を見つけられて嬉しくなりました。めがね橋、本当にあるんだあ。

    最初は、今の若い作家さんたちがよく書く「スクールカースト」を描いた感じなのかと思いましたが、ヒ

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    2017年06月18日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    うまい。やっぱり津村記久子はうまい。
    表題作は、笑えながら、ドラマがいくつも起こる!ものの、それがドタバタなのに、なんとなく現実的。

    二作目は、どんどん語り部が変わりながら、話が進んで行く。
    本当にうまい。引き込まれる。
    2017.05.04

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    2017年05月04日
  • ダメをみがく “女子”の呪いを解く方法

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    他人との距離の考え方。
    素敵じゃなくても良い。

    コンビニの店員や、掃除のおばちゃんとの関係に、生かされている。

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    2017年04月29日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    招待客の旅行の日程など関係なく人は結婚するし、結婚式の日取りに関係なく人は死ぬ。本作の主人公ヨシノは、ひとり旅でもしようと旅行会社に申し込んだその日に、しばらく疎遠だった学生時代の友人から連絡があり、結婚式と披露宴への出席ばかりかスピーチと二次会の幹事まで頼まれる。断れなくて、段取りに奔走。ついに当日を迎えたら、これから披露宴というときに会社の常務から電話。ヨシノの上司の父親が亡くなったから、直ちに来いと。社員18名の会社は良くも悪くも家族的で、誰かが亡くなれば必ず全員で通夜の手伝い。なぜ本葬ではないのかといえば、18名の会社は平日昼間に会社を閉めるわけにいかないから。

    表題作の『婚礼、葬礼

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    2017年05月10日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    ネタバレ

    旅行する予定が、友人の結婚式の二次会幹事に選ばれ奮闘するものの、
    当日になって会社の上司の親族のお葬式に駆り出されるヨシノ。

    空腹に耐えるヨシノ、
    お葬式会場のトイレのなかで、故人の愛人同士の罵り合いを聞きながら、電話で結婚式のスピーチを語るヨシノ。

    他短編。
    二つの高校と小学校がある町での
    高校生同士の自転車事故。

    小学校教師と事故を起こした高校生との過去の関係。
    事故を起こした高校生に助けられたことがある小学生。

    その小学生を娘に持つ働く母親。
    自転車事故を目撃したOL。
    事故についての手紙を作成することになった男子高生。

    津村さんの登場人物たちは、みんな真面目だな。

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    2017年04月27日
  • これからお祈りにいきます

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    短篇2つが収録されており、どちらも主人公が何かに対して祈ってる。
    「サイガサマのウィッカーマン」
     『エヴリシング・フロウズ』でもあったが、主人公が自分の圧倒的な無力さに傷付くシーンが印象的だった。
     たとえどこかの大富豪であっても、自分ではどうにもならないことはあるだろう。ましてや、高校生の主人公が、家やお金の問題に苦しむ同級生の女性に何ができるというのか。
     そんな主人公は、この小説に出てくる神「サイガサマ」の特徴でもある、「物事をあんまりよくわかっていない様子なのだが、とにかくできる範囲でやってみよう、という意識のようなもの」(p.135)を纏うようになる。冒頭から延々ととげとげしい主人

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    2017年04月15日
  • まともな家の子供はいない

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    私はもう主人公たちの親の年代ですが、中学生のセキコに感情移入しながら読み進めました。

    すぐに仕事を辞めてくる父親、それを許す母親、要領の良い妹、イライラしているのは自分だけ……。
    「心配しなくていいのよ」「情けない親だって思うわよ」とセキコの母親は耳触りの良い言葉だけを並べ立てるけれど何の解決にもなってないし、働きに出てもいない父親からいっぱしの父親ぶった上から目線の批判をされると反発もしたくなるというものです。
    ちなみに、子供に親の性行為を見せるのは虐待にあたるんですよね。

    表題作も、もう1つの『サバイブ』も、一見「まとも」に見える家庭でも様々な問題を抱えている……。
    どちらもスッキリし

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    2017年12月13日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    君は永遠にそいつらより若い

    一見けだるそうな、少し軸がずれたところにいるようなホリガイの
    深い深い共感力(というのかな、、)

    放っておけない苦しさを
    抱き続けることによる、軸のずれ

    でもその抱き続けた想いゆえに救われた人たちのいること

    やるせなく、できることはないと絶望しても
    妄想のような希望を持ち続けることの大切さ

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    2024年09月20日