津村記久子のレビュー一覧
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途中まで「めっちゃ陰鬱としてるな、、、津村記久子ってこんなダウナーな感じやったか…?」とハッピーを求めていた私は若干面食らったが、2階で見守りが始まったくらいからハッピーがじんわり押し寄せてきてコレコレェ!の気持ち
松山さんは幸せになってほし〜、と書いてから思ったけど松山さんのこと勝手に幸せじゃない認定してる私ってなんなのか、でもフィリピンの彼女との話を最初にさらっと出されると否が応でも考えちゃうんだよなあ、難しい
劇的に何かが変わったり問題が一件落着めでたしめでたし、となるわけじゃないけど、それぞれが以前より少しだけ未来に体を向けられるようになる感じ、最近見るのリタイアした対岸の家事と似てるようで読後感(向こうはドラマだが)が違うのは、その変化が相互作用的に起こってるからだろうか
対岸の方はフラストレーションがすごいのにその後のカタルシスがあまりにも微弱なんだよなあ、なんも解決してなくね?的な
こっちでは人と人が問題そのものに触れ合うわけではなくても世間話とかちょっとだけ隣のことを意識する、という関わりを通してゆっくり物事が動き始めるみたいなのが良かったのかもしれない
しかしまあただでさえ登場人物が多いのに、Aから見たら娘さんなのがBから見たら妙齢のおばさんだったりするので名前から人物をロードするのに時間のかかる作品だった、最初に脳内で適当に役者の顔を当てはめといた方が読みやすそう -
Posted by ブクログ
鳥飼早智子というOL目線と短編集。
営業社員の依頼の仕方によって書類を仕上げる期限を調整する田上さん、わざわざ人の席まで来て噂話をしたいくせに人の話は聞かない北脇部長、人は良いんだけどおおらか過ぎるのか借りた文房具を返し忘れる定年間際の間宮さん、応援してるスポーツ選手やチームが成績不振に陥る浄之内さん。
OLの日常って感じで面白い。田辺聖子さん好きな人は好きだと思う。
最後の『とにかくうちに帰ります』は大雨で洲にある会社からどうにか家に帰る話。オフィスを出るのが遅れたために駅からの巡回バスは運休してしまい、橋を歩いて渡る羽目になった人たち。専業主婦なもんで雨の日は外に出なくて済むんですが、雨で服が張り付く感じとか、とにかくうちに帰りたいと思いつつ歩を進める感じとか思い出しました。お勤めの方々、学生さん、お疲れ様です。
職場の作法
『ブラックボックス』
『ハラスメント、ネグレクト』
『ブラックホール』
『小規模なパンデミック』
『バリローチェのフアン・カルロス・モリーナ』
『とにかくうちに帰ります』 -
Posted by ブクログ
お初の作家。昨年ヴァージニア・ウルフの灯台へを読んだら巻末の解説が津村記久子さんで、その文体と内容のトーンに好感をもった。この方の作品を読みたいと思い手にした次第。まずは短編集から。冷静で世の中にやや批判的なユニークな視線が素敵。
「サキの忘れ物」
表題作。高校中退の無気力なアルバイトの主人公女子が働く病院併設のカフェ。いつも来る見舞客の女性。ある日その常連客が文庫本を忘れていき、それがきっかけで読書を始めた主人公。わからないをわかりたいと思うことが、世界との接続を作り人生を拓く。
「王国」
幼稚園児が見ている世界。空中には心の友が出現し、膝の傷は王国だ。それを理解できるかどうかは、大人も子どもも関係ない。
「ペチュニアフォールを知る二十の名所」
旅行代理店のスタッフにある観光地の説明を受けている。だんだんその街の不穏な歴史が分かっていく構成。
「喫茶店の周波数」
もうすぐ閉店する喫茶店の常連客のひとりは、周りの人の会話に聞き耳を立てるのが密かな楽しみ。
「Sさんの再訪」
昔の友人から連絡が来たが、誰だったか思い出せない。日記を読み返して記憶をよみがえらそうとしたら…。
「行列」
"あれ"が日本に来て展示が始まった。偉大なそれを見るには、12時間も並ばなくてはならない。12時間の間に、商売が見せる滑稽で黒い世界、そしてそれに乗じる人間の滑稽で浅ましい行為が次々に。
「河川敷のガゼル」
ある街に野生のガゼルが。ガゼルは街のシンボルになるべきか、育成に適した動物園に寄贈されるべきか、それとも。誰がガゼルを本当に愛している?
「真夜中をさまようゲームブック」
何通りにも別れるストーリーを、ゲームブック形式で読んでいくスタイル。何度もページをいったりきたり。終わり方も何通りも。
「隣のビル」
嫌な上司から理不尽に怒られ仕事場から飛びたくなり、隣のビルに飛んでみた。
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Posted by ブクログ
ネタバレとある路地を挟む住宅地に住む様々な家族や単身者。濃密なご近所づきあいがあるわけでは決してなく、かといって全くの無関心でいるというわけでもない。
ある時、刑務所を脱獄した女性受刑者のニュースが飛び込んでくる。近辺にやってくるかもしれないと警備のため見張りを始めることに。
読破に時間がかかってしまいました。
一つ一つのお話は短くて難解ではないけれど、いかんせん登場人物が多過ぎて、尚且つ、誰の話かということを冒頭で明らかにしない書き方のため、これは誰だっけ?どんな人だったっけ?とお話が始まるたびに住宅図や少し前の話に戻る、の繰り返しでした。
後半はもう諦めてどんどん読み進め、人物がごっちゃになりつつもなんとか読み終えました。
決して面白くないわけではないけれど、誰が誰かすぐ分からなくなるところや、読みながらこの人の話だったっけ?と余計な推理が入ってしまうところが私の好みではなかったです。
最初はとても遠くに感じていた受刑者がじわじわと近づいて来て、ある時を境にグッと近くにきた感覚がありました。
表向きだけでは分からない、それぞれの家の事情が入り乱れているのだなあと読んでいて思いました。