津村記久子のレビュー一覧

  • これからお祈りにいきます

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    角川文庫版。
    津村記久子らしく、不思議な高揚感と、どっしり地に足のついた感が楽しめるように思う。


    少し冗長だが西崎氏の解説も良かった。

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    2018年07月12日
  • ウエストウイング

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    エブリシングフロウズのヒロシが小学生だった時をまた思い出したくての再読。

    話の筋はある程度覚えていましたが、細かな出来事はすっかり失念していました。
    あー、3人は最後に会ったんだったっけ、という感じ。

    トイレでの出産、大雨の日のボートでの渡し、椿ビルディングの解体問題、
    どれも3人を語る上では大切な出来事。
    感情の起伏の激しくないニュートラルな3人が、津村さんの作品にいがちなタイプで好みです。

    この本の前半のはじめはとても読みにくい感じがしますが、どんどん面白くなります。
    挫折しそうな方がいたら、是非頑張って欲しいと思います。

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    2018年04月12日
  • エヴリシング・フロウズ

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    素敵なタイトルだなと思って読んでみたら中学生男子が主人公で、彼らなりには不安定だったりヤキモキモヤモヤしていたりするんだろうけど、ごく普通の日々を描いている。だから読み始めは退屈な感じ。でもそういう小説なんだと思った真ん中あたりからページを繰るのも早くなったかな。
    津村さんってあまり読んだことないけど、現代の仕事をしている普通の女子を描いた小説が多いようなイメージで、それでいながら本作は男子中学生が主人公というのはちょっと意外な感じがしたけど、男子中学生の親や友達とか女子とか世間に対する感覚がけっこううまく表現されているような感じがする。
    舞台が大阪なのもいい。何となく大阪弁の会話ややりとりに

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    2017年07月29日
  • この世にたやすい仕事はない

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    ネタバレ

    *「コラーゲンの抽出を見守るような仕事はありますか?」燃え尽き症候群のようになって前職を辞めた30代半ばの女性が、職業安定所でそんなふざけた条件を相談員に出すと、ある、という。そして、どんな仕事にも外からははかりしれない、ちょっと不思議な未知の世界があって―。1年で、5つの異なる仕事を、まるで惑星を旅するように巡っていく連作小説*

    この人の世界観、どうしてこんなに面白いのかな。
    こんな仕事が…!と言う着眼点と、冷静かつドライな突込み、繊細であたたかなユーモア溢れる心理描写、全てが融合して最高の津村ワールドが展開されています。
    ほっこりした読後感と、仕事に対する意欲と元気をもらえる秀作。

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    2025年03月25日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    一見、大事ではないがおかしいだろってことをまわりはわかっていて何事もないようにしているように見えるとき、自分だけが考えすぎなのかと言い出せずモヤモヤと膿がたまっていくような感覚がリアルに描かれている。

    登場人物にとっては辛いことなんだけど頭のいいユーモアを持って描かれているためおもしろく、読みやすい。

    自分が言葉に出して叫びたいことを代弁してくれてるようで心が浄化された感じがして気持ちがいい。この感覚は津村さんの本に共通している。これを味わうために津村さんの著書を読みまくっている最中。

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    2016年01月17日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    二つとも、題名や最初の流れからドタバタ喜劇だと思っていたが、そんな事はなかった。真面目な小説。津村記久子って凄いなぁと感心せざるを得なかった。

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    2015年11月30日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    感覚が、特に笑いのツボがあう作品だった。真面目なのにちょっとおかしいところ、婚礼と葬式を続けざまに描くところなど、好きな作品。

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    2014年05月05日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    初めて読んだ津村さんの作品でした。

    大好きです。
    ひねくれてるよなあ、と思いつつ
    笑ってしまいます。

    ひねくれてる、ってネガティブイメージですが
    津村さんの場合はポジティブになります。
    文体がそうさせるのか、
    ストーリーがそうさせるのか。

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    2014年03月07日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    誰に腹を立てていいのやら、自分のせいではないのにめぐりめぐって最悪な状況に陥ってしまう主人公。自分だったら、早々に爆発するか投げ出してしまう間の悪さの極地のような状況でも、主人公はそのときできることを、そのとき発揮できる能力とエネルギーでもって実行していく。無意識だろうけど、誰も不幸にならないよう配慮できる主人公の「いいひと」さ加減がうらやましかった。そしてかつて自分を救ってくれた後輩カップルのエピソードが素敵だった。

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    2013年07月06日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    年を重ねる度に、「死」ってなんだか思っていたよりも自分の近くに存在していたんだなぁ、と実感していたので、共感しながら読んだ。

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    2013年03月07日
  • この世にたやすい仕事はない

    購入済み

    新しい視点

    仕事の環境、仕事に対しての向き合い方、主人公を通して新しい視点から深く考えられた気がする

    #深い

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    2025年12月26日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    一つの感情に心を占められてしまっていると思っても、それがずっと続くことは稀であるものだ。という、考えたら当たり前のことを、きちんと書いてくれてる本でした。

    やっぱ本能最強だなと、思いました。

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    2025年12月16日
  • 水車小屋のネネ

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    とても良かった。
    助け合いと優しさがバトンされていく素敵な話だった。
    そして、賢いネネの存在がとても良かった。
    親は選べないけど、自分の居場所は選ぶことができる。

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    2025年12月13日
  • 枕元の本棚

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    ネタバレ

    大阪の亜笠不文律で購入。個人経営の小さな本屋さんで津村記久子さんの本があると、「わかってるなぁ、この本屋好きだわ。」と小さく思って嬉しくなる。

    本好きの次男とお邪魔したその日は、未読だったこの本を買って帰った。

    津村記久子さんが読んだいろんな本が紹介されている本。

    とにかくバラエティに富んでいて、いろんなそして、個性的な本を読むんだなぁ〜と楽しく最後まで読んだ。

    特に、ある本の書評が、私が津村さんの小説に対して書いた感想と物凄く似ているところがあり、なんだか気持ちが通じたような、読み方、私間違ってなかったんですね!!というような、そんな気持ちで胸がいっぱいになった。

    p46 「生活図

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    2025年12月13日
  • 水車小屋のネネ

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    おもしろかった〜。面白いと聞いて手に取ったが、かなり分厚め。でも読み始めからとても気になる内容…姉妹へのお母さんからのひどい仕打ち。楽しいばかりではなく、結構辛い事多いお話。でもヨウムのネネがいい味出してて、かなりやわらげてくれてる。子どもは自分で環境は選べない。でもその時、誠実な大人に手を差し伸べられると、自分も誰かに手を差し出せる誠実な大人になれるんだと、心が熱くなって何度も涙がこぼれました。

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    2025年12月10日
  • ポトスライムの舟

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    具体的なエピソードとしては、主人公をはじめとした複数の登場人物が抱える職場や家庭での苦労が描かれているが、働く経験や、家庭的な苦労を未だ経験したことのない自身でも、登場人物たちの苦しみに共感することができ、人生の普遍的な苦しさをぴたりと言い当てる筆致に心を打たれた。一方で、とてつもない苦労を抱えながらも、やられっぱなしではなく意外にも(!)強かに日々を過ごす主人公たちに、希望も感じた。こうでないとやってられないよね、と共感できる。また、主人公との心情の距離感も絶妙で、過度な感情移入がないので、読後感が爽やかだった。苦しい時にまた開きたい一冊となった。

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    2025年12月10日
  • 現代生活独習ノート

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    題通り、
    現代の生活の中にある
    ちょっとした違和感やしこりのようなものを
    どこかの世界線や場面に仮託していく短編集。

    最近よくみる形式として、
    やっぱりどこかホラーじみた読み味が多め。

    個人的に印象により残ったのは
    『牢名主』『粗食インスタグラム』

    粗食インスタグラムは、
    普通に現代の生活に取り入れても有用そう。

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    2025年12月10日
  • 浮遊霊ブラジル

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    タイトルで面白そうと思い購入。津村さんの本はエッセイは読んだ事あるけど小説は初。

    7編入った短編集。世界観とか雰囲気が独特。癖が強いわけではなく、淡々としている感じ。この雰囲気が好きかどうかで好みが分かれそう。私は結構好み。楽しめました。

    特に好きだったのは、「アイトール・ベラスコの新しい妻」「地獄」かな。アイトールは読んでいて気持ちがザワザワしました。タイトルの段階では内容がこう転がるとは予想できなかった。終わり方が好き。
    地獄の方は世界観が斬新。この地獄嫌だわ〜。物語消費しすぎ地獄最悪。本の最後数ページ破かれてるの最悪。

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    2025年12月09日
  • 水車小屋のネネ

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    ネタバレ

    1981年から10年おきに2021年までのネネと周りのひとたちの40年を描いたお話

    とても長い話だけど、じんわりあたたかくなる。
    厳しい現実、苦しい環境に置かれた人がいると、周りにいる人たちが自然と思いやり、手を差し伸べる。
    不器用ながらもその思いは伝わり、連鎖する。

    血のつながりはなくても、他人であっても、鳥であっても
    そばにいることはできる
    拠り所になることはできる
    何かあれば、話をただ聞かせてもらうことはできる
    そんな誰かに自分もなれているといいなと思わされた。
    余韻を味わいたくて、最後の章2回読みました。またしばらくして読み返すと思います。

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    2025年12月07日
  • 水車小屋のネネ

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    人の良心とか善性とか、そういうものを素直に信じられる気持ちになる、とっても優しい物語だった。じんわり感動。そしてネネ最高!
    子供たちには学校で道徳の授業を受けるよりもこの本を読んでもらったほうが、よっぽど道徳教育にもなるんじゃないかな。
    実は津村記久子さんの本は初読み。他の作品も読んでみたいのだけど、次読むとしたら何がおすすめですか?

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    2025年12月04日