津村記久子のレビュー一覧

  • やりたいことは二度寝だけ

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    とにかく1つ1つが短くて、内容も他愛なくて、たとえ「本」を読む気力や時間がない人でも心地よく読めてしまうような、読者にとってはハードルの低い本ですが、実はそれこそが手ぬかりなく整えられた、筆者による気づかいであり心づかいなのだと分かると、さすがだな、嬉しいなと感じ入ることができる2度美味しい本でした。

    読んでいるとクスッと笑ったり、あ〜分かる分かると共感したり、へぇーそんな事を考えるのかと面白がったり、急に自分の小学生時代をしみじみ思い出したりします。あとがきにもありますとおり、それがたまに会う友達と気兼ねなくおしゃべりする感じと似ており、同じようなデトックス効果があるように感じました。

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    2022年03月23日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    言ってしまってから、やってしまってから、言う前から、やる前から、の後悔が多いホリガイだけど、誰よりもちゃんと傷ついて、誰よりもちゃんと他者を想っている。短所の数が長所の数を上回っても、ヘラヘラした振る舞いの下に隠れる、たった一つの揺るがない信念があればきっとそれでいい。

    もう充分人の抱えた痛みに敏感な彼女を、それでもまだ自らが感じる言いようのない欠落感を持て余す彼女を、大事な人のためにとっ散らかってしまう彼女を想う。この本を、映画を思い出すと、彼女に対する共感や愛おしさ、私自身への情けなさと不甲斐なさ、そして自分にとっての大切な人のこと。いろんな感情が湧き出してきて眼の奥がツンとしてしまうの

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    2025年03月31日
  • ウエストウイング

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    なぜか未読だったが、たっぷり味わい尽くして満足。解説は松浦寿輝氏、津村さんの素晴らしさを余すところなく伝えてくれてこちらも満足。津村さんの文章は読むこと自体が快感になる。好きな箇所は無数にあるが例えばP377--- 背の高い女の看護師で、何くれとなくいかつさを発揮しては、ネゴロをばつが悪い気分へと追い込んでいた。---なんてところぞくぞくする。その前にこの看護師に関して、「外の血っていう貼り紙スゴイですね」「私が書きました」みたいなやりとりがあるのだがこの伏線があっての引用部分でニヤッと笑ってしまうのだ。あとこの作品の登場人物の中では小学生のヒロシが特にいとおしい。

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    2021年06月04日
  • やりたいことは二度寝だけ

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    面白すぎる。低めの温度で日々のあれこれについて話している。この抑制されたユーモラス、本当に面白い。自己肯定感低そうなところ、自分と重なっていよいよ愛読書。

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    2021年05月17日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    ネタバレ

    仕事ができて、他の人の仕事の仕方についてもしっかり見極めて評価していそうな職場の同僚が貸してくれて読みました。
    「仕事というもの」「仕事への向き合い方」を考えさせられる物語です。”アレグリア”は事務職に就く主人公の女性(ミノベ)の職場にある複合機。ただのコピー機ではなく、データを受信してかなり大きなサイズの紙で出力する機械のようだ。それがすぐに調子が悪くなる。ミノベはその機械”アレグリア”に対して、かなり感情的になりながら対応する。それに対して、いつもクールで仕事ができる先輩は、「相手は機械なんだからそんなに感情的にならなくても・・・。」と、ドライな対応。アレグリアの不調に悩まされているのは同

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    2021年02月18日
  • 枕元の本棚

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    津村記久子さんの読書エッセイ。
    やっぱり津村さんの文章が大好き。
    津村さんって、静かに面白い話をしてくれるんです。
    大げさな感じが一切ないし、賑やかでもないのにすごく面白くて、じわじわと癖になる。
    この読書エッセイも津村さんワールド全開ですごく楽しく読めました。

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    2020年12月26日
  • ウエストウイング

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    ネタバレ

    映画のスパイダーマンシリーズのヒロイン役の女優(キルステン・ダンストとエマ・ストーンのことと思われる)がいずれも可愛くないという意見を否定し、特にキルステン・ダンストの方を気に入っているヒロシ。ヒロインが微妙とは当時から散々言われていたが、僕もヒロシと同じくキルステン・ダンストが好きだったので、それだけでヒロシのことが大好きになった。 豪雨の夜の章はこれから何度も読み返すだろうなと思う。この章だけでもこの本と出会えて良かったと思う。あの章は、フカボリが翌日に出勤するところまで続いているのも良い。
    3人と一緒に自分もあの部屋に入り浸っていたわけなので、検疫のくだりでは本気で「えっ!?僕もヤバいの

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    2020年10月16日
  • まともな家の子供はいない

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    なにをもって「まとも」というのか。

    誰かを「まともじゃない」と言い切る津村さんの表現力は潔くて、わたしは誰かをまともじゃないと言い切ってしまうことはその人を否定するように感じるから、思っても言わないようにしてしまうけれど、はっきりと言い切るこの潔さ。強いなと思った。
    もし自分がこの作品を出版する立場だとして、わたしはどこかで「もしまともじゃない側の人が目にしたらどんな風に思うだろう」とか思ってしまって、このタイトルをつけることに戸惑いを感じてしまうだろう。
    それは優しさとかそういう綺麗なものではなく、単純に自分が「まともじゃない人」に対して持っている差別意識だったり、自分の中にある「他人から

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    2020年10月01日
  • 枕元の本棚

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    とても面白かったー。エッセイというか、自分の体験と絡めて書かれる本の紹介、というジャンルがけっこう好きだな、と最近気づいた。あれもこれも読みたいと自分の心が動くのも楽しいし、もし自分も読んだことのある本なら、こんなことを考えながら読めるんだ!と新鮮に感じたりもする。
    「開いたページを読んでみる」「眺めるための本」のところがとくにおもしろい。図鑑・辞典的なものは私も好きで、その2点から買った本(そして結構な確率で目を通しきれていない本)はいくつもある。でもそういう、いつでも読める本を持っておくことがセーフティネットみたいになっているな~。
    五味太郎「ことわざ絵本」が紹介されていたのが嬉しかった。

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    2020年05月15日
  • 二度寝とは、遠くにありて想うもの

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    津村作品大好きだ〜!脳内だだ漏れ細かいことが気になって仕方がありませんエッセイ、分かる〜〜って頷きまくり。

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    2020年04月10日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    「旅行より結婚式が強くて結婚式より強いのはお通夜……」
    「トレーディングカードみたいに言いなさんな。それはまあそうなんだけど」

    皮肉怒りユーモア満載だけど空腹で腹を鳴らしながら他人の葬式で自分の身内のことを回想して号泣してしまうあたり、常識ありそうにみえて天然なヨシノに好感持てる。
    タイトルの「その他」は生理現象を含んでそう。タイトルのザックリした感じ好き。

    《それにしても、他の社員の付き合いのよさ、というか社会人作法の卓越に、何か筋違いな怒りのようなものも覚える。》

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    2019年09月26日
  • やりたいことは二度寝だけ

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    初読み。『二度寝とは、遠くにありて想うもの』をレビューで知って興味を持ち、その前編となる本書を購入。芥川賞作家の力の抜けたエッセイを楽しんだ。そして、著者の友人ネタを読んで、三浦しをん嬢のエッセイと共通するように感じた。小説もエッセイも上手い。芥川賞や直木賞を受賞する実力がある作家であるからこそ、エッセイも売れるということに今更ながら思い至った。著者の小説もぜひ読みたい。

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    2019年06月19日
  • これからお祈りにいきます

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    角川文庫版。
    津村記久子らしく、不思議な高揚感と、どっしり地に足のついた感が楽しめるように思う。


    少し冗長だが西崎氏の解説も良かった。

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    2018年07月12日
  • ウエストウイング

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    エブリシングフロウズのヒロシが小学生だった時をまた思い出したくての再読。

    話の筋はある程度覚えていましたが、細かな出来事はすっかり失念していました。
    あー、3人は最後に会ったんだったっけ、という感じ。

    トイレでの出産、大雨の日のボートでの渡し、椿ビルディングの解体問題、
    どれも3人を語る上では大切な出来事。
    感情の起伏の激しくないニュートラルな3人が、津村さんの作品にいがちなタイプで好みです。

    この本の前半のはじめはとても読みにくい感じがしますが、どんどん面白くなります。
    挫折しそうな方がいたら、是非頑張って欲しいと思います。

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    2018年04月12日
  • エヴリシング・フロウズ

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    素敵なタイトルだなと思って読んでみたら中学生男子が主人公で、彼らなりには不安定だったりヤキモキモヤモヤしていたりするんだろうけど、ごく普通の日々を描いている。だから読み始めは退屈な感じ。でもそういう小説なんだと思った真ん中あたりからページを繰るのも早くなったかな。
    津村さんってあまり読んだことないけど、現代の仕事をしている普通の女子を描いた小説が多いようなイメージで、それでいながら本作は男子中学生が主人公というのはちょっと意外な感じがしたけど、男子中学生の親や友達とか女子とか世間に対する感覚がけっこううまく表現されているような感じがする。
    舞台が大阪なのもいい。何となく大阪弁の会話ややりとりに

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    2017年07月29日
  • この世にたやすい仕事はない

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    ネタバレ

    *「コラーゲンの抽出を見守るような仕事はありますか?」燃え尽き症候群のようになって前職を辞めた30代半ばの女性が、職業安定所でそんなふざけた条件を相談員に出すと、ある、という。そして、どんな仕事にも外からははかりしれない、ちょっと不思議な未知の世界があって―。1年で、5つの異なる仕事を、まるで惑星を旅するように巡っていく連作小説*

    この人の世界観、どうしてこんなに面白いのかな。
    こんな仕事が…!と言う着眼点と、冷静かつドライな突込み、繊細であたたかなユーモア溢れる心理描写、全てが融合して最高の津村ワールドが展開されています。
    ほっこりした読後感と、仕事に対する意欲と元気をもらえる秀作。

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    2025年03月25日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    一見、大事ではないがおかしいだろってことをまわりはわかっていて何事もないようにしているように見えるとき、自分だけが考えすぎなのかと言い出せずモヤモヤと膿がたまっていくような感覚がリアルに描かれている。

    登場人物にとっては辛いことなんだけど頭のいいユーモアを持って描かれているためおもしろく、読みやすい。

    自分が言葉に出して叫びたいことを代弁してくれてるようで心が浄化された感じがして気持ちがいい。この感覚は津村さんの本に共通している。これを味わうために津村さんの著書を読みまくっている最中。

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    2016年01月17日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    二つとも、題名や最初の流れからドタバタ喜劇だと思っていたが、そんな事はなかった。真面目な小説。津村記久子って凄いなぁと感心せざるを得なかった。

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    2015年11月30日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    感覚が、特に笑いのツボがあう作品だった。真面目なのにちょっとおかしいところ、婚礼と葬式を続けざまに描くところなど、好きな作品。

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    2014年05月05日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    初めて読んだ津村さんの作品でした。

    大好きです。
    ひねくれてるよなあ、と思いつつ
    笑ってしまいます。

    ひねくれてる、ってネガティブイメージですが
    津村さんの場合はポジティブになります。
    文体がそうさせるのか、
    ストーリーがそうさせるのか。

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    2014年03月07日