津村記久子のレビュー一覧

  • まともな家の子供はいない

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    なにをもって「まとも」というのか。

    誰かを「まともじゃない」と言い切る津村さんの表現力は潔くて、わたしは誰かをまともじゃないと言い切ってしまうことはその人を否定するように感じるから、思っても言わないようにしてしまうけれど、はっきりと言い切るこの潔さ。強いなと思った。
    もし自分がこの作品を出版する立場だとして、わたしはどこかで「もしまともじゃない側の人が目にしたらどんな風に思うだろう」とか思ってしまって、このタイトルをつけることに戸惑いを感じてしまうだろう。
    それは優しさとかそういう綺麗なものではなく、単純に自分が「まともじゃない人」に対して持っている差別意識だったり、自分の中にある「他人から

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    2020年10月01日
  • 枕元の本棚

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    とても面白かったー。エッセイというか、自分の体験と絡めて書かれる本の紹介、というジャンルがけっこう好きだな、と最近気づいた。あれもこれも読みたいと自分の心が動くのも楽しいし、もし自分も読んだことのある本なら、こんなことを考えながら読めるんだ!と新鮮に感じたりもする。
    「開いたページを読んでみる」「眺めるための本」のところがとくにおもしろい。図鑑・辞典的なものは私も好きで、その2点から買った本(そして結構な確率で目を通しきれていない本)はいくつもある。でもそういう、いつでも読める本を持っておくことがセーフティネットみたいになっているな~。
    五味太郎「ことわざ絵本」が紹介されていたのが嬉しかった。

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    2020年05月15日
  • 二度寝とは、遠くにありて想うもの

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    津村作品大好きだ〜!脳内だだ漏れ細かいことが気になって仕方がありませんエッセイ、分かる〜〜って頷きまくり。

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    2020年04月10日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    「旅行より結婚式が強くて結婚式より強いのはお通夜……」
    「トレーディングカードみたいに言いなさんな。それはまあそうなんだけど」

    皮肉怒りユーモア満載だけど空腹で腹を鳴らしながら他人の葬式で自分の身内のことを回想して号泣してしまうあたり、常識ありそうにみえて天然なヨシノに好感持てる。
    タイトルの「その他」は生理現象を含んでそう。タイトルのザックリした感じ好き。

    《それにしても、他の社員の付き合いのよさ、というか社会人作法の卓越に、何か筋違いな怒りのようなものも覚える。》

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    2019年09月26日
  • やりたいことは二度寝だけ

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    初読み。『二度寝とは、遠くにありて想うもの』をレビューで知って興味を持ち、その前編となる本書を購入。芥川賞作家の力の抜けたエッセイを楽しんだ。そして、著者の友人ネタを読んで、三浦しをん嬢のエッセイと共通するように感じた。小説もエッセイも上手い。芥川賞や直木賞を受賞する実力がある作家であるからこそ、エッセイも売れるということに今更ながら思い至った。著者の小説もぜひ読みたい。

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    2019年06月19日
  • これからお祈りにいきます

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    角川文庫版。
    津村記久子らしく、不思議な高揚感と、どっしり地に足のついた感が楽しめるように思う。


    少し冗長だが西崎氏の解説も良かった。

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    2018年07月12日
  • ウエストウイング

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    エブリシングフロウズのヒロシが小学生だった時をまた思い出したくての再読。

    話の筋はある程度覚えていましたが、細かな出来事はすっかり失念していました。
    あー、3人は最後に会ったんだったっけ、という感じ。

    トイレでの出産、大雨の日のボートでの渡し、椿ビルディングの解体問題、
    どれも3人を語る上では大切な出来事。
    感情の起伏の激しくないニュートラルな3人が、津村さんの作品にいがちなタイプで好みです。

    この本の前半のはじめはとても読みにくい感じがしますが、どんどん面白くなります。
    挫折しそうな方がいたら、是非頑張って欲しいと思います。

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    2018年04月12日
  • エヴリシング・フロウズ

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    素敵なタイトルだなと思って読んでみたら中学生男子が主人公で、彼らなりには不安定だったりヤキモキモヤモヤしていたりするんだろうけど、ごく普通の日々を描いている。だから読み始めは退屈な感じ。でもそういう小説なんだと思った真ん中あたりからページを繰るのも早くなったかな。
    津村さんってあまり読んだことないけど、現代の仕事をしている普通の女子を描いた小説が多いようなイメージで、それでいながら本作は男子中学生が主人公というのはちょっと意外な感じがしたけど、男子中学生の親や友達とか女子とか世間に対する感覚がけっこううまく表現されているような感じがする。
    舞台が大阪なのもいい。何となく大阪弁の会話ややりとりに

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    2017年07月29日
  • この世にたやすい仕事はない

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    ネタバレ

    *「コラーゲンの抽出を見守るような仕事はありますか?」燃え尽き症候群のようになって前職を辞めた30代半ばの女性が、職業安定所でそんなふざけた条件を相談員に出すと、ある、という。そして、どんな仕事にも外からははかりしれない、ちょっと不思議な未知の世界があって―。1年で、5つの異なる仕事を、まるで惑星を旅するように巡っていく連作小説*

    この人の世界観、どうしてこんなに面白いのかな。
    こんな仕事が…!と言う着眼点と、冷静かつドライな突込み、繊細であたたかなユーモア溢れる心理描写、全てが融合して最高の津村ワールドが展開されています。
    ほっこりした読後感と、仕事に対する意欲と元気をもらえる秀作。

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    2025年03月25日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    一見、大事ではないがおかしいだろってことをまわりはわかっていて何事もないようにしているように見えるとき、自分だけが考えすぎなのかと言い出せずモヤモヤと膿がたまっていくような感覚がリアルに描かれている。

    登場人物にとっては辛いことなんだけど頭のいいユーモアを持って描かれているためおもしろく、読みやすい。

    自分が言葉に出して叫びたいことを代弁してくれてるようで心が浄化された感じがして気持ちがいい。この感覚は津村さんの本に共通している。これを味わうために津村さんの著書を読みまくっている最中。

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    2016年01月17日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    二つとも、題名や最初の流れからドタバタ喜劇だと思っていたが、そんな事はなかった。真面目な小説。津村記久子って凄いなぁと感心せざるを得なかった。

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    2015年11月30日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    感覚が、特に笑いのツボがあう作品だった。真面目なのにちょっとおかしいところ、婚礼と葬式を続けざまに描くところなど、好きな作品。

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    2014年05月05日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    初めて読んだ津村さんの作品でした。

    大好きです。
    ひねくれてるよなあ、と思いつつ
    笑ってしまいます。

    ひねくれてる、ってネガティブイメージですが
    津村さんの場合はポジティブになります。
    文体がそうさせるのか、
    ストーリーがそうさせるのか。

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    2014年03月07日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    誰に腹を立てていいのやら、自分のせいではないのにめぐりめぐって最悪な状況に陥ってしまう主人公。自分だったら、早々に爆発するか投げ出してしまう間の悪さの極地のような状況でも、主人公はそのときできることを、そのとき発揮できる能力とエネルギーでもって実行していく。無意識だろうけど、誰も不幸にならないよう配慮できる主人公の「いいひと」さ加減がうらやましかった。そしてかつて自分を救ってくれた後輩カップルのエピソードが素敵だった。

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    2013年07月06日
  • 水車小屋のネネ

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    ネタバレ

    母親が彼氏のために娘の専門学校入学資金を使い込む。
    妹はその彼氏から暴力を振るわれる。
    別れた父親の遺産も狙う。
    親ガチャって本当にあるよね…

    高校を卒業して妹連れて出て行こう!
    その行動力がすごい。

    そして、ヨウムのネネと出会う。
    ネネがすごくかわいいし、周りの人もいい人ばかり。
    水車小屋でお蕎麦屋さんの蕎麦粉を石臼で引く
    のどかな風景が思い浮かぶ。
    ネネのお世話も楽しそうで、少しずつメンバーを入れ替えながら続いていく。

    10年ごとの短編になっていて、8歳の女の子もすっかり大人になっていく。

    とてもいい本に出会えてよかった。

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    2026年01月17日
  • 水車小屋のネネ

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    思っていたよりボリューミーでした笑
    10年ごとにみんな成長していって
    特に大きな事件が
    起こるわけでもないけど
    確実に変化していくのが
    すごく現実的でした。

    ネネを通して広がる人間関係が
    私も愛犬を通じて色んな人と出会って
    ひろがっていっているので
    すごく共感しました。

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    2026年01月15日
  • 水車小屋のネネ

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    2024年本屋大賞2位。
    ときおり、やたら形容詞の多い頭でっかちな主語が出てきて「おおっと・・・最後まで読めるかな」とビビったが、なぜか途中から気にならなくなってきた。なんだこの独特の文章は。

    毒親から逃げ出して二人暮らしをする姉妹の40年間が描かれている。

    「自分はおそらく姉やあの人たちや、これまで出会ったあらゆる人々の良心でできあがっている」

    全編を通して、血のつながらない地域の人たちの温かさと成長が描かれている。人間の善の部分にライトをあてた希望の物語だと思った。ふと昨年読んだ「本当の貧困の話をしよう」(石井光太著)を思い出す。周りの人たちのほんの少しの良心や見守り、かかわる勇気で

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    2026年01月11日
  • ポトスライムの舟

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    ありきたりで変化のない人生を変えるため海外旅行の目標を立てたのだが、カツカツの生活を送る内に、日常のささやかな楽しみで満足するようになり目標がどうでも良くなってゆく。失われた世代の悲哀。

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    2026年01月10日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    ホリガイのキャラが良すぎる。ユーモアに溢れ、常に自分を俯瞰して眺め、どこか頼りなく流されやすく、それでいて内に秘めたモノを持っている。後半の展開もよかった。他の作品はいい意味で力が抜けているが、本作はずいぶんと力が込められているように感じた。巻末のインタビューも作者の人柄が垣間見えてよかった。

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    2026年01月06日
  • この世にたやすい仕事はない

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    「水車小屋のネネ」がとてもよかった津村記久子さん。こちらも津村さんの人間観察力が光る。

    こんなお仕事あり?という怪しげなお仕事が次々と出てくるのだが、どの仕事もほんとにありそうで展開が気になる。
    そして、名前も登場しない主人公36歳女性が、彼女しか発揮できないであろう素晴らしい洞察力で、様々な事態を好転させていくのが小気味いい。
    もし私がそのお仕事を請け負っても、こんな凄い結果を出せずに鬱になって辞めてしまいそうだ。

    やはり、彼女にはなんというか人間を見る目があるのだろう。そして、その力が人一倍あるからこそ、15年勤めた職場で燃え尽きてしまったのだろうと納得…
    私の職場も似たような職場で、

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    2026年01月05日