津村記久子のレビュー一覧

  • 水車小屋のネネ

    Posted by ブクログ

    40年もの長い年月の物語は、四季のように移りゆくものとそこにずっとある温かさ苦さが味わい深く描かれていました。ほんの数行に大切な場面を凝縮し、あえてドラマチックにしない著者の文体がかえって深く印象に残り何度も心が震えて温かい涙が出た。

    〈心に残った言葉〉
    "人間関係がうまくいってる機嫌のいい中学生なんてこの世にはいないのかもしれないとさえ思う"

    "誰に起こってもおかしくないことなら、自分に起こったことじゃなかったのはただの偶然でしかないんだなと思いました"

    "何か言葉を思い付くことはなかった。ただ、満足だと思った"

    0
    2026年03月02日
  • 水車小屋のネネ

    Posted by ブクログ

    母親に育児放棄された姉妹の40年間のお話。
    周りの人たちに支えられながら高校卒業したばかりの姉と8歳の妹がたくましく成長していき、今度は自分達がお世話になった人たちや若い子の力になってあげる。
    すごくいいお話でした。

    0
    2026年02月28日
  • 子どもお悩み相談会 作家7人の迷回答

    Posted by ブクログ

    小学高学年から。作家7人の迷回答と言うだけあって面白い。お悩みにそれぞれ答えてくれているが、一般的な回答を期待してはいけない。とにかく文章が楽しめる。

    0
    2026年02月23日
  • 君は永遠にそいつらより若い

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読んでよかったし、この作品を読んで心から「良かった」と思えることが誇らしい気さえした。

    ユーモラスな語りと人間味あふれる人物たちの人間模様はエンターテイメントとしても成立していて、でも、どうしようもなく現実と地続きだ。
    女版の童貞・ポチョムキンを名乗る主人公は女性らしさを排した振る舞いをするのだけど、一方で彼女はどこまでも女性であることに自覚的である。男性から性的に求められることはなくとも、彼女は常に「男に殴られれば勝てない女性という肉体の弱さ」を噛みしめている。

    そういった原体験による主人公の原動力を安易な男女差に押し込めないことが、本作品最大の魅力だろう。

    改題である「君は永遠にそい

    0
    2026年02月23日
  • 水車小屋のネネ

    Posted by ブクログ

    10年ごとの話
    あの人がその後こうなったなど気になることを継続して知ることができて満足できた
    心穏やかになれる作品だった

    0
    2026年02月19日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    SF(少し不穏)な短編集。

    ・サキの忘れ物
    人生を変えてくれる出会いと一歩踏み出す気持ちが導く素敵な話。千春のことを心から応援したくなります。

    ・王国
    自分も子どもの頃からラッパムシが見えてました。ソノミは生きづらい子ども時代を過ごすのだろうけど、いつかきっと誰かにわかってもらえるはず。

    ・ペチュニアフォールを知る二十の名所
    こういう不穏な話大好き。最近だと坂崎かおるさんの作品にも通じるものがあると思いました。

    ・喫茶店の周波数
    もやもやするやりとりだ終わりそうで最後にあかりちゃんが来て幸せな気分で終われるいい話

    ・Sさんの再訪
    これも不穏なのに最後に一歩踏み出す気持ちをくれるのが好

    0
    2026年02月16日
  • 水車小屋のネネ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    津村記久子さんの作品をずっと読みたいなと思っていて、やっと読めました。

    10年ずつ話は進んでいくんですが、それぞれの登場人物の立場から語られる様子や心情は、どこか冷静で、辛い状況なのに淡々としていたので、ゆっくりじっくり登場人物の気持ちを想いながら物語を追い続けられたかなと思います。
    10年経過したとき、登場人物同士の呼び方が変わっていたり、会話のなんとなくで、もしかして今こうなってるのかな?と想像させてくれたところも読んでて急かされない感じがとても心地よかったです。

    印象的なのは、主要な登場人物の方々が、多くを相手に伝えすぎないというところ。みんな1つ言葉を伝えるのにも、よく考えている。

    0
    2026年02月15日
  • 水車小屋のネネ

    Posted by ブクログ

    とても温かい気持ちになる読書でした。

    はじめは18歳の姉が8歳の妹を義父から守るために一緒に家を出て、妹を育てながら新しい地で仕事をしていくハードな内容でした。
    この姉妹の母親には腹が立ってしょうがなかったですが、周りの人達の優しさがとても素敵でした。
    自分が18歳の頃を考えても、このお姉さんの決断には脱帽です。
    学校の先生も卒業しても気にかけてくれるというのがありがたいですよね。

    そんな風にみんなに育てられた妹がそれをしっかり認識して、自分が受けた親切を他人にしようと考えながら歩んでいるのが素敵でした。さらにそれを受け取った人が他人に親切にしているのがまたいいですね。
    みんながそんな風に

    0
    2026年02月15日
  • 水車小屋のネネ

    Posted by ブクログ

    はじめは姉妹の不遇さに憐れみを感じていたが、新天地で出会うそばやの夫婦や先生に支えられて、自分のできることをやろうと妹のために働く姉、その思いを受け取っている妹、周りのあたたかさにほっとする物語だった。ネネとのやりとりも、軽快だし妙に空気を読んでいるような節もあったし、楽しかった。大切な人にこの人生でどれくらい会えて、自分はどれくらい優しさを渡せるかな。そんなことを思った一冊でした。人生の書にしたいと思います。

    0
    2026年02月14日
  • 水車小屋のネネ

    Posted by ブクログ

     世界観が優しくて好きでした。こんな感じで日常が流れていく物語が好きみたいです。
     主人公が手を動かして作業するところが多くて、心がすっと落ち着きました。疲れた時に読み返したいです。
     登場人物がちゃんと歳をとっていくところも良かったです。時間の流れっていいですよね

    0
    2026年02月12日
  • 浮遊霊ブラジル

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    昔読んで好きだった本の再読週間、1冊目。私は穏やかでマイペースで自分の人生を受け入れている人たちの話が好きなのだなと、ふと得た気づき。(川上弘美さんやばななさんの作品が好きなのも、まさにそういう理由からなのかもしれない。)

    0
    2026年02月12日
  • 水車小屋のネネ

    Posted by ブクログ

    すごく心が温かくなるお話でした。
    義理の父親に虐待される妹を連れ18歳の姉が住み込みの蕎麦屋の仕事を始める。
    そこには、そば粉を挽くための水車小屋がありヨウムのネネがいて…
    1981年から始まって、十年刻みに、2021年までの5章。
    親切にされてきたから、自分も人に親切にしたい。
    そんな当たり前のことが、自分に照らし合わせるとなかなか難しいなと思ったり…
    でも、自分の本当にしなきゃいけないこと、したいことはなんだろうと考えさせられました。

    0
    2026年02月11日
  • ポトスライムの舟

    Posted by ブクログ

    決して楽しく読める小説ではないけれども、ナガセのちょっとした気遣いとやさしさ、ツガワの最後に見せる思い切りにグッときました。

    佐多稲子のデビュー作を読んだ時に感じた無力感とガッツポーズをしたくなる気持ちをちょっと思い出しました。

    0
    2026年02月07日
  • ポトスライムの舟

    Posted by ブクログ

    素朴であたたかい津村節。こういうのでいいんだよ。

    『コンビニ人間』、『ハンチバック』、『推し、燃ゆ』と芥川賞巡り中にあった本作。

    そうそう。津村紀久子さんはこういう感じだった。こういうのでいいんだよ。

    彼女の書く甘すぎないしあたたかすぎない。緩すぎるかも?独特の雰囲気が好きだ。定期的に摂取したい。

    アウトリガーカヌーに乗ってゆるゆると決して速くはないけれど、それでいて不思議と転覆しないバランスで世の中を漕いでいきたいものだなあ。

    それにしても表紙の男の子がかわいすぎる。このワンポイントが入ったTシャツあれば欲しい。

    0
    2026年02月06日
  • とにかくうちに帰ります

    Posted by ブクログ

    津村記久子さんの小説を読むのはこれで3作目。面白かった。以前に読んだ作品の表紙や挿絵が『ポテン生活』でお馴染みの木下晋也さんだったのですが、本作も文字どおり『ポテン』なお仕事・生活の話を中心に、タイトル作の『とにかくうちに帰ります』でも人間ってなんかいいなと思わせてくれる素敵な話ばかりでした。

    田上さんの
    ・どんな扱いを受けても自尊心は失わないこと。またそれを保っていると自分が納得できるように振る舞うこと。
    ・不誠実さには適度な不誠実さで応えてもいいけれど、誠実さに対しては全力を尽くすこと。
    は自分も壁に貼って毎日復唱したい。

    しばらく自分の中で津村記久子ブームが続きそうです。

    0
    2026年02月04日
  • この世にたやすい仕事はない

    Posted by ブクログ

    朝井リョウさんおすすめで読みました。仕事を辞める理由や事情は千差万別。逃げ出してもいいし、時間が経ってから戻ってもいい。この本に登場する、仕事を一度離れたけど復帰した人物たちは、元の職場から迎え入れられている。みなさん共通して、仕事に全力を尽くしていたからなのだと思います。

    0
    2026年02月03日
  • 水車小屋のネネ

    Posted by ブクログ

    8歳の妹と家を出た18歳の姉は、蕎麦屋の水車小屋でネネという名の鳥と働き始める。十年という時の流れを上手く挟みながら、それぞれの苦しさにそっと寄り添うゆるやかな善意や好意が結実させる、ささやかであたたかな幸福を描く。登場人物すべてに優しい眼差しを注ぐタイプの津村作品、大好き。

    0
    2026年01月24日
  • 水車小屋のネネ

    Posted by ブクログ

    audibleにて。1981年から2021年まで、10年ごとに話が進んでいく。しゃべる鳥のネネと水車小屋、そして主人公や登場人物たちの優しさが連鎖していく素敵な物語だった。

    出てくる人がみんな優しいんだけど、子ども達を必要以上に子ども扱いせずに人として扱うし、でも必要な時は守るし、助ける。

    押し付けがましくなくて、静かに見守ってくれているようなところがよかった。

    0
    2026年01月21日
  • 水車小屋のネネ

    Posted by ブクログ

    心温まる小説でとても良かった。日常的なストーリーで単調そうではあるけど、10年ごとに場面が変わることもあり、先を楽しみにしながら読み進められた。第一話(1981年)はほんま辛い。。。お姉ちゃんまじで頑張った。
    時代とともに環境は変わる。去り行く人がいて、来たる人がいて、そこに居続ける人がいる。受けた御恩を、また誰かに与えて、繋いでいく。そんな人達の周りには、同じように徳のある人が集まっていくような。
    藤沢先生の言葉も好き
    「誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なものですよ」
    人生なんてあっという間やし、みんな一生懸命生きてるんに。心の在り方を正された気がする。

    0
    2026年01月23日
  • 水車小屋のネネ

    Posted by ブクログ

    水車小屋におっきなしゃべる鳥がいて...という童話のような世界。
    残酷な家族像や人の悪意が描かれるのも童話っぽい。
    厳しい現実を助け合って生きてゆく。

    このファンタジックな世界に引き込まれて
    ページ数はあるけれどあっという間に読み終わった。

    マンゾク!

    0
    2026年01月18日