津村記久子のレビュー一覧

  • エヴリシング・フロウズ

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    ネタバレ

    現実にありそうで想像しやすくて面白かった。血のつながらない義父による娘へのセクハラって恐ろしい。実母がいるのに義父のセクハラを否定したり認めようとしなかったりするのもさらに怖い。引っ越して幸せに暮らしていますように。

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    2025年05月10日
  • この世にたやすい仕事はない

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    全体的に不穏な空気が漂っている(ホラーではない)
    なんだか不思議というか、とらえ所がないというか。
    でも、私はけっこう好きだった。

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    2025年05月09日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    表題作は、まとめてしまえば「コピーの性能が悪い複合機の話」…なんだけど、「あるある!」「わかる!」と共感ポイントが多く、一気読み。
    複合機の話であり、人間にも置き換えられる話であり、働いていれば一度は遭遇する事態(もしくは人物)。
    もう1作品は、読みはじめと印象がガラリと変わる。これもまた、通勤あるある。でも、あってはならないこと。

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    2025年05月07日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    途中まで「めっちゃ陰鬱としてるな、、、津村記久子ってこんなダウナーな感じやったか…?」とハッピーを求めていた私は若干面食らったが、2階で見守りが始まったくらいからハッピーがじんわり押し寄せてきてコレコレェ!の気持ち
    松山さんは幸せになってほし〜、と書いてから思ったけど松山さんのこと勝手に幸せじゃない認定してる私ってなんなのか、でもフィリピンの彼女との話を最初にさらっと出されると否が応でも考えちゃうんだよなあ、難しい

    劇的に何かが変わったり問題が一件落着めでたしめでたし、となるわけじゃないけど、それぞれが以前より少しだけ未来に体を向けられるようになる感じ、最近見るのリタイアした対岸の家事と似て

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    2025年04月28日
  • 子どもお悩み相談会 作家7人の迷回答

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    子ども?の悩みを起点として
    関係がありそうな話だったり
    なんでそんな話が始まったの?
    みたいな視点から思いもよらぬ
    結論のようなものを導きだす
    作家の皆さんに脱帽。

    子どもに相談されたら
    これぐらいのふわーっとした
    ベリーロールで華麗な着地を見せる
    解決策を提示したいものだ

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    2025年04月24日
  • エヴリシング・フロウズ

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    淡々とした表現の中に、クスリと笑える部分があって、さすが津村さんと思った。中学3年の1年を通して揺れ動く心が細かく描かれていた。

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    2025年04月18日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    4.5評価
    とある住宅街に住んでいる9人の住人たちが脱走犯の女性のニュースを観て交代で見張りをすることにした。それぞれの家庭に物語があって展開が面白い。

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    2025年03月16日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    ご近所同士の人間たちがある逃亡犯をきっかけに関係しだす物語。最後は沢山の登場人物すべてに親しみを持つほどに入り込まされ一気読み。

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    2025年03月03日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    【目次】

    第1章 作文は何を書いたらいいのだろう?

    第2章 作文を書いたらいいことがある?

    第3章 作文はどう書いたらいいだろう?

    第4章 メモを取ろう

    第5章 書き始めてみよう

    第6章 伝わる文章ってどんなもの?

    第7章 感想文をなぜ書くの?

    第8章 文章をもっとよくしたいなあと思った時に

    第9章 作文に正解はあるか

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    2025年02月27日
  • この世にたやすい仕事はない

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    ネタバレ

    36歳女性の主人公が様々な職を転々とする様を描いている。
    個人的には1番最初の話が好きで、監視対象がこちらを覗き見ているような描写がぞくりとして楽しめた。

    主人公はどれもメジャーとは言い難い仕事を経験していくのだが、各所で得た経験やスキルを発揮して仕事に没頭していく進行がとても良くできているなと思う。

    最後に人生の波を受け入れる事について書かれており、主人公がこれからひとつの職場に落ち着くのか、また波乱が続くのかという先を考えさせる終わり方もとてもよかった。

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    2025年02月18日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    若さをうまく描いてる。最初は入り込めないかも、と思ったけど読み進めるうちにどんどん入り込めた。おもしろい。主人公が幼少期の話をするところで、イマダかヤマダか忘れたという同級生をイマヤマダと呼んでるのにクスり笑い。昔は同じようなこと考えたり悩んでたりしたな。今となっては大して気にしないようなことを。

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    2025年02月14日
  • とにかくうちに帰ります

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    鳥飼早智子というOL目線と短編集。
    営業社員の依頼の仕方によって書類を仕上げる期限を調整する田上さん、わざわざ人の席まで来て噂話をしたいくせに人の話は聞かない北脇部長、人は良いんだけどおおらか過ぎるのか借りた文房具を返し忘れる定年間際の間宮さん、応援してるスポーツ選手やチームが成績不振に陥る浄之内さん。

     OLの日常って感じで面白い。田辺聖子さん好きな人は好きだと思う。

     最後の『とにかくうちに帰ります』は大雨で洲にある会社からどうにか家に帰る話。オフィスを出るのが遅れたために駅からの巡回バスは運休してしまい、橋を歩いて渡る羽目になった人たち。専業主婦なもんで雨の日は外に出なくて済むんです

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    2025年02月09日
  • 浮遊霊ブラジル

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    全7編の短編集で、表題作の「浮遊霊ブラジル」も印象的だったが、一番好きだったのは「個性」だ。一番津村さんの作品らしさというものを感じた。

    イニエスタのTシャツを着てきて、イニエスタより耳なし芳一的な感じが好き、と言えてしまう秋吉君のズレたところがいい。その秋吉君と、彼に気づいてほしいと奇抜な服装をして奮闘する板東さんのえも言われぬ関係性が、微笑ましく、またささやかながら愛しさすら感じてしまう。

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    2025年02月01日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    淡々としているのにすごく惹かれて
    あっというまに読み終わっていました。
    カギをなくした人のエピソード と
    あれを見るためにならんでいる人のエピソードが
    おもしろかったです。

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    2025年01月29日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    作文とは日々の生活の感想文。
    何でもかんでもメモを取る癖をつけ、自分の頭で考えることが大事。
    そして自分の嘘偽りない正直な気持ちや考えを文章に載せること。
    作文という得体の知れないものに対するハードルが少し下がった気がする。

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    2025年01月19日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    「この地域の人」というカテゴリにはめこまれたのっぺらぼうの人たちに、次々と顔が描かれていくお話。
    だれがだれやねんと混乱し、住宅地図を見返しながら読み進めるうちに、自然と見返さなくてもくっきり人物が浮かび上っていくのがすごい!

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    2025年01月12日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    お初の作家。昨年ヴァージニア・ウルフの灯台へを読んだら巻末の解説が津村記久子さんで、その文体と内容のトーンに好感をもった。この方の作品を読みたいと思い手にした次第。まずは短編集から。冷静で世の中にやや批判的なユニークな視線が素敵。

    「サキの忘れ物」
    表題作。高校中退の無気力なアルバイトの主人公女子が働く病院併設のカフェ。いつも来る見舞客の女性。ある日その常連客が文庫本を忘れていき、それがきっかけで読書を始めた主人公。わからないをわかりたいと思うことが、世界との接続を作り人生を拓く。

    「王国」
    幼稚園児が見ている世界。空中には心の友が出現し、膝の傷は王国だ。それを理解できるかどうかは、大人も

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    2025年01月04日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    強烈なデビュー作でした。すごいなあ。
    津村作品を何冊か読んで好きになったのでデビュー作を読んでみました。
    いわゆる重たい事情や哀しい出来事も淡々と語られる津村作品ですが、だからこそ逆に力強さを感じるというか、目に見える赤やオレンジの炎が燃えているのではなく、暗闇に静かに青い焔が揺れているようなイメージが浮かびます。真っ直ぐ刺さります。
    そういうところが好きなんだなあと再認識しました。

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    2025年01月04日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    ネタバレ

    とある路地を挟む住宅地に住む様々な家族や単身者。濃密なご近所づきあいがあるわけでは決してなく、かといって全くの無関心でいるというわけでもない。
    ある時、刑務所を脱獄した女性受刑者のニュースが飛び込んでくる。近辺にやってくるかもしれないと警備のため見張りを始めることに。


    読破に時間がかかってしまいました。
    一つ一つのお話は短くて難解ではないけれど、いかんせん登場人物が多過ぎて、尚且つ、誰の話かということを冒頭で明らかにしない書き方のため、これは誰だっけ?どんな人だったっけ?とお話が始まるたびに住宅図や少し前の話に戻る、の繰り返しでした。
    後半はもう諦めてどんどん読み進め、人物がごっちゃになり

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    2024年12月09日
  • この世にたやすい仕事はない

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    目次を読んで、短編集なのかと思ったらそうではなくて、主人公が色々な仕事を経験していくのが意外で面白かった。
    おかきの袋に書いている一言を考える仕事や、町中にポスターを貼る仕事、公園内の小屋の仕事など、考えてみればそれを仕事にしている人もいるよな、と思うような仕事が出てくる。
    子どもが「大きくなったら○○になりたい!」と一言で表せるような職業ではない仕事の方が世の中には実は多いのかも。
    というか逆に世界の全ては、誰かの仕事でできているんだなぁと感じて、少しじーんときた。

    主人公が色々な仕事を経験する中で、仕事との距離の取り方がテーマの一つになっているのも好きなポイントだった。
    一生懸命過ぎると

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    2024年11月17日