津村記久子のレビュー一覧
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この一年、須賀敦子さん、梨木香歩さんの書評本を読んできた。
須賀さんは書評というより、若いころの彼女に影響を与えた本についての思い出といった感じだったけれど。
それで、今回は津村記久子の「世界文学」レビュー本である。
須賀本、梨木本とはかなりカラーが違う。
(正直、このお二方の本はどこか雰囲気が近く、時々ふとあれ?既視感がある、と思う瞬間があった。同じ本を取り上げているところもあるせいだろうか?)
津村さんならではの要素として、筆頭に挙げられるのは「ダメっぷり」を愛でる姿勢。
たとえば「ボヴァリー夫人」のエンマ、「カンディード」のパングロス先生、ドリアン・グレイらの、どうしょうもない登場人 -
Posted by ブクログ
生活に疲れた人たちを描いた短編集。
津村さんってなんでこんなに世の中を解像度高く見られるんだろう。
自分がモヤモヤと考えていたことがドンピシャで書かれていて、そうそう!と共感しながら読みました。
どの話も面白かったですが、特に『粗食インスタグラム』と『イン・ザ・シティ』という話が良かったです。
『粗食インスタグラム』は「食べる以前に選ぶのがしんどい」という、何を食べるか決めることに疲れてしまった主人公の話です。
主人公は自分の貧しい食生活の写真を撮って保存していきます。
選択と決断にも結構な心理的コストがかかるんですよね…疲れてると毎日何を食べていいのか分からなくなる気持ちがよく分かります -
Posted by ブクログ
限界会社員小説。
パワハラで前職を退職し、単純作業をする現職に勤めるナガセが、掲示板に貼り出されたピースボートと思われる世界一周旅行のポスターを見て、自分の年収と同じ163万円を貯金しようとする話。友達と遊びに行っても、友達を助けてもずっとその交通費や食費を計算し続けるという、馬鹿らしいようで、現代っぽくて切実な感じが胸に来る。どこか現実との接触の実感が乏しい感じがよく出ている。2009年芥川賞受賞。
併録されている「12月の窓辺」は、著者もインタビューで答えていたが、パワハラにあった職場の実体験に基づく話。読んでて辛くなるが、どこか滑稽さもある。どこか憧れともゲームの背景のやうな非現実とも思