津村記久子のレビュー一覧

  • 水車小屋のネネ

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    思ったより読むのに時間がかかった気がする。1981年から2021年までの40年間を描いた作品だからだろうか。
    水車小屋で蕎麦粉を石臼で挽く、それを監視しているネネ。ネネは音楽が好きで、すぐに覚えるし、英単語も貧窮問答歌も覚えている。
    そんなネネを通して、山下姉妹は育ち、鮫渕さん、研二と引き継がれて人の縁が繋がっていくのがほっこりする

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    2026年09月09日
  • 水車小屋のネネ

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    主人公たちは、悪意もなく、利己的でもない人たちに囲まれて、生きています。普通で、何気ない物語なんですけど、あたたかく、気持ちが洗われます。何もなくても、何もできなくても、たた、生きているだけで、素晴らしいんだな、と感じます。そして、良心って尊い。主人公は善意と良心に囲まれて恵まれた人生を送っています。特に、大きな事件が起きることなく、進むので、読む速度は上がりませんでした。読み終わるのに、1ヶ月以上かかりました。しかし、自分のこれからの人生の指針となるような物語でした。自分も心豊かに生きていければいいな、と思いました。

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    2026年09月22日
  • 水車小屋のネネ【毎日文庫】

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    ネタバレ

    「自分が元から持っているものはたぶん何もなくて、そうやって出会った人が分けてくれたいい部分で自分はたぶん生きてるって。」

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    2026年09月06日
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

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    世界文学の名作ばかり、というセレクションではない。勿論カラマーゾフもボヴァリー夫人も出てくるが、児童文学やSF、ミステリーも結構ふんだんに盛り込まれているので、多様な本好きに訴えるものがあるはず。
    基本褒めるが前提の書評でそこはプロの筆なのでどれもこれも面白そうに感じ手に取りたくなってしまうが、よく読めば著者自身がはまった本とそれ程でもなかった本は何となくわかってくる。問題は自分自身と津村記久子の好みの違いがどの辺にあるか、これがなかなか判定が難しいところで、津村記久子の著作が好きでも読む本の好みまでが一致するとは限らない。既読の本の評があればまずそれを読んでみる、あるいは好きな作家がいればその人のどの作品が選ばれているか、その辺りで何となく探っていくしか無い。

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    2026年09月01日
  • うどん陣営の受難

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    4年に1度、会社の代表を決める社内選挙。そんな会社あんのか?とまず思う。しょうもなくて笑えるそれなりの派閥争い、陰湿な駆け引き、社員達の温度差。薄い1冊の中に変なリアルがぎゅっと詰まってる。あぁこれぞ津村さん。当事者にはなりたくない笑

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    2026年08月30日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    読んでいる途中は、なにが書きたいのかいまいち伝わってこなかったのですが、読み進めていくと・・・。
    このような学生生活は送っていなかったですが、送っていたかもしれないし、私の隣に座っていた知らない学生が送っていたかもしれないな。
    さすがの芥川賞作家さんでした。

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    2026年08月27日
  • とにかくうちに帰ります

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    いつもの津村ワールド!
    「わたし」と周りの同僚、上司の解像度が高い。周りをよく見て何かしら考えている人間の脳内を実況するとこんな感じなのかなあ。
    表題作の「とにかくうちに〜」は、家に帰りたくて定時退社ダッシュする会社員の話かと思っていたら、単なる帰宅の話ではなく、おうちに帰りたいのにおうちが遠い、帰りたいと切望する話でした。(残業するわけじゃないよ)
    特に「とにかく〜」はまた津村さんのテーマであるケア理論が強く出ている作品だと思う。

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    2026年08月27日
  • これからお祈りにいきます

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    神様のように崇められている「サイガサマ」。だけど、神様と呼ぶには不器用で、そこがちょっと人間と重なり、住民たちが愛着を感じるのもわかる。
    「サイガサマ」自体は変な風習なんだけど、主人公の視点や思考が繊細に書かれているから、どこか普通の日常として自分の中に入り込んでくる不思議な話。

    セキヅカとシゲルのその後も気になる。幸せになってほしいな。

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    2026年08月21日
  • 水車小屋のネネ

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    2人の姉妹が、見知らぬ町で様々な人に助けられながら生活基盤を築いていく物語です。章ごとに時間が大きく経過するので、前章までの登場人物がどうなっているのか、ワクワクしながら読むことができました。周囲に助けられていた姉妹が、やがて周囲を助ける側になっていく点も好きです。あと会話できる鳥、ネネと登場人物のやり取りもほっこりします。

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    2026年08月17日
  • 水車小屋のネネ

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    みんないい人である、母親と義父以外。
    でもってヨウムという鳥は、ホンマにこんな会話が成り立っちゃう生き物なのだろうか。すごくないか。ちゃんと生きていく登場人物ばかりなので、むしろそっちが気になる。

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    2026年08月16日
  • 浮遊霊ブラジル

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    ネタバレ

    表題の浮遊霊ブラジルの話が特に面白かったです。
    幽霊となった後、人に憑依しながらアイルランドを目指す過程が、冒険している感じで面白かったです。老人会から始まり、ブラジルやオリンピックなど、予想できない展開が続き、惹き込まれました。

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    2026年08月16日
  • 水車小屋のネネ

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    十年刻みで話が進んでいき、その間に何があったのかは読者の想像に委ねられているところが面白い

    不幸な家庭環境で育った姉妹を、周りの人たちが少しずつ支えていく、その優しさが心に染みました

    自分の日常に物足りなさを感じるのは、他人に対する親切が足りないからなのかな、と考えさせられました

    その時代に流行っていた音楽や映画が出てくるのも良くて、物語と一緒に時代の空気まで感じられる作品でした

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    2026年08月13日
  • 現代生活独習ノート

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    ど頭の一文に心を掴まれて購入。
    初めて読んだ津村記久子作品『この世にたやすい仕事はない』に通ずる、世にも奇妙な物語的な雰囲気漂う短編集だった。

    好きな章は「レコーダー定置網漁」「現代生活手帖」「粗食インスタグラム」「メダカと猫と密室」。
    丁寧な暮らしや人に語れるような生き方とは程遠い人生を送りながらも、最後はほんのちょっとだけ世界が動いたような感覚で終わるところが良かった。

    何にもなくてもいい(たまには何かあるかもね)くらいのゆるいスタンスで生きていきたい。

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    2026年08月12日
  • 水車小屋のネネ

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    大学進学の費用を母親が恋人のために使ってしまう。その時、妹が母親の恋人から虐待を受けていることを知り、高校を卒業したばかりの少女が妹を連れて自立しようと旅立つところから始まる。
    この2人の少女と取り巻く人たちの人生を描かれているが、その中心にはいつも、ヨウムのネネがいる。
    賢く可愛いヨウムのネネを世話をする?相手をする?遊んであげる?そんな感じで色々な人たちが関わってくる。
    恵まれない家庭環境にいながら、たくさんの人たちに助けられて、たくさんの幸せを掴んでいく。
    そして自分たちがもらったたくさんの助けを他の人たちにも与えようとする。
    ネネの周りの温かい連鎖。とても素敵なお話でした。

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    2026年08月08日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    ネタバレ

    京都の大学舞台の、卒業手前の女の話。
    同級生河北の彼女のアスミを泊め、河北は彼女が腕を傷付けていると告白し、適当なことしか返せないわたしにキレる。アスミの授業に代わりに出ることを頼まれ、そこでイノギと出会いノートを貸す。
    一方わたしと一度だけ飲んだ穂峰が自殺したことを同級生吉崎から聞く。彼は行き場のない少年を匿って警察に捕まりかけたことがある。一方わたしが公務員の福祉課に就職したのは昔ニュースで見た行方不明になった男の子を探すため。
    イノギと仲を徐々に深めるが、一緒にいるときに河北から電話がありアスミの腕を切ったという。わたしはイノギとともに救急車を呼ぶ。
    イノギはわたしとセックスをした夜、中学の頃男に殴られたときのことを語る。わたしはイノギのことが好きであると悟る。
    吉崎に連れられ穂峰の家に行き、彼が匿っていた少年を救う。
    わたしは就職後祖母が亡くなったのを機にイノギに会いに行き、彼女が事件に遭ったとき武器にした自転車の鍵を探す。

    腕を切った人でも事件に巻き込まれた人が主人公でもない。話の本線がずっと続くわけでもなく、何が本線なのかもずっと明かされることなく、イノギの事件は後半に急に描かれ、主人公が穂峰が匿った少年=昔ニュースで見た少年だと疑っている描写もなく、関係ない人物もたくさん出てくる(バイト先の巨根のヤスオカなど)不思議な構成。でもそれで個々人があらゆることに苦しんで生きているのが自然と伝わってくる。
    関西弁の会話でユニークさも随所にあり、まるで本当に大学時代起きたことのように読める。

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    2026年08月07日
  • まともな家の子供はいない

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    暴力や虐待があるわけではないが、まともではない家。そういう家ってたくさんあるんだと思う。孤独な家庭環境で、必死で生き延びて、成長していく子どもたちは、ほんとうに頑張っている。

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    2026年08月07日
  • この世にたやすい仕事はない

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    真っ直ぐに「仕事」に取り組む主人公が素敵だと思った。少々不気味さを漂わせる場面もあったが、毎話読み終わるときにはじんわりと心があたたかくなった。

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    2026年08月05日
  • 水車小屋のネネ

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    とても読みやすい素敵な物語でした。
    自分自身も小説の中にいるような、
    同じ目線で感じたり考えたりして楽しめました。
    押し付けじゃない優しさや悲しみが、じんわりと心に入り込んできて、登場人物の成長も嬉しかった。

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    2026年08月04日
  • 現代生活独習ノート

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    身の丈に合わない難しすぎる本にようやく踏ん切りをつけて、楽しみのための読書として手に取った。全8遍の短編集で、タイトルの通り現代生活の一コマをいろいろなタッチで描く作品が並ぶ。不思議なSF調のものもあれば、翻訳文学的な口調のものも。

    私は最初のレコーダー定置網漁、がすごく気に入った。苦行のような読書から解放された喜びもあってか、毎ページ滋味深く愉しみながら読んだ。

    主人公は会社で入社希望の学生のSNSチェックをくる日もくる日も続け情報の洪水に疲れ切ってしまった会社員。

    疲れすぎて何もできず、横になって延々とインスタをスワイプし続けてしまうことがある。見終わると不毛感と自己嫌悪でさらに疲れてしまうあの感じ。

    それが続きに続いて動けないくらい疲れてしまった主人公が少しずつ少しずつ回復していく様子をユーモアと冷静な目で綴った話だった。

    SNSの中の、盛り、映えを意識した、他人の目を意識して演出されまくった情報の嵐の中にいると、その人たちの「わたしを見て」「これが正解」という強い気に当てられて精神的に疲れることがある。

    普通に別にいけてもないけど自分の実感をベースにした生活に戻ってくるまでの様子が栄養のあるスープのようにじんわりと効いた。

    粗食インスタグラム、メダカと猫と密室、もよかった。

    津村記久子は大阪出身の人で、同じ大阪人としての思い込みかもしれないけれど、何か格好つけること、自分の生活の美しさを発信していく文化に対する、照れというか、気恥ずかしさという感覚がある気がする。そこから出てくるユーモアや批評を汲み取れるかどうかでこの作品の滋味を味わえるかどうかが変わってくるのではないかと思った。



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    2026年08月08日
  • 水車小屋のネネ

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    以前から読んでみたくてようやく手に取った1冊。

    人の温かさ、優しさに触れることのできる作品でした。

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    2026年08月02日