津村記久子のレビュー一覧

  • ポトスライムの舟

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    現代の若い女の人が主人公の話ってひとりよがりな話も多くて読んでて「はいはい」って思っちゃうことも多いんですが、津村さんのそれはそんな浅いところでは終わりません。
    いや最初はちょっとそう思わされる節があるけど最後まで読むともっと大きな視野で世間を捉えてて、それを説教くさくなく知らせてくれてるなぁと最後には思いました。
    私ももう歳ですが、まだまだ甘いなって思いました笑

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    2025年09月12日
  • とにかくうちに帰ります

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    津村記久子さんって、凄すぎるの一言。
    私は表題作の「とにかくうちに帰ります」よりも、「職場の作法」と「バリローチェのファン・カルロス・モリーナ」が好きでした。
    鳥飼さんの心の呟き、日々思いながら仕事してることに共感しまくりで。
    そうそう、そんなふうに思ってる!
    私だけじゃないんや。
    そうそう、そんなオッさん居てる!
    なんかタイミング悪いというか、憑いてるというか…
    そんな人居てるよね…

    こんな取るに足らない、友達にLINEするほどのことでもない、モヤモヤしたものを言葉にしてくれてありがとう。
    それだけで、救われた気がします。

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    2025年09月11日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    「書けそうなことを書く」「情報(what,when,how)」「実感(あるある)」「読む書くを繰り返す」「好きな感じを真似る」「本を選ぶ自由(本は読む人を選ばない)」

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    2025年09月06日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    卒業間近の大学生の日常の話
    心の中にわだかまるものを抱えた女性同士が出会う

    最初は何の話かわからず、全体像がつかめない
    所々に主人公の諦めやら、今の状況を受け入れてる感じで話が進む

    他者を力で制圧する
    男性と女性、大人と子ども
    力の強いものが弱いものを侵す
    弱者の抗いの哀しみを
    まるで
    傾いて暗くなり翳りゆく部屋のような雰囲気で描きだされてるような作品だと思った

    終わり方も、なんだか物語を創っていますという感じかない
    自然体がよかった

    津村記久子の今の作風では性的な描写が全然ないので、そういう表現があまりすきではない作家さんなんだと認識していたけど、初期の作品は結構それがあるのかな

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    2025年08月28日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    この作者さんの本は初めて読みました。
    多彩で少しだけ日常から逸脱した、でもどこかのんびりした世界観。
    お気に入りは「サキの忘れ物」「王国」「行列」「河川敷のガゼル」「隣のビル」
    著者の他の本も読んでみたいと思いました。
    (過去記録移動)

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    2025年08月25日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    新しい趣味として、自分の楽しみのために作文しようかなという気持ちになった。
    日記も続いたことがないけれど、書いてみようかと思うほど、ハードルを下げてくれる。
    中学生の頃に読みたかったし、大人になった今でも出会えてよかった一冊。

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    2025年08月24日
  • ポトスライムの舟

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    ネタバレ

    あらすじが気になって読むことにした本。
    労働へのモチベーションが、まるで自分と違っていて面白かった。
    あっさりとした読後感で、さらりと読めてよかった。
    文章の構成が独特で、最初はつっかえてたけど読み終わる頃には慣れてしまった。
    ほかの作品も買ったので、読みたい。
    軽薄だけど、私は主人公が世界一周するところを見たかったと思っちゃった。
    そこはご自分でってことかな。

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    2025年08月23日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    コピー機なのに人間扱いされているユーモアセンスバツグンの小説をあなたに!
    第13回酒飲み書店員大賞受賞作品

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    2025年08月18日
  • ポトスライムの舟

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    ポトスライムの舟と併録された、十二月の窓辺が今の心情と合致する部分が多く、パワハラとも言える理不尽な圧力に応えられない、でもどうして良いのかどう受け止めれば良いのかわからない。時々聞いてくれる人がいて癒された気になって誤魔化している。そんな状況から踏み出すことは、少しのきっかけであればいいのにな。と爽やかな読後感が残った。

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    2025年08月13日
  • とにかくうちに帰ります

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    表題作より、「職場の作法」と「バリローチェの〜」の方が津村センス全開って感じで好みです。雨の帰り道は読んでてちょっと疲れたかな。

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    2025年07月23日
  • 現代生活独習ノート

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    ▼津村記久子さんの短編集。
    収録作は
    「レコーダー定置網漁」
    「台所の停戦」
    「現代生活手帖」
    「牢名主」
    「粗食インスタグラム」
    「フェリシティの面接」
    「メダカと猫と密室」
    「イン・ザ・シティ」

    ▼津村さんはけっこう長く、もう15年くらいか、読ませていただいています。何といっても長編の最新作「水車小屋のネネ」が破格に素晴らしかったので、それとくらべちゃうとなんですが、この短編集は津村さんらしい息遣いの一冊。

    ▼津村さんの文章が好きなので、基本的にはなんでも其れなりには楽しめます。割と解決するのが難しい現代的な「気分」をつかもうとする作風な気もするので、当然ながら必然の結果として 「問

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    2025年07月18日
  • 現代生活独習ノート

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    津村さん節が強烈で、この角度のユーモアを深掘りする作家さんはなかなかいないと思うので新しい読書体験ができました。
    気持ちが晴れやかな日と憂鬱な日が目まぐるしく変わっていくのも別に悪いことではないんだなと感じることができました。

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    2025年07月05日
  • エヴリシング・フロウズ

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    ヒロシと周りの仲間が一年間を通じて確実に成長していっていて嬉しい。こういう 何年間を積み重ねていけたらヒロシはすごくモテると思う。離れ離れになっても。フルノとヒロシの友情?も好き。

    公立に通う中学生の良さがある。色々かんがえたりしながらも、違うタイプの仲間たちとの交流があって。受験でゆれつつもそこまで息苦しくもならずに。
    めちゃくちゃヒロインヒーローがいないんだけど、みんな輝いている。

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    2025年06月29日
  • 現代生活独習ノート

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    津村記久子さん、3つ目。この前に読んだ「とにかく家に帰ります」が好きすぎて、それよりは好きが低め。「牢名主」が怖すぎたかな?あと、ワタシが食いしん坊なので「粗食インスタグラム」も「う〜ん…」でした。「レコーダー定置網漁」「現代生活手帳」は好き。前者の、心が疲れ切った時の派手ではないきっかけでゆる〜く無理せず文字通り少しずつ気持ちがほぐせていく様子の書き方がとても上手い。

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    2025年06月29日
  • エヴリシング・フロウズ

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    中学生で、誰に対しても見た目だけでなく内面まで見ようとする人が、一体どれほどいるだろう。顔の印象や体格、声・髪など、一瞬で人を判別できる表層的な部分。思春期なんて、大抵そういうもので仲良くなるグループが決まっていたように思う。

    主人公のヒロシは背が小さい中学3年生。絵を描くことが好きだが最近は気が進まず、面倒な受験も控えていて、家では一方的によく喋る母親が鬱陶しい。それでもヒロシは、クラスメイトの身に起こる不穏な出来事を解決しようと奔走する…

    ヒロシのようなクラスメイトがいたら、中学生の頃の私は彼の人間性まで見ようとしていただろうか。小さくて地味な男子、くらいに思って、それだけで心の中で彼

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    2025年06月30日
  • 現代生活独習ノート

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    著者の『この世にたやすい仕事はない』と同じ空気感のある短編集。

    仕事や人間関係などの疲れとか日常の細かなあるあるにスポットを当てるのが上手いな〜
    ロバの配達員が可愛い。そんな突飛なのも出てきてクスッと笑えてゆるっと気楽に読めた。
    粗食インスタグラムの最後に出てくるご飯を無性に食べたくなって真似して食べた。

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    2025年06月26日
  • ポトスライムの舟

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    久しぶりに本を読んだ。本を読む気力が回復してきた。
    でも、この本は気力充溢の話ではない。年収と世界一周ツアー163万が重なるところから物語が始まる。
    ナガセという主人公は、なんだろう。節約して倹約しても、人がいい。離婚調停中の友達を助け、そのお子さんのお世話までしてしまう。
    紫陽花の葉には毒がある。では、ポトスライムには?食べようという妄想をもつナガセが面白い。
    いつのまにかナガセという女性に惹かれ、応援してしまう。
    悪いことばかりじゃないよね、人生は。
    こう書いているうちに、自分の中で、この小説への愛おしさが増してきたので、3→4へアップ!

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    2025年06月23日
  • 君は永遠にそいつらより若い

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    プロローグでの不穏な始まりは、大学生活での様々なエピソードを読んでいるうちにすっかり忘れてしまい、じわじわ語られる、弱いものが強いものに蹂躙される問題に嫌味なく切り込んでいく。そしてプロローグに通じるラストにはっとさせられます。とは言え、青臭い大学生活も楽しく重いテーマではあるがクスりとさせる文体もあって重たさは感じられません。文体と言えば、様々な表現、言葉の組み合わせに、反芻して読むことも多く、楽しい読書でした。セリフが少なく、主人公による癖があるものの読みやすい文書が好みです。最後に着信したメールに嬉しさが込み上げました。

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    2025年06月22日
  • ポトスライムの舟

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    本との巡り合わせとは不思議なもので、まさか自分が新しい職場でパワハラに遭っているときに読むことになるとは思わなかった(内容を知らずに購入していた)。ポトスライムの舟は労働に向き合う前向きな気持ちにさせられたが、十二月の窓辺はパワハラのシーンの描写/心理描写に共感しすぎてかなりしんどかった。でも自分が言語化できなかった感情を理解できて良かった。

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    2025年06月17日
  • 現代生活独習ノート

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    現代の生活になぞらえているのに、ちょっと不思議な生活を描いた短編集

    出かけている間にいらないものをなくしてくれるロボットサービス興味あるわ。。自分にとって必要なものを選んでくれるってすごい。大事にしていると思ってたものも実は不用ってことはありそうだなー

    自分の生活にあてはめるとどうかな?と当たり前を違う視点から見てもらうような気持ちになった

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    2025年06月17日