津村記久子のレビュー一覧
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世の中にはたくさんの不幸せな人たちがいる。いろいろな不幸せがある。でもそれぞれの生き方には少しずついいことがあったりする。この本の一人の主人公であるヨウムという鳥はそうした人たちの姿を3歳児程度という頭脳で理解しながら、優しい言葉をかけてくるようだし、誰かに親切にしなきゃ、人生は長くて退屈なもんですよ、という先生の言葉も心に響く。
1981年から10年毎に2人の姉妹と周りを取り巻く人たち、そしてネネの日常を見つめていくような物語。エピローグの2021年はコロナ禍の時期だったけど、そこまでいろいろなことがあっても、人々の優しさと助け合う気持ちとで生きてきたことがよかったなあというお話でした。ここ -
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ネタバレ表題作がとても良かった。
薄給の職場で働いていると、ふとした瞬間に「自分の人生はこれで良いのだろうか」「他の人は立派なのにそれに比べて私は……」みたいな思考に苛まれることは自分もよくあるので、共感できるものがあった。
ナガセは突発的に「世界一周」という夢に向けて貯金を始めるものの、些細なことで散財してしまう自分に嫌気が差してしまう。
しかし、それは本当に散財なのだろうか?
親や友人や職場の人たちと関わる中で、自然に「そうするべきだ」「そうしたい」という気持ちがナガセの心を動かしたのだと思う。
我慢して貯金することも素晴らしいことだとは思うけれど、今この瞬間の僅かなお金の消費が人生を「豊かに」「 -
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未読だった津村さんのデビュー作。
今まで読んだどの津村作品よりも、
主人公が多面的であまりに人間臭く、とてもよかった。
個人的に構成が若干わかりづらいところがあったり、河北のつかみどころのなさが理解できなかったりしたので4にしてみたけれど、限りなく5に近い。
オカノ、好きだなあ。
p. 153
魂と肉体の組み合わせは無数にあり、その相性がよくないことに悩むことのなにを責められるというんだろう。両者の間の軋みを感じることができるのは当事者だけなのだ。
解説が、解説しすぎていてナンセンスに感じて途中読み飛ばしてしまった。
読み手がどう感じたか、それでいいのに、これはこの社会問題で…みたい -
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ヨウムのネネと、その周囲の人々が織りなす、世代を越えた繋がりの物語である。
決して経済的に恵まれたわけではない人々が、繋がりや助け合いで、困難を乗り越えていく。もちろん現実世界でここまで理想的な結末になることは少ないだろうが、でも、だからこそ自分とは育ちの違う他者への想像力を持ち、接していくことの大切さを認識させられる。
それと同時に、経済的に恵まれていることが幸せにつながるわけではないこと、それよりも支え合える仲間がいることがどれだけ幸福なことなのか、再認識させられる。資本主義的思想が絶対的な権力を持つ現代だからこそ一読すべき名著である。 -
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「ポトスライムの舟」と「十二月の窓辺」の中編2本が収められている。2つの作品は独立しているが、後者は前者の前日譚であるらしい。なので、後者の主人公ツガワは前者の主人公フカセと同一人物という事になる。確かに人物造形的に繋がりが感じられて、フカセの理解には後者も読んだ方がより理解が深まるだろう。
解説でも触れられているが、文体が独特で静かな語り口であるのだが、中々にハードボイルドで、主な登場人物がカタカナで表記されている事により客観的に物語に入っていける。
両作品ともいわゆるロスジェネ世代の女子の人生観や仕事観がよく表現されているように感じるが、僕がそこからかけ離れた世代であるのでどうでしょうか