津村記久子のレビュー一覧
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ネタバレ大阪の亜笠不文律で購入。個人経営の小さな本屋さんで津村記久子さんの本があると、「わかってるなぁ、この本屋好きだわ。」と小さく思って嬉しくなる。
本好きの次男とお邪魔したその日は、未読だったこの本を買って帰った。
津村記久子さんが読んだいろんな本が紹介されている本。
とにかくバラエティに富んでいて、いろんなそして、個性的な本を読むんだなぁ〜と楽しく最後まで読んだ。
特に、ある本の書評が、私が津村さんの小説に対して書いた感想と物凄く似ているところがあり、なんだか気持ちが通じたような、読み方、私間違ってなかったんですね!!というような、そんな気持ちで胸がいっぱいになった。
p46 「生活図 -
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具体的なエピソードとしては、主人公をはじめとした複数の登場人物が抱える職場や家庭での苦労が描かれているが、働く経験や、家庭的な苦労を未だ経験したことのない自身でも、登場人物たちの苦しみに共感することができ、人生の普遍的な苦しさをぴたりと言い当てる筆致に心を打たれた。一方で、とてつもない苦労を抱えながらも、やられっぱなしではなく意外にも(!)強かに日々を過ごす主人公たちに、希望も感じた。こうでないとやってられないよね、と共感できる。また、主人公との心情の距離感も絶妙で、過度な感情移入がないので、読後感が爽やかだった。苦しい時にまた開きたい一冊となった。
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ネタバレ1981年から10年おきに2021年までのネネと周りのひとたちの40年を描いたお話
とても長い話だけど、じんわりあたたかくなる。
厳しい現実、苦しい環境に置かれた人がいると、周りにいる人たちが自然と思いやり、手を差し伸べる。
不器用ながらもその思いは伝わり、連鎖する。
血のつながりはなくても、他人であっても、鳥であっても
そばにいることはできる
拠り所になることはできる
何かあれば、話をただ聞かせてもらうことはできる
そんな誰かに自分もなれているといいなと思わされた。
余韻を味わいたくて、最後の章2回読みました。またしばらくして読み返すと思います。
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ネタバレ主人公・ナガセの一年を追いながら、仕事やお金、生き方について何度も考えさせられた作品でした。
年収163万円という現実味のある数字と、そこから始まる節約生活や世界一周資金作りは、夢というより「自分にも起こりうる選択」のように感じられて、とてもリアルでした。
作中で、思うように貯金できず、働きすぎて体調を崩し、それでも働き続ける彼女の姿には胸が痛くなった。でも同時に、小さな幸福を拾い集めながら生きていく姿に、静かに励まされました。
ポトスライムが水だけで増えていくように、ナガセも自分の力で生き方を模索していく姿が重なって見えたことが印象的でした。
また、友人関係の描写を通して、誰もが表に見え -
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津村さんの発想はいつも面白い。
本作は人が生まれる前〜生きている間〜死後に渡るまでの、あらゆる世界を描いた短編集。
今の私のお気に入りは「運命」。主人公はいつ何時でも場所を訊かれる人。「〇〇ってどこですか?」と、受験の日も、初めて訪れた場所でも、海外でも、あんな時やこんな場所でも…思わず、えぇー!!と驚いてクスッと笑わずにはいられない。
本作には、変わった人も性格が悪い人も愛おしい人も出てくるが、皆がそのまま並列に扱われていることが心地よかった。酷い人だから特別貶めることも、良い人だから特別幸運に恵まれることもない。
これまで読んだ津村作品もそうだった気がする。
わりかし薄い本に七篇が