津村記久子のレビュー一覧

  • やりたいことは二度寝だけ

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    会社員と小説家の、二足のわらじ生活が垣間見えるエッセイ。
    わざとらしい癒やしや丁寧さはなく、かといって無頼だったり爆笑するのでもなく、淡々とというのでもない。非常になんというか親しみにみちた作家さん。ピクサーの事を書いた文章に、創作に対する真摯さがチラ見えしてよかった。

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    2025年11月20日
  • 浮遊霊ブラジル

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    津村さんの発想はいつも面白い。

    本作は人が生まれる前〜生きている間〜死後に渡るまでの、あらゆる世界を描いた短編集。

    今の私のお気に入りは「運命」。主人公はいつ何時でも場所を訊かれる人。「〇〇ってどこですか?」と、受験の日も、初めて訪れた場所でも、海外でも、あんな時やこんな場所でも…思わず、えぇー!!と驚いてクスッと笑わずにはいられない。

    本作には、変わった人も性格が悪い人も愛おしい人も出てくるが、皆がそのまま並列に扱われていることが心地よかった。酷い人だから特別貶めることも、良い人だから特別幸運に恵まれることもない。
    これまで読んだ津村作品もそうだった気がする。

    わりかし薄い本に七篇が

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    2025年11月19日
  • 水車小屋のネネ

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    10歳違いの姉妹の40年を、周りの人達との交流やさほど大きくない出来事などを織り交ぜながら、取り巻く自然の様子と共に語られていく物語。

    淡々と進行する物語は少し内容的に物足りない気もするものの、人々がごく自然に他の人を大切に思いながら触れ合う様子を見ていると、心が温かいもので満たされていくのがわかるような物語です。


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    2025年11月13日
  • 現代生活独習ノート

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    私の好きな津村さん(とか言ってあまり読んだことない。でも好きな作家)。
    ぶっ飛びすぎず、でもなんだか不思議な空間になっている。読み終えて、心が軽くなるような、ならないような。地に足がついてるような、いや少し浮いているような。

    「台所の停戦」「牢名主」「イン・ザ・シティ」など、悪人とまで言えないかもしれないが確実に自分を削り取ってくる相手、の解像度が高く描かれている。けれど全編通して共通するのは優しさだった。
    なんかね、ユーモアが優しい。津村さんの書く職場の話が好きだ。また、主人公たちが低体温だが人間臭くて愛しい。お友達になりたい。

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    2025年11月12日
  • 苦手から始める作文教室 ──文章が書けたらいいことはある?

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    文章を書くことについて、わかりやすく優しい語り口で書かれていて、読みやすかった。あと、自分の中で長年言語化できていなかった「なんで映画やマンガより本がいいのか?」について「それだ!!」という回答をゲットできた。

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    2025年11月09日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    独特な世界観で語られる、よくある日常とちょっとした非日常。そして非日常の出来事をきっかけに日常が変わる。そんな物語の数々が集まった短編集。息が詰まりそうな人生における転換点は思いがけないところに転がっているものだと思わせてくれる。

    どの物語もからりとした雰囲気で淡々と進んでいくが、そんな中でも親しみやすく不思議と惹き込まれた。

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    2025年11月09日
  • まともな家の子供はいない

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    家に居場所のない中学生女子を中心にした話。
    面白く読みました。セキコとナガヨシはなんだかちびまる子がそのまま中学生になったような感じで小気味良くもあり。ところどころパンチラインというか、ハッと心地よいセンテンスが挟まれるのが文章としてよかったです。

    「サバイブ」はもう少し続きを読みたかった感じもありました。

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    2025年11月03日
  • 現代生活独習ノート

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    ネタバレ

    津村さんの粒のそろった短編集。特筆すべき事件も起こらず日々の生活の側面に若干の奇妙さを交えて淡々と進んでいく物語群。津村さんらしい文章に満ち溢れてて読んでて飽きがこない。

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    2025年10月28日
  • やりたいことは二度寝だけ

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    あとがきにあった、「どうでもいいことを誰かと話したい時に読んでほしい」というのがしっくり来る、脱力系等身大エッセイ
    甲子園の高校球児たちの神聖さの話よかったなあ
    メモは裏紙に取るのがちょうどいいってところと、今までみたいに気ままに過ごせればいいのに、30歳を超えてくるとその維持も難しいていうのに激しく頷いた

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    2025年10月27日
  • ポトスライムの舟

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    ネタバレ

    文庫本に収録されていた2作品の感想を記します。
    ○ポトスライムの舟
    社会の波に揉まれて傷ついた人たちに向けた作品だと思いました。最後まで優しい雰囲気の文体で物語が進んでいたのでストレスなく作品を楽しむことができました。
    作品の雰囲気を維持するためだと思いますが、主人公の過去のことは最後までわかりません。

    ○十二月の窓辺
    パワハラに悩む主人公が退職するまでの心情が生々しく描かれています。つらい気持ちになりましたが一気に読みました。理解力不足のため、通り魔の正体に納得していません。時間をおいて再読しようと思います。

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    2025年10月26日
  • 水車小屋のネネ

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    老い先が気になる物語! 初めは姉妹の環境やエピソードに気持ちが持っていかれるも、姉妹を取り巻く人たちに混ざったかのような錯覚が。
    この勢いで行くとネネヤバいのでは?とハラハラしながら読み続けることになる。
    ページ数あるも、あっという間に読み終えた読みやすさも良き。
    ただ、最後の10年この人視点なの??と若干切なくなってしまった。もう少し思い入れしてる人物視点で締めて欲しかった!

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    2025年12月02日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    群像劇のため登場人物がよくわからなくなりがちだが、冒頭に宅地構成と人物の説明があり読みやすかった。

    登場人物はみなどこにでもいそうだけどちょっと癖があり、でもその考え方、感情もわかるなと思い違和感なく読めた。

    著者の作品は初めてだったが他にも読みたいと思った。

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    2025年10月22日
  • この世にたやすい仕事はない

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    この世にたやすい仕事はないのだなあ…。働かないといきてけないもんなあ。それにしても味のある職場ばかりで、読んでいて楽しかったです。ポスターを貼る仕事って、そんなのある?と思いましたが、妙な緊張感もとても良い。

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    2025年10月22日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    物事をこんな角度で見ている人がいて、でも頑張って生きているんだなあと励まされる。キャラそれぞれ、周りの人から見たら怪訝に思うことも、本人目線で見ると共感できてしまう。自分の鬱憤も自分らしさと思って拒絶しないようにしたい。

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    2025年10月21日
  • 現代生活独習ノート

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    短編集。好きだ、この方の、地に足のついたユーモア。淡々とした語り口のまま気づくとふわっとおかしな事が起きている。本作はいずれの話も、ものすごくニッチな設定下での人間の心理を細かく描いていて、それが面白おかしい。

    レコーダー定置網漁
    まず、帯の情報番組を自動録画するレコーダーを定置網になぞらえて、録画される番組の情報を魚にとらえるところがユニーク。メンタルをやられて家で何をする気も起きない主人公が、毎日ひとつだけ定置網漁にかかる情報を摂取し、やがてその情報に誘発されるように日常の活動ができるようになる話。

    台所の停戦
    女3代の家の、冷蔵庫でのテリトリー争い。親の悪いところを引き継ぎたくないと

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    2025年10月16日
  • 浮遊霊ブラジル

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    じわじわ面白い短編集。
    ニヤッと笑える話があったり、居心地の悪い気分になったり、色んな気持ちが味わえて、背表紙の薄さの割にお得感(?)があった。
    「地獄」が特に好き。この話だけでも読んで欲しい。面白いから!!

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    2025年10月10日
  • この世にたやすい仕事はない

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    現実にはあり得なさそうで、でもやっぱり私が知らないだけであるのかもしれない仕事の話が面白かった。奇妙な世界観、不思議な空気感に包まれているお話。
    難しい仕事にあえて取り掛かるのも生きているということ、確かにその通りだけど逃げ出したくなる時もある。その時々で自分なりに目の前の仕事と向き合ってやっていくしかないのだろうな、と思った。

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    2025年10月09日
  • 現代生活独習ノート

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    ネタバレ

    仕事が立て込んできたり、なんとなく人間関係に疲れたときに、つい手に取りたくなってしまう津村記久子。もはや、自分にとっての漢方薬のようなものだと思っている。

    本作に収録されている8つの短編はいずれも、疲弊感や閉塞感を抱えた登場人物がメインで描かれている。情報社会に、家族関係に、職場に、それぞれがそれぞれの人生で一様に疲れている。そしてもちろん、それを読んでいる僕も疲れている。「エモい」よりはもっと低温でやさぐれ気味な、でもどこか心地よい“負の共感”を求めて読み進めた。

    『レコーダー定置網漁』『粗食インスタグラム』『メダカと猫と密室』は、それぞれ津村らしさ溢れる、気だるいユーモアに安定感がある

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    2025年10月09日
  • エヴリシング・フロウズ

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    その後、ヒロシがどんな子に成長してるかなと思ったので続きが読めて良かった。
    中学生がいちばん大変だと思う。毎日学校に行くだけで偉い。

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    2025年09月30日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    とにかく登場人物が多くて、海外長編ミステリーでも読んでるのか?という気持ちになった。
    しかも、苗字で出てくる時と下の名前で出てくる時とがあり、余計に混乱。
    だが、巻頭に登場人物達の名前が書き出されているので、それを何度も確認しながら読み進めていくと半分くらいでやっと顔と名前(?)が一致してくる感覚があった。

    ストーリー自体はあまり出会ったことのないシチュエーションで面白かったし、最初は登場人物のほとんどがうっすらと嫌な人で鬱々と読んでいたが、話が進むうちにその人たちが互いの交流を通して違う側面が見えてくるのも、人間味があっていいなと思った。

    元々好きな作家さんだったのもあり、数時間でサクサ

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    2025年09月26日