津村記久子のレビュー一覧
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津村記久子さんの小説を読むのはこれで3作目。面白かった。以前に読んだ作品の表紙や挿絵が『ポテン生活』でお馴染みの木下晋也さんだったのですが、本作も文字どおり『ポテン』なお仕事・生活の話を中心に、タイトル作の『とにかくうちに帰ります』でも人間ってなんかいいなと思わせてくれる素敵な話ばかりでした。
田上さんの
・どんな扱いを受けても自尊心は失わないこと。またそれを保っていると自分が納得できるように振る舞うこと。
・不誠実さには適度な不誠実さで応えてもいいけれど、誠実さに対しては全力を尽くすこと。
は自分も壁に貼って毎日復唱したい。
しばらく自分の中で津村記久子ブームが続きそうです。 -
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ネタバレ芥川賞受賞作『ポストライムの舟』とその前日譚とも言えそうな『十二月の窓辺』。
やはり『ポストライムの舟』がかなりよく、『十二月の窓辺』はちょっと迷うところ。だけど『ポストライムの舟』は「こんな書き方あるかぁ!」と感嘆。なので迷いましたが、やっぱり★五つ。
以下、解釈&ネタバレ。
『ポストライムの舟』』の主人公・長瀬由紀子。このフルネームは最初の一文にだけ使われて、あとは「ナガセ」で統一される。ではなぜ、最初だけフルネームか?
「脳内並行世界の確立にナガセが成功した」という個人的な感想を抱いている。本体は長瀬由紀子であり、ナガセは様々な長瀬由紀子のうちの一人。でも実際のナガセは前職、パワハラで -
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ネタバレ
かなり好き。
イヤミス系が普段好きだけど、ミステリーとかじゃなく単に読むお話系だと、この人の作品かなり好きだと思った。
ふと目に止まって手に取ったけど、そのままやっぱりやめよってせずにレジに持って行った自分偉い。
よかった〜と思った。
タイトルから、とにかく残業とかも断り、人からの誘いを交わしまくって帰る話なのかな、と想像してて
最初の2つの話の雰囲気からも
そんな話が来るだろう、と想像しながら読んでいた。
そもそもこの最初の2つの話もめちゃくちゃに面白く好み
応援するスポーツチームが没落してしまいやすい浄之内さん、
勝手に失礼ながらそう思ってるから、最近気になるフィギュアスケート -
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ネタバレ## 感想
私は今の仕事を14年続けていて、この本の主人公と同じ年齢と経歴だ。
そんな主人公が仕事で燃え尽き、様々な仕事を転々とし、不思議な体験をしつつも、「仕事」対して色々考えていく話。
「こんな仕事あるの?」というニッチな仕事と、ちょっと不思議な体験。
そして最後の結末に至るまでに、ちょっとずつ過去の仕事のことが出てくる感じ。
淡々とした主人公で、仕事や同僚に対して冷ややかな目を向けたり、変なところで仕事に熱意を傾けたりしていて、面白い。
同じ仕事を長く続けてきて、結局どの仕事でも合う合わないはあるし、人によって感じ方は様々だということを実感してきた。
なんなら今でもそう。
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Posted by ブクログ
次は何を読もうかと、積読本たちをあれでもないこれでもないと10数ページ読んでは辞めてを繰り返して、壮大な長編小説も重い話も読む元気がないな、なんか気楽なのがいいな、と手に取った。
1話読んで、これだわ、ってなった。
全く劇的な事は起こらなくて、明るいわけでもないただ日常の生活を切り取ったようなゆるい空気感で、それでいてユーモアで心をほぐしてくれるような話たち。温かい梅昆布茶でも飲んでいるような感じで癒される。
8話あってそれぞれ20~50ページ弱なので読みやすい。
どれも良いけど特に好きだったのは以下3話
・レコーダー定置網漁
仕事で、SNSだとか膨大な量の情報に触れて疲れきってしまった女