津村記久子のレビュー一覧

  • アレグリアとは仕事はできない

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    表題作は、コピー機をめぐる会社員小説・・・と書くと、地味すぎる物語に思えるかもしれませんが、やはりそこは芥川賞作家による作品、やっぱり読ませます。機械と人間に対するモヤモヤした気持ちが交錯しながら物語は進みます。きっと一気に読ませます。

    同書に収録されている「地下鉄の叙事詩」では、電車という機械と乗客という人間に対するモヤモヤした思いが増幅されていきます。その意味で、表題作の延長にあります。

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    2015年08月28日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    面白い!!
    表題作はよくPCのエラーに悩まされる私には、共感の嵐。読後のなんともいえない爽快感も良い感じ。
    そして併録作のリアリティが素晴らしい。
    満員電車ってああだよね。

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    2015年05月01日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    表題作は、アレグリアという性悪な?複合機を通して、会社の中の歪みを浮き彫りにしていく。詳細なアレグリアの仕事に対する描写が滑稽でもあり、ただそれによって暗鬱なリアルな感情が浮かび上がる。不機嫌が不機嫌のままに過ぎていく。所々に自分が感じられる感情が散りばめられていて物語に引き込まれていく。

    地下鉄の方は、まあ藪の中、といった感じで構成的には新鮮味はないかなと。

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    2014年07月02日
  • アレグリアとは仕事はできない

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    「人間と機械は違うでしょう」
    「同じですよ」

    アレグリアというコピー機は大事なところで動かなくなる。
    機械に本気で腹を立てる女子社員の主人公と、
    いつも涼しい顔でおだやかな先輩と、
    アレグリアを通じて恋する修理屋とその他いろいろ。

    一台の機械をはさんでここまで人間関係を克明に描けるのか。見せかけじゃない。本気で生きている人間の感情が動いているからずっと読んでしまうし緊迫したシーンとくだらないシーンのメリハリがわし掴んで離さない。

    同時収録の「地下鉄の叙事詩」は
    正直退屈だと思った。さいしょ。
    でも痴漢された女子高生の章を読んで、これは
    「それでも僕はやってない」ばりに映画にできる、と思っ

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    2014年05月29日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    ネタバレ

    表題作が特に面白かった。
    津村さんの小説の中でも好きなタイプの話。
    友人の結婚式の当日に、上司の父親の通夜に行かなくてはならなくなり結婚式をキャンセルして……というストーリー。小さな会社に勤める立場の会社員のままならなさが、真面目なんだけれどユーモア混じりに描かれている。
    通常、身内でもなければ「結婚式>葬式」だろうと思うが、社員18人しかいなくて、しかも全員参加が余儀なくされている状況なら断れるのかどうか……、と本人でなくても真剣に悩むところだろうと、フィクションながら気の毒に思う。
    参列した通夜での人間関係や、キャンセルした結婚式に出席している大学時代の友人達が、それぞれ個性的なキャラクタ

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    2014年04月09日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    祝福したい気持ちはある。心から。
    しかし、服やら靴やら髪型はどうしよう?
    お祝儀…。
    メッセージビデオを作るのか。 あぁ面倒臭い。
    そんなことを感じちゃ駄目だ、と思う。
    でも憂鬱。
    幸い幹事を頼まれたことはないし(頼まれるような人徳がない)、結婚式の途中でお通夜に呼び出されたこともないのですが。
    この冠婚葬祭のテンパった苛々する感じを追体験してしまいました。
    本人は必死なのに客観視するとひどく滑稽ですね。
    人生って面倒臭いことだらけだ。
    でも過ぎてしまえば、それも愛しき日々…なのかな?

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    2013年10月22日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    本書には、「婚礼、葬礼、その他」と「冷たい十字路」の短編2作品が所収されている。

    「婚礼、葬礼、その他」は、1日の間に、友人の婚礼(2次会の幹事を依頼されている)と会社の上司の父の葬儀が重なってしまって、さあ大変、という状況での主人公の行動や、人間観察、人間関係の機微、そこでの主人公の心の移ろいが描写されている。

    一方、「冷たい十字路」では、自転車通学の高校生達による傍若無人な自転車の乗り方から起こるべくして起こった事故を題材に、その事故の周辺の人びとの生活や思いなどが粛々と綴られた作品。

    いままで、津村さんの作品では、どちらかというと20歳代後半から30歳代の働いている女性達を主人公に

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    2013年08月24日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    婚礼、…:よくあるいらだち、どうしてこうなるの?という感じ、ぼんやりとした設定。津村さんらしい話。
    冷たい…:心が重くなります。これも津村さんらしさ。

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    2013年07月19日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    登場人物達の人間臭きドタバタ感が好かった。人間的等身大のユーモアとアイロニーの流れが、何処か澄ましたような文体から滲み出て来る小説で、アイロニカルな穏やか空気の流れを肌で感じるようだった。

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    2013年04月18日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    『ポトスライムの舟』や『アレグリアとは仕事はできない』もそうですが、働くこと、あるいは働いている人についてとなると、津村さんの筆致はひときわ冴えまくります。コピー機や故人といったモノ(物・者)に対する呪詛にどこか共感できたり笑えたりするのは快感です。

    本書に収録されている「冷たい十字路」は、『アレグリア~』に収録されている「地下鉄の叙事詩」と似た手法で書かれています。一つの出来事を複数の関係者の視点から描くというのは新奇ではありませんが、プロ作家としての手腕が発揮されています。

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    2013年03月14日
  • ポトスライムの舟

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    主人公はキラキラ系ではなく、どちらかというとぱっとしない生活を送るアラサー女性。世界一周旅行の貯金と友達の母子との交流の様子が淡々と描かれていく。
    ポトスライムはわたしも一時期少しだけ育てたことがあるが、地味だけど丈夫で、葉のみずみずしさが印象的だった。華やかでなくてもいいからしぶとく生きること、そこに少しのうるおいがあれば人生も充分なのかもしれない。そんなふうに思える話でした。

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    2026年01月16日
  • とにかくうちに帰ります

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    バリローチェのファン・カルロス・モリーナの話がお気に入り。

    オフィスを舞台にした話も多くて、
    めちゃくちゃありそうな、とりとめのない出来事ばかり。
    当事者だったら気になって仕方ないのに、
    小説として読むと、そのくだらなさにちょっと笑えてしまう。
    ただ、現実逃避気味に読んでいると、
    あまりにもリアルすぎて逆にしんどくなる瞬間もあって、
    その行き来が不思議な読書体験だった。

    特に印象に残ったのが、
    タイトルにもなっている「とにかくうちに帰ります」。
    台風の日、中洲にオフィスがある人たちが、
    バスの運行状況に翻弄されながら、
    洲と本土をつなぐ大橋を大雨の中歩いて渡る話。
    それぞれの装備品が、とに

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    2026年01月14日
  • 水車小屋のネネ

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    18歳にして妹を連れ独立した女の子の話。独立した先で出会った水舎小屋に住むヨウムと共に成長していく様子に生きる勇気をもらった。

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    2026年01月10日
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

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     著者が92冊の色んな分野の文学を楽しくお喋りするかのような一冊。知らない作家、作品も多かったが、文豪大作(「カラマーゾフの兄弟」、「かもめ」(チェーホフ)、「赤と黒」(スタンダール)、「ボヴァリー夫人」(フローベル)「ペスト」その他フランスの多くの作品)から推理小説(クロフツの「樽」)、探偵小説(ルブランの「813ルパン傑作集」)、SF小説(クラークの「幼年期の終わり」、オーウェンの「1984年」)エンタメ小説(デュマ「椿姫」、ミュルジュール「ラ・ボエーム」)、映画の原作小説(「アラバマ物語」「郵便配達は二度ベルを鳴らす」など極めて広い領域の登場人物に焦点を当てて解説するのに目が開かれること

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    2026年01月10日
  • とにかくうちに帰ります

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    「バリローチェのファン・カルロス・モリーナ」と「とにかくうちに帰ります」が良かった。大袈裟でなく何気ない、可笑しみや優しさが描かれている。

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    2025年12月31日
  • 現代生活独習ノート

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    ネタバレ

    私はとても血圧が低い。そして起き抜けはだいたい激怒している。(中略)ただ起床しなければいけないことを憎んでのたくっている。(現代生活手帖 60ページ)

    →ここ好き。静かに怒りに震えていて、でもきっとそれを他人にあたることは決してなく、自分の怒りが理不尽であることを自覚している感じが好き。『現代生活手帖』では、ほぼ説明もないまま、少なくとも今は存在しない近未来的なロボットやサービスや出てきて、書き方がおしゃれだなあと思った。

    食べることに疲れていて、自分はそのことに罪悪感があるのかもしれないと思う。しかし食べることは私にとっては判断を伴う。私は判断がもうしんどい。けれども何かを食べないと生き

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    2025年12月30日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    ネタバレ

    大阪万博に並んだので「行列」面白かった。「隣のビル」「喫茶店の周波数」じんわり温まる物語。ゲームブック久しぶりだった。

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    2025年12月30日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    そつない印象はあるけれど、
    どちらのお話もさほど印象に残らなかったなー、、。
    相性なのかもしれない。

    婚礼、葬礼、その他の話は
    着眼点がシュールで興味深かった。
    あと、所々上手いこと言い得ている感じがぐっときた。

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    2025年12月29日
  • 現代生活独習ノート

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    粗食インスタグラムが一番面白くて好きでした。クククッと笑える感じです。メダカと猫と密室も良かったな。何かその心境わかる!っていうとこが、ツボです。
    働く人の何気ない攻防みたいなのが解体されて作品として紡がれている感じが楽しい。

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    2025年12月27日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    随分前に放映された井ノ原快彦主演のドラマの原作だというので手にしたが、推理小説のように登場人物が多く、見開きの「住宅地地図」の10軒の住人紹介を確認しながら読み進めた。刑務所から脱獄中の36歳の女が彼らの住宅に近づいていく過程と、それぞれに抱えている家庭事情と秘密を絡ませながら、どうなるのかハラハラしたが、ほっとできるエンディングになっていて良かった。今までは疎遠だった家同士の関係が、だんだんにほぐれていくのは、孤独がちな現代社会に希望を灯すようだ。タイトルでもある「つまらない住宅地」の住人たちの人生が、平凡でつまらないと思っていても、実はさまざまな思いや感情が詰まっていることを、他者と関わる

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    2025年12月20日