津村記久子のレビュー一覧

  • 婚礼、葬礼、その他

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    婚礼、…:よくあるいらだち、どうしてこうなるの?という感じ、ぼんやりとした設定。津村さんらしい話。
    冷たい…:心が重くなります。これも津村さんらしさ。

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    2013年07月19日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    登場人物達の人間臭きドタバタ感が好かった。人間的等身大のユーモアとアイロニーの流れが、何処か澄ましたような文体から滲み出て来る小説で、アイロニカルな穏やか空気の流れを肌で感じるようだった。

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    2013年04月18日
  • 婚礼、葬礼、その他

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    『ポトスライムの舟』や『アレグリアとは仕事はできない』もそうですが、働くこと、あるいは働いている人についてとなると、津村さんの筆致はひときわ冴えまくります。コピー機や故人といったモノ(物・者)に対する呪詛にどこか共感できたり笑えたりするのは快感です。

    本書に収録されている「冷たい十字路」は、『アレグリア~』に収録されている「地下鉄の叙事詩」と似た手法で書かれています。一つの出来事を複数の関係者の視点から描くというのは新奇ではありませんが、プロ作家としての手腕が発揮されています。

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    2013年03月14日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    随分前に放映された井ノ原快彦主演のドラマの原作だというので手にしたが、推理小説のように登場人物が多く、見開きの「住宅地地図」の10軒の住人紹介を確認しながら読み進めた。刑務所から脱獄中の36歳の女が彼らの住宅に近づいていく過程と、それぞれに抱えている家庭事情と秘密を絡ませながら、どうなるのかハラハラしたが、ほっとできるエンディングになっていて良かった。今までは疎遠だった家同士の関係が、だんだんにほぐれていくのは、孤独がちな現代社会に希望を灯すようだ。タイトルでもある「つまらない住宅地」の住人たちの人生が、平凡でつまらないと思っていても、実はさまざまな思いや感情が詰まっていることを、他者と関わる

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    2025年12月20日
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

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    この本を読んで気がついたこと、、、私は致命的に外国人の名前が苦手だ。登場人物が都度都度わからなくなり、その確認でストーリーに入り込めなくなる。
    それをこの本で再確認したのだった。
    よって、本の内容のほとんどは頭に入っていない。

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    2025年12月16日
  • やりたいことは二度寝だけ

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    読んでいると、普段自分でも考えるような何気ない点に共感を覚え、それで終わらせず深く掘り下げていった先に、なるほどなぁという新しい発見を見せてもらうことができる。
    向田邦子さんもそうだが、同じことに気付いたとしても、それで終わりにせず思考を巡らせ、何かと結びつけたり、共通点や差異を見つけ出したりでき、そしてそれを面白い文章にすることができることを文才と呼ぶのかなぁと、いつもより少しだけ考えてみるきっかけを作ってくれるエッセイでした。

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    2025年12月11日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    〔サキの忘れもの〕一冊のサキが示した他人とのいびつではないつながり方を。
    〔王国〕幼子は彼女だけの王国を持つ。
    〔ペチュニアフォールを知る二十の名所〕町の名はペチュニアフォールその過去は二十地点を巡ればわかる。
    〔喫茶店の周波数〕居合わせた客のおしゃべりたまたまに周波数合い聞こえてくるが。
    〔Sさんの再訪〕日記帳読み返したら出てくるはみんなSさん誰が誰やら。
    〔行列〕あのあれをタダで見られる行列は十二時間の人間模様。
    〔河川敷のガゼル〕河川敷ある日ガゼルが迷い来て。
    〔真夜中をさまようゲームブック〕雨の夜行くあてなくしひたすらに町をさまようゲームブックで。
    〔隣のビル〕入り口がどこかわからぬ謎

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    2025年12月06日
  • 水車小屋のネネ

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    水車小屋とヨウムのネネを中心に、ゆっくり人生の移り変わりを描いたような作品。
    起伏があまりないので物足りなさを感じる事はあったけど、たまにはこういう話をじっくりと読むのも悪くないと思った。

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    2025年12月01日
  • つまらない住宅地のすべての家

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    なんていうか、地味な設定なんだけど、ニュースの背景ってこういうことかも。
    行動した昭子、未遂の望と三橋夫婦。
    彼氏が転がり込んできてないから暴力は振るわれてないものの、育児放棄状態の矢島家。
    お互いに近所の住民と付き合いがないけど、それぞれ抱えてる問題がある。
    今の日本の国民の、普通の家の普通の人間が、犯罪者になり得る現実が地味に怖く、少しの交流で人間は変われることの凄さもあり、娯楽本のようた読後スッキリ感はないけど面白い。

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    2025年11月30日
  • この世にたやすい仕事はない

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    『ポストライムの舟』が大好きなので、ハードル上げ過ぎて読んでしまってこの星数ですが、読み終わるのが寂しくなる作品でした。
    第一話は『幽霊たち』(P・オースター)っぽさが強く、全体として「監視・監視される」感じが強い。
    でもおそらくは著者が言いたいことは、「生きづらさ」のような「働きづらさ」だと思う。

    ・好感は持てる。でもその下には何か、とんでもない頑なさが潜んでいるのではないかと思わせる。
    ・藤子さんの首の角度と、黒目がちな目の輝きは、完全に私の精神的な硬直を見透かしているようだった。
    ・私が感じていた、あの老婦人の厄介さに関して、おそらくはそういう負の要素をまったく受け取らないであろう社長

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    2025年11月29日
  • 水車小屋のネネ

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    家族とかそういう「普通」の関係にこだわらなくても、身近にいる大事な人とお互いに支え合うことの大切さが染みた。時が経ち別れもあるけれど、新たに出会う人もいる。変わらないものと変わりゆくものをどちらも愛おしく感じられ自分でいられますように。

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    2025年11月29日
  • 水車小屋のネネ

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    読んでいて心があたたかくなる、優しくなる本です。
    人に親切でいたいなと心から思えるお話ですね。
    長いけど読みやすく飽きることなく読めました!

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    2025年11月27日
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

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    どの短編も不思議な感じがある。印象に残ったのは、「粗食インスタグラム」という短編の中でのオバマ元大統領に関するエピソード。 判断する手間を省く為、スーツ(あるいはシャツ)をブルーかグレーと決めていたとのこと。 服選びに迷う時間も惜しかったんでしょうね。
    追記 本当にごめんなさい。コメントすべき著書を間違えてしまいました。同じ著者の「現代生活独習ノート」です。

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    2025年11月24日
  • 水車小屋のネネ

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    高校卒業間際、母から大学の入学金がないと告げられた理佐。
    10歳離れた妹の律を連れて、移住し、水車小屋のある蕎麦屋へ働きに出ることを決意する。

    章ごとに彼女たちも成長し、それぞれの世代を生きていく様を描いている。

    一定のテンポで語られる理佐たちの生活。
    母とその婚約者の毒っぷりが辛い…

    ヨウムのネネを中心に、様々な人がお互いに支え合い慈しみ合う日々が穏やかで愛おしい。

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    2025年11月22日
  • サキの忘れ物(新潮文庫)

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    津村記久子は社会人が読んで首がもげそうになるほど解像度の高い「何気ないイラつく感じ」を文章にするのがうまい。生きていれば大なり小なり理不尽と思うことはあるわけで、なんで?おかしいのはどっち?と。無神経だったり、厚かましさだったり、絶対、そっちのほうが生きるのが楽だろうなと思いながらも、そっちにはいけない、いきたくない。つまらない美学かもしれないけれど、それが矜持。そういうちょっと偏屈さを感じるけどいたって普通の人の物語が収められている。おすすめはガゼル。お気に入りは隣のビル。

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    2025年11月20日
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

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    レビュー3人目にして評価は2.9、単行本は3.8

    高価な単行本は「津村記久子」で売れ、安価な文庫本は「文学案内」で手に取られたのかと短絡的に察してしまうが、そうなのであれば評価の差は妥当である

    津村記久子が好き、さらには彼女と同世代で同じ属性の文学好きに最も刺さる仕様だと思う

    好きな本の紹介ではなく、仕事として読んだ本の感想を綴っているようだ

    それぞれテンションの違いや言葉遣いによって書いた時の筆の進み具合が察せられ、違った楽しみ方をしてしまったかもしれないし狙い通りに読めたのかもしれない

    紹介されているのは未読作品だらけであったが、読んでみようと思ったものは一つもない。読んだつもり

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    2025年11月18日
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

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    聞いたことはあるけど読んだことがない、だけどいつか読みたい、そんな古典的名作92作を作者が語るかのように綴る文学案内。

    本はたくさん読むけど、いわゆる古典と呼ばれるものはほとんど読んでないな〜。ここに掲載された92作も、恥ずかしながらタイトルすら知らないものが多々あるし、タイトルだけは知っているけど映画とかを見て読んだ気になっているものも。

    津村さんの普段使いの言葉で語られる解説がまた面白く、これも読みたい、あれも読みたいってなるんだけど、こんなに深く読み込めなくて、結局わかんね〜で終わりそうな自分が情けない。

    とりあえず3作品だけはチェックして、読むことにしました。そのうちね。

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    2025年11月17日
  • 現代生活独習ノート

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    8編の短編集。どれも楽しく読めました。

    前半3遍は、作中人物がエッセイを書いているような不思議な作風。ちょっと長めのショートショート?って感じでもあります。
    4編目以降は小説感が出てきます。
    気に入ったのは5編目「粗食インスタグラム」と7編目「メダカと猫と密室」。どちらもお仕事小説。津村紀久子さんのお仕事小説は共感する事や気付かされる事が多く、“同志“を見つけたようで嬉しくなります。私も仕事相手については余計な情報入れたくないし、仕事がスムーズであれば善人か悪人か問わないです。でもついつい感情が働いちゃいますよね。
    ラストは「イン・ザ・シティ」。The Jamの名曲ですね。読み終わった後すぐ

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    2025年11月15日
  • やりなおし世界文学(新潮文庫)

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    新しい扉を開く、違う世界線に出会うきっかけになる本…ではない。すでに新しい扉を開けた人が更に新しい扉を開ける手助けになる本である。定期的に開くことをお勧めする。

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    2025年11月15日
  • ポトスライムの舟

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    20代後半って世界旅行できるくらいの金があるべきなのかしらと自分を省みて侘しくなった。何にお金を使ってきたのか、何も考えずに28歳まで来てしまった。ピースボートは気になる。

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    2025年11月06日