村井理子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読みながら、そりゃこれは逃げたくなるわ
というキョーレツな義母さん
そして、実母さんとの関係も難しく。
それを俯瞰したり、冷静に見つめる
書き手としての村井理子さんの
視点、思考が、やっぱりこの人はすごいなぁと思う。
心に残ったのは
「誰かを守るため、あるいは誰かを支えるために自分を削ることは、得策ではない思えるようになった。
それが家族を守るという自分にとって大切な目的のためだとしても自分を削っては意味がない。
他にやり方はたくさんあるはずなのだ。
例えばそれは、自分自身の世界を健全に保つ力を蓄えることであり、自分の機嫌を自分で取るスキルを獲得すること、自分の時間を楽しむ余裕を持つこ -
Posted by ブクログ
なかなかインパクトのあるタイトル。
読んでみると、フェミニズムの真骨頂の様相。
つまり、女性しかできない妊娠について、男性も責任を負うべきである、という主張。
これだけで脊髄反射で批判する人はいるだろう。
しかし本書の中身は至極真っ当な「批判」と「提言」。
どの提言も簡潔にまとまっており、わかりやすい。
アメリカと日本の違いはあれど、背景は残念ながらほぼ同じだ。
なぜ女性だけが避妊と中絶について大きな責任を負うのか。
そのことに男性は納得できる答えを女性に示したことはない。
普段から女性は痛くて苦しい思いをすることが多い。
月経も妊娠も病気じゃない(だから「いつも通り働け、気合いで何とか -
Posted by ブクログ
タイトルの通り「ヤギになってみた」という本。
人間的な悩みから解放されるためというスタートだったが、哲学的な示唆があるわけでもなく、何かの隠喩というわけでもなく、ただただ物理的にヤギを目指す。しかし、その凝りようや行動力は素晴らしく、ヤギの骨格を調べてそれにあった手足を製作したり、ヤギの解剖の場に立ち会ったり、草食を試みたり。脳の刺激により、言語を一時的に忘却しようと自ら実験したり。また、各専門家が彼の荒唐無稽な発想に付き合っているというのも凄い。馬鹿馬鹿しくて笑えるが、しかし、勢いのある本だ。
結果的に何が得られたのかも分からず、本の最後では、ひたすら四足歩行の辛さが写真と共に披露される -
Posted by ブクログ
ネタバレ「アンナチュラル」というドラマを夢中になって見ていた。ドラマの主演の石原さとみが「何で焼いちゃうかなぁ」と不平を漏らすシーンを覚えている。火葬だとDNAが残らないからだ。
未解決事件に興味を持つ人は多くいると思う。しかしその解決に心血を注いで活動している人は、日本では少ないのではないだろうか。
市民探偵、と書かれているが、日本ではまず無理だろうな、と感じる。自らの安全は自らが構築しなければならない、ということを骨の髄まで染みわたっているアメリカ人だからこそ出来るように思える。もちろん法制度が違う、というのはあるけれど。
この本はパソコンやスマホで調べながら読むのがおすすめだと思う。私もパソ -
Posted by ブクログ
ネタバレネットで見かけて。
あらら、また読んだことのある本が登場するとは。
しかもいきなり「まえがき」とは、「木曜殺人クラブ」は有名なのか。
警官でもなく私立探偵でもない一般市民が、
インターネットでの検索や情報交換、情報収集、画像分析を通じて、
身元不明の遺体の身元を探し当てたり、殺人犯の居場所を突き止めたりする。
それぞれの理由で、困難な調査の沼にはまっていくが、
最初の方に紹介されていたトッドが印象的だった。
トッド・マシューズは高校で出会った女の子から、
彼女の父親が遺体を発見した話を聞く。
遺体は19年たっても身元が分からず、テントに包まれていたため「テント・ガール」
と呼ばれていた。