村井理子のレビュー一覧

  • 義父母の介護(新潮新書)

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    一冊丸ごと介護の話なので面白いと言うと語弊があるが、とても面白かった。

    過去、壮絶な人生を送って来た村井さん。
    今度は義父母の介護をする事になろうとは。

    仕事と家事に義父母の介護まで加わって大変な事は想像に難くない。

    ポジティブだけど認知症の義母、とにかく暗い義父。
    病院の送迎からケアマネさんとの介護計画、話が噛み合わない義父母。

    時間は削られ今にも風船が大爆発しそうな状況下で奮闘する村井さんだが、どこか俯瞰的に捉えていて笑い話に変換する所はさすが。

    介護は嫁の義務じゃない。

    「実の子がイニシアチブを取る」に大いに共感。

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    2024年08月26日
  • 全員悪人

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    認知症の本人からの様子、なかなかに気が重くなる内容だった。
    家族のために家事をしていたはずなのに、夫を大切に思っているのに、
    嫁や息子の立場でもしんどいが夫の悲しみもかなりだろう。
    そして本人の混乱ぶりが、あーこんなふうな思考になるのか、、と。
    やばい。自分が認知にならない保証はない。じょうずに老いて、上手に死にたい。

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    2024年08月25日
  • ふたご母戦記

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    妻のおかげであることをリマインドして記憶に定着させてくれた。性別も違う双子なので違うところが新鮮でありつつ、子育て期を思い出すよい機会であった。

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    2024年08月20日
  • はやく一人になりたい!

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    おもろかった!村井さんの他の本も読みたい

    村井はほぼワンオペで双子育児。壮絶だったらしい。自分の犠牲の上に成り立つ育児じゃなく、自分がハッピーじゃないとダメだということに気づいたという話。たしかにそうだよなぁ。

    滋賀県の生活、大型犬との生活も話にでてきてておもしろかった

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    2024年08月20日
  • 実母と義母

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    読みながら、そりゃこれは逃げたくなるわ

    というキョーレツな義母さん
    そして、実母さんとの関係も難しく。

    それを俯瞰したり、冷静に見つめる
    書き手としての村井理子さんの
    視点、思考が、やっぱりこの人はすごいなぁと思う。

    心に残ったのは

    「誰かを守るため、あるいは誰かを支えるために自分を削ることは、得策ではない思えるようになった。
    それが家族を守るという自分にとって大切な目的のためだとしても自分を削っては意味がない。
    他にやり方はたくさんあるはずなのだ。
    例えばそれは、自分自身の世界を健全に保つ力を蓄えることであり、自分の機嫌を自分で取るスキルを獲得すること、自分の時間を楽しむ余裕を持つこ

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    2024年08月10日
  • ある翻訳家の取り憑かれた日常

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    不穏なタイトルと暗い部屋の装丁。
    知らない人だとミステリーかホラーかと勘違いするかも(笑)

    相変わらずの面白さ。
    分厚い1年だが面白すぎて、あっという間に読める。
    ときおり出てくる、日記の最後にある「・・・俺」が好き。

    今回は、翻訳のお仕事のルーチンも知ることが出来て興味深い。そして、義父母の様子も。

    すごい仕事量だと思うけど、家事や付き合いと日々忙しく、メンタルダウンしても、また復活する。

    24時間で完結しない日々、私とよく似ているので、なんとなく頷けるし、読んでて安心するんだな。

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    2024年07月22日
  • 射精責任

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    望まない妊娠の原因は100%男性にある。全くその通りで、日本でも起きている不幸な嬰児殺しのニュースを見るたびに、女性だけが裁かれ何故相手の男も共に裁かれることがないのかと腹が立って仕方がない。
    最近見た裁判のニュースで『同意の上の性交で避妊を拒んだ男性に賠償命令「自己決定権の侵害」』というのがあり、まさに射精責任が問われた判決と言える。(避妊しなかった事で望まない妊娠の末、男性は既婚を理由に子の認知拒否という酷さ)
    この本は男性にこそ読んでもらいたい。性教育の重要性。高校生には読んで欲しいと思う。

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    2024年07月21日
  • 家族

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    家族って、どうにもならない。
    親は選べないし、どうしても性格が合わない親子、兄弟もいるだろう。
    なのに家族だから、全てが嫌いなわけじゃなく、でも迷惑はかけないで欲しくて、どうしようもない家族の後始末を全て終えた作者の重い気持ちがしんどかった。
    完璧な人間はいない。ただ自分の後始末の目処は立てないといけないし、なんとかなるだろうは結局何とかする人が我慢して背負ってるだけ、、

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    2024年07月09日
  • 本を読んだら散歩に行こう

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    ネタバレ

    何かで紹介されてて初読みの作家さん。翻訳家だそうだ。50代になり自身の病気や兄の死や義父母の介護や子どもの受験やいろいろな課題を抱えながらの日々を綴ったエッセイ。最後に本の紹介がある。こういう本を紹介するような本は読みたい本が増えちゃうのでほんとは読みたくないけど、やっぱ読みたい本は増えた。犬にそこまでの愛着はないけど、子どもの頃親にペット達と不条理に離された話は本当に気の毒だった。アルコール依存症のなせることだったのか。兄の死の話は田口ランディを思い出した。介護の話はほんと他人事ではない。この人自身の本も予約したわ。

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    2024年07月02日
  • ある翻訳家の取り憑かれた日常

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    翻訳もエッセイも含めて、初めて読んだ著者。
    ぐいぐいぐいぐい読めちゃう。なんだか面白くて。飜訳している本の話がたびたび出てくるのも嬉しいし(早速読もうと思ってる)、双子の子育てや介護やお仕事、自分の通院、ハリー、と盛り沢山な毎日が楽しい。
    こんだけやってるよーとか、つらいとかでもなく、なんだろ、私も毎日、やれるだけやろう、人生楽しく生きようって素直に思えた。

    最後の「原田とエイミー5年後」が、特別なおまけな感じで嬉しかった。

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    2024年06月29日
  • 射精責任

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    なかなかインパクトのあるタイトル。
    読んでみると、フェミニズムの真骨頂の様相。
    つまり、女性しかできない妊娠について、男性も責任を負うべきである、という主張。

    これだけで脊髄反射で批判する人はいるだろう。
    しかし本書の中身は至極真っ当な「批判」と「提言」。
    どの提言も簡潔にまとまっており、わかりやすい。

    アメリカと日本の違いはあれど、背景は残念ながらほぼ同じだ。
    なぜ女性だけが避妊と中絶について大きな責任を負うのか。
    そのことに男性は納得できる答えを女性に示したことはない。

    普段から女性は痛くて苦しい思いをすることが多い。
    月経も妊娠も病気じゃない(だから「いつも通り働け、気合いで何とか

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    2024年06月27日
  • 人間をお休みしてヤギになってみた結果(新潮文庫)

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    タイトルの通り「ヤギになってみた」という本。

    人間的な悩みから解放されるためというスタートだったが、哲学的な示唆があるわけでもなく、何かの隠喩というわけでもなく、ただただ物理的にヤギを目指す。しかし、その凝りようや行動力は素晴らしく、ヤギの骨格を調べてそれにあった手足を製作したり、ヤギの解剖の場に立ち会ったり、草食を試みたり。脳の刺激により、言語を一時的に忘却しようと自ら実験したり。また、各専門家が彼の荒唐無稽な発想に付き合っているというのも凄い。馬鹿馬鹿しくて笑えるが、しかし、勢いのある本だ。

    結果的に何が得られたのかも分からず、本の最後では、ひたすら四足歩行の辛さが写真と共に披露される

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    2024年06月25日
  • 未解決殺人クラブ~市民探偵たちの執念と正義の実録集

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    ネタバレ

    「アンナチュラル」というドラマを夢中になって見ていた。ドラマの主演の石原さとみが「何で焼いちゃうかなぁ」と不平を漏らすシーンを覚えている。火葬だとDNAが残らないからだ。

    未解決事件に興味を持つ人は多くいると思う。しかしその解決に心血を注いで活動している人は、日本では少ないのではないだろうか。
    市民探偵、と書かれているが、日本ではまず無理だろうな、と感じる。自らの安全は自らが構築しなければならない、ということを骨の髄まで染みわたっているアメリカ人だからこそ出来るように思える。もちろん法制度が違う、というのはあるけれど。

    この本はパソコンやスマホで調べながら読むのがおすすめだと思う。私もパソ

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    2024年05月21日
  • 未解決殺人クラブ~市民探偵たちの執念と正義の実録集

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    ネタバレ

    ネットで見かけて。

    あらら、また読んだことのある本が登場するとは。
    しかもいきなり「まえがき」とは、「木曜殺人クラブ」は有名なのか。

    警官でもなく私立探偵でもない一般市民が、
    インターネットでの検索や情報交換、情報収集、画像分析を通じて、
    身元不明の遺体の身元を探し当てたり、殺人犯の居場所を突き止めたりする。
    それぞれの理由で、困難な調査の沼にはまっていくが、
    最初の方に紹介されていたトッドが印象的だった。

    トッド・マシューズは高校で出会った女の子から、
    彼女の父親が遺体を発見した話を聞く。
    遺体は19年たっても身元が分からず、テントに包まれていたため「テント・ガール」
    と呼ばれていた。

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    2024年05月17日
  • 人間をお休みしてヤギになってみた結果(新潮文庫)

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    今の関心事のためなら、永遠に人間でなくなるかもしれないリスクを平気で取りにかかろうとする、そのクレイジーさがたまらない。天性の行き当たりばったりさに感心し、なぜかそこに降る幸運で、不思議と願いがかなっていく。そんなのアリ?
    一番しんどかったであろう、アルプス越えはしごくあっさりのページ配分で、彼の興味と情熱の偏り具合にしびれます。ヤギがどんくさい仲間として認めてくれたのもむべなるかな。次は何をやってくれるのだろう?
    翻訳臭さが気になって星4。

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    2024年04月17日
  • 犬ニモマケズ

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    犬愛に溢れている一冊。大型犬だからそれなりに苦労は多いようだが、それ以上のものをくれたハリーと過ごすことへの喜びが爆発している。こんなの読んだら犬飼いたくなっちゃう〜

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    2024年04月14日
  • 更年期障害だと思ってたら重病だった話

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    壮絶なエッセイばかりの村井さんの本の中でもかなり強烈なエッセイだった。自分を後回しにしてきたツケというのが止まりかけになった心臓なんて。様々な検査や開胸手術の話は読んでるこちらが苦しくなりそうだが、2回も心臓手術を乗り越えて生還した話はなかなか爽快でもあった。村井さんの強さはすごい。

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    2024年04月07日
  • 実母と義母

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    母との関わりについていろいろ考えた。
    甘えん坊で情緒不安定な妹、自由気まま浮き草生活の弟の姉としてしっかり者をやるしかなく、子供の頃からあまり母に甘えたり頼ったりしてこなかった。
    結果、老いた母に頼られることがしんどい。なぜかドライに客観的な気持ちになってしまい、手は貸せるけど、気持ちに寄り添えない自分に罪悪感、、、
    でも誰しも完璧な家族ではなく、悩み葛藤するのかなぁと少し救われた。

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    2024年03月23日
  • 未解決殺人クラブ~市民探偵たちの執念と正義の実録集

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    ネットの発展で誰もが私立探偵になれるようになった時代。それは警察も匙を投げた未解決事件を解決に導く事もある。
    政府捜査機関以上に勤勉に仕事をする私立探偵の姿には目頭が熱くなるものの、それだけではなくネットの発展から来る探偵たちの暴走にも警鐘が鳴らされている。これは面白い。

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    2024年03月21日
  • 実母と義母

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    面白かった。読みやすかった。
    実母だからできないこと、義母にだからできること。またはその逆も然り。娘と母は、近すぎても辛くなってしまうから、少し距離がおる方がお互いのためなケースが多い気がする。
    いつか後悔するのかな。まだ分からない。
    でも、その時がきたらまたこの本を手に取りたいと思う。

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    2024年03月20日