村井理子のレビュー一覧
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村井さんのエッセイ➕読書のすすめ、という短いエッセイがたくさんある。本にまつわるエッセイなのだが、その短い中でエッセイ9割って感じなので、読書エッセイという感じがあまりしない。それでも読んでみたいと思う本が何冊もあった。村井さんの文体がやはり好きなんだなと実感した。実の両親、兄、義父母(あまり出てこないが)はやはりいろいら大変だったんだな、というエピソードも多かった。
冒頭のはじめに、の村井さんがこどものころの読書にまつわるエピソードがすごく素敵だった。私も読書が生き甲斐なので、本が人生に寄り添い伴走してくれる存在というには激しく同意。自分の子供達にも、読書が好きだが、これから先もお守りになる -
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話のテンポがあってよかったが、読後感がよくない作品だった。作品が悪いという意味ではない。
どこの身内にも1人や2人、「困ったなぁ」と思う人はいる。その「困ったなぁ」の種類はいろいろで、病気だったり、経済的なことだったりする。読みだすと他人事ではないと感じる人が多いと思う。
作品中に兄が発達障害だったことをにおわせる記述がある。発達障害や鬱の人の周囲には、必ずといっていいほどその人のことを「優しい人」、「真面目で誠実な人」、「一生懸命な人」、「本当にいい人」と言う人がいる。しかし、この言葉で傷つく人がいることはあまり知られていない。私は昔はその言葉を真に受けていたが、最近は「普通によい人なん -
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短く纏まっている各章の内容は、非常に基本的で当たり前のことが書かれており、正直なところ「何を今さら」という思いを持ちながら読んでいました。この本を手に取る様な女性の権利問題についてアンテナを高く張っている男性にとっては、尚のことそう思われるのではないかと思います。ただし、日本でそういった問題が全く無いということは決してないと思います。実際、中絶は日々行われていますし、中絶を取り巻く数々の負担は、経済的・精神的・肉体的負担のいずれも女性に偏っていると思います。そういう文脈で、「大事な当たり前のことが書かれているけれど、結局、届くべきところには届かない本なのかな…」と悔しい思いも生まれてきます。
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Posted by ブクログ
『射精責任』『エデュケーション』など話題作の脚本家が書いた日記風エッセイ。神経質な義父、認知症が進んだ義母、家のことにあまり関心がなさそうな夫、性格の違う仲のいい双子の兄弟の世話をしながら、大量の英文と格闘する日常を描いている。
全てのノンフィクションに言える事だが、自分を含めた他人の人生も切り売りしているというネガティブな印象が多少ある。実際、この著者ではないが、著者が作中に登場する第三者から訴えられたという事例もある。読者からすれば他人の人生を知ることができる数少ない手段なのでありがたいのだが。
この本の中にも、「看護師が自分のことを書かれていると知ったらどう思うだろう」みたいなこと