村井理子のレビュー一覧
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村井理子さんが恐怖に慄きながら翻訳していた、その「怖さ」が身に迫る。犯人の目的は「他人を支配し思い通りにすること」…村井さんが思わず戸締りを確認した気持ちが痛いほどわかる。冬のアラスカを舞台に始まる豊かで広大な自然、ショッピングセンターの駐車場は実にアメリカ的風景!けれどそこに機動力と見つからなきゃいいの精神と悪運を持つ犯人が待ち伏せしてるとは…それに加えて複雑な司法システム。市民はなにも知らされないままいったいどうやって自衛すればいいのか。車社会と情報化社会の行きつく先に軽く絶望しつつ、犯人が悪運尽きて捕まったことでせめてこれまでの犠牲者の無念がはらされることを祈るのみ。
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Posted by ブクログ
さくっと読めてふんわり考えるほんの少し前の私たちそれぞれのこと。
編集者、翻訳者、校正者のコロナの最中に感じることと思うことの書簡をまとめた本。
少し前のことって、案外思い出せない気がする。
それは思い出として醸されるのに十分な時間が経っていないからなのか、思い出すにはしんどいことだからなのか…多分その両方なのではないかと思う。
ほぼ一年になる、このいつもと違う時間を生きている私たちそれぞれが感じることにフタをせず、しんどくない程度に考えてできるだけ自分に機嫌よくすごしていくことは、これからしばらく続いていくかもしれない同じような日々をつらさで隠滅してしまわないためにも大事にしなきゃなと、思う。 -
Posted by ブクログ
女性3人のリレー日記に自分まで参加させてもらっているような距離感で読んだ。リアルタイムで読んでいたらもっと力づけられたかも。今も第2波が来たのか終わったのか終わってないのか、自粛の加減も人それぞれで、ますます逆に孤独な感じになっているのだけれど、でも、そんな生活にも慣れてきて、何がなんだかわからない毎日。お三方はどのようにお過ごしなのだろうか。
"人生って、年を重ねれば重ねるほど、うまくいかないことのほうが多いと思いませんか。若い頃は楽勝だと思っていた人生、ぜんぜん楽勝モードじゃないですよね?こんなはずじゃなかったのに。
それではどうすればいいのか?
たぶん、いろいろな荷物を抱えたまま歩いていくしかないと、私自身は思っています。いままで大丈夫だったのだから、きっとこの先も大丈夫だという思い込みでいいんじゃないでしょうか。次々とやってくる問題を、ひょいっと避けて知らん顔して生きたって、たぶん誰にも迷惑はかけていないのではと最近は思っています。
もちろん、頭の中にはいつも「自分が潰れない」というキーワードを置いておこうと思います。
村井理子 "
78ページ -
Posted by ブクログ
勢いにのって、またまた村井理子さんの本。
タイトルを見て、「なんと興味深い」と思って前のめりで読んだ。
装丁もすごくタイトルに合っていると思った。
しかし、これはちょっと微妙だったなぁ。
そもそも文章がかなり未熟に感じた。素人の作文という感じで、物事が単純化され過ぎな気がした。現実をむりやり飲み込みやすい情報に置き換えている感。
特に、実母が孤独の中でなくなった、というあたりの記述は、著者ご自身の選択の結果なのに、それをまるで自分とは関係のない場所で決まってしまった事であるかのように書かれているのはなんだかな~と思った。
もちろん、母親に来いというばかりで頻繁には会いに行かなかったということについて、他人が批判することではないし、それをひどいとは全然思わない。きっと本に書かれていないこともたくさんあったと思うし。いろんな葛藤もされたと思う。
でも、その自分の決断に対して、客観的な視点を棚に置き過ぎじゃないかと思った。
「他人にも自分にも厳しい娘だ」と母や兄から言われた、と繰り返し書かれていて、その評価をご自身も気に入っているようだったが、いや~、物書き基準で言えば、自分にはめちゃくちゃ手加減する大甘な人だろ、と思ってしまった。
義理の父母のひどい干渉に対して強くいられたのはご自身の仕事のおかげで、その非常に重要な土台である英語力を身につけることになったのは留学はじめ、ご両親が教育に関して当時それなりに手間とお金をかけて決断をされたからなのに、教育の項目で、「全然勉強しない子だった」「私の教育に関しては無関心だった」「大学もさぼってばかりだった」的な発言だけで終わっているのもなんだかな~とモヤモヤした。そして、大学に行かせてもらえるかどうか分からなくて就職しようかと思っていた、とか言う割に、留年などしているのも私からすると驚愕だった。留学に留年、ってなんという贅沢なことを自分に許したんだろう、と愕然とします。
そのあたりのこともまるで武勇伝みたいに書いてあるのも自分に甘い人だなと思う。
今この著者にとって非常に大きな武器と盾となっている仕事の道を開いてくれたのは他でもないご両親じゃないかと思う。なのに、世界が狭い、と繰り返し書いているのには読んでいてイラっとした。今昔の親に会えるなら、こんな町を出ていけと言うだろう、などと書いてあって、何様だよと思った。あなたを小さな町から出してくれたのは、ほかでもない、その小さな町にとらわれていたご両親なのに。
しかし、この本を読んで激しく心揺さぶられた箇所がある。
それは、義理のご両親が著者のお母さまに会いに行った時のこと。どう考えても人を見下したり批判ばかりしている義母さんが、著者のお母さまに会った後、お母さまのことを大変に評価し、大好きになり、それだけでなく友達になりたいとまで言っていたことだ。そして実際に電話をしてお互いの近況を話し合うほどの関係を築いくまでになっていたこと。
その展開はとても驚いたし、その一点だけで、どう考えても好きになるのが難しい人物として描かれている義母さんのことが嫌いになれなくなってしまった。
このエピソードには胸をつかれた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「〜私は今でもしつこく義父に対しては怒りを抱えている。なぜかというと、私には義父が必死になって取り戻そうとしているものの正体がよくわかるからだ。
義父は、元気だった頃の完璧な義母を求めている。家事も、自分のサポートも、家計の管理も、すべて完璧にやり遂げていた、あの頃の義母を求めている。きれいに洗われ、干され、畳まれた下着類やパンツが欲しいだけのことだ。そして、完璧ではなくなった義母に腹を立てているのだ。〜」
他にも刺さるところはたくさんあったけど、私にはここが一番痛かった。
現実を受け入れるのって本当に大変。日々湧き出る感情も変わるし、矛盾も抱えながらなんとかやっていくしかないんだろうな。
私も実父を亡くしているので、義父に向き合うとき、実父のぶんまでという気持ちはあるが、時々はなんで実の親にもやれなかったのに他人の親の面倒をみないといけないんだとも思う。
なんかわかるなーの1冊だった。