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逃げたい夜もあった。妻であることから、母親であることから……。夫を亡くしたあと、癌で逝った実母と、高齢の夫と暮らす認知症急速進行中の義母。「ふたりの母」の生きざまを通してままならない家族関係を活写するエッセイ。
婚約者として挨拶した日に、義母から投げかけられた衝撃の言葉(「義母のことが怖かった」)、実母と対面したあとの義母の態度が一気に軟化した理由(「結婚式をめぐる嫁姑の一騎打ち」)、喫茶店を経営し働き通しだった実母の本音(「祖父の代から続くアルコールの歴史」)、出産時期と子どもの人数を義父母に問われ続ける戸惑い(「最大級のトラウマは出産と産後」)、義母の習い事教室の後継を強いられる苦痛(「兄の遺品は四十五年前に母が描いた油絵」)など全14章で構成。
義父や義母の介護をしながら時折居心地の悪い気持になることがある。実母に対して何もしてあげられなかったのに、あれだけ長年私を悩ませた義父母の介護をするなんて、これ以上の皮肉はあるだろうか。
(本書「結婚式をめぐる嫁姑の一騎打ち」より抜粋)
Posted by ブクログ 2023年12月24日
『兄の終い』『全員悪人』『家族』と読んできて、ほかにもwebの連載記事や日々のX(Twitter)まで網羅しているファンとして、最近の“事情”はそれなりに把握しているつもりではいたのだけれど‥いつも以上に四方八方から良くも悪くも「そう来たか〜!」の波状攻撃。なんというか、本当に本当におつかれさまです...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月23日
母との関わりについていろいろ考えた。
甘えん坊で情緒不安定な妹、自由気まま浮き草生活の弟の姉としてしっかり者をやるしかなく、子供の頃からあまり母に甘えたり頼ったりしてこなかった。
結果、老いた母に頼られることがしんどい。なぜかドライに客観的な気持ちになってしまい、手は貸せるけど、気持ちに寄り添えない...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年02月19日
義母と実母についての体験談並びに随想。
なかなかの人物の義母と渡り合う嫁である著者の強さが心地よい。
文章も読みやすくて好き。と思ったら、「人間をお休みしてヤギになってみた結果」の訳者さんだとわかり、あのわくわくして読んだあの本を、この方は年末年始の義父母襲来のストレスから逃げるように訳してたのかな...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年01月03日
今回の装丁も素敵
見やすいタイトルと明るい色にイラストが入った表紙
村井理子氏の本やブログを読んで家族との関係性はわかっていたつもりだった
しかしこれでもかと言うくらい義母からの呪いが結構しんどかった
衝突して、干渉され、批判されてきた義父母の介護をこなしているリコ氏に「すごいな。なかなかできる...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年11月12日
実母と義母は対抗心があり相手の行動に焼きもちを妬いたり嫉妬したりと聞くが、この物語のお二人は良好関係のようで良かった。
義母は息子が結婚したことで娘ができたようで嬉しかったのではないだろうか?世話を妬いたり一緒に行動したりしたかったのだと思う。ただ、ちょっと度が過ぎただけ。義母と同じ立場になって考え...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月17日
親を選ぶことはできない。村井さんの義母は激しく、実母は大人しい全く正反対の親。その二人にどのように接してきたかが綴られている。
特に、義母の激しさは極端であり、こうあるべきという思いが強い。嫁なんだから私のいう事はすべて聞くべきという思いがあふれている。その厳しい要望に体を張って抵抗する姿勢は見事で...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月12日
個性的といえば聞こえはいいけど、身内だったら大変すぎるご家族だなあと。。
産前産後邪魔でしかないようなことばかりされたら、恨んで介護しません!となってもおかしくないのに、最後まで面倒を見ようとされている村井さんは立派な方だと思う。
旦那の祖父が先日鬼籍に入られ、旦那はもっと何かできたのかなと後悔し...続きを読む
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