あらすじ
義母の認知症が八年前に始まり、義父も五年前に脳梗塞で倒れた。結婚以来そりが合わなかった姑と舅だが、「私がやらなければ!」と一念発起。仕事と家事を抱えながら、義父母のケアに奔走する日々が始まった――。しかし、急速に進行する認知症、介護サービスを拒絶する義父に翻弄され、やがて体力と気力は限界に。介護は妻の義務なのか? 夫の出番は? 最初の一歩から悪徳業者との闘いまで、超リアルな介護奮闘記!
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Posted by ブクログ
まだ遠いようで確実に訪れる可能性がある親の介護、しかも義父母の介護の奮闘を赤裸々に綴られている。
文面では到底推し量れないほどの苦境に立たされているのだろうと、どんよりした気持ちとそれでも立ち向かっている著者から勇気をもらえる。
著者の境遇も思考の一端を担っている。
夫と義父母との会食(義母の誕生日会)での、孤独感。
実の両親とは叶わなかった状況を想起し、悲しみに沈む。著者個人的な境遇による体験ではあるが、その心情に思い寄せることはできる。
著者が苦しい経験を経てそれでも介護に携わる理由、人生を見届けたいという使命感と好奇心。+創作意欲。
介護というとシリアスにまじめに対応が余儀なくされるし、介護疲れからの精神不調も良く聞く話である。しかし、著者のように一定の距離と客観性をもって接することがどうにか対応続ける秘訣の一つなのではないか。
希望があるとは言えない、でも何も向き合わず蓋をするより、愚痴や不平をぶちまけながら対処を続けることのほうが価値があると思える。
Posted by ブクログ
2024/08/19予約 62
『考える人』の連載を読んでいたので経緯はだいたい知っていたが、文字で読むと高齢者の時間の進み方をはっきり感じられる。ご主人がムカつく事を言っても、言い返すところは胸がすく。私は口に出せないくせに、グズグズ思うから。義父のタイプかも…気をつけないと。義両親と著書夫婦の4人で食事中、自分だけ他人だと気づく、そうだよね、と激しく同意。エッセイのネタにしようと思う、との事だが綺麗事でない現実を教えてくれることに感謝。
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次々と襲いかかる出来事との戦いの記録が、言葉通り本音150%で語られていて胸を打たれました。心臓の病気を抱えながら、膨大な仕事をこなす作者のバイタリティーに脱帽。そして、決して良好な関係では無かった義父母に対して優しい気持ちを失わない度量の大きさには驚かされます。
作者の実父母と兄に対する思いも所々に挟まれていて、心の重い荷物を奧底に押し込めつつ、前に進む作者の姿は見習いたいです。
認知症と知って群がってくるサギ業者や謎の人々についても書かれていて勉強になりました。
そして妻への感謝が足りな過ぎる作者の夫に対する怒りが沸々と沸いています。
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義父母に対して清々しいほどの強さ…でも身体に不調が出ているし、若い頃はいびられていたようだし、スラスラ読めちゃうけど絶対ストレス半端ないよな…と、義祖母の介護を少しかじった自分にとってはホラーのような話だった。
義父母は自分のお父さんお母さんではありません。
そこんとこ旦那諸君にはしっかり理解して、間に入っていただきたいですね。
義実家同居をしているので、いつか迫る義父の介護…
どういうパターンなのか。考えさせられた。
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嫌いな義理両親の老人生 こんなポップな語り口調で、認知症を深刻ではなく面白く語ってる本の表紙がシンプルすぎるっ
2024年7月発行なので、登場されてる方々はご健在みたいだけど。本人たちは本になってることご存知なんだろうか(震
義理親を介護するのは実子。実親介護するのはプロの人って思ってる私は、偶然にも村井さん派なんだけど。共依存強烈な夫婦を身近に観察できるのは興味深い。
認知症の人のパニックは、周囲の無理解ってのもわかった。学ばせていただける一冊。
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今のところ義両親、実親とも介護問題に至ってはおらんけどいずれはあり得るよなぁ、くらいの立場で読んでみた。
軽い口調、ユーモアがあるから読めるけど、自分に引き寄せて読むと重い、キツい。いや、一歩ずつとはいえ近づいては来てるのよね…
Posted by ブクログ
切実な問題よねと思うタイトルとは別に、翻訳家にして名エッセイスト村井理子の妥協なき意思と理性とユーモアで楽しく読めた。電車の中で何度もぶっと吹き出し笑ってしまったくらいだ。
夫の親は両親現役、自分の家には夫と子ども、と、フルメンバーであること、みなキャラが立つ方々であること、そして関西人関西弁関西ユーモアまたは皮肉の上に成り立つものであるように見受けられ、困った人万人の参考書にはならないかもしれないが、それこそどう始めるか、ノウハウもあり、とにかく読み物として面白い。
大事なポイントは、これは記録ドキュメントとして正しく詳細でありらそれより大事なのは、村井さんが、きつかった義母の老いぼけていく姿にシスターフッド女性同士の連帯を素早く感じ取りその視点を持って義父母を観察され関係を構築されている点だ。
介護という難題が自分にあるか内科に関わらず楽しく読めるし、シスターフッドをさらに深く感じ行動できる指南書でもある。
Posted by ブクログ
自分の祖母と同じレビー小体型認知症についてが、わかり、今看ている母達の苦労も少しわかった気がした。
自分の両方の両親、とくに義父母について将来への不安を情報を知ることで少しでも軽減できるかなと思い読んだ。
筆者の素直な感情も、垣間見れ読みやすく興味深かった。
Posted by ブクログ
ジェーンスーの介護未満を読み、この先もう少し見たいと思ってこの本取り寄せた 以前からウェブでの連載は読んでいたので、義父の厄介さや実子である夫が何となく逃げているさまは知っていたが、まとめてあるとまぁ何とも大変である 子供たちも大きいとは言えまだ高校生だし、仕事もあった上でこれか、しかも自分の親ではない 読んでいるだけで疲れ果ててしまう
様々な点で義父や世間からの女への扱いに焦点があたる ケアをしてくれる人が女か男かで当たりの強さが違う義父、嫁だから女だからといって自分の親の介護を任せようとする夫たち、そして痴呆により完璧な主婦でなくなってしまった義母に苛立ちを隠せない義父 介護現場において女性への風当たりは、そこにいる古い観念のままの老人たちによって、想像する以上に過酷なのだろう だから「介護現場には男性が必要」という言葉が出てくるのだと気付かされた 単純に肉体的な力が必要という意味だと今まで思い違いをしていたからだ
語り口は軽く、ユーモアにも富んでいて、なかなか壮絶な話なのに一気に読ませてしまう 最新の状況では義父母は別の施設に入るとのことで、またそこまでの話も本としてまとめてほしい
Posted by ブクログ
「嫁」という立場での距離感で義父母の介護のリアルが書かれています。結構本音が書かれていて?
書くことが著者の介護のモチベーションになっているのでしょう。「そうよ、現実はこんな感じよ!
やってられるか」と思ってもいいんだなぁ笑
Posted by ブクログ
205.04.27
義父と義母の介護
筆者と同じ年齢
親孝行、介護、こうしたもののタイミングはどう考えるとよいのかと思う。
自分の場合、まだまだ至らないという自覚はあるが、特に介護は人それぞれだから余計に難しい。
Posted by ブクログ
他人なのに他の人からは他人と見てくれない義父母の中長期的な介護を綴ったエッセイ。実母への日々の介護を綴ったポンコツ一家と対極にあるような本です。うちでも経験したことあるよと頷いたり納得したり。
著者とケアマネさんの中長期的なプランに立ちはだかる数々の難問に、何度も挫けたり、挫けそうになったり。それらを乗り越えていく原動力が、最後まで見届けたい好奇心って言うところが、ストレートで面白かった。
Posted by ブクログ
義父母の介護中の著者のエッセイ。
飾らず気取らず、認知症当事者とその周囲の様子を書いてくれているので、とてもリアルでためになる。
事件(?)に直面して言い放つ著者の言葉もキレがあってステキ。自分をよく見られたいと、普通なら心の中にしまっておきそうな毒が溢れ出ちゃってる。その放出の様も豪快で気持ちがいい。
とても大変な現場なのだけど、読んでいてなんだか元気が出た。なぜだろう。この先もしっかりと書き記そうと覚悟を決めた著者のパワーが伝わってくるのだ。
20241218
Posted by ブクログ
認知症の義母と90歳の義父。
子育てと仕事に奮闘する中で義父母の介護が始まる。
思い題材だがユーモアを交えながら本音を包み隠さず赤裸々に綴られているので、どこか爽快感がありスラスラ読めた。
認知症は発症してすぐの場合、「物忘れ」「年のせい」と見逃されてしまいがち。
違和感を感じたらすぐに病院に行き早期発見につなげられるのが最善だけど、なかなか難しそう…。
症状が悪化するにつれ態度がエスカレートしていく義母、介護サービスを拒絶する義父。
怒涛の日々に大変さをひしひしと感じた。
Posted by ブクログ
実はなかなか重いテーマと内容ではあるが、
そこはさすが村井さん、読む手を止められずに一気に読んでしまった。
中でも印象的だったのが「私達は怒られるの仕事ですから」という言葉には揺さぶられた
Posted by ブクログ
帯表紙に書かれているコメントから想像するよりは重くない内容。
こんな風に客観的に捉えられたら気持ちが少しラクになりそうだなと思いながら読み進めました。
…か、書き手の重たい内容をサラリと軽快な文章で表現力のなせる技なのでしら?!!
ぼんやりと親の介護って…って気にし始めた頃に読むと良いかと‼︎
Posted by ブクログ
今回も壮絶な義父、義母と嫁のバトル。
(そう、それそれ、分かるわ)と
愚痴を言い、労り合うママ友とのランチの時間を思わせる。
可能なら、ケアマネ、ヘルパーさん、施設のスタッフさん
プロに任せたほうがいい場合もあるのだが。
それにしても、お義父さま、最強。
村井理子さんにおすすめしたいと思っていた
『ぼけますから、よろしくお願いします。』
P176
〈いちばん好きな作品〉
と書かれていた。
心に残るドキュメンタリー作品ですよね。
私も好きです。
今回も元気をもらった。
戦友がいてくれる心強さよ。
Posted by ブクログ
ぐへー、現実過ぎて疲れた。正直恐ろしい本だった。
でもまず、この本を男性は読もうともすら思わないんではないかとか、(勝手にごめんなさい)。そういうもやもやも出てしまった。
妻の義父母の介護のために読もうとはならないのではないかと。
選択的夫婦別姓制度になったら、もう少しこのなんとも言えないもやもやから解放されるのかとか、、。
本の感想に戻ります。
こんなに大変なことになるのか、が第一。
(ケース1でしかないけど)
語り口は軽くて率直、思わずやだーと悲鳴を上げそうになったり、笑ってしまうところもある。
村井さんが絶句するところは、激しく同意の絶句状態。
ケアマネが男性だったら怒鳴られないんじゃないかとか、確かにものすごくありそうでげんなりしたり。
「介護には男性の参加が不可欠です」
ケアマネさんが「怒られるのも仕事なんです」って言うところは、いやいや対要支援者であってもそれはやっぱりキツイよ、とか。
最後の方は恐怖。
恐怖しかなかった
私ならとっくの昔に精神崩壊だ。
どんなに心理学を勉強したところでこれは無理だ。途中出てくる美容師さんに激しく同意。
八十二になってまで束縛されたくない。
村井さんが面白おかしく書いてくれているからあっという間に読めたけど。
男女問わず、自分の親の介護想定でも一回は読んでおいて損はないと思う。
村井さんが凄すぎるから、夫も村井さんに甘えている気がする…。
なんでこんなに村井さんが義父母の介護を頑張るのか。(いやただ尊敬しかないんですけど)
書くためはもちろんあるだろうけど。
実の両親との間でできなかったことへの悲しみを義父母の介護をすることで、何か掴みたかったのかなぁとか、勝手な憶測で本当に第三者が何言ってんだ、ですが、
最後の方は胸が苦しくなりました。
利他スイッチ入りすぎないようにするのも大切と思う。
介護される側とする側は閉鎖的なバキバキのテイカーとギバーの関係になりやすい。
頑張りすぎるのはよくない
できないは大事
本の途中、一瞬出てくる
「ぼけますから、よろしくお願いします」
も読んでみたくなった。(ケース2として)
最後まで気丈でいたいなあ。
Posted by ブクログ
とても興味深い内容だった。一筋縄ではいかない義父母の介護。とてつもなく大変そうで、げんなりしてしまいそうなエピソードの数々が、ユーモア溢れる文章で綴られていてあっという間に読んでしまった。
Posted by ブクログ
一冊丸ごと介護の話なので面白いと言うと語弊があるが、とても面白かった。
過去、壮絶な人生を送って来た村井さん。
今度は義父母の介護をする事になろうとは。
仕事と家事に義父母の介護まで加わって大変な事は想像に難くない。
ポジティブだけど認知症の義母、とにかく暗い義父。
病院の送迎からケアマネさんとの介護計画、話が噛み合わない義父母。
時間は削られ今にも風船が大爆発しそうな状況下で奮闘する村井さんだが、どこか俯瞰的に捉えていて笑い話に変換する所はさすが。
介護は嫁の義務じゃない。
「実の子がイニシアチブを取る」に大いに共感。
Posted by ブクログ
そろそろ介護が必要な時期なのかも、、と思っていた矢先に義父が亡くなってしまったので、もし介護が必要だったら遠方に住んでいる我々はもっと大変だっただろうなぁと思いながら読んだ。今は義母の一人暮らしを遠くから見守りつつ支えてはいるけれど、子育て真っ只中に介護が入ると本当に私って何?私の人生、私の時間って??となると思うし、今すでに片足突っ込んでいる。。
Posted by ブクログ
認知症の義母と、病気の義父。
まさに、私自身の環境と似ていて共感が多かった
(うちの場合は去年義父は亡くなったけども)
この本を読んで、腑に落ちたことは
『実子の介護の難しさがある。親の衰えた姿を見ることの辛さや悲しさが苛立ちとなって親にぶつけられることがある』ということ。
いままで、私は、『我慢して文句言わずに介護するべきだろう。だって、自分の親なんだから』と思っていたけど、逆に難しさもあるんだなぁということ。
幸い、私の実父母は高齢だが認知症もなく自立しているが、義母は認知症で、日に日に腰が曲がりよろよろと歩きトイレも怪しい時がある。そんな姿を見ると、実母だったら辛いよなぁと思うことはある
とはいえ、介護生活に飲み込まれては行けないよね。自分の生活は死守しないと。
Posted by ブクログ
著者の方、若干、強迫観念を感じる物言い、もあり、、が、布着せぬ言葉はさっぱりして暗くなく、一気に読めた
認知症、がメインの介護(原疾患がある場合は様相は変わります、)の話だけど、ケアマネさん、ヘルパーさん、訪問看護師さん、、おおまかな介護の実態はつかめる
最後まで、下の世話なく、足腰元気で、最後の最後にポックリ、といきたいな…
Posted by ブクログ
介護真っ只中の人が息抜きに読んで共感したりしなかったりがあるだろうし、介護している人の相方も読むとあれ?と思う
コレに『全員悪人』を読むと詳細がわかるのでおすすめ
両親共に亡くなってたん子の母が健在で人生を楽しんでいると思われる
義母の介護をどこまで踏み込めるか男の場合は努力しないと手伝えないと感じる
努力の原動力は愛ではないなにかを用意しないといけないな
Posted by ブクログ
2024.11月
一気読みしてしまった。
義父母いっぺんに介護状態、しかも肝心の夫は頼りにならないなんて、ほんと遊びじゃねーんだよ!って吐き出したくなる気持ちよくわかりました。
義父が暗い、とかなんでもかんでも愚痴言わなきゃやってらんないだろうな、と思います。
子育てがひと段落したから次は介護かー…気持ちが暗くなります。
何回も何度でも言いますが、実父が早々に亡くなってくれて、みんなに惜しまれる形でこの世を去って、結果良かったなあとこの手の本を読むと思います。
Posted by ブクログ
著者はさらりと上手な毒舌系。本音の言い方が上手いせいで、嫌な気持ちもせず楽しく読める。ただ、介護本の常だが、人間の老いに向かい合うのは疲れるね…。
Posted by ブクログ
フリーランスであるからと、義父母の介護を引き受けるはめになった村井理子さん。
この義父母が二人とも、大変なキャラだったことが介護をますます困難なものにしている。意外なことに、もともと超強烈キャラだったお姑さんよりも、お舅さんの方が読んでいてもげんなりする困ったさんなのだった。
著者と二人との間には過去にいろいろあったようだが、そこは物書きの性で、最期まで見届けたいとの気持ちが、介護に向かわせているようだ。
そして、ケアマネさん、デイサービスの職員さんなど、介護の仕事って大変だなあ、自分にはできないなと思う。怒られるのが仕事って。心折れるわ。
そして、意外にも私が直前に読んだ「じい散歩」にところどころ似ているところがあったりした。
Posted by ブクログ
さすがに文章がうまいのでスルスル読んでしまった。
が内容はドロドロ。でも面白い(ゴメン)。
ワタシも同じようなことやってきました。
昨年義父が施設に入るまでは。
私のことを嫁、と言うか人として認めず、30年間同じ家に住みながら口をきかなかった義父(10年くらい前になぜか態度が変わった@一枚ウワテ)を介護してました。
こんなふうに「聞くも涙、語るも涙」なのに、嫁が介護して当たり前(近くに住む義弟からは、ねぎらいの言葉、一滴も出ず)っていったい何なの!
実子である夫が、なんか他人事~、なのもね。
とにかく理子さん、お疲れ様。まだ終わってないけど、私も最後まで見届けたいです。