【感想・ネタバレ】義父母の介護(新潮新書)のレビュー

あらすじ

義母の認知症が八年前に始まり、義父も五年前に脳梗塞で倒れた。結婚以来そりが合わなかった姑と舅だが、「私がやらなければ!」と一念発起。仕事と家事を抱えながら、義父母のケアに奔走する日々が始まった――。しかし、急速に進行する認知症、介護サービスを拒絶する義父に翻弄され、やがて体力と気力は限界に。介護は妻の義務なのか? 夫の出番は? 最初の一歩から悪徳業者との闘いまで、超リアルな介護奮闘記!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

まだ遠いようで確実に訪れる可能性がある親の介護、しかも義父母の介護の奮闘を赤裸々に綴られている。
文面では到底推し量れないほどの苦境に立たされているのだろうと、どんよりした気持ちとそれでも立ち向かっている著者から勇気をもらえる。

著者の境遇も思考の一端を担っている。
夫と義父母との会食(義母の誕生日会)での、孤独感。
実の両親とは叶わなかった状況を想起し、悲しみに沈む。著者個人的な境遇による体験ではあるが、その心情に思い寄せることはできる。

著者が苦しい経験を経てそれでも介護に携わる理由、人生を見届けたいという使命感と好奇心。+創作意欲。
介護というとシリアスにまじめに対応が余儀なくされるし、介護疲れからの精神不調も良く聞く話である。しかし、著者のように一定の距離と客観性をもって接することがどうにか対応続ける秘訣の一つなのではないか。

希望があるとは言えない、でも何も向き合わず蓋をするより、愚痴や不平をぶちまけながら対処を続けることのほうが価値があると思える。

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2025年04月29日

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