あらすじ
★【推薦】寿木けいさん(遠矢山房オーナー・エッセイスト)「命知らずでシャイな男が人を、城を、街を動かした。知らない土地で女一人で古い家を買った私には、深く響きました。」
\ 年間維持費6000万!/
ハリウッドの映画プロデューサーが、ひょんなことから先祖ゆかりのイギリス北部の城館を復興することに。
ショパンが演奏し、バイロンが暖炉を寄贈し、ジョン・レノンがロックしたご先祖の館。ボロボロの城を修復し、街ににぎわいを取り戻すため、陽気なアメリカ男が立ち上がる!
待ち受けていたのは、カビ、崩落、侵入者、そして財政難──まさに廃墟同然の建物との格闘だった。
次々と襲いかかる試練を乗り越え、夢を実現しようと奮闘する、笑いと涙の感動ストーリー。
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【目次】
第1章 忘れ去られたホップウッド家
第2章 思いがけずに帰郷
第3章 ホップウッド・ホール
第4章 ハリウッドの日常
第5章 フロッドンの戦い
第6章 僕は「領主様」?
第7章 ホテルの救済者
第8章 ご近所さんと殺人事件
第9章 時は流れて......
第10章 決意
第11章 ホップウッド救出大作戦
第12章 お城への招待
第13章 貴族に会う
第14章 侵入者
第15章 中年の危機
第16章 村の助けが必要だ
第17章 火薬、反逆、企み
第18章 ロッチデールへの逃避
第19章 過去のクリスマス
第20章 ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンド
第21章 おばけ事件
第22章 レディ・T
第23章 一歩ずつ
第24章 ディスコ修道士
第25章 ライトアップ
第26章 クリスマスのサプライズ
エピローグ
訳者あとがき
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Posted by ブクログ
かつてショパンが演奏し、バイロンが暖炉を寄贈し、ジョン・レノンがロックした、様々なエピソードに彩られた館だが、後継者の息子が二人とも亡くなり、直径の子孫はゼロ。館は荒れ放題となり、お宝を狙って不応侵入者が入るものだから、ますます館は悲惨な状態に。
ひょんなことから、アメリカで番組制作をしてたホップウッドの末裔が、この城の事を知る。祖父と父を亡くしたばかりで消沈していた母を励ます目的で訪れたら「おらが街の領主様が戻ってきた!」と大歓迎。イベントに呼ばれるわ、やんごとなき方々と面会するわ、あのダウントン・アビーの製作者であるリアル貴族ジュリアン・フェローズとも面会。
なんとなく荒れ屋敷に責任感を感じたにわか領主様は、ボロボロの城を修復し、街ににぎわいを取り戻すために立ち上がる。しかし、自分の城を直すのに、いろいろと許可が必要であったり、途中で投げ出したら刑罰に処せられたりといろいろと理不尽が降りかかる。ましてや、昔の素材を使った修復も難しいし、修復技術を持った技術者も少ないため高額に。つまりは金がものをいう。そしてやはり、TIME IS MONEY!迷えば迷うほど資産もかさんでいく。
そんなこんなで困難ばかりかと思いきや、「これドラマ?」みたいな、土壇場の逆転あり、まさかの友情あり。もっと驚くことには、コロナ禍を越えて、このリノベプロジェクトはまだ続いているということだ。後書きまで必ず読むべし。平易で読みやすいお城リノベ実録記。
Posted by ブクログ
ハリウッドで暮らす映画プロデューサーが、ちょっとした趣味だった家系図サイトの閲覧から自分の先祖がイギリスに城を持っていたことを知り、すぐに訪問、やがて仕事を捨てて移住、城の修復に携わることになり…というフィクションみたいなノンフィクション。
陽気で不器用なアメリカ人の著者、歴史好きの元葬儀会社の老人ジェフ、口が悪いが腕は確かな修繕工ボブのトリオが中心となって話が進むのだが、みんなキャラが立っていて面白く読み進められる。
しかし朽ち果てて崩壊寸前の城の厳しい現実、地元の若者が侵入してさらに城を破壊したり、なにより莫大な修繕資金の調達という大問題があり常に綱渡りのような状態ではらはらさせられっぱなし。
最後には資金をある程度獲得して屋根を修繕し、整えた部屋で70年くらいぶりのクリスマスパーティーを開催するところで終わって明るい展望を予感させるのだが、あとがきによると地元区議会に著者に反対する勢力があらわれ、現在城への一切の立ち入りが禁止されてしまっているらしい。当然修繕は中断しているというショッキングな話がさらっと書いてあるのでびっくりした。読んでいる途中では、今はさらに修復が進んでいるんだろうな〜とわくわくしていたのでしょんぼり。
著者のXのアカウントをのぞいたら今は区議会と裁判をしているようだが、事がうまく進むよう祈るばかりだ。これを乗り越えて、また本を書いてほしい。
Posted by ブクログ
ワイン片手に家系図サイトをながめていた著者は、自分の祖先がイギリスのお屋敷(お城)に住んでいた事を知る。ポップウッドという珍しい名前だった事で、たどり着いたお屋敷だ。
以降、今では崩れかけたお屋敷を文化財としてよみがえらせようと、東奔西走する事になる。
イギリスとアメリカ、同じ英語という言語を使う国ではあるけれど、大英帝国の歴史とハリウッドのプロデューサーという立場は、まったく違う常識と価値観のようだ。ある意味、同じ言語でであることが余計に違いを感じさせるのかもしれない。
歴史あるものを大事に後世に伝えていこうと協力を惜しまない英国人。ようやく軌道に乗りかけた時に、コロナによる世界的なパンデミック。それを乗り越え、ポップウッド・ホールのリノベーションは続いているようだ。
楽しんで読んだ