村井理子のレビュー一覧
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極寒のアラスカの地。コーヒースタンドでアルバイトをしていた高校生サマンサ・コーニグが姿を消したのは二〇一二年二月二日のことだった。BFと喧嘩した事を知り、警察は最初、彼女が家出したものと考えた。だが、防犯ビデオの映像には、背の高い男が彼女を店内から誘拐する姿がはっきりと映っていた。
連続殺人犯イスラエル・キーズと捜査陣との攻防を描く。といっても、攻防と言える内容ではない。捜査陣が容疑者に翻弄されてばかりいる。まず、事件現場となったコーヒースタンドだが、翌日は何事もなかったかのように使用されている。犯罪につながる遺留品やDNAがあったとしても、きれいさっぱり洗い流されている。もともと、捜査に当たる側が事件性を考慮に入れなかったためである。
初手から失敗しているが、何とか容疑者らしき人間を確保した。しかし捜査陣の縄張り争いで、あまり上手くない尋問者が対応し、かえって自分たちが何も掴んでいないことを明かしてしまう。
犯人が自身の賢さに絶対の自信があり、犯行を誇る性格だったからよかったようなものの、そうでなければ何も明らかにならない。誇示するタイプは気味が悪い。対象を見つけるまで粘り強く、手術で意を小さくする。食べるわけではないのに、そのような事をするあたりが動物世界における捕食者と重なる。
彼は別人格の存在を示唆したため、矯正施設に入れられた。独房内で獄中死したため、疑わしい犯行は他にもあるものの、全ての犯行を明らかにできていない。 -
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ジェーンスーの介護未満を読み、この先もう少し見たいと思ってこの本取り寄せた 以前からウェブでの連載は読んでいたので、義父の厄介さや実子である夫が何となく逃げているさまは知っていたが、まとめてあるとまぁ何とも大変である 子供たちも大きいとは言えまだ高校生だし、仕事もあった上でこれか、しかも自分の親ではない 読んでいるだけで疲れ果ててしまう
様々な点で義父や世間からの女への扱いに焦点があたる ケアをしてくれる人が女か男かで当たりの強さが違う義父、嫁だから女だからといって自分の親の介護を任せようとする夫たち、そして痴呆により完璧な主婦でなくなってしまった義母に苛立ちを隠せない義父 介護現場において女性への風当たりは、そこにいる古い観念のままの老人たちによって、想像する以上に過酷なのだろう だから「介護現場には男性が必要」という言葉が出てくるのだと気付かされた 単純に肉体的な力が必要という意味だと今まで思い違いをしていたからだ
語り口は軽く、ユーモアにも富んでいて、なかなか壮絶な話なのに一気に読ませてしまう 最新の状況では義父母は別の施設に入るとのことで、またそこまでの話も本としてまとめてほしい -
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ネタバレハリウッドで暮らす映画プロデューサーが、ちょっとした趣味だった家系図サイトの閲覧から自分の先祖がイギリスに城を持っていたことを知り、すぐに訪問、やがて仕事を捨てて移住、城の修復に携わることになり…というフィクションみたいなノンフィクション。
陽気で不器用なアメリカ人の著者、歴史好きの元葬儀会社の老人ジェフ、口が悪いが腕は確かな修繕工ボブのトリオが中心となって話が進むのだが、みんなキャラが立っていて面白く読み進められる。
しかし朽ち果てて崩壊寸前の城の厳しい現実、地元の若者が侵入してさらに城を破壊したり、なにより莫大な修繕資金の調達という大問題があり常に綱渡りのような状態ではらはらさせられっぱなし。
最後には資金をある程度獲得して屋根を修繕し、整えた部屋で70年くらいぶりのクリスマスパーティーを開催するところで終わって明るい展望を予感させるのだが、あとがきによると地元区議会に著者に反対する勢力があらわれ、現在城への一切の立ち入りが禁止されてしまっているらしい。当然修繕は中断しているというショッキングな話がさらっと書いてあるのでびっくりした。読んでいる途中では、今はさらに修復が進んでいるんだろうな〜とわくわくしていたのでしょんぼり。
著者のXのアカウントをのぞいたら今は区議会と裁判をしているようだが、事がうまく進むよう祈るばかりだ。これを乗り越えて、また本を書いてほしい。 -
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ネタバレ村井さんの日記形式のエッセイというべきか、やっぱり村井さんの文章好き!翻訳家だけどエッセイ素晴らしい。あと小説も素晴らしい!巻末のメモリアル三姉妹、あまりミステリー好きじゃないんだけど、楽しくミステリー読んでる気持ちになれました。
今回のエッセイはとにかく涙、涙。最初の写真のページからハリーが亡くなるのは分かっていたのに、死にゆくハリーも、死んでしまったハリーに対する家族の気持ちも、そのあとの立ち直れない村井さんも、庭の草刈りしたらハリーのおもちゃが出て涙するなど思い出す姿も、とにかく何度も泣いてしまいました…ハリーへの愛が伝わってきて。
あとはやはり義父母の介護の話。読んでるだけで辛い…苦しい。介護って育児と違う…自分の親もしくは義父母が、認知症になったり、介護が必要になったり、性格が変わってしまったり…そのとき私は耐えられるんだろうか…村井さんの『義父母の介護』という本を読んだことがないので読んでみたいようで、怖いようで…だんなさんとの揉めや、だんなさんの気落ちもありありと伝わってきた。それでも淡々と事実を描き、かついやみっぽくなく、俺ならできると自分を奮い立たせ、介護も仕事も育児も家事もされていて村井さんすごい。次作も楽しみ。 -
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ネタバレ実は昔、日記みたいなブログをやっていたことがある。ほとんどアクセスのないサイトだったけれど、確か何年かやってたと思う。恋愛でジタバタしていた時期だったので、それはもう、振り返りたくもない文章を世に放流していた。ブログサービスすらない時代で、自分でMovable Typeを構築したり、その前はHTMLを書いてたくらいだ。なんならドメインも簡単なのを取ってた気がする。いろいろあって、サイトはもちろんなくなって、PCも入れ替えているうちにデータもどこかに消えてしまったはずだ。むしろありがたい。
文章を書くのが好きで、大したことがない日常のことをいろいろと書き綴っていたのに、書くことを仕事にしたら、趣味で文章を書かなくなってしまった。
やっぱり人が書ける文字数には限りがあって、どこかで書くと、どこかで書けなくなったりするのか、と、変なところで村井さんに共感した。
とはいえ、レベルは違う気がする。翻訳だけでもあれだけの文字数を書いたうえで、これだけの日記を書く村井さんのポテンシャルたるや。
日記というのは、その日にあったことを満遍なく書くよりも、どこか一瞬にフォーカスして切り取った方が面白い、とはなにかのテクニックでよく語られるけれども、今日一日を振り返っても「近所のスーパーで売ってる、食パンの耳ラスク(私のお気に入りおやつ)を大事に食べてたはずなのに、だれかが勝手に食べてて大変なショックを受けている」くらいしかフォーカスポイントがなくて、そのことにショックを受ける。
美味しいんだよ、食パンの耳ラスク。糖と脂です。
自分の日常を飽きずに読めるものとして仕上げることは尊敬しかない。
今回の日記では、愛犬が亡くなるという出来事とどう向き合っていったのかも書かれていて、誰かのこういう感情に触れる機会はなかなかないので、貴重な機会だったなと思う。 -
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タイトル的にはだいぶ ふざけてる感じなんですけど、 最終的に目標は ふざけてる感じ もするんですけど、一つ一つのプロセス、ヤギに に対する 掘り下げとかは意外に 科学的アプローチをたくさん使ってるので とっても興味深いんです。
そこがイグノーベル賞を取ったこの作家の力量というか 才能と言うか、、、人間て何だろうなと思います。この人、こういう感じで生活していけてるのか?
冒頭はかなり、あやしげな話ですが、普通に面白いです。
もやっとした時に読むと脳がほぐれていいと思います。 彼に出会って協力した人も、なんかわけわかんないと思ってたんだろうけど、そのちょっと引き気味の感覚っていうのも シュールでいいんだろうなと思います。
前に読んで興味深かったので、思い出しの感想。