あらすじ
家族が認知症になった。悪気はない。それでも周囲に迷惑をかけてしまう。家族以上に戸惑い、苦悩しているのは本人なのではないか。いろんな事件が起こる認知症当事者と家族の日々。
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Posted by ブクログ
わあ…認知症側の人からの視点はこうなんだね…悲しい病気だな。老いること、認知症になるってこういうことなのか…。認知症は大好きな人を攻撃してしまう病、全て病気がさせてしまうことだなんて。もう一気読み。今まで読んだ村井さんの本の中で一番良かった。
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あっと言う間に読んだ。
心を尽くして接してきたつもりだけど、相手がどう思っているかなんて、あまり考えてなかったから新鮮でした。
現在介護を頑張っている人、いずれ誰かを介護するだろう私達、そしてこれから介護されるだろう私達。
みんなの本だなーって思いました☆
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そうか…認知症の人はこんな目線なんだな…
そんな気づきをくれた本
わかっちゃいるけど…
家族が認知症になったら
なかなか冷静に受け答えできないんだよね…
ついついイライラしちゃってね…
そんな反省をしつつ読みました。
あとがきにあった包括支援センターの職員さんの
「認知症はね、大好きな人を攻撃してしまう病なんですよ…」
という言葉が本当に心に刺さった~
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リコさんのブログを15年くらい前から
読んでる身としては、家族が老いていく、
病のせいで『家族だから』が、『家族なのに』
になってしまう悲しさ。
決して他人事じゃないし、もう介護してる
友人もいる。て思うと身につまされる。
パパゴンと、パパゴンの浮気疑惑には笑った。
んなわけあるかー!て。
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筒井康隆の小説みたいな怖さがある。。最初自信満々だったお母さんが後半どんどん弱気になっていくのが興味深い。これは、本人としても周りとしても、どうしたらいいんでしょうね… 確かに、自分の周りで不可解な出来事が続出したら何か解釈をするし、自分でできることは何とか自分でやりたい・できることを見せたいというところはあるだろうから、本人の身になって考えればわかるような気もするような… ただ、こういう状況になるんだという知識があるだけで違ってくるものはあるのではないか、という気もする。どうなんだろうか。
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お義母さんが認知症になり彼女の視線で書かれている
実際の感じ方・受け取り方を知る事が出来た
家族の事を信じる事が出来ないのに詐欺師の事は簡単に信じてしまう事があるなんて…
接し方が難しいと思った
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認知症になった義母の立場になって書かれた小説。
「事実に基づいて書かれ」たものらしい。
ほとんど意思の疎通ができなくなった母が、まだ動け、話せた頃にこれを読んで、もっと母目線で物事を見れば良かったと思う。今も全く間に合わないわけではないのだが。いつもいつも後から気づく。
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認知症の女性本人の視点から描かれている小説。
夫も子どもも支援の人も、みんな偽物だったり、だまそうとしているように感じる。
押し売りは信じて請求書にサインしちゃうし、病院では質問に答えようと葛藤するうちに記憶が混濁する。
ああ、これがすべての人に待ち受ける未来なのか。。
巻末の言葉で
認知症はね、大好きな人を攻撃してしまう病
と紹介があり、暗澹とした気持ちになった。
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認知症の本人からの様子、なかなかに気が重くなる内容だった。
家族のために家事をしていたはずなのに、夫を大切に思っているのに、
嫁や息子の立場でもしんどいが夫の悲しみもかなりだろう。
そして本人の混乱ぶりが、あーこんなふうな思考になるのか、、と。
やばい。自分が認知にならない保証はない。じょうずに老いて、上手に死にたい。
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認知症になると、こういう考え方になるのかもと思った。自分の中では、きちんとした理由があってやっているのになんで?どうしてわかってくれないの?どうしても思い出せないけど、とか、あの人は嫌いだとか、あの人は絶対いい人だとか。
自分もいつの日か認知症になってしまうかもしれないからこそ、読んでよかったと思う。
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認知症になった義母視点で書かれているのが面白かった。そして怖かった。義母を理解してあげようと思っていないと、こんなふうに書けるものではない。また理子さんの性格に加えて、嫁という立場上、ある程度冷静でいられるのもあるのかもしれない。
面白いのだが、毎エピソード急に怖くなったりしながら読んだ。浮気を疑い、嫉妬して怪我させたり、詐欺に騙されてしまうのは本当に困る。
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認知症の人は、こんな風に感じているのだと、想像できた。本人目線から書かれる文章は初めてだった。目から鱗だった。視野を広げてくれたこの本の作者に感謝したい。
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「この物語は事実に基づいて書かれています」
プロローグの前に記載されたこの一行が読んでいる間、頭から離れない。
認知症になった80代の女性の視点で書かれた本作は、当事者の不安と恐怖がダイレクトに伝わって来て様々な感情が押し寄せる。
中でも一番強く感じたのは悲しみ。
認知症を患った本人は勿論の事、彼女を支える家族や介護士、誰一人として悪い事をしていないのに病気が「全員悪人」と思わせる。
嫌な記憶が薄れて行くだけならどれ程良いか。
猜疑心が高まり愛していた家族をも憎む。
やり切れない思いになるが他人事ではない現実を感じた。
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著者の義母の視点での“実話”だそうです。
私の母もそろそろ認知症の影が忍び寄ってくるお年頃で、本人も気にしている様子。もしもの時のために、認知症の方とその家族の暮らしを知っておきたいと思って手に取った本です。
実際に母が認知症になった時、この本のことを思い出せるといいな。認知症になった本人がどんなことを考えて、何が見えているのか、不安な気持ちなどに寄り添い彼女の尊厳を守れるようになりたいです。
認知症を心配する母に「ボケたもん勝ちだよ」なんて言ってしまいましたが、そういうわけでもないんだな...本人も辛いんだね。
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認知症の人の目線で描かれた小説というのは珍しいのではないかと思うが、そこは読者にも理解できる程度の論理的思考は残されている(でないとそもそも一貫した本にはならない)ので、あくまでもそういう体裁の小説である、というにとどまる。
背景にある「認知症の人の発言に対して否定しない」等のケアの基本的な考え方が小説を通して描かれているとも読める。
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認知症の義母、鬱病の義父を翻訳家・エッセイストである著者が別居サポートするようすを、義母目線で綴った異色の作品。
認知症という個人差の大きな病気を持つ人を主体的に描写することなどできるのだろうか、本人の尊厳を踏みにじることと紙一重なのではないか、などの心配は全くの杞憂であった!
「私」(=義母)の日常に現れる数々の「悪人たち」とそれに翻弄される「私」の怒り、戸惑い、不安、、、
老いることの自認と事実の狭間でさまよう認知症老人の苦悩を、持ち前の雑さと極上のユーモアで痛快にさばく「あの子」(=息子の嫁、著者)のふるまいや視座からは、義両親への深い愛情と尊敬の念が感じられる。
認知症患者に日々敬意を持って接することがどれほど大変なことかは経験者でなくても想像に難くないが、子育て・執筆活動・別居介護の3足の草鞋で日々を爆走しこの本を書き上げた著者の胆力…
章が進むとともに「私」の症状も刻一刻と変化していく。この時間と症状経過の描写がまた秀逸で、介護する側の難しさと被介護者の苦悩それぞれが染み入るように鮮やかに感じられた。
心がギュッと苦しくなる、先の見えないトンネル。
祖父母の介護を終えふたりを立派に見送った父も、その嫁であった母も、このトンネルの中にいただろうか。わたしは何ができただろうか。来たる介護の日々に何ができるだろうか。
半フィクションとはいえ介護される側の視点から語られる他人さまの老後生活を覗き見ることで、我が身を振り返るよいきっかけとなった。
さながら現代日本のイソップ童話である。
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認知症の本人目線で日常が語られる
怒り、不安な気持ちの描写が多く、楽しい気分の描写が少なくて辛くなってくる
自分や両親も含めた家族も、認知症になってしまう可能性があると思うと、他人事として読めなかった
自分が認知症になってしまっても毎日機嫌良くいられるためにはどうしたらいいんだろう?
自分の身近な人にも読んで欲しい本
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普通に出来てたことが、出来なくなってましまう悲しさ。プライドを踏みにじられたと思い、募る他者への怒り。老いるとは、想像していたよりもずっと複雑でやるせなく、絶望的な状況だ。
彼らの味方でいたいものです。
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認知症になった本人の目線で、今思っていること、見ているそのままのことを正直に語っている。
とてもリアルに表現していて、でも悲壮感がなくて思わずクスッと笑えしまう場面もある。
「あれっ、ちょっと変⁇」と気づいてくれる家族が近くにいるということは、大事だなと思う。
高齢になってくると突然出来なくなることが増えてきて、とても不安になり、恐れや苦しみに変わっていく。
そして悲しくもなり、プライドを踏みにじられたと思い、怒る。
老いていくということは、想像していたよりもずっと複雑で、やるせなく、絶望的な状況だと…。
わかっていても無理難題を言い、攻撃的になる相手に普通に対応はできかねる。
家で面倒を見ている家族に頭が下がる思いだ。
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認知症になった義母の目線で書かれている。
夫は偽物でロボット。名前は「パパゴン」。
リモコンでパパゴンの額を打てば本物に変わる。
p38〈そうだった。驚いた。私は八十歳だそうだ〉
認知症だとは思っていない彼女の言葉が悲しく、そして面白い。
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書名全員悪人とはどういうこと?と疑問に思い手に取ったのが読むきっかけでした。
客観的に状況を見られなくなってしまい、周りの人たちを敵と考えてしまう、だけども本人にそれを気付かせる術がない、周りは疲れて呆れる、でもそばにいて見守らないといけない。
私や私の家族にも、いつかくるであろう状況をお母さんの立場で先行体験させてもらったように感じました。
その後母の声が聞きたくなり、電話をかけました。
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認知症を患ってる方の視点で書かれた本です。読みやすくてあっという間に読み終えました。
そんな風に捉えてしまうのかと読んでいて、驚きました。クスッと笑える部分もありましたが、読みすすめるうちにせつなくなりました。やっぱり本人が一番不安や戸惑いを抱えているんだと感じます。
いつか自分が、いつか自分の周りの人が、そうなるかもしれないと考えると他人事とは思えないです。相手の立場で考えてみることの大切さがわかる気がします。
Posted by ブクログ
認知症の本人の視点から展開するお話
こんな風に感じているのか…
辛すぎる
誰も信じられない
自分のことすらも…
大切な家族がこうなった時、自分はめげずに支えていけるだろうか…
もしも自分が認知症になったとしたら…
間違いなく読んで良かったと思える本に出合った
Posted by ブクログ
1時間もしないうちに読み終えた。
あまりの短さにやや拍子抜けしたけれど、アタマの痛い現実であり、恐ろしい話だと思った。
もともとプライドの高い人や、努力家は、高齢者になるとそのギャップが受け入れられなくなりそう。
さらにこの女性は、既に90歳に近い夫に対しても、浮気していると常に疑っている。そういう感情もにじむのかと、改めて怖くなった。
当初、作中に出る呼称、あなた、が誰を指すのかなかなか分からず。
作者の村井さん≒あなた、なんだと理解してからは読みやすくなった。
先週亡くなった私の祖父は、96歳で認知症らしいものはなく、聡明なままだった。
社会の動きにも敏感で、周囲の人間の様子にも興味を持っていたが、体や気力の衰えは大きかった。それを本人が自覚できる分、別の苦しみがあったかもしれない。しかし昨今では、稀有なケースなのは間違いない。
認知症とその周囲について、誰しも無縁ではいられないだろう。近親者の中に見るべき近未来、自分の中の来るべき未来、と思うと、この本はとても他人事ではなかった。
Posted by ブクログ
認知症の本人にとっては周りから責められて、悪いのは自分と思ってしまう所とか、なんとも切ない。
周りの人達も当事者を責めたいという訳ではないのに、お互いに攻撃し合ってしまうのが、とても心苦しい。
Posted by ブクログ
3年程前に亡くなった義母が一時期こんな感じで過ごしていたのかもと思った。周りの人と言うより同居の嫁だけ。あとがきの言葉が心にしみた。大好きな人を攻撃してしまう病なのだと。
Posted by ブクログ
そう遠くない将来に家族、そして自分にも起こるかもしれない認知症。その当事者目線の語り口は斬新であり、ドキュメンタリーよりも参考になりました。頭の中はそうなってるのかもしれないですね。。
Posted by ブクログ
八十歳の私。歳はとったけれど、まだまだしっかりしています。最近家に知らない女の人がやってくる。お父さんはでれでれしている。気に食わない。あの人は悪人。この人も悪人ーーー。
認知症当事者の女性の視点から描かれた日常の小説。語り口は軽く、時としておかしみすらあるのに、その内容は切なく、辛く感じた。本人の頭の中では、本人の言動に理由や理屈がきちんとあるところが、リアルだった。やるせないけれど、向き合って行かなくてはいけないテーマ。