村井理子のレビュー一覧

  • 未解決殺人クラブ~市民探偵たちの執念と正義の実録集

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    集合知によって未解決事件を追う素人探偵たちは、時に警察官の捜査能力を上回り、未解決事件に一筋の光をあてる。
    一方、文責を負わない素人探偵たちが暴走した時、事件に無関係の人が犯人にされたり、警察の捜査に大いなる支障をきたすという、負の側面もある。
    インターネット、そしてSNSの登場により、誰でも容易に探偵になることができる恐ろしさを教えてくれる一冊である。

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    2024年01月22日
  • はやく一人になりたい!

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    なぜか淡々と胸を打つ 村井理子さんのエッセイは3本目。
    本作も、これまでに読んだのと同様に淡々と過去を、当時の心情を綴り、思いを書いている。
    エッセイは、くだらない内容を書き殴ったものから(たとえそれが賞を受賞している作家でも!)しんと胸に沁み渡り、折に触れて読み返したいものまで様々だ。
    理子さんのエッセイは私にとって後者だ。つまずいた時にぱらりとページを開き、読み返すことでよし、また頑張るぞと静かに決意できる。

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    2025年12月18日
  • 家族

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    一つの家族の在り方として すでにない家族と著者の関わりを、著者の幼少期の思い出から辿っていく。
    自身の今の家族はあれども当時彼女を育んだ家族はもうどこにもなく、それに対する淡々とした慕情のようなものを感じる。
    破綻した家族であっても、やはりそこに血のつながりがあり、多少なりとも楽しい思い出があるとき、人は完璧な理想ではなくともその家族に、在り方に懐かしさを、感じるのだろう。

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    2025年12月18日
  • 兄の終い

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    人生を終う ほとんど縁が切れていた兄の突然の死とその後始末。
    なかなか体験できることではないし、体験談として聞くこともないだろう。
    わずか数日で火葬からアパートの片付けに奔走する著者と兄のもと奥さん。
    やはり普段から死を意識して生活することは必要かもしれない。

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    2025年12月18日
  • 実母と義母

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    今回の装丁も素敵
    見やすいタイトルと明るい色にイラストが入った表紙

    村井理子氏の本やブログを読んで家族との関係性はわかっていたつもりだった
    しかしこれでもかと言うくらい義母からの呪いが結構しんどかった

    衝突して、干渉され、批判されてきた義父母の介護をこなしているリコ氏に「すごいな。なかなかできることではないよな」と頭が下がる

    最後の章・今は亡き母へ、今、目の前にいる母へ より
    「生きていてほしかった。今だったら、実母にしてあげられることがたくさんある」
    「だからこそ、目の前にいるもうひとりの母を、最後まで見つめていこうと考えている」

    実母との距離を取っている自分は、こんな気持ちになれる

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    2024年01月03日
  • 射精責任

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    女性の妊娠から出産に至るまでのリスクについて。性行為について「危機回避する」には男性の方が低リスクで高リターンなのに、社会的にも女性側にそのリスクがより高く背負わされていたり、ケアが蔑ろにされている現状を鋭く批判する。
    堕胎の話では、女性に責任があるような論調が繰り広げられがちで男性は不在になりがちである。
    前述の通り、より避妊が低コストで容易な男性側の責任について「射精責任」という言葉で迫る。

    一個一個はうっすらと理解しているつもりでも、このように対比され整理されると、性行為のリスクについての負荷、リスクヘッジのアンバランスさについて考えさせられる。

    書籍にのつくりについては、キャッチー

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    2023年12月30日
  • 射精責任

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    『射精責任』

    赤の表紙にデカデカと書かれたゴシック体に、男性はビビリ、女性は我が意を得たり、と、大きく頷くのではないだろうか。
    私は、このまるで古来からあるような説得力ある四文字熟語をはじめて見たとき、いろいろ腑に落ちた。
    もちろん、この言葉は古来からあるわけではない。

    今までは、望まない妊娠の責任は妊娠させられた女性のほうが負ってきた。今までは。

    アメリカでは妊娠中絶に反対するプロライフ派と、女性の妊娠中絶に賛成するプロチョイス派が激しい舌戦を繰り広げている。
    そこに、そもそも論を持ってきたのがこの本の著者ガブリエル・ブレアである。

    ‘’そもそも、妊娠の始まりって男性の膣内射精ではな

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    2023年12月22日
  • 全員悪人

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    認知症になると、こういう考え方になるのかもと思った。自分の中では、きちんとした理由があってやっているのになんで?どうしてわかってくれないの?どうしても思い出せないけど、とか、あの人は嫌いだとか、あの人は絶対いい人だとか。
    自分もいつの日か認知症になってしまうかもしれないからこそ、読んでよかったと思う。

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    2023年11月25日
  • いらねえけどありがとう

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    ネタバレ

    名言だと思ったところ。

    P5「挑戦を恐れるな。古いものにしがみつくな。無洗米の奇跡を忘れるな!」

    P96「完璧な母、完璧な主婦なんて、もういいのだ。私は自分自身のために、完璧に楽しい人生を送ることを目指す。」

    村井理子さんの文章を読むの、大好きです。



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    2023年11月21日
  • はやく一人になりたい!

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    著者の文章が好き。
    ポンポンとリズムよく読めて、
    ときに笑えて、
    ときにしんみりと胸に沁みる。

    滋賀愛、ご夫君、子供たち、ハリー、という家族への想い、
    そして、もうみんな亡くなったご実家の家族への想い。

    どんなに明るく語られようとも、
    胸の奥にある、人柄のあたたかさ、優しさ、哀しみが
    滲み出てきて、読むと胸にジンとくる。

    これからの作品もとても楽しみ。

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    2023年11月21日
  • 実母と義母

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    冒頭、義父母に兄を会わせたくなさそうな空気感に
    『兄の終い』と『家族』で知ってる"兄"を思い出し
    胸が苦しくなった。会ったこともない人なのに…

    また何度も読むんじゃないかと思わせる一冊

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    2023年11月14日
  • 実母と義母

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    実母と義母は対抗心があり相手の行動に焼きもちを妬いたり嫉妬したりと聞くが、この物語のお二人は良好関係のようで良かった。
    義母は息子が結婚したことで娘ができたようで嬉しかったのではないだろうか?世話を妬いたり一緒に行動したりしたかったのだと思う。ただ、ちょっと度が過ぎただけ。義母と同じ立場になって考える事ができたなら感謝する事ができたのではないかと思う。

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    2023年11月12日
  • 全員悪人

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    認知症になった義母視点で書かれているのが面白かった。そして怖かった。義母を理解してあげようと思っていないと、こんなふうに書けるものではない。また理子さんの性格に加えて、嫁という立場上、ある程度冷静でいられるのもあるのかもしれない。
    面白いのだが、毎エピソード急に怖くなったりしながら読んだ。浮気を疑い、嫉妬して怪我させたり、詐欺に騙されてしまうのは本当に困る。

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    2023年09月21日
  • サカナ・レッスン 美味しい日本で寿司に死す

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    キャスリーン・フリンと訳者村井理子コンビの本を読むのは2冊目。
    前作『ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室』が日本でテレビ番組から出演依頼が来るほど評判になり、来日したのが2017年4月のこと。当時のイベントで村井さん(ハリー君も)と初対面した著者が「魚をテーマにした本」の執筆を編集者に依頼されて、できたのが本書。築地が閉鎖され豊洲に市場が移転した2018年秋の数日間、著者が体験した「サカナの話」はどれもこれもふつうの人は経験できないくらい特別なできごとで、私自身のサカナの記憶を懐かしく思い出しつつ楽しく読みながらも、出版から4年の時が経ち、先日原発の“処理水”が海洋放出された事で今の私はす

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    2023年09月10日
  • いらねえけどありがとう

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    ネタバレ

    「子どもの問題はすべて母親の責任という風潮がどこに行っても追いかけてくるこの社会で、当の子どもにさえ疎ましがられ、家庭のなかで孤立し、それなのに家事だけは完璧に行うように期待され...」に首がもげそうになるほど頷きまくった。

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    2023年09月02日
  • 家がぐちゃぐちゃでいつも余裕がないあなたでも片づく方法

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    ネタバレ

    シャワーを浴びたくない時、歯磨きすら困難な時、どうしたらいいのか
    何週間もベッドの上で過ごし、もつれてしまった髪をどうすればいいのか
    家だけでなく心までもぐちゃぐちゃで、何をすべきか、どうすべきか、困り果てて、疲れ果ててしまった人に、優しく寄り添って手ほどきしてくれる本

    全てを人に言われるように、完璧にやらなくてもいい。身の回りのことは、自分のためにやること。
    フリースのパジャマ、スエットパンツ、下着、ジム用の半ズボン。別にしわくちゃでも全然良い。しわにしたくない服だけ畳んだり、ハンガーにかけたりすればいい。
    この考えを読んだ時に、心がとっても軽くなった。目から鱗だ!世紀の大発見だ!

    「部

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    2023年08月30日
  • ふたご母戦記

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    さすがに村井さんの文章は面白い。
    双子育児、ホントに大変そう。
    なのに軽やかにスルスル読んでしまった。
    個人的に思ったのは、義父母との関係。
    それだけ干渉されながら、この程度の記述で済ませているのがオトナすぎる。

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    2023年08月16日
  • 全員悪人

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    認知症の人は、こんな風に感じているのだと、想像できた。本人目線から書かれる文章は初めてだった。目から鱗だった。視野を広げてくれたこの本の作者に感謝したい。

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    2023年08月01日
  • 家族

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    かつて確かにこの世に存在していたとある家族の鎮魂歌。村井理子さん、トーマス・トウェイツの翻訳では読んでいたが、ご本人の文章では初めてだ。面白かった。

    人からは平凡といわれる人生でも、当事者にとってはそれぞれがドラマチックでかけがえのない人生なのだ。その事実に改めてはっとする。だから、理想的な家族であることも実はそんなに大事ではなくて、傷つけあいながら、背を向け合いながらでも、それぞれの形で共に同じ時空間を生きた事実の方がむしろ大事なんじゃないか。原家族という共同体を、そのままの形で肯定することで自分自身をも肯定しようとする作品のように感じた。カサヴェテス『ラブ・ストリーム』を思い出す内容だっ

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    2023年07月25日
  • 消えた冒険家

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    何がつらいって、逆縁ほどつらいものはないではないか。父は息子を愛し、息子は親の手の届かないところまで成長していく。それは嬉しくもあり寂しくもあり…ただでさえ複雑だけれど、それが生命まで賭けられたものとなると。父と、子の成長の話としても読める。

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    2023年07月23日