あらすじ
実兄の突然死をめぐる『兄の終い』、認知症の義母を描く『全員悪人』、壊れてしまった実家の家族について触れた『家族』。大反響のエッセイを連発する、人気翻訳家の村井理子さん。認知症が進行する義母の介護、双子の息子たちの高校受験、積み重なりゆく仕事、長引くコロナ禍……ハプニング続きの日々のなかで、愛犬のラブラドール、ハリーを横に開くのは。読書家としても知られる著者の読書案内を兼ねた濃厚エピソード満載のエッセイ集。
「本は私が必要とするその時まで、じっと動かず、静かにそこで待っていてくれる。人間は信用できない。信用できるのは、本、それから犬だけだ」(本書「はじめに」より一部抜粋)
以下、目次一部
突然死した兄の汚部屋の饒舌さ/本とともにやってきたはじめての本気の恋/お弁当時間、女子中学生の憂鬱/金色の目をした黒猫の残像/母の葬儀は、本人希望のレディースセット/十回目の三月十一日に愛犬の横で流す涙/焼酎4リットルパックが伝える兄の最期のメッセージ/実家から去っていった大切なペットたち/中学三年受験生の悩める母の夏/夫の両親に贈った大型テレビの行く末/仕事のやる気スイッチを押した最恐物件/四十代とは違う五十代の本当の恐ろしさ/流れの速い川を進む兄と、母の叫び声/認知症進行中の義母の舌に残る菓子の味/実兄よりも兄として慕った音信不通のままの男性/義両親と過ごす修行を経て戻った大好きな正月……他、全40章。
感情タグBEST3
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同世代の彼女がここまで的確に私の気持ちを表現してくれてるような、わかる!と思いながら読み進めた。村井理子さん、やっぱり大好き。なぜ人気なのか納得。癒されて、勇気ももらえた。おわりにで語られる本についての文章は圧巻!何度も読み返してます。大切に取っておきたい一冊。
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家族のことを少しドラマチックに買いて盛り上げる要素を出しているようにも思ったが、その一方で文章力がしっかりしていて読んでいて全く飽きなかった。
特に著者は同じ年なので自分の父の思いと著者の父の思いが重なり泣かずにはいられなかった感動作。
今後もこの著者の本を読んでいきたい。
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村井理子さんの本は初めて読んだが、語彙力の豊富さからくる言葉の選択が絶妙ですっかりハマってしまった。比較的作者と年代が近いため余計に頷ける内容が多かったかも。ぜひ2冊目を読んでみたい。
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ページをめくらせる推進力のある文章で、読み終えるのがもったいない!という気持ちとともにぐんぐん読み進めてしまった。
毎回おすすめされる一冊も興味をひく見事な紹介文で端から読んでみたくなったし、特に気になった書籍はポチッと購入してしまった。
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初めて村井理子さんの本を読みました。
エッセイ+本の紹介という内容でしたが、読みたくなる本が多かった。エッセイ部分もあらゆるところをさらけ出していて、面白かったし。
犬好きな方なので犬関連の本の紹介も多かったです。
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人生のピークは遅いほうがいい
ヨシタケシンスケさんの言葉を村井さんが引用したものだ。
そうだよね?やっぱりそうだと思ったんだーと心の中で拍手をする。
村井さんファンになって浅い私も2冊目を読み、益々読んでいて心強さを感じるほどのファンとなっている。
何か一つ、これというものを心に持っているのっていいですよ!
自分を見失わない私の暗示はきっと“英語”だと思う。
好きがこんなに長く続いているのはもはや呪文だ。
そんな村井さんが安心と心地よさを感じ、コーヒー片手にゆったりとソファに座って隅々まで楽しみたい柘植文さんの本(をはじめ、積読増加!)。
楽しく年齢を重ねる人は、1人で動くのが上手だと言う。それなら任せて!と言う気持ちだ。
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翻訳家、村井理子さんのエッセイ。
そうそうわかるわかるという感じであっという間に読み終えた。エッセイにちなんで紹介される本も興味深い。
著者は両親と兄を見送り、夫と共に義父母の老いにつきあい、子育ても仕事もと、盛りだくさんの日々。自分の体調の変化もある。大忙しの自分とうまく付き合う方法をみつけることは大事だなということも教えてもらった。
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うそをゆうことは、あたまをつかわないかんぐるいさせじそと、なんか、たてき、ごと?ことかいしやくって、いわねども、まだまだなんか、なんきんかんあるかなあ、ありまなの、ささくど、あるかいなあ、ありありほけん、せけんの、ささきの、ふりんきようていでも、こうかおんきよう、じびよう、ぴあにすちの、はんきてい、ささこぶの、はんざい、ささふりんぶざまもじいるに、かまい、ちやらかし、はんざい、しんりがく、きようていになるので、あばいぎやるどに、ささの、もぬけ、ふかはりんなんききつんだし、まつもとのりこてき、まつとうやだめ
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料理に心底疲れきった絶望感の話は少し共感。
著者の村井さんと年が近ければ近いほど『うんうん、わかる』ってなりそうな1冊。
ご家族の話(特に父とお兄さん)はヘビーすぎて読むのやめようかと思ったのだけど、読み進めば進むほど、村井さんが読んだ本の感想が気になりだす。もう気になってしょうがない。止まらない。気付いたら最後まで完走。
本との出会いって一期一会だと思うんですよね。
この出会いを次につなげる。
そんなバトンを託すような書き方が私は好きです。
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村井さんの文章、言葉選びが好きだなと感じた。村井さんの訳書も読んでみたい。
同郷なので「わかしだ」の懐かしさたるや。
誰しもが一度はわかしだに載りたいと思っただろうなあ。
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何かで紹介されてて初読みの作家さん。翻訳家だそうだ。50代になり自身の病気や兄の死や義父母の介護や子どもの受験やいろいろな課題を抱えながらの日々を綴ったエッセイ。最後に本の紹介がある。こういう本を紹介するような本は読みたい本が増えちゃうのでほんとは読みたくないけど、やっぱ読みたい本は増えた。犬にそこまでの愛着はないけど、子どもの頃親にペット達と不条理に離された話は本当に気の毒だった。アルコール依存症のなせることだったのか。兄の死の話は田口ランディを思い出した。介護の話はほんと他人事ではない。この人自身の本も予約したわ。
Posted by ブクログ
村井理子さんのエッセイを何冊も読み
本から得る情報で、ご家族のことも知ったつもりでいる。
だからなのか、息子さんたちも大きくなって、と
親戚のおばちゃんになったような気持ちだ。
そして、親の介護、人付き合いの難しさ
わかることが満載。
村井理子さんと関わりがあり連絡が途絶えた方達が
このエッセイ本を手に
楽しい思い出として笑ってくれたらいいな。
そんなことも考えてしまう。
紹介されている著書の中から
気になる何冊かを読んでみよう。
Posted by ブクログ
短いエッセイにそれぞれ本が一冊紹介されている。どこからでも読めて気楽な一冊。読んだことある本は瀬尾まいこ「そして、バトンは渡された」だけだった。
気になる本をメモ
家族の味 平野レミ
イン・マイ・ライフ 吉本由美
中年女子画報 柘植文
Posted by ブクログ
不思議な温度感の作品だった。
著者の人生や日常生活のエピソードと、それにリンクした本が紹介されているのだけれど、そこに良い意味でギャップを感じるというか。
本人のことを知らないからだけれど、語られるエピソードはどこか哀愁を感じるというか、少しの物悲しさ、あわれさを含んでいるように思うのだけど、紹介される本はどれも面白味を多分に含んでいる印象。
それは著者にとっての「本」というものが、生活の延長線上にあったとしても、寄り添った後にそこから抜け出せてくれるというか、束の間の逃避を与えてくれるか怪我のないものだからなのかなと勝手に感じた。
”本は私が必要とするそのときまで、じっと動かず、静かにそこで待っていてくれる。人間は信用できない。信用できるのは、本、それから犬だけだ。”
また、『自分の言葉で書き残すことへの執着』というエピソードで書かれている、著者にとっての文章を書くということへの覚悟は、とても強烈に心に残った。
読んでみたい本もたくさんあったし、自分が読んだことがある本が紹介されてると嬉しくなった。まずは『三行で撃つ〈善く、生きる〉ための文章術』を読んでみよう。
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読書日記は誰が書いたものであれ私にはとても興味深い参考書になる。
短いけど、しみじみと人生が詰まったエッセイと、馴染みのある本、ない本の紹介が絡み合った一冊。
あれも読みたい、これも読みたいがまた増えてしまったよ。
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村井さんのエッセイ➕読書のすすめ、という短いエッセイがたくさんある。本にまつわるエッセイなのだが、その短い中でエッセイ9割って感じなので、読書エッセイという感じがあまりしない。それでも読んでみたいと思う本が何冊もあった。村井さんの文体がやはり好きなんだなと実感した。実の両親、兄、義父母(あまり出てこないが)はやはりいろいら大変だったんだな、というエピソードも多かった。
冒頭のはじめに、の村井さんがこどものころの読書にまつわるエピソードがすごく素敵だった。私も読書が生き甲斐なので、本が人生に寄り添い伴走してくれる存在というには激しく同意。自分の子供達にも、読書が好きだが、これから先もお守りになるような、その世界に入って楽しめるような本に出会っていってほしいと思った。
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今回初めて村井さんのエッセイを読んだ。
結構ダークな幼少期を過ごしていらっしゃったのですね。
「一生に一度、出会えるかどうかわからない物語を手に入れたときの感動を、是非味わってほしい」という言葉から、本との出会いでこれまで沢山救われて来たのかなとも感じる。
その証拠に自分の過去の出来事とリンクしている本を選ぶチョイスもさすがです。
Posted by ブクログ
『本を読んだら散歩に行こう』
春風駘蕩なタイトルに惹かれて読みました。
読んでみると、のんびりとした穏やかな印象とは全然異なり、筆者の壮絶な人生が描かれていました。
急死した兄の汚部屋の片付けをした話。
昔飼っていたサムというワンちゃんを母親に捨てられた話。
認知症の義母の介護の話。
人それぞれ色んな人生があるなと思いながら読みました。
印象に残った言葉は
「私にとって、書くことが生きること」です。
自分の想いをこの世に遺すぞという、
信念を感じました。
Posted by ブクログ
読みたくなった本が何冊かあった
「自分が年齢を重ねることで、世界が変わるのは祝福でもあり、楽しみでもあるだろう」
家族との確執、親の介護、子育て、仕事と
心わずらわされることが多い中、本はそっと隣で待ってくれている、、、!
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本の紹介だけど、エッセイ部分の方に比重が傾いているのであまり紹介されている本の方は記憶に残らなかった。おわりに書かれている本とはどういう存在か、ということがとても良かったな。
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自己啓発本ばかり読んでいて疲れたので、エッセイを手に取った。
本を読んだら散歩に行こう、というタイトルの直接的な回収はない。けど、「ずっとやりたかったことをやりなさい」にあったように、散歩に出ることで、つながり、閃きが生まれる。この著作のタイトルでも似たようなこと(本を読んで、散歩すると記憶が呼び起こされる)ということが言いたいのかなと思った。
それぞれのエピソードにジャンルの幅広い本を紹介されているのが面白かった。料理やインテリアなどの本が多めで、エピソードを踏まえても暮らしを大切にしている人なのだと感じられた。自身の老いや親の介護に奮闘されている著者の話、あと10年後にもう一度読みたい。
それにしてもエッセイは面白い、一見大したことないような日常をも切り取り、言葉に残してくれる。自分の人生も山あり谷ありだけど、こうして言葉に残せる力があったらいいなと思う。自分も書き残してみるか、エッセイ!と思えた書籍だった。
Posted by ブクログ
翻訳家によるエッセイ+本の紹介。
エッセイ自体は介護や兄の死など暗く、文体は割とかため。
紹介している本は文庫本や外国の本、料理の本からインテリアの本など幅広かった。
Posted by ブクログ
本に関連付けたエッセイなのか、エピソードから本が浮かんだのかわかりませんが、さらりと読めました。
印象に残ったのは著者の村井さんが、お化粧しておしゃれをした母とでかけ目的の場所が見つからなかったのか、ぐるぐると住宅街を歩き回り何度も同じ公園にたどり着き、結局家に帰ったエピソード。中学生になった村井さんがその日のことを母に尋ねたけど母は何も言わなかったという。そのエピソードの章で紹介された衿沢世衣子さんの『光の箱』読んでみたいと思いました。
Posted by ブクログ
時折、エッセイの内容と紹介されている本のギャップがあり、そこが「読書」を好む人の絶妙なバランスだなと感じた。恐らく、こんな時に聞きたい一曲と同じで、その人なりのバランスの取り方があるのだろう。
Posted by ブクログ
ハードな人生にも真っ直ぐ、一生懸命、思いを全て書きたい方なのかと思いました。癒しの犬がいて良かったです。本好きのエッセイ+おすすめ本が本好きには面白かったです。家族のその後も注目していきたいです。
Posted by ブクログ
本を紹介してくれる本。ダラダラ読みました。
この本の話自体がすごく面白い訳ではないけど本を好きな人が勧めてくれる本ってやっぱり気になる。
この本を読んで「そして、バトンは渡された」を買いました。これ読み終わったら紹介してた回だけもう一回読もうかな。