村井理子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
肌のくすみもまぶたの厚さも身体が重いのも全て年齢のせいだと思っていた。
あぁ、更年期障害だろうな…が、実は心臓の病だった話。
突然倒れて緊急入院からの怒涛の検査が始まり、開胸手術を受けリハビリから退院まで。
著者自身が明るい性格だからか気持ちが暗くならずにスラスラと読める。
とても大変だったにも関わらず、鮮明に記憶していることも凄いと思った。
「バッチリっす!痛みを我慢する必要ないです」とやけに明るく軽い主治医のことばに思わずニヤリとなった。
今は元気かもしれないが、ちょっとでも体調に不安があるときは、無理をせずにゆっくり休み気になればすぐに病院に行くことだと改めて気づかせてくれた。
-
Posted by ブクログ
トーマス・トウェイツは、ロンドン出身、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン及びロイヤル・カレッジ・オブ・アート卒のグラフィック・アーティスト。
トーマスが大学院の卒業制作として行った「Toaster Project」は、トースターをゼロから自作することを目標に掲げ、鉱山で手に入れた鉄鉱石と銅から鉄と銅線を作り、ジャガイモのでんぷんからプラスチックを作るなどして完成させたもので、世界中の様々なメディアで取り上げられ、その記録(日本語訳)は『ゼロからトースターを作ってみた』として2012年に出版(2015年文庫化)されている。また、完成したトースターはロンドンのヴィクトリア&アルバート博物 -
Posted by ブクログ
生活や仕事をする中で、自分の気持ちとどのように折り合いをつけていくのか…というヒントが。
今日は、仕事絶対するぞ!という気持ちがとても強い時に限って邪魔が発生するのが人生。締め切りの日に限って避けることができないことに引っ張り出される。でも、過去の私が、未来の私に残しておいたわずかな時間(前倒ししておいた作業)によって、私は救われる。結局、自分を救うのは自分なのだ!書類を撮影し、Googleキープにアップロード、リマインダーを設定など、めんどくささに打ち勝ちすかさずやっておいたことが、自分を助ける。隙間時間を使った作業の前倒し。このちょこちょこした作業をやっておくことで、「過去の自分、ありが -
Posted by ブクログ
引き続き、村井理子さんの手がけた本を読んでみた。
私の場合、前段「ゼロからトースターを作ってみた結果」の存在を知らないまま、この本だけを読んだが、おそらく前段から続けて読むとさらに面白かったとおもわれる。
さて、トースターで注目されたデザイナーというかアーティスト、兼、研究者のトーマスが、今回はヤギになるプロジェクト。
何を言ってるんだと思うが、それを本当に真摯にやってるのだから、なぜかこちらもそれについての疑問は無くなる。
各分野の専門家に丁寧に話を聞きに行き、クレイジーさに呆れられつつも、丹念にプロジェクトを練り直していく様子は尊敬に値する。
第1章の魂の話がけっこう長くて、離脱しそ -
Posted by ブクログ
1時間もしないうちに読み終えた。
あまりの短さにやや拍子抜けしたけれど、アタマの痛い現実であり、恐ろしい話だと思った。
もともとプライドの高い人や、努力家は、高齢者になるとそのギャップが受け入れられなくなりそう。
さらにこの女性は、既に90歳に近い夫に対しても、浮気していると常に疑っている。そういう感情もにじむのかと、改めて怖くなった。
当初、作中に出る呼称、あなた、が誰を指すのかなかなか分からず。
作者の村井さん≒あなた、なんだと理解してからは読みやすくなった。
先週亡くなった私の祖父は、96歳で認知症らしいものはなく、聡明なままだった。
社会の動きにも敏感で、周囲の人間の様子にも興味 -
Posted by ブクログ
ヤギになろうとして、精神面と身体面の両方から攻めるのが素晴らしい。
トースターをゼロからつくる!のスタート地点を「郊外の湖に自転車で行って、全裸になって自転車と服を全部捨ててから」に定めた人だけのことはある。
象になるプロジェクトにお金だしてくれる機関に、象じゃなくてヤギになるプロジェクトに変更したことを伝えなかったくだりまじヤギ(褒めてる)。
そもそも、まだ起こってもいない未来に怯えたり、やらかした過去を後悔したりしないようにヤギになろうとしてきてたはずなのに。
「許可もらうより謝った方が早いから」報告しないとか…それできる時点でもうかなりヤギなのよ(褒めてる)。
実はこの時点から思考も