村井理子のレビュー一覧
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トーマス・トウェイツは、ロンドン出身、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン及びロイヤル・カレッジ・オブ・アート卒のグラフィック・アーティスト。
トーマスが大学院の卒業制作として行った「Toaster Project」は、トースターをゼロから自作することを目標に掲げ、鉱山で手に入れた鉄鉱石と銅から鉄と銅線を作り、ジャガイモのでんぷんからプラスチックを作るなどして完成させたもので、世界中の様々なメディアで取り上げられ、その記録(日本語訳)は『ゼロからトースターを作ってみた』として2012年に出版(2015年文庫化)されている。また、完成したトースターはロンドンのヴィクトリア&アルバート博物 -
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分厚い本を、早く救いがもたらされないかと、そればかり願って読んでいた。
少女タラは、父の権威と兄の暴力から逃げる知恵を持っていなかった。
政府や医者を敵と見做し、ただ、危険な肉体労働に従事し、そこで起きるショッキングな出来事に耐えるしかなかった。
彼女が「学校」という場を思い出した?いや、見つけた?ことこそ、転機であった。
けれど、知ることは解決ではなかった。
タラは、家族にとって敵となっていく。
親の信条は、きっとどこまでも子を蝕むのだろう。
おかしいと思っていても、何度も故郷に帰るタラが、正直不思議でならない。
命の危険より、その家族を大切に思えることが。
彼女は能力があったから、 -
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生活や仕事をする中で、自分の気持ちとどのように折り合いをつけていくのか…というヒントが。
今日は、仕事絶対するぞ!という気持ちがとても強い時に限って邪魔が発生するのが人生。締め切りの日に限って避けることができないことに引っ張り出される。でも、過去の私が、未来の私に残しておいたわずかな時間(前倒ししておいた作業)によって、私は救われる。結局、自分を救うのは自分なのだ!書類を撮影し、Googleキープにアップロード、リマインダーを設定など、めんどくささに打ち勝ちすかさずやっておいたことが、自分を助ける。隙間時間を使った作業の前倒し。このちょこちょこした作業をやっておくことで、「過去の自分、ありが -
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引き続き、村井理子さんの手がけた本を読んでみた。
私の場合、前段「ゼロからトースターを作ってみた結果」の存在を知らないまま、この本だけを読んだが、おそらく前段から続けて読むとさらに面白かったとおもわれる。
さて、トースターで注目されたデザイナーというかアーティスト、兼、研究者のトーマスが、今回はヤギになるプロジェクト。
何を言ってるんだと思うが、それを本当に真摯にやってるのだから、なぜかこちらもそれについての疑問は無くなる。
各分野の専門家に丁寧に話を聞きに行き、クレイジーさに呆れられつつも、丹念にプロジェクトを練り直していく様子は尊敬に値する。
第1章の魂の話がけっこう長くて、離脱しそ -
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1時間もしないうちに読み終えた。
あまりの短さにやや拍子抜けしたけれど、アタマの痛い現実であり、恐ろしい話だと思った。
もともとプライドの高い人や、努力家は、高齢者になるとそのギャップが受け入れられなくなりそう。
さらにこの女性は、既に90歳に近い夫に対しても、浮気していると常に疑っている。そういう感情もにじむのかと、改めて怖くなった。
当初、作中に出る呼称、あなた、が誰を指すのかなかなか分からず。
作者の村井さん≒あなた、なんだと理解してからは読みやすくなった。
先週亡くなった私の祖父は、96歳で認知症らしいものはなく、聡明なままだった。
社会の動きにも敏感で、周囲の人間の様子にも興味 -
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ヤギになろうとして、精神面と身体面の両方から攻めるのが素晴らしい。
トースターをゼロからつくる!のスタート地点を「郊外の湖に自転車で行って、全裸になって自転車と服を全部捨ててから」に定めた人だけのことはある。
象になるプロジェクトにお金だしてくれる機関に、象じゃなくてヤギになるプロジェクトに変更したことを伝えなかったくだりまじヤギ(褒めてる)。
そもそも、まだ起こってもいない未来に怯えたり、やらかした過去を後悔したりしないようにヤギになろうとしてきてたはずなのに。
「許可もらうより謝った方が早いから」報告しないとか…それできる時点でもうかなりヤギなのよ(褒めてる)。
実はこの時点から思考も -
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現在進行形で「不調はほぼほぼ更年期のせい」にしている身にはドキッとするタイトル、そして序章。
戒めというか「ちゃんと自分を大事にして、そしてきちんと観察しよう」という気持ちになりました。
入院~手術のところは文体の軽やかさもあって重い空気感にならずテンポよく読めちゃいましたが、それってやっぱりどこか他人事のように思っているからかも…。
更年期云々にかぎらず、いつ自分がそうなってもおかしくないのに。反省です。
入院経験がないからか、検査や手術よりも大部屋でいきなりカーテン開けて、ズカズカと人の心に土足で踏み込んでくるかのような隣のババアの方が相当怖いと感じてしまいました。