【感想・ネタバレ】人間をお休みしてヤギになってみた結果(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

仕事はパッとしないし、彼女に怒られるしで、ダメダメな日々を送る僕。いっそヤギにでもなって人間に特有の「悩む」ことから解放されることはできないだろうか……というわけで本気(まじ)でやってみました。四足歩行の研究のためにヤギを解剖し、草から栄養をとる装置を開発。医者に止められても脳の刺激実験を繰り返し――。イグノーベル賞を受賞した抱腹絶倒のサイエンス・ドキュメント。

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Posted by ブクログ

最高である。こんな本があるとは、やはり本の世界は本当に侮れない。

市立図書のHPをザッピングしてたらこのインパクトある装丁に釘付け。は?人間をお休みしてヤギになるだと?

このトーマス君(当時33歳)。仕事もねー、周りはみんなちゃんとしてきてるってのに何やってんの俺的人物(彼女がいるのが解せんのだが)

しかも最初は象さんなろうとしてた。は?である。

途中スピリチュアルな話(シャーマンとか)になったり、哲学的な話だったりを盛り込んで、何故ヤギになるのかの背景をとくとくと説明笑

はい、ヤギになるって決めてからのトーマス君の行動力ハンパネーです。もう急展開もいいところ。あっちこっちの大学の先生のとこ突撃して色々ご教示頂いてるのだが愉快である。こんなヘンテコトーマス君来たら、うん、私が教授ならどうするかな?って考えた。ただの変人ならメンドクセーのでサッサとお帰り頂く所だけど皆さんに良くして頂いてるところを見ると、人として愛されキャラなのは間違いないと思う。

どこもかしこも可笑しいのだが、最終章に向かうにつれて笑いのスケールはlogで増大する。最終章は読んでて死ぬ。可笑しすぎて死ぬ。

沢山写真が挿入されてるが、いちいち一言あるのが全部悶絶する。

トーマス。
ヤギになってイグノーベル賞受賞。
その価値はある笑

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2025年12月01日

Posted by ブクログ

ゼロからトースターを作ってた著者。
トースターの時は、真面目にふざける感じを楽しみながら読めたけど
今回のヤギはずっと「なにやってんの」と真顔でツッコみながら読みました。
トースターの時はまだ楽しかったけど、ヤギの方は
その真面目さがちょっと怖くなっちゃった。
でも、ヤギになりたいというひたむきさは伝わってきます。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

とても面白かった。読む前は人間社会の中で生きるのを中断してヤギのような生活をした記録を書いただけの本かと思っていた。読む前の自分のヤギに対する解像度は4足歩行をしている反芻動物くらいだったけれど、ヤギの外部骨格を作る過程をたどることで、たとえば背骨は真っ直ぐだということや鎖骨がないことを知った。ヤギの解剖した骨をヒトのように組み立てているところは、発想が面白いし、ヒトの骨格と非常に比べやすくなった。ヒトもヤギも他の動物もやはり自分の生活に特化した形質を持っているから、能力を比較して優劣をつけるものではないなと改めて思った。筆者がヤギになるまでさまざまな困難があったけれど、ヤギになりたいという熱意でやり遂げていて本当にすごいなと思った。研究も面白いし、ところどころ筆者のコメントが入っていて気軽に読めて楽しかった。
「深い知性を離れ、泳ぎ出す僕についてきてくれ。一人だと溺れてしまうかもしれないからね」という言葉が素敵だなと思った。

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2024年07月28日

Posted by ブクログ

プレイリードッグって、もっとも言葉巧みな動物なんですね。知らなかった

「あの大きくて、青い三角がまた出たぞ」って意味の声をだせるんだって。まじでスゴイ

……ヤギ全然かんけいないけど

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2022年12月27日

Posted by ブクログ

もし、小さい時に読んでいたらもっと科学に興味を持っていたかもしれない。
大真面目に、ちょっとふざけた科学の使い方として最高だった。

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2022年01月06日

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優れた知性と才能を、ある意味有効活用している。

好奇心をくすぐられる人だ。

そういえば、トースタープロジェクトも気になってたけど実際に本は読んでなかった。

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2021年09月09日

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ヤギと心が通じた(みたいな)写真は感動した。語り口も面白いし、実行するまでの行動力にも驚いた。友達になりたい。

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2021年02月16日

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タイトル通り、ヤギになってアルプスの山を超えるノンフィクション
2016年イグノーベル賞受賞の研究

トースターをゼロから作って早6年
同級生や彼女達はちゃんとした職に付いて将来ある生活をしている中、自分の仕事といえば姪の飼っている犬の散歩だけ
親と同居しているのである程度の生活はできているが、自分の将来については悩ましい
そこで思いついたのが「あ、動物は悩みなんかないんじゃないか?」
そして「象になってアルプスを超える」研究で助成金の申請をしたのだった


象になるには大型すぎ、鼻の再現には高度なテクノロジーが必要
なので対象はさっそくヤギに変わる

動物になりきる儀式を行うシャーマンの話を聞きに行ったり
ヤギは言葉を解さない、思考中枢が人間とは異なるので、その部位を電気的に遮断しようとしたり
ヤギになりきるために義肢を作ったり
草を食べるために消化のシステムを研究し、セルロースを消化分解するために反芻をしようとしたり

そして実際にヤギの群れと共に行動したり



控えめに言って「頭おかしい」(笑)

一番ウケたのは、ヤギの胃液を使おうと思ったけど病原菌の可能性から断念し、分解酵素を使おうと思って入手したものの、使用用途がバレていかなる状況においても許可できないと止められるところかな
十分な水で薄めるかトイレに流して廃棄しろというアドバイスいいよねー(笑)


まぁ、やってる事は頭おかしい人のそれではあるんだけど
全部読むと流石イグノーベル賞を受賞するくらいに何かと考えさせられる
ヒトと他の動物の違いは何か?
個人的には複雑な社会性を持っているかどうかだと思うけど、何をもって複雑とするかだよね
社会的な行動をする動物はいっぱいいるけど、人間との区別の基準の定義は難しいと思う

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2020年12月01日

Posted by ブクログ

やらなければいけないことに押し潰されそうだったとき、本屋で見つけて購入しました。

「ヤギになりたい」というバカらしくも思えるような目標に対して、真剣に悩み、実現してしまうのを見て、自分の視野が広がるような感覚がありました。ついでに、ヤギの身体構造や生き方のすごさも学べます。

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2020年09月24日

Posted by ブクログ

(未来・過去について思いを馳せて、心配・不安を覚えずにはいられない)人間をお休みして、ヤギになろうとした男の物語。象になる研究プロジェクトを提出したのにシャーマンに象よりヤギになった方がいいとアドバイスをもらえばヤギを目指し、ヤギと同様一時的に言葉を話せない状態になることを試み(現代の技術では安全性の面で無理だった)、四足歩行するためにヤギの解剖を手伝い四足歩行するための器具をつくってもらい、草を噛み潰したものを圧力鍋で糖とすることで草を食事できるようにして、本当にスイスでヤギの群れと生活をともにしている。行動力がどうかしてる(褒め言葉)。
表紙をはじめとした写真・挿絵は単体で見てるだけでも面白い。

2016イグノーベル賞受賞

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2019年03月17日

Posted by ブクログ

イグノーベル賞を受賞したトーマスの本
トースターをゼロから、は読んでおらずこちらから。
(その後に読んだ)
とにかく楽しめたし、訳がよい感じだったと思う。
これくらいなら大袈裟感も直訳感もなく、日本語本として読める。
ヤギに混ざったトーマスに「トーマス、うしろ!」のキャプチャーも好き。
ヤギになった感覚とか、人間を休憩している感は全くないし、ほぼそこへの感想はなかったし、ヤギになってみた結果、の結果というよりはなるまでが主。
成し遂げるためにどんどん色々な人、権威に会いに行き、知識協力アイディアを得ていくあたりが爽快
トースターも読んでみよう。

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2018年10月29日

Posted by ブクログ

面白かった笑、普通にくすくす笑いながら読むような本でした。
著者が真面目に徹頭徹尾「どうしてそうなった!?」「わけわからんすぎるw w」という発想・実行まで行おうとするので、むしろ読んでるこっちが心配になる笑。
それでも彼が真面目に向き合った「人間特有の悩み」から逃れられる術はないのだろうか?というのは誰しもが持つ悩みだろうし、その根本が共通していることに、救われながら、読むことができた。また悩んだら、読んでみようと思う。今読みたかった一冊でした。

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2025年09月08日

Posted by ブクログ

タイトル的にはだいぶ ふざけてる感じなんですけど、 最終的に目標は ふざけてる感じ もするんですけど、一つ一つのプロセス、ヤギに に対する 掘り下げとかは意外に 科学的アプローチをたくさん使ってるので とっても興味深いんです。
そこがイグノーベル賞を取ったこの作家の力量というか 才能と言うか、、、人間て何だろうなと思います。この人、こういう感じで生活していけてるのか?

冒頭はかなり、あやしげな話ですが、普通に面白いです。
もやっとした時に読むと脳がほぐれていいと思います。 彼に出会って協力した人も、なんかわけわかんないと思ってたんだろうけど、そのちょっと引き気味の感覚っていうのも シュールでいいんだろうなと思います。
前に読んで興味深かったので、思い出しの感想。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

人間でいるのが嫌になって、ヤギになろうと思った。
もっとバカバカしい内容かと思いきや、「魂」「思考」「体」「内臓」「暮らし」といったテーマごとに、“どうすればヤギになれるか?”を真剣に探求していく。
別の視点や価値観から世界を見ようとする、ある意味で究極の試みだと思った。

「思考」について著者が強調するのは、人間だけが心の中でシナリオを作り、時間旅行をする生き物だということ。
「あのときこうしていれば」「明日はもっとこうすれば」‥無限の可能性と後悔に悩まされるその想像力が、人間の苦しみの元となる。

悩みの元ではあるけれど、その想像力でヤギ生活を本気で作り上げたのもまた人間らしさだと思う。
客観的に読み終えてみると、ヤギになろうとするこの奇妙な挑戦の難しさが、かえって「人間として進化してきた自分」を理解していく体験になっていた。
当たり前すぎて意識しないが、結局は“人間として生を全うする”のがいちばん自然なのだと、しみじみ感じた。

スイスのヤギ農家にて、はじめはクレイジーな都会の人間だと白い目でみられていた著者。旅立つ時に、ヤギ農家のおじさんが首にヤギのベルをつけてくれる場面が、ヤギとしてアルプス越えが成功したかどうかよりもなぜかとても心に残った。

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2025年06月27日

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ネタバレ

作者の前作、「ゼロからトースターを作ってみた結果」を読んで面白かったためこちらも読んでみた。

はじめの第一章は難しい!デカルトやハイデッガーや古代文明などの話が出てくる。
文体が語り口調なのでぎりぎり読めるが、ちゃんと読まないと目が滑る感じ。
第二章のヤギそのものの話はとても面白かった。ヤギにも感情があるし、知性がある。そしてヤギを研究しているボブは人間の知性と比較されることをひどく嫌がる。その感情に非常に共感した(この動物は◯歳児同等の知性を持つというやつ)。動物のことを分かりきっていないのに、人間と比較することはひどくナンセンスだ。ほかにもさらっと触れられたサウジアラビアの美ヤギコンテストが興味を引いた。

面白いだけではなく、シリアスな話しもある。解剖の章ではヤギの(亡くなった)ヴィーナスの解剖の話が出てくる。でもヤギになるためには必要な過程なのだ。
ヤギになれた?のかはさておき、作者のとことん行動するリサーチ力は凄まじい。

好きなところは「ちなみに僕の夢はギャロップすることなんでーす」だ。その後医者から大批判をくらうことも含めて。

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2025年05月18日

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ネタバレ

翻訳がかなり砕けた話し口調。

ヤギの身体だけでなく、思考や食事方法まで真似ようとする試みは面白かった。が、完全に野山で生活した訳ではなく、夜には人間の食事をして人間の寝床で寝ていたようなのでそこは肩透かしだった。
義肢やヘルメットがカッコいいデザインだった。

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2025年05月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

人間でいることに疲れた著者が、ヤギになるべく研究に奮闘する。
最初はちょっとした思いつきに過ぎなかったのに、突飛で奇抜な想像がどんどん暴走し、研究も本格化していく。
ヤギの解剖(写真が少しグロい)、
脳の刺激実験…止まらない奇行に著者の変人っぷりをたんと味わえる。
あまりに奇想天外で笑ってしまうけれど、本人は至って真面目。
最終的にアルプスまで超えてしまう。
生きがいを見つけ、どんどんのめり込み、偉業を成し遂げた著者に感動すら覚えた。
挫折を恐れず、ひたむきに努力する姿勢、見習いたい。

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2024年11月14日

Posted by ブクログ

おもしろかったし、勉強になった。
家畜化のこと、ヤギの時間感覚のこと。

次に発生した台風の名前が“ヤギ”でご縁を感じる。

動物についての本はもう少し読みたいところ。
興味のあることに一直線で、ちょっとぶっ飛んじゃってる人大好き。そういうものに、私もなりたい。

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2024年09月03日

Posted by ブクログ

タイトルの通り「ヤギになってみた」という本。

人間的な悩みから解放されるためというスタートだったが、哲学的な示唆があるわけでもなく、何かの隠喩というわけでもなく、ただただ物理的にヤギを目指す。しかし、その凝りようや行動力は素晴らしく、ヤギの骨格を調べてそれにあった手足を製作したり、ヤギの解剖の場に立ち会ったり、草食を試みたり。脳の刺激により、言語を一時的に忘却しようと自ら実験したり。また、各専門家が彼の荒唐無稽な発想に付き合っているというのも凄い。馬鹿馬鹿しくて笑えるが、しかし、勢いのある本だ。

結果的に何が得られたのかも分からず、本の最後では、ひたすら四足歩行の辛さが写真と共に披露されるという不思議な世界観がシュールな笑いを誘う。一体この本はどのようなジャンルとして扱われ、整理されるべき本だろうか。しようもない事に無茶苦茶本気で取り組む事で見えてくる訳のわからぬ専門分野。識別不能な迫力がある。

「人間をお休みする」というコンセプトを笑いながら読むことができる一冊。悩んだり、考えすぎて日常がつらい人は、こんなバカな事に一生懸命になっているこの本を読んでスカッと忘れてしまうのも良いのかもしれない。ただ、残念ながら、ヤギになったところで何一つ答えを得られない事は事前に覚悟の上で。というか、答えなんか要らないのかもしれない。ヤギなのだから。

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2024年06月25日

Posted by ブクログ

今の関心事のためなら、永遠に人間でなくなるかもしれないリスクを平気で取りにかかろうとする、そのクレイジーさがたまらない。天性の行き当たりばったりさに感心し、なぜかそこに降る幸運で、不思議と願いがかなっていく。そんなのアリ?
一番しんどかったであろう、アルプス越えはしごくあっさりのページ配分で、彼の興味と情熱の偏り具合にしびれます。ヤギがどんくさい仲間として認めてくれたのもむべなるかな。次は何をやってくれるのだろう?
翻訳臭さが気になって星4。

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2024年04月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者のノリがよくて楽しかったけど、ヤギになるのは最後の少しで、ヤギになるまでこんなに大変なんだよという過程が大半。4足歩行も草を食べるのも難しい。ヤギになってから、ヤギシチューを喜んで食べたのには笑った。やはり草だけではキツイよね。

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2021年02月22日

Posted by ブクログ

ただ単にヤギコスして一緒に群れてみるだけかなーとか軽く構えて手にしたら、とんでもない一冊でした。まずヤギの魂から思考へ、その身体構造へ、解剖までしてできる限りヤギそのものへと近づこうとするプロジェクト。人間の「悩む」ことからの解放から始まった、サイエンス・ドキュメント。何度も一線を越えかける姿にも、たっぷり笑わせていただきました。次は何のプロジェクトかしら。

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2019年08月05日

Posted by ブクログ

こんなにも突拍子も無い実験を至極不真面目な動機で、至極真面目に取り組んだ筆者と関係者には多大な敬意を評します、そのニュアンスをうまく訳してる訳者にも。でも僕はヤギにはなりたくないねw

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2019年02月12日

Posted by ブクログ

人間の生活に嫌気が差した筆者が完全にヤギになるにはどうしたらよいかを研究し、実践するという突拍子もない内容の本です。計画当初は象だったのですが、象は大きさ的に難しいとなり、ヤギになることにしたそうです。動物解剖学者やシャーマン、医者、義肢装具士など様々なひとの協力を得てヤギのように四脚歩行できる器具を開発。七転八倒しながらどうにかスイス・アルプスの山の斜面をヤギの群れと一緒に歩くことに成功しました。筆者のこのバイタリティはどこから来るのかと思いつつ終始ニヤニヤしながら読みました。面白かったです。

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2018年10月10日

Posted by ブクログ

終始ふざけたトーン(実際ふざけてるか)だけど、
きちんと専門家に話を聞きに行っているし、
意外とためになるのかもしれない

でもやっぱり読み終えて思い出すのは、ふざけてる場面

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2024年02月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

イグノーベル賞受賞とのことで、くだらなくても何か研究をしたのかと思って読んだんだけど、そういう内容じゃなかった。くだらないことをやってみようという姿勢はすごい好きなんだけど、ちょっとした事柄について色々調べて膨らませてあーだこーだいう能力(こういうの一言でなんていうんでしたっけ?)に長けた人なんだと思う。という感想になったのは訳のせいもあると思う…

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2023年09月21日

Posted by ブクログ

トーマス・トウェイツは、ロンドン出身、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン及びロイヤル・カレッジ・オブ・アート卒のグラフィック・アーティスト。
トーマスが大学院の卒業制作として行った「Toaster Project」は、トースターをゼロから自作することを目標に掲げ、鉱山で手に入れた鉄鉱石と銅から鉄と銅線を作り、ジャガイモのでんぷんからプラスチックを作るなどして完成させたもので、世界中の様々なメディアで取り上げられ、その記録(日本語訳)は『ゼロからトースターを作ってみた』として2012年に出版(2015年文庫化)されている。また、完成したトースターはロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館のコレクションとなっている。
本書は、トーマスが第二弾として挑戦した「GoatMan Project」、即ち、ヤギのように四足歩行できる人工装具を使ってヤギになり、アルプス山脈を越えるプロジェクトを描いたノンフィクションである。尚、このプロジェクトは、イグノーベル賞(人々を笑わせ、かつ考えさせた研究に与えられる賞で、1991年に創設された)の生物学賞(2016年)を受賞した。
最初に、コンセプトを聞き、更に、(冒頭に書かれているように)そのきっかけの一つが、人間特有の悩みから逃れるために「人間をお休みする」ことと知ると、「何とバカげたことを」と思ってしまうのであるが、実際のプロジェクトの中で行っていくことは、ヤギの魂を知るためにアニミズムを研究し、ヤギの思考に近づくために脳の刺激実験を受け、ヤギの四足歩行を真似るためにヤギを解剖して補助器具を作り、ヤギと同じ食事をするために草から栄養を取る装置を開発するという、徹底したものである。
これらの実験や研究が何かの役に立つのか否かはわからないのだが、「役に立つこと=価値」という行動原理が限界に達し、社会に歪みすら与えつつある現代においては、役には立たないけれど面白いことをとことんやってみることに、また、その記録を笑いながら読んでいることに意味があるのかも知れない。
因みに、イグノーベル賞を継続的に受賞している常連国は日本と英国で、創始者のエイブラハムズ氏は「多くの国が奇人・変人を蔑視するなかで、日本と英国は誇りにする風潮がある」と語っているそうなのだが、それは、日本人的な発想・アプローチが、現代世界の問題を乗り越えていくためのヒントになることを示唆しているのかも知れない。(少々飛躍し過ぎだろうか。。。)
読者としても、「人間をお休みして」笑いながら読めばいい一冊なのだろう。
(2023年2月了)

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2023年02月10日

Posted by ブクログ

引き続き、村井理子さんの手がけた本を読んでみた。

私の場合、前段「ゼロからトースターを作ってみた結果」の存在を知らないまま、この本だけを読んだが、おそらく前段から続けて読むとさらに面白かったとおもわれる。

さて、トースターで注目されたデザイナーというかアーティスト、兼、研究者のトーマスが、今回はヤギになるプロジェクト。
何を言ってるんだと思うが、それを本当に真摯にやってるのだから、なぜかこちらもそれについての疑問は無くなる。
各分野の専門家に丁寧に話を聞きに行き、クレイジーさに呆れられつつも、丹念にプロジェクトを練り直していく様子は尊敬に値する。

第1章の魂の話がけっこう長くて、離脱しそうになったが、2章の思考、3章の体、4章の内臓、と来て、どんどん話は短くなり、具体的になっていくので、後半は読みやすさが加速する。
そして5章で、トーマスはついにヤギと共に時間を過ごし、ヤギスタイルでアルプス超えを実行する。すごい。
というか、やっぱり足腰腕首がすごく痛そうだ。
バッタ?を食べるシーンは写真だけなのか、これは涙目にもなるでしょ。

2章の後半で登場した、人間もだんだん家畜化され、おとなしい個体が多く生き残ってきた、というエピソードが面白い。
若い、攻撃的な雄が、反社会的、反体制的みたいな理由で、死刑になることでその遺伝子が淘汰されてきた、とのこと。
そして動物にもいくつか存在が認められている、その種族で通じる、主に音声による複雑なコミュニケーション=言語についての一節が面白かった。
いわく、言語には過去を表すシステムがある。自己に起こった出来事を物語として、アイテムのようにいつも出し入れできることが言葉の強みであるというような話で、ふむふむと楽しく読むことができた。

カラーの写真が後半に多いのも注目。
グロいかもしれないがリアルさが伝わる解剖シーン、そして美しいアルプスとヤギとトーマス。
わざわざこの両者をカラーにしてある親切?設計にいろいろと恐れ入った。

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2023年01月12日

Posted by ブクログ

ヤギになろうとして、精神面と身体面の両方から攻めるのが素晴らしい。
トースターをゼロからつくる!のスタート地点を「郊外の湖に自転車で行って、全裸になって自転車と服を全部捨ててから」に定めた人だけのことはある。

象になるプロジェクトにお金だしてくれる機関に、象じゃなくてヤギになるプロジェクトに変更したことを伝えなかったくだりまじヤギ(褒めてる)。
そもそも、まだ起こってもいない未来に怯えたり、やらかした過去を後悔したりしないようにヤギになろうとしてきてたはずなのに。
「許可もらうより謝った方が早いから」報告しないとか…それできる時点でもうかなりヤギなのよ(褒めてる)。

実はこの時点から思考もヤギ化しつつあったのではという疑問を持ち始めるとちょっとホラー。

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2022年08月29日

Posted by ブクログ

●人間(著者)がヤギになるにはどうすればいいのかを真面目に考えて行動に移すというふざけ倒した本。読み物として、ユーモラスで面白かった。

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2018年11月01日

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