似鳥鶏のレビュー一覧
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総合病院の泌尿器科医が主人公の連作短編医療ミステリー。全4話。
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鮎川は御子柴記念病院に勤務する、若手の泌尿器科医だ。感情に左右されない落ち着きのある姿勢で医療に臨む姿は同僚から「自動人形」に喩えられるほどで、人格者とまではいかないまでも的確な診療のできる医師としては有望株である。
また、陰部に関わる疾患の場合、重症化するまで受診を躊躇う患者も少なくない。その意味でも粛々と医療行為を行う鮎川のスタンスは好もしいと言える。
愛想は足りないものの、今日も鮎川はワケありの患者相手に淡々と診察しつつ、患者の心のうちとともにその背景を推察するのであった。
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Posted by ブクログ
コミカルなミステリーでした。
舞台が学校ということもあり、なかなか楽しめました。
トリックは最後でやっとわかりましたし、最後の一波乱もなるほどここにつながっていたのかと満足しました。
内容
某市立高校の芸術棟にはフルートを吹く幽霊が出るらしい――。吹奏楽部は来る送別演奏会のための練習を行わなくてはならないのだが、幽霊の噂に怯えた部員が練習に来なくなってしまった。かくなる上は幽霊など出ないことを立証するため、部長は部員の秋野麻衣とともに夜の芸術棟を見張ることを決意。しかし自分たちだけでは信憑性に欠ける、正しいことを証明するには第三者の立ち合いが必要だ。……かくして第三者として白羽の矢を立てら -
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泌尿器科ミステリー。
病気に重いも軽いもないと思う。
本人が苦痛ならさっさと病院へ行けばいいのだが…と常々思っている。
だが自分は大丈夫って思ってしまうのはなぜなんだろう。
なんとか先送りにしてしまう気がする。
だけど受診するには躊躇してしまうのが、泌尿器科なのかもしれない。
素人判断で、これくらいならちょっと様子見ようとかネットで調べてみようだとかしている間に悪化してしまう。
そこの見極めが難しい。
だがこれを読めばやはり少しでも不安なら行くべきなんだなと思った。
御子柴記念病院に勤務する泌尿器科医・鮎川は、患者に真摯に向き合い謎を解く。
まるで忍者のようにいつのまにか近くにいるM -
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★結局のところ、動物の考えていることは人間には理解できない。(p.103)
▶全編のほとんどが数時間の話。▶モモ君の従弟の誠一郎が勤めている山西市動物公園にいつもの面々が研修で訪ねた日アジアゾウのランティエンが脱走し大騒ぎになるのだが誰かの企みのような不穏な雰囲気もある。▶アジアゾウが見てる間にアフリカ象になっちゃった。のはなぜ?▶新キャラ桃本誠一郎と謎の人物ウー・ジイハオ(吴子豪)。▶ヒトと他の動物は意思を通じ合えるか? 無理やろなあとは思います。ヒトはなんでも擬人化するのでつい通じ合えてるような気になるけどおそらく《干渉しあわない別の宇宙にいるかのようだった。》p.79。ネコは自動給餌機と -
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体長1メートル越えのワニが盗まれた!! 残された張り紙には怪盗ソロモンなる者が・・・。 動物の扱いに長けた人の犯行だろうと疑惑が渦巻く中、さらにほかの動物も盗まれて・・・。 動物園職員が奮闘するライトなミステリ。
楓ケ丘動物園シリーズの1作目。 似鳥鶏さん動物ものとかも書かれてたのですね、確かにペンネームも動物に因んで・・・って調べたら全然由来は動物好きとか関係なかった!!
獰猛なワニを盗んでいるので内部犯なのは確実なのですが、その割には登場人物全体の掘り下げが足りないような・・。 動物を盗んだ理由付けは上々、キャラクターも良し、鴇先生可愛い!! -
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★「『流行りの犬種』だの『流行りのネコ』だのというのも、いいかげんやめてほしいけどね」(p.238)
▶今回は短編集。楽しいです。短編の方が向いているような気がします。▶動物をペットとして「消費」している「ユーザー」が諸悪の根源なのでしょう。個人的に、動物を飼いたい欲求はありつつも飼っていない理由でもあります。
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■楓ヶ丘動物園についての簡単なメモ(これまでに読んだ全巻分/★は主要語)
【第一巻 一行目】動物園の飼育員は腰のベルトに様々なものをぶら下げている。
【第二巻 一行目】三人の男が話している。
【第三巻 一行目】深夜の県道をワゴン -
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▶鷹待山ファミリーパークのカピバラと二人の男。▶所有者不明のアルパカを拾う。▶七森さんの大学時代の友人が失踪。▶なんらかの事件はあったのかなかったのか。
■楓ヶ丘動物園についての簡単なメモ(これまでに読んだ全巻分/★は主要語)
【アイ】ミニブタの雌、六歳。
【安達/あだち】大山動物園のダチョウ担当。
【あにまる通信】飼育員たちによる動物園ブログ。
【アルパカ】毛をトルステンとかすぐ臭い唾を吐くというくらいしか知りません。
【井坂/いさか】仁堂製薬株式会社早瀬川研究センターの守衛。鴇先生の顔見知り。
【イサミ】オオワシの雄、十八歳。ややフレンドリー。
【乾愛梨/いぬい・あいり】祖父江の部下の -
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息子が誕生したため、1年間の育休を取得した男性刑事の奮闘を描いたライトミステリー。
2019年発行の作品。この4月18日からは NHK でドラマ放映されることで話題作に。全3話。
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秋月春風はとある県警の若手刑事。共働きの妻との間に息子が生まれ、管理職のため育休を取りにくい妻に替わり1年間の育休を取得。息子の蓮の育児と家事に日々奮闘していた。
ある日、姉の付き添いで訪れた質屋で偶然強盗殺人事件に遭遇したことで、非公式に捜査に駆り出され、以降なし崩し的に捜査協力させられることに。
こうして赤ん坊連れで捜査に乗り出す春風だったが……。
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★鴇先生は頬に流れた血を親指で拭って捨てた。(p.26)
(一)市民マラソン大会でダチョウが悠々と走っていたことから明らかになりはじめるおそろしい企て。国家レベルでなかっただけマシでしょうか。
(二)たまたまやけど今現在の状況に重なります。いろいろと。
(三)スカイエマさんカバー絵&挿画。
■楓ヶ丘動物園についての簡単なメモ■
【第一巻 一行目】動物園の飼育員は腰のベルトに様々なものをぶら下げている。
【第二巻 一行目】三人の男が話している。
【アイ】ミニブタの雌、六歳。
【安達/あだち】大山動物園のダチョウ担当。
【あにまる通信】飼育員たちによる動物園ブログ。
【井坂/いさか】仁堂製薬 -
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ネタバレ学園ミステリーの続き。今回は長編で見事に騙された感じです。
葉山くんの探偵力、発言の内容が上がってきているように感じました。女子も放っておきませんよ。
柳瀬さんが翠ちゃんを牽制しているようにも見える場面も。
ニヤニヤ。
自分の責任でもなく、タイムリミットに迫られて緊迫感が伝わってくるシーンは人命が絡んでいるわけでもないのにかなりハラハラさせられました。
最後はまた伊神さんに頼ってしまうのだけど、頑張れ葉山くん!と応援したくなります。
内容については触れませんが、気になるチョイ役の人物が何人か登場。
「校長先生」遊び心を持っている、というかイカした大人で粋な発言が格好よい。
「お姉さん」ミカ -
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★この冒険は、僕たちの冒険なのだ。(p.157)
・夏休み、することも特にないクイズ好きの「僕」は偶然モスで出会った美人姉妹とともに一連の暗号を解いていくことになった。
・最初の三つの暗号に比してその後二つだけ暗号の毛色が変わったような気がするのはなぜ? 《この暗号ゲームには何かある。》p.174
・暗号を追って日本中を(というほどでもないが)あちこち行く少しだけロードノベルっぽい部分も。
■簡単なメモ■(★は主要語)
【一行目】キィン、とひときわ小気味よい音がして、ボールが高く打ち上がった。こういう時は「白球」という言い方をするんだっけ、と思う。
【青田】頼伸がクラスでほぼ唯一言葉を交