似鳥鶏のレビュー一覧

  • 理由あって冬に出る

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    はじめて読むし、デビュー作を…と手に取った本。
    描写を(事件に関するものも、その舞台である学校の部活棟についても、キャラクターも、会話も)盛りだくさんに書き込む作家さんだという印象。「語りたい」人だ!サービス精神がすごい。

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    2023年08月04日
  • 育休刑事 (諸事情により育休延長中)

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    シリーズ2作目。この人の文章って、段落が長くて、とても読みずらい。話の内容よりもそちらが気になってイライラするわ。あと、NHKのドラマを見てから姉ちゃんの存在が余計にイラつかせる。前作の時には気にならなかったのに、あっちゃん効果だ・・・

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    2023年06月23日
  • 名探偵外来~泌尿器科医の事件簿~

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     総合病院の泌尿器科医が主人公の連作短編医療ミステリー。全4話。
              ◇ 
     鮎川は御子柴記念病院に勤務する、若手の泌尿器科医だ。感情に左右されない落ち着きのある姿勢で医療に臨む姿は同僚から「自動人形」に喩えられるほどで、人格者とまではいかないまでも的確な診療のできる医師としては有望株である。

     また、陰部に関わる疾患の場合、重症化するまで受診を躊躇う患者も少なくない。その意味でも粛々と医療行為を行う鮎川のスタンスは好もしいと言える。

     愛想は足りないものの、今日も鮎川はワケありの患者相手に淡々と診察しつつ、患者の心のうちとともにその背景を推察するのであった。

        

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    2023年06月22日
  • 名探偵外来~泌尿器科医の事件簿~

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    新刊情報を見た時は、何故泌尿器科?と思ったけど、読後、なるほど泌尿器科、と思った。

    「闘病生活っていうのは、急転直下そうなるんです。」 
    ちょっとボタンがかけ違っていたなら、そこにいるのは彼/彼女じゃなく自分だったかもしれない、という想像力が社会を優しく秩序ある物にしてくれるのでしょうか。
    あなた方の中で罪のない者だけが、彼女に石を投げなさい。
    石を投げられる人間が、どれほどいるというのでしょうね。

    さいごに。排尿なめんな。
    大事なことだ。

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    2023年06月21日
  • 理由あって冬に出る

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    コミカルなミステリーでした。
    舞台が学校ということもあり、なかなか楽しめました。
    トリックは最後でやっとわかりましたし、最後の一波乱もなるほどここにつながっていたのかと満足しました。


    内容
    某市立高校の芸術棟にはフルートを吹く幽霊が出るらしい――。吹奏楽部は来る送別演奏会のための練習を行わなくてはならないのだが、幽霊の噂に怯えた部員が練習に来なくなってしまった。かくなる上は幽霊など出ないことを立証するため、部長は部員の秋野麻衣とともに夜の芸術棟を見張ることを決意。しかし自分たちだけでは信憑性に欠ける、正しいことを証明するには第三者の立ち合いが必要だ。……かくして第三者として白羽の矢を立てら

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    2023年06月18日
  • 名探偵外来~泌尿器科医の事件簿~

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    泌尿器科ミステリー。

    病気に重いも軽いもないと思う。
    本人が苦痛ならさっさと病院へ行けばいいのだが…と常々思っている。
    だが自分は大丈夫って思ってしまうのはなぜなんだろう。
    なんとか先送りにしてしまう気がする。

    だけど受診するには躊躇してしまうのが、泌尿器科なのかもしれない。
    素人判断で、これくらいならちょっと様子見ようとかネットで調べてみようだとかしている間に悪化してしまう。
    そこの見極めが難しい。


    だがこれを読めばやはり少しでも不安なら行くべきなんだなと思った。

    御子柴記念病院に勤務する泌尿器科医・鮎川は、患者に真摯に向き合い謎を解く。
    まるで忍者のようにいつのまにか近くにいるM

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    2023年06月07日
  • 鍵のかかった部屋 5つの密室(新潮文庫nex)

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     クレセント錠に糸を掛けて外から引っ張る事で密室にするトリック。そのトリックを使うと最初から明言されていながら、それぞれ違う展開が書かれていて面白かったです。

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    2023年05月26日
  • 夏休みの空欄探し

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    生きるのに「目的」があるっていう前提がまず、論理的におかしい。僕たちはそもそも、目的を持って生まれてきたわけじゃない。親が僕たちを産んだのは目的があるだろうけど、生まれた方は自分の意志じゃない。自分の意思と関係なく始まった状態に「目的」があるはずだっていうのは、論理的におかしい。

    コミュ障の登場人物が、おずおずと世界とつながっていくのが、別の似鳥さんの作品にもあったと思うけど、感動的。

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    2023年05月17日
  • 七丁目まで空が象色

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    ★結局のところ、動物の考えていることは人間には理解できない。(p.103)
    ▶全編のほとんどが数時間の話。▶モモ君の従弟の誠一郎が勤めている山西市動物公園にいつもの面々が研修で訪ねた日アジアゾウのランティエンが脱走し大騒ぎになるのだが誰かの企みのような不穏な雰囲気もある。▶アジアゾウが見てる間にアフリカ象になっちゃった。のはなぜ?▶新キャラ桃本誠一郎と謎の人物ウー・ジイハオ(吴子豪)。▶ヒトと他の動物は意思を通じ合えるか? 無理やろなあとは思います。ヒトはなんでも擬人化するのでつい通じ合えてるような気になるけどおそらく《干渉しあわない別の宇宙にいるかのようだった。》p.79。ネコは自動給餌機と

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    2023年05月16日
  • 午後からはワニ日和

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     体長1メートル越えのワニが盗まれた!! 残された張り紙には怪盗ソロモンなる者が・・・。 動物の扱いに長けた人の犯行だろうと疑惑が渦巻く中、さらにほかの動物も盗まれて・・・。 動物園職員が奮闘するライトなミステリ。

     楓ケ丘動物園シリーズの1作目。 似鳥鶏さん動物ものとかも書かれてたのですね、確かにペンネームも動物に因んで・・・って調べたら全然由来は動物好きとか関係なかった!! 
     獰猛なワニを盗んでいるので内部犯なのは確実なのですが、その割には登場人物全体の掘り下げが足りないような・・。 動物を盗んだ理由付けは上々、キャラクターも良し、鴇先生可愛い!!

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    2023年05月13日
  • 育休刑事

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    ネタバレ

    刑事が育休をとるなんて素晴らしい。しかし、平和な子育て話ではなく、トラブルを引き寄せる体質の姉のせいか、次々と事件に巻き込まれる。生後3か月の息子と共に!子育てあるあるが、事件解決のヒントになるなど楽しく読めた。
    最後に、忙しく働く妻の職業(正体)が分かって驚き、ページを戻って確認してしまった。

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    2023年05月05日
  • 育休刑事 (諸事情により育休延長中)

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    うっす!たっか!
    まあ値段は著者が決めているわけじゃないから仕方ない。
    ドラマの涼子さんの長髪が似合ってないなーと思っていたが、原作を再現した結果だったのか。
    続編は「時短刑事」でしょうか、楽しみ。

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    2023年05月02日
  • モモンガの件はおまかせを

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    ★「『流行りの犬種』だの『流行りのネコ』だのというのも、いいかげんやめてほしいけどね」(p.238)
    ▶今回は短編集。楽しいです。短編の方が向いているような気がします。▶動物をペットとして「消費」している「ユーザー」が諸悪の根源なのでしょう。個人的に、動物を飼いたい欲求はありつつも飼っていない理由でもあります。

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    ■楓ヶ丘動物園についての簡単なメモ(これまでに読んだ全巻分/★は主要語)

    【第一巻 一行目】動物園の飼育員は腰のベルトに様々なものをぶら下げている。
    【第二巻 一行目】三人の男が話している。
    【第三巻 一行目】深夜の県道をワゴン

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    2023年04月26日
  • 迷いアルパカ拾いました

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    ▶鷹待山ファミリーパークのカピバラと二人の男。▶所有者不明のアルパカを拾う。▶七森さんの大学時代の友人が失踪。▶なんらかの事件はあったのかなかったのか。

    ■楓ヶ丘動物園についての簡単なメモ(これまでに読んだ全巻分/★は主要語)

    【アイ】ミニブタの雌、六歳。
    【安達/あだち】大山動物園のダチョウ担当。
    【あにまる通信】飼育員たちによる動物園ブログ。
    【アルパカ】毛をトルステンとかすぐ臭い唾を吐くというくらいしか知りません。
    【井坂/いさか】仁堂製薬株式会社早瀬川研究センターの守衛。鴇先生の顔見知り。
    【イサミ】オオワシの雄、十八歳。ややフレンドリー。
    【乾愛梨/いぬい・あいり】祖父江の部下の

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    2023年04月08日
  • 育休刑事

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     息子が誕生したため、1年間の育休を取得した男性刑事の奮闘を描いたライトミステリー。
     2019年発行の作品。この4月18日からは NHK でドラマ放映されることで話題作に。全3話。
             ◇
     秋月春風はとある県警の若手刑事。共働きの妻との間に息子が生まれ、管理職のため育休を取りにくい妻に替わり1年間の育休を取得。息子の蓮の育児と家事に日々奮闘していた。

     ある日、姉の付き添いで訪れた質屋で偶然強盗殺人事件に遭遇したことで、非公式に捜査に駆り出され、以降なし崩し的に捜査協力させられることに。
     こうして赤ん坊連れで捜査に乗り出す春風だったが……。

         * * * * 

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    2023年04月05日
  • 育休刑事

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    この春(2023年4月)から金子大地主演の連ドラがNHK BSプレミアムで放送予定と云うことで読んでみる。この著者の作品を読むのは5作目だが、シリーズ物の続編を読んだことがないので、いつも設定が微妙って思ってしまう。いや、悪くないんだけど、事件以外の描写がしつこ過ぎてめげそうになる。ちょっと疲れた

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    2023年03月23日
  • ダチョウは軽車両に該当します

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    ★鴇先生は頬に流れた血を親指で拭って捨てた。(p.26)
    (一)市民マラソン大会でダチョウが悠々と走っていたことから明らかになりはじめるおそろしい企て。国家レベルでなかっただけマシでしょうか。
    (二)たまたまやけど今現在の状況に重なります。いろいろと。
    (三)スカイエマさんカバー絵&挿画。

    ■楓ヶ丘動物園についての簡単なメモ■

    【第一巻 一行目】動物園の飼育員は腰のベルトに様々なものをぶら下げている。
    【第二巻 一行目】三人の男が話している。

    【アイ】ミニブタの雌、六歳。
    【安達/あだち】大山動物園のダチョウ担当。
    【あにまる通信】飼育員たちによる動物園ブログ。
    【井坂/いさか】仁堂製薬

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    2023年02月18日
  • 育休刑事

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    「人質は寝返りをする」「瞬間移動のはずがない」「お外に出たらご挨拶」
    3話収録の連作短編集。

    主人公は男性刑事としては初の育休に挑戦中の秋月春風(あきづきはると)。
    生後3ケ月になる息子・蓮くんの子育てに奮闘している。

    妻の沙樹は姉の高校時代の同級生という設定。

    文中に時々出て来る※の注釈が親切ではあるが少し面倒くさい。

    赤ちゃんの描写はリアルで外出の際の必需品や、オムツ替えの時に感じるおしりの可愛さなど、あるあるが一杯。

    会話が多くコメディータッチなので軽く楽しめるが個人的には『そこにいるのに』の様な作風の方が好み。

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    2023年02月14日
  • いわゆる天使の文化祭

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    ネタバレ

    学園ミステリーの続き。今回は長編で見事に騙された感じです。
    葉山くんの探偵力、発言の内容が上がってきているように感じました。女子も放っておきませんよ。
    柳瀬さんが翠ちゃんを牽制しているようにも見える場面も。
    ニヤニヤ。

    自分の責任でもなく、タイムリミットに迫られて緊迫感が伝わってくるシーンは人命が絡んでいるわけでもないのにかなりハラハラさせられました。
    最後はまた伊神さんに頼ってしまうのだけど、頑張れ葉山くん!と応援したくなります。

    内容については触れませんが、気になるチョイ役の人物が何人か登場。
    「校長先生」遊び心を持っている、というかイカした大人で粋な発言が格好よい。
    「お姉さん」ミカ

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    2023年02月07日
  • 夏休みの空欄探し

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    ★この冒険は、僕たちの冒険なのだ。(p.157)
    ・夏休み、することも特にないクイズ好きの「僕」は偶然モスで出会った美人姉妹とともに一連の暗号を解いていくことになった。
    ・最初の三つの暗号に比してその後二つだけ暗号の毛色が変わったような気がするのはなぜ? 《この暗号ゲームには何かある。》p.174
    ・暗号を追って日本中を(というほどでもないが)あちこち行く少しだけロードノベルっぽい部分も。

    ■簡単なメモ■(★は主要語)

    【一行目】キィン、とひときわ小気味よい音がして、ボールが高く打ち上がった。こういう時は「白球」という言い方をするんだっけ、と思う。

    【青田】頼伸がクラスでほぼ唯一言葉を交

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    2023年01月28日