高橋克彦のレビュー一覧

  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(2)

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    結局は、自ら招いた運命に翻弄されていくのだろうかという切ない思いになる第2巻である。
    特に戦闘の場面は、先の展開を知りたくなって、つい頁を繰ってしまうのである。

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    2021年07月07日
  • 炎立つ 弐 燃える北天

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    陸奥守として着任した源頼義、安倍頼良、貞任の安倍一族との死闘が始まる。
    どうしても蝦夷、安倍一族を滅ぼしたい朝廷。阿弖流為らの闘いがよぎります。おそらく、勝つことは不可能であるとわかっている闘いに、藤原経清は、もののふとして、安倍一族とともに、決起する。
    歴史物であり、結末はわかるのに、どうしてこんなにも心を揺さぶられるのでしょう。

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    2020年10月14日
  • 炎立つ 壱 北の埋み火

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    鎮守府将軍藤原秀郷を祖に持ち、奥州藤原氏初代当主の父である藤原経清を軸に物語は進行。
    陸奥守・藤原登任が数千の兵を出して安倍氏の懲罰を試み、鬼切部で戦闘が勃発する。
    朝廷と蝦夷の果てしない闘いは、坂上田村麻呂により一旦は収まっていたかに思われていたが、ここに、阿弖流為らの後継者により、熱き闘いが始まる。

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    2020年10月12日
  • 緋(あか)い記憶

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    特別面白い話があったわけではないけど、作者特有のジメッた空気感がとても好き。

    ″ねじれた″と″虜の″が好き。

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    2020年10月10日
  • 時宗 巻の四 戦星

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    時宗第四巻。
    元寇に対しては、神風が吹いて勝ったくらいの認識でしたが、完全にそういう見方を覆す内容。
    北条時頼の頃より、蒙古の脅威を認識し、何年もかけて、対策を講じて、北条一族、御家人が身命を賭して成し遂げた出来事であった。
    素晴らしいですね。まさに高橋克彦ワールド。

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    2020年10月10日
  • 時宗 巻の参 震星

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    時宗第三巻。北条時宗は、蒙古からの国書がついに届き、大蒙古軍を撃つべく18歳にして執権に就任する。朝廷、内裏との対立、駆け引きをこなしつつ、時宗は執権として、確固たる地位を築いていく。
    一方、兄の時輔は、時宗の影として支えていく決意を新たにし、いわゆる二月騒動で自らも死んだ事とし、蒙古へ渡る決意をする

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    2020年10月09日
  • 時宗 巻の弐 連星

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    時宗第二巻。時宗の父、北条時頼は、徳宗となり、磐石の体制を構築していく。
    この時代、幕府、朝廷とならび、仏教について無視することができない。
    頼朝公依頼、鎌倉は真言宗を軸にしてきた。戦場で命のやり取りをする武将にとり、大師の説かれた真言こそが、武者にふさわしいと考えている。
    末法の世、ただ念仏を唱えれば良い念仏宗の教えに対し、それらを全て否定する日蓮宗が現れる。

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    2020年10月07日
  • 時宗 巻の壱 乱星

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    時代は、北条時宗の父、北条時頼が兄の執権経時に代わり、執権となった時からはじまる。
    一族である名越流の北条光時、前将軍藤原頼経らを打ち破り、さらに、三浦一族を法華堂にて三浦家を滅亡させる。
    北条と反目した毛利季光の娘、正室の涼子から、後の時宗、正寿丸が誕生する。

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    2020年10月05日
  • 水壁 アテルイを継ぐ男

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    阿弖流為の死から75年後。陸奥を舞台とした元慶の乱を題材としている。阿弖流為の曾孫天日子を主人公に、軍師として阿部比羅夫の末裔である阿部幻水、物部の一族の纏め日明など、蝦夷らの誇り高い闘いを描く。

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    2020年09月13日
  • 風の陣【風雲篇】

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    風の陣第四弾。称徳女帝が崩御し、ついに道鏡一族が失脚する。坂上苅田麻呂陸奥鎮守府将軍として赴任。田村麻呂と阿弖流為との駆け比べの熱い勝負を行う。
    蝦夷でありながら、蝦夷とはみなされない道嶋嶋足の苦悩が、だんだんと読み取れるようになってくる。

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    2020年09月06日
  • 水壁 アテルイを継ぐ男

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     平安時代、東北の英雄・アテルイの血を引く若者、天日子を中心に蝦夷たちの誇り高い闘いを描いた歴史小説。

     アテルイの戦いを描いた作品「火怨」の興奮が忘れられず、その後の蝦夷たちの歴史を描いた作品ということだけあって、期待して読みました。

     その期待は裏切られることなく、蝦夷たちの熱い思いが強く伝わってきました。

     主人公・天日子を中心に魅力ある人物たちが集まり、知恵と勇気をもって戦い抜くさまは、読んでいて心が揺さぶられました。

     歴史の狭間に生きる人たちの思いを想像することこそ、本当の歴史を知ることだと改めて思いました。

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    2020年09月05日
  • 風の陣【天命篇】

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    牡鹿嶋足、物部天鈴のシリーズ第三弾。
    弓削道鏡が、孝謙太上天皇を担ぎ、陰で政治を操っていく。
    道鏡は、自らが天皇になろうと画策するが、和気清麻呂らと嶋足、天鈴が協力し、道鏡は天皇への夢を絶たれる。
    単なる蝦夷と朝廷という図式ではない、この時代の権力闘争、歴史小説として、非常に読み応えがある。

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    2020年09月04日
  • 風の陣【立志篇】

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    蝦夷と朝廷との何世紀にもわたる民族対立を描く。
    朝廷からの侵略を防ごうと、丸子嶋足や物部天鈴、伊治鮮麻呂らが、朝廷の中で暗躍する。
    橘奈良麻呂の変など、権力闘争での葛藤を蝦夷を絡めて展開していくのが面白い。

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    2020年08月31日
  • 火怨 上 北の燿星アテルイ

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    阿弖流為。アテルイ、古代東北の英雄。当時、朝廷の兵は、蝦夷を人とは思わず、鹿や兎を殺すのと変わらなかった。東北の地に、黄金が取れるとわかると、朝廷は蝦夷への新略を開始する。
    土地も大事ではあるが、蝦夷のこころを守るため、阿弖流為は、朝廷との闘いへと臨み、次々と闘いに勝利する。

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    2020年08月14日
  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(3)

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    九戸政実の乱が始まる。十万の豊臣秀吉軍に対し、わずか5千の兵で喧嘩を売った九戸政実。
    十万の軍勢でも落城することは出来なかった豊臣秀吉軍。南部武士の意地を見せつけた事で、九戸政実は、将の首と引き換えに和議に応じる。それなのに、約束を破り、城引き渡しの際、和議となった城に総攻撃をかける豊臣秀吉軍。
    ただ、ただ近くで圧する秀吉の政にはひとの道がない。九戸政実が意地を貫く工業で、奥州に、南部、津軽、秋田、最上、伊達らが、無事に生き延びることになる。
    圧倒的な、間違いなく死を覚悟する闘いに身を投じる九戸政実。凄まじい漢の生き様に、身震いする想いです。

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    2020年07月31日
  • 竜の柩(5) 心霊日本編

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    久し振りに読んだ第5弾は、これまでとは雰囲気が一転していた。
    現代に戻る予定だった4人が何かの手違いで大正時代の日本に着いてしまい、東北から東京へ旅をしながら移動する。
    当時の文化や著名人の様子をどこまでリアルに再現しているのかは分かりませんが、タイムスリップものとしてとても面白く読めました。
    宮沢賢治や江戸川乱歩と実際に会ったり、日本で一番栄えた街だった頃の浅草を見られるなんて、想像するだけで楽しいです。

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    2020年07月25日
  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(3)

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    3巻に入ってからの展開が怒涛
    2巻まで分量も多くなかなか進まないので、読みすすめるのに苦労した
    三部作の一貫したテーマが気迫とともに迫ってくる

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    2021年02月08日
  • ドールズ 闇から招く声

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    シリーズ第三弾は長篇。
    目吉センセーの存在にいつの間にか違和感を感じなくなり、むしろ鋭い観察眼と冷静な判断力で事件解決の主役を担うヒーローになってきました。
    現実にはあり得ない程の陰惨な事件なのに嫌悪を感じず読めるのも目吉センセーの存在と、花見コンビも含めたチームが見せる連帯感の根底にある真っ当な正義感によって緩和されているからだと思う。

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    2020年07月05日
  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(3)

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    ネタバレ

    3ヶ月以上も間をおいての最終巻。
    一気に読み切りたかったけれど、しょうがない。

    織田信長と一戦交わしたいと願っていた九戸政実は、南部本家の跡目争いに端を発した内戦のため、結局西国へ打って出ることができず、気がついたら時代は豊臣秀吉の一人勝ちとなっていた。
    秀吉の勝ち方は決して武将のそれではなく、最後のまつろわぬ武将として秀吉に喧嘩を売る。
    それは勝つための戦いではなく、武士としての生き様を知らしめるための戦い。
    最初から死ぬ気だからできる、5000対10万の戦いなのだ。

    それまでの戦いで、一度も負けたことのない九戸政実。
    日ごろの鍛錬はもとより、知略にも優れている。
    それこそ、南部本家

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    2020年06月25日
  • 鬼九郎五結鬼灯 舫鬼九郎3

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    シリーズ第3弾は大きな流れは少し休憩で、主要メンバーそれぞれにフォーカスした短編で構成されているスピンオフ的な一冊。
    敵方から見れば無敵のチームに見えるだろう面々ですが、個人になればいろいろと弱みや事情もあるのだという裏話を知ることで、最終巻をより深く味わうことができそうです。

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    2020年05月19日