感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2022年08月15日
火怨の後に読んだからか、比較してしまった。
アテルイを継ぐ天日子に、期待しすぎていたと思う。今にまで名が残っているアテルイの存在が大きすぎる。
それでもやっぱり感動する、蝦夷の心。
いいなあ。私もそういう風にありたい。
Posted by ブクログ 2020年08月13日
尊敬する高橋先生の新作。陸奥四部作に次ぐ5つ目の物語。
物語は「火怨」と「炎立つ」の間の時代。阿弖流為の反乱後、朝廷の支配下に入るものの、他国と同程度の扱いを受けられず、ただ租税を払うだけの立場に苦しむ時代。立ち上がったのは阿弖流為の子孫である天日子。元から部下や家族を背負い、先頭に立っていた過去...続きを読む3作とは異なり、徐々にリーダーとしての資質を現していく姿は青春小説としての魅力もたっぷりとあった。また、右腕の阿部幻水の存在も良い。二人の関係は、阿弖流為と母礼、貞任と経清の関係を思い出させられる。
何より元慶の乱という事件を知らなかったため、敗北という事実が分かりきっている過去作と異なり、どういう結末になるのかというワクワク感が強いのも良かった。1巻完結のため、人物造形が若干薄く、また憎たらしいほど強い敵という存在もなかったのが残念ではあったが、最後には天日子たちに感情移入してしまうほど心を熱くしてくれるのはさすが高橋先生と言わざるを得ない。
炎立つの安倍氏はルーツが諸説あるそうだが、阿部幻水が東北に根づいて100年強であの強大な安倍帝国を築いたと考えると非常に面白い(幻水は架空の人物みたいだが)。
Posted by ブクログ 2023年07月20日
火怨の75年後、阿弖流為の曾孫 天日子が主人公。火怨と同じように、強く将の器である天日子と、知略に富んだ安倍幻水を中心に、物部が重要な導き手となってストーリーが進む。
天日子と幻水は火怨の阿弖流為と母礼を思い起こさせるが、ひとつ決定的に違うのは、幻水が蝦夷ではなく都の人間だということ。都で冷遇されて...続きを読むきた幻水が、蝦夷と共に戦って初めて一人きりではなくなったと泣くシーンが熱い。風の陣や火怨で悲願を果たせずに散っていった多くが、全くの無駄ではなかったのだと感じられる。
風の陣や火怨に比べてだいぶあっさりしているので、欲を言えばもっと読みたかった。
Posted by ブクログ 2020年09月13日
阿弖流為の死から75年後。陸奥を舞台とした元慶の乱を題材としている。阿弖流為の曾孫天日子を主人公に、軍師として阿部比羅夫の末裔である阿部幻水、物部の一族の纏め日明など、蝦夷らの誇り高い闘いを描く。
Posted by ブクログ 2020年09月05日
平安時代、東北の英雄・アテルイの血を引く若者、天日子を中心に蝦夷たちの誇り高い闘いを描いた歴史小説。
アテルイの戦いを描いた作品「火怨」の興奮が忘れられず、その後の蝦夷たちの歴史を描いた作品ということだけあって、期待して読みました。
その期待は裏切られることなく、蝦夷たちの熱い思いが強く伝...続きを読むわってきました。
主人公・天日子を中心に魅力ある人物たちが集まり、知恵と勇気をもって戦い抜くさまは、読んでいて心が揺さぶられました。
歴史の狭間に生きる人たちの思いを想像することこそ、本当の歴史を知ることだと改めて思いました。