【感想・ネタバレ】時宗 巻の四 戦星のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

最終巻はいよいよ元寇。
歴史の授業では二度の神風に守られたと習ったはずですが、本書では幕府軍の駆引きと武士の気概、内部崩壊による半自滅で弱っていた元軍などの背景が加わって、色彩豊かな出来事として読むことが出来ました。
あの時代に巨大な帝国と戦をするために国をまとめた偉大な執権がいたということを、本書を読んで初めて知りました。

0
2019年11月21日

Posted by ブクログ

蒙古に勝ったのは、神風が吹いたからではなく、立派な作戦勝ちだったということが、よくわかります。大河ドラマの時は、ほとんど見ていませんでした。

0
2016年06月19日

Posted by ブクログ

ついに蒙古襲来
全国の武将が日本の為に命を懸ける
この構造を時宗親子が作り出したのだ
倉山満の歴史観では神風なしで勝てる体制を作った時宗が世界史に一石を投じたのだ

0
2015年03月23日

Posted by ブクログ

大長編のため手を出すのを躊躇っていた高橋作品の一つ。文庫版が手に入らず電子で購入。高橋ワールド全開で、またしても熱い男達に熱狂したものの、陸奥四部作に比べると少し面白みは劣るという印象。

本作は元寇襲来までの北条氏の内政から最後の対元の戦いまではスペクタクルに描く。まず時宗というタイトルの割に、前半の主人公は北条時頼で、後半は兄の時輔という形で少し時宗の存在感が薄いことが気にかかった。時頼の存在が非常に良く描かれていただけにどうしても二世感が強く共感ができなかった。ただ、時輔という死んだはずの人物を影の立役者に使う手法はお見事と感じた。本当にこういう腹心がいたからこそ、元を退治できたのかもしれないと何度も思った。

実際の戦闘シーンなどは戦術も含め非常に細やかで討ち死にする武将らも短い登場にも関わらず印象的で流石と感じた。特に佐志房の戦死シーンはあまり好きではなかった謝太郎の涙にもらい泣きしそうになった。また、大陸での内偵編も興味深く、マルコポーロまで出てきたのには驚きとともにニヤニヤが止まらなかった。

最後に、高橋先生らしく陸奥の描写もいくつかあり、十三湊は実際の戦闘にも兵を出しているなど、九州中心の本作の攻防の中でも東北が出てきたのはとても嬉しかった。

0
2021年08月03日

Posted by ブクログ

時宗第四巻。
元寇に対しては、神風が吹いて勝ったくらいの認識でしたが、完全にそういう見方を覆す内容。
北条時頼の頃より、蒙古の脅威を認識し、何年もかけて、対策を講じて、北条一族、御家人が身命を賭して成し遂げた出来事であった。
素晴らしいですね。まさに高橋克彦ワールド。

0
2020年10月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ついに蒙古軍が襲来する。
となると、時宗自身は鎌倉から動けないので、この巻の主人公は時輔。
全四巻のうち、前半2巻は父・時頼が主人公で、最後の1巻は兄・時輔が主人公。
だけど、これは蒙古襲来に対する鎌倉幕府の物語なので、父の生き方から兄の活躍に至るまでが対蒙古に焦点を絞ったことで、元寇のときの執権・時宗が全体の主人公となる。

神風が吹いたことで、日本は元寇に勝ちを収めることができた、という定説とは違い、この本では周到に元を迎え撃つ準備をしている。
だった1回、徹底的に元を叩き潰すことができたら、二度と元は日本にやってこないだろう。
負けない戦いではなく、絶対に勝たねばならない戦い。
そのためには、多くの武士に死んでもらわなければならない。

御家人にとって領土はとても大切なものだ。
しかし国土はどうか。
国という概念がない場合、そこにある地面は誰のものなのか。
住んでいる者たちが、住んでいる範囲だけを守れればいいのか。

元との戦いの場を大宰府に決めた。
九州各地の武士が、鎌倉の武士が、東北の海の民が一体となって、日本という国を初めて意識する。
日本という国を守るために、一体となる。

吉田松陰が九州を旅したときに元寇襲来図を見て、初めて藩から国へと視野を広げることになったように、もしかしたら孝明天皇のかたくなな攘夷主義の根幹は、過去に一度外敵を防いだという実績にあったのかもしれないと思った。

元も日本も決定的な勝敗を認めることがないままに、一度目の元寇は終わり、改めて大軍を投じてきた二度目の元寇。

たった一度で勝ちきるはずだった鎌倉幕府には、もう一度九州の武士団に「死んでくれ」ということはできなかった。
そのために、時輔が縦横無尽に活躍するのが今巻の目玉だ。
しかしそれは常に、時頼や時宗の存在あってのことなのだ。

歴史小説というのは、結末が決まっているのでしょうがないのだけれど、これほど大きな出来事の結末があまりにもあっけなくて、最終章を二度読みしてしまった。

0
2018年04月21日

Posted by ブクログ

高橋克彦氏の小説はいつも時代イメージが広がり興奮するので楽しい。時宗を読んでみる。
鎌倉幕府衰退の時期の話で最初あまり「ぱっとせんな」と思っていたが、「元寇」に繋がっていく。元寇に繋がるのかと思うと俄然興味がわき話にのめり込んでいく。
最初は鎌倉、御所も巻き込んでの権力争いの話だが、元寇の脅威をだいぶ前から感じ、鎌倉の意志を統一し、元寇に備えていく。

また時代イメージが広がり嬉しいのと、神風だよりだけで回避した訳じゃなく、色々準備をしていたのだなあと感心。

元寇
モンゴル帝国(大元ウルス)およびその属国の高麗王国によって2度にわたり行われた対日本侵攻1度目を文永の役(ぶんえいのえき・1274年)、2度目を弘安の役(こうあんのえき・1281年)という。蒙古襲来とも。

0
2017年11月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ついに蒙古襲来。
時宗の父、時頼の時代から、蒙古襲来に備えて国をひとつに纏めることに心血を注いできた北条氏。
決して表舞台に出る事はないけれど、元の都、大都での時輔や太郎による諜報活動。
外敵に対し命を捨てて国を守ろうする、九州の御家人達を中心とした軍団。
それら全てが鮮明に描かれています。面白くて一気読みしました。

1~4巻を通して、大変面白くて熱い小説でしたが、
登場人物のキャラの濃さやお話の内容と小説タイトルがぴったりと合っていないと、
個人的に感じています。

0
2012年07月29日

Posted by ブクログ

時宗さん完結編。さらりと読めてしまう。
元寇あたりは正直歴史としては好きではない分野だったので結構「へーっ」って納得して読めた。
美化しすぎなのはまぁ、仕方ないってことで。

0
2011年05月10日

「歴史・時代」ランキング