あらすじ
幕府の重鎮・北条時頼が世を去り、不気味な長い尾を引く彗星が空を流れた。一族内の暗闘、将軍との対立。重なる試練が若き時宗を襲う。一方、海を越え届けられた1通の国書。すでに高麗を手中にしたクビライの狙いはこの国に定まった。いかに国をまとめ、大蒙古軍を迎え撃つか。あとのない戦いがはじまる。(講談社文庫)
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時宗第三巻。北条時宗は、蒙古からの国書がついに届き、大蒙古軍を撃つべく18歳にして執権に就任する。朝廷、内裏との対立、駆け引きをこなしつつ、時宗は執権として、確固たる地位を築いていく。
一方、兄の時輔は、時宗の影として支えていく決意を新たにし、いわゆる二月騒動で自らも死んだ事とし、蒙古へ渡る決意をする
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この本を読み始めるまでは、元寇と戦う時宗の話だと思っていましたが、全4巻のうちの2巻は父時頼の話。
残る2巻のうちの1巻がこの本になりますが、まだ蒙古改め元とは戦っていません。
ずっと書かれているのは、権力争いの末分裂しようとする北条一族をまとめるために、得宗(北条家の惣領)がとてつもなく苦労するということ。
力で押せば反発する。
目こぼしすればつけあがる。
その隙に将軍と、周囲を取り巻く公家が権力を握ろうと暗躍する。
北条家ではない、一般の御家人や庶民の目もあるので、安心感を与えなければならない。
まとめてもまとめても、分裂しようとする北条一族。
これはもう、幕府というシステムの最初からボタンを掛け違っていたのでは、と思わざるを得ない。
そして、北条の男たちの寿命の短さ。
もちろん長生きしている人もいるけれど、20代、30代であっけなく死んでいく男のなんと多いことか。
源氏も北条も、長老のイメージないもんね。
生命力が弱い一族なのでしょうか。
さていよいよ元が動きだします。
「今まであいさつに来なかったようだけど、元って国の存在を知らなかったのかな?だとしたら、こちらが兵を出す前に、一度挨拶に来なよ」っていう国書を持った使者が対馬まではきますが、時宗たちは策を弄して追い返します。
二度目にやって来たときは、上陸を許しますが、博多の外には出しません。
日本の中心は京都であると思わせるため、幕府は交渉の表には立たず、朝廷を前面に押し出しつつ、元の使者を追い帰します。
三度目の使者をも追い返し、いよいよ元との戦いがはじまる。
ってところでこの巻は終わり。
結局、元寇について書いているのは最終巻だけなのね。
大事な時になると鎌倉に姿を現わし、既存の宗教を大声で貶める日蓮の存在は、一体何を意味しているのか今のところ分からないけれど、法華経をしか認めない日蓮の姿は、一神教の独善性を彷彿とさせるので、ちょっと不快。
歴史としての元寇の結末は知っているけれど、時宗という物語があと1巻でどう結末をつけるのか。
とても楽しみ。
Posted by ブクログ
個人的には、この巻から物語が面白くなってきました。
1巻で蒔いた種が2巻で芽吹き、3巻で花が咲いて4巻で結実・・・という印象を受けました。
いよいよ時宗が主人公なのですが、時輔が魅力的に描かれていて、W主役のようにも思えます。
二月騒動に関して、時輔は時宗に討たれたと歴史の授業で習いましたが、物語上、「保暦間記」で記されているように、時輔は京を脱出し吉野へ逃れて行方知れず・・・の展開にするのかなと想像していましたが、あのような展開にするとは。「こうきたか!」という感じです。
Posted by ブクログ
相も変わらず内裏と幕府の陰謀三昧で、時はどんどん過ぎて人は入れ替わるものの物語の本質は変わらないので中弛みの印象。
元も攻めて来るぞ来るぞと匂わせといて、なかなか来ない。
まあ次回は最終巻なので、嫌でも進展するでしょう。