あらすじ
幕府の重鎮・北条時頼が世を去り、不気味な長い尾を引く彗星が空を流れた。一族内の暗闘、将軍との対立。重なる試練が若き時宗を襲う。一方、海を越え届けられた1通の国書。すでに高麗を手中にしたクビライの狙いはこの国に定まった。いかに国をまとめ、大蒙古軍を迎え撃つか。あとのない戦いがはじまる。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
この本を読み始めるまでは、元寇と戦う時宗の話だと思っていましたが、全4巻のうちの2巻は父時頼の話。
残る2巻のうちの1巻がこの本になりますが、まだ蒙古改め元とは戦っていません。
ずっと書かれているのは、権力争いの末分裂しようとする北条一族をまとめるために、得宗(北条家の惣領)がとてつもなく苦労するということ。
力で押せば反発する。
目こぼしすればつけあがる。
その隙に将軍と、周囲を取り巻く公家が権力を握ろうと暗躍する。
北条家ではない、一般の御家人や庶民の目もあるので、安心感を与えなければならない。
まとめてもまとめても、分裂しようとする北条一族。
これはもう、幕府というシステムの最初からボタンを掛け違っていたのでは、と思わざるを得ない。
そして、北条の男たちの寿命の短さ。
もちろん長生きしている人もいるけれど、20代、30代であっけなく死んでいく男のなんと多いことか。
源氏も北条も、長老のイメージないもんね。
生命力が弱い一族なのでしょうか。
さていよいよ元が動きだします。
「今まであいさつに来なかったようだけど、元って国の存在を知らなかったのかな?だとしたら、こちらが兵を出す前に、一度挨拶に来なよ」っていう国書を持った使者が対馬まではきますが、時宗たちは策を弄して追い返します。
二度目にやって来たときは、上陸を許しますが、博多の外には出しません。
日本の中心は京都であると思わせるため、幕府は交渉の表には立たず、朝廷を前面に押し出しつつ、元の使者を追い帰します。
三度目の使者をも追い返し、いよいよ元との戦いがはじまる。
ってところでこの巻は終わり。
結局、元寇について書いているのは最終巻だけなのね。
大事な時になると鎌倉に姿を現わし、既存の宗教を大声で貶める日蓮の存在は、一体何を意味しているのか今のところ分からないけれど、法華経をしか認めない日蓮の姿は、一神教の独善性を彷彿とさせるので、ちょっと不快。
歴史としての元寇の結末は知っているけれど、時宗という物語があと1巻でどう結末をつけるのか。
とても楽しみ。