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迫り来る蒙古。かつてない戦がはじまる。磐石の執権政治を確立し、幕府の結束を固めた北条時頼。だが、巨大騎馬国家・蒙古の王クビライが、海を越えこの国を狙う。かつてない戦さがはじまろうとしていた。天変地異続く巷では、法華経を説く日蓮が民の熱狂を呼ぶ。父の志を受け、真に国をまとめる者となれ。少年・時宗は若き棟梁として歩みだした。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
高橋克彦さんの歴史小説は涙無くては読めません。 哀しい時代の積み重ね… 文体が好きな作家の一人です。
時宗第二巻。時宗の父、北条時頼は、徳宗となり、磐石の体制を構築していく。 この時代、幕府、朝廷とならび、仏教について無視することができない。 頼朝公依頼、鎌倉は真言宗を軸にしてきた。戦場で命のやり取りをする武将にとり、大師の説かれた真言こそが、武者にふさわしいと考えている。 末法の世、ただ念仏を唱え...続きを読むれば良い念仏宗の教えに対し、それらを全て否定する日蓮宗が現れる。
読んだきっかけ:奥様が100円で買った。 かかった時間:4/15-4/30(16日くらい) あらすじ:磐石の執権政治を確立し、幕府の結束を固めた北条時頼。だが、巨大騎馬国家、蒙古の王クビライが、海を越えこの国を狙う。かつねない戦がはじまろうとしていた。天変地異続く巷では、法華経をとく日蓮が民...続きを読むの熱狂を呼ぶ。父の志を受け、真に国をまとめるものとなれ。少年・時宗は若き棟梁として歩みだした。(裏表紙より) 感想: 高橋克彦氏の北条氏もの2巻。時宗が生まれ、時頼の帝王教育が始まるが、若さゆえ苦悩する次世代リーダーの描写は退屈でもどかしい。ちょっと面白さが薄れて読むのに時間がかかった。頼時を格好よく描きすぎだー。
パパの代がかなりしっかり描かれているのが私としては好みだし助かる。この辺分かってないから。 大河になってたっていうのも、知らなかったし。 高橋さんの見せ方が好きなのですらすら読んでしまうけど、やはり時代的には興味が薄いのを再実感。
この巻の終わりに父時頼が亡くなり、次巻よりいよいよ執権時宗の話がはじまります。 いずれは訪れるであろう蒙古襲来に向けて、時頼はできるだけのことを精力的に行います。 博多の商人謝国明・太郎の親子、松浦党の佐志房(さしふさし)、十三湊(とさみなと)を支配する安藤五郎。 外敵のことを知るには、海の民を味...続きを読む方につけなければならない。 対等な立場で国を守ることを約束し合う。 自分のところだけではなく、同じ国に住む同士としてのつながりを意識させたこと。 それを日本の安寧の基礎となしたところに、時頼の非凡さがあると思った。 ところで、『楊令伝』で梁山泊の取引相手のひとつであったのが日本の十三湊。 「都の藤原氏とは別系統の藤原氏の末裔である」安東氏の一族である五郎が、梁山泊のメンバーと行動を共にしているんだよね。 なので、安藤五郎が出てきたとき、ちょっとにやりとしてしまった。 ついでに地図で十三湊の位置を確認。 津軽半島の中ほどに位置する十三湊は、私が思っていたのよりはるかに北。 ここと博多をつないだのか―。すごいな。 蒙古襲来に向けて時頼がやったことはもう一つ。 自身の跡取りは、次男の時宗であることを対外的にはっきりと示したということ。 北条氏が、鎌倉幕府が、仲間割れして戦いあうことほど不毛なことはない。 揺るぎのない北条市・鎌倉幕府であることを何よりも時頼は願っていた。 しかしそれは長男の時輔を、また弟の時宗をも苦しめることになっていることは時頼にもわかっている。 出来の良い庶子である時輔に、父として、執権として時頼は言う。 「優れた弟を配下に従える将と、頼りとなる兄を身近にもつ将とでは、どちらが戦さに勝利できると思う?」 これで全てを理解できる時輔は立派だ。 少年の頃の時宗には 「そなたの目で見て、そなたの耳で聞け。そなたは執権となる身だ。たとえ親の言葉であろうと信ずるな。執権とはこの国を導く者。人に左右されては乱れの原因(もと)となる」 父について鎌倉から十三湊へ、そして博多までの旅をした時宗の素直な心が、一つ一つのセリフに込められていて、黙読しているのに子どもの時宗の声でセリフが頭に入ってくる。 これはさすがになかなかない体験で、そうか時宗少年はこのような話かたをする子なのだなと後追いで理解する。 ほほを上気させ、目をキラキラさせながら、背をぴんと伸ばし父に話しかける時宗少年が見える気がした。
蒙古の脅威が迫る中、時頼は国をひとつに纏めるべく、執権政治を確立し、幕府の結束を固めていきます。 父の政を間近で見ながら、少年時宗は次代の得宗としての心構えを築いていきます。 2度にわたり元寇を退けた執権時宗は、こういう風に育っていったのかと、 胸にぐっとくるものがありました。
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