高橋克彦のレビュー一覧

  • 鬼九郎孤月剣 舫鬼九郎4

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     鬼九郎シリーズ最終巻。ツッコミどころ満載のはちゃめちゃ話だったが、作者の目指す娯楽時代小説としては満点だと思う。
     1、2巻で敵対した左甚五郎が仲間になったように本作の序盤、中盤を引っ張った風魔の西鬼、南鬼、小五郎が、中盤以降の主役、高澤恒志郎、青柳元七といった強者が皆敵から味方となり、200人近くを相手に大乱闘を繰り広げる圧巻のラスト。
     九郎と又右衛門が九郎の理不尽に命を狙われる境遇を嘆くシーンは高橋氏らしい熱を持っていて、明るい展開が続く中で、短い文章で泣かされた。
     まだまだ続いてほしい気もするが、蛇足になりかねない気もするので丁度良い完結だったと思う。

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    2024年12月30日
  • 完四郎広目手控4 文明怪化

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    今回は完四郎が帰国してからの短編集。
    毎回露文センセーやその仲間が瓦版と新聞の中間のような錦絵付き一枚新聞のようなものを持ち込んで、完四郎がどうも額面通りの事件じゃなさそうだと背後を推理し始め、現地入りして真相を暴くという趣向。
    真相が分かったところで、決して杓子定規に善悪の裁きをしないところが江戸時代からの流れをくんでいて古き良き日本の雰囲気が好ましい。
    完四郎以外は実在の人物が数多く登場して、何となく本当にこんなことがあったかもと思えるのも高橋作品によくある魅力です。

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    2024年11月22日
  • 鬼九郎五結鬼灯 舫鬼九郎3

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     シリーズ3作目。今回は短編5作で、鬼九郎以外の面々を主役に据えながら、1つ1つが読み応えのある作品に仕上げられている。
     どれも良いが、『怪談高尾』はホラーとミステリを混ぜた独特な雰囲気と展開で先が読めない面白さがあった。全員集合で犯人を嵌めるのはお決まりであり、この話の読後が一番良かったと思う。
     ただ本作のハイライトは最終話の『九郎非情剣』。九郎の出生の秘密が判明。私の予想は将軍の腹違いの兄弟だったが、その更に上で、かつ実の親に命を狙われるという非情。皆が九郎を守るために命を張る場面は心揺さぶられる。決して大きく感情を顕にしない九郎が涙するシーンは、それが皆への感謝の嬉しい涙であり、親に

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    2024年10月20日
  • 時宗 全4冊合本版

    KOU

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    時宗

    元寇から日本を守ったのは台風みたいな認識だったが北条時頼、時宗と二代に渡って何年も前から巧妙な作戦を立てていた。
    北条と言えば権力争いしかしてないみたいなイメージだったが、、、長兄の時輔が実際はこんなにすばらしい性質の方だったかは
    さておき、いい味出しています。北方謙三さんがチンギス紀の次に元寇の話らしくたのしみだ。

    #憧れる #感動する #アツい

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    2024年10月01日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    朝廷側ではなく蝦夷側の視点が新鮮。歴史物なので最後はわかっているのでせつないんだが、登場人物が魅力的だ!

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    2024年08月22日
  • 前世の記憶

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    なんとなく興味のあるタイトルだったので期待してしまってたのですが、期待を超える面白さで良かったです。記憶にまつわる短編集で、どれも身近にありそうで、奥が深い内容でとても好みでした。著者さんの作品をもっと読みたいです。

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    2024年07月31日
  • 鬼九郎鬼草子 舫鬼九郎2

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     シリーズ第2巻は、江戸を離れ、作者得意の東北を舞台を移し、前作の面白さを大きく超えてきた。左甚五郎の配下がおっちょこちょいすぎる点と長兵衛たち侠客組が小物すぎる点は気になるが、十兵衛・九郎・徳兵衛の三銃士の活躍が楽しい。
     この江戸前期は戦国時代と江戸の安定期の狭間であり、政治的な苦心(配慮)が色々な事件を通して見ることができる非常に興味深い時代。会津騒動は名前以外を詳しく知らなかったが、この事件と絡めるのかと感心させられた。
     今回は天海も不気味な存在であり、より人間関係が複雑になりそう。1・2巻で悪役として描かれた左甚五郎だが、そろそろ仲間になりそうなほど愛嬌があるキャラになってきている

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    2024年07月20日
  • 緋(あか)い記憶

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    記憶をテーマとしたホラー短編集。
    ふと思い出した記憶を探るためジグソーパズルを埋めるように遡っていく人々の話。
    記憶は現実にだぶるものだと思う。記憶と現実とは重なるわけがないけれど何か繋がりがあり、そこに欠落を感じる。
    その欠落が何かを理解するために、納得するために現実をほっぽって過去へと向かう、途中で恐ろしいものが行き止まりにはあると考えても行き着くまで止まることはない。
    破滅を呼ぶわけでもないのに、忘れる事がよく生きるコツなのかとさえ思う。

    好きな作品は捻れた記憶と膚の記憶。

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    2024年07月18日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    気になったところ、心に響いたところ。

    774年、蝦夷が桃生城を攻撃。ここから蝦夷の大和朝廷との防衛戦争が始まる。いわゆる38年戦争。
    続いて、伊治城の伊治呰麻呂が反乱を起こす(780年)。阿弖流為が登場するのはここから。物部が後ろ盾となる。

    上巻 ページ98。  

    母礼の言葉。  
    「だからこそ、物部は同族の暮らす陸奥を頼ってきたのだ。 かつては出雲が我ら蝦夷と物部の祖先の暮らす。 土地であったらしい。 それを海を渡ってきた朝廷の者らの祖先が奪い取った。 我ら蝦夷は北へ逃れたが、物部はなんとか止まって朝廷に従うことなったのだ」  
    阿弖流為。 
    「我らと物部が同族。」  
    母礼。  

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    2024年05月05日
  • 舫鬼九郎

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     舫鬼九郎、天竺徳兵衛、柳生十兵衛。3人の最強剣士が江戸の闇を明かしていく。この説明は間違っていないはずだが、実際は3人は三つ巴の敵として登場し、十兵衛以外の架空の2人は未だ身元ははっきりしていない。故に2人の正体や3人が手を組んでいく過程が物語の面白さを増していると思う。
     他にも宇都宮駅前でお馴染みの初代横綱・明石志賀之助、天海僧正、左甚右衛門など有名人も続々登場し史実と虚構が上手く構成させれていて楽しい。最後の"海戦"も派手で良かった。
     細かい点では、最後の勝負でいくつか作戦を挙げて実現可否を検討していくのが高橋先生らしいと思った。決まった作戦を紹介するだけで物語的

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    2024年03月09日
  • 風の陣【天命篇】

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     再読。第二作で手を貸した道鏡が巨大権力を握っていく中、嶋足と天鈴がそれを阻止すべく奮闘する。
     本作は最後を除き天鈴の策が尽く外れる。それだけ道鏡が狡猾だったということを表しているが、聖武天皇以前の藤原氏の権勢(称徳天皇自身、祖母も母も藤原氏)を知っているだけにこの一瞬で藤原氏の勢いが減退したという事実は改めて見ると面白い。もし称徳天皇が藤原氏の血を疎んで意図的に道鏡を利用していたらという妄想も…(澤田瞳子氏の『月人壮子』に感化されて)。
     いずれにせよ、道鏡の試みはあっさり阻止され、蝦夷にとっては苦難の時代に入る。道鏡が皇位についた方が蝦夷にとっては良かったのかとも思ってしまう辛い歴史が…

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    2024年02月22日
  • 緋(あか)い記憶

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    あとがきで川村湊さんが、
    岩井出身の“みちのく”作家。
    心の中の “みちのく”の情景を描く。
    と、上手こと表現している。
    直木賞の人生の曖昧となった記憶を物語とした
    7編の記憶シリーズ。舞台も東北が多い。
    どの短編も、記憶から欠けた時間を探し始めるところから始まる。そこに記憶を封じなければならなかった事情を思い出していくという構成。
    各作品、設定も展開も工夫されて、とても素敵な短編集です。

    「緋い記憶」
    故郷での緋色の記憶。そこに残る少女との思い出。なぜか、住宅地図には、その家の記録がない。
    「ねじれた記憶」
    男は母との記憶が残る寂れた温泉宿へ。そこは、母親の自殺した場所。母親とよく似た女性

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    2024年01月31日
  • 火怨 下 北の燿星アテルイ

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    蝦夷から見た物語で同じ人間として扱ってもらえない
    差別があるが、維新後のアイヌへの差別もこの頃からの流れを感じた。

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    2024年01月20日
  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(3)

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    この世かな素晴らしい武将の存在をこの作品を読むまで知らなかった
    高橋克彦作品も初めてだ
    最後は少し涙ぐんでしまった

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    2024年01月17日
  • 火怨 上 北の燿星アテルイ

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    東北に住んでいるので、昔の東北の昔の話で興味があったので読んで見たが、アテルイは名前だけは知っていたのだが、東北側からの視点で書かれているのでこれからが楽しみです。半島から来た人達が都を作り段々追われた人達が蝦夷で独自に暮らしていたのか?
    名前とかがアイヌの様だなと思った。

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    2024年01月13日
  • 完四郎広目手控3 いじん幽霊

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    今回は開港した横浜を舞台に、イギリス人やフランス人が関係する騒動に巻き込まれる完四郎と魯文。
    現代の作家さんの小説で当時の様子を紹介するものをあまり読んだことがないので、とても興味深い。
    本当にこんな様子だったら、相変わらず英語に対するアレルギーが無くならない現在の日本社会よりむしろ心が開けた人が多かったのかも。
    読んでいて楽しい作品です。

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    2023年10月11日
  • 星の塔

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    実家の本棚の片隅に置いてありなんとなく読み始めました。 短編集で読みやすく、 ホ ラーと言うよりも世にも奇妙な物語に近いような冷や汗をかいてしまうようなお話で した。 夏の日にちょうど良かったです。

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    2023年08月04日
  • 天を衝く 秀吉に喧嘩を売った男九戸政実(3)

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    最期があっぱれ

    火怨、炎立つ、そして天を衝くと読みました。
    この3作品共通の感想ですが、中間の中だるみ感というか、主人公の魅力の薄れや表現の乏しさ(あんぐりと口を開けた、ぼたぼたと涙を流した等、同じような大袈裟な表現が何度も繰り返される)はあるものの、クライマックスの鮮やかさは見事だなと思います。
    秀吉に対する印象が変わりました。政実の遺志を継ぐ人が現れていることを願う。余談ですが、逃げの天才である信直が祀られている神社があることを知って驚きました。

    #アツい #カッコいい #感動する

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    2023年07月24日
  • 水壁 アテルイを継ぐ男

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    ネタバレ

    火怨の75年後、阿弖流為の曾孫 天日子が主人公。火怨と同じように、強く将の器である天日子と、知略に富んだ安倍幻水を中心に、物部が重要な導き手となってストーリーが進む。
    天日子と幻水は火怨の阿弖流為と母礼を思い起こさせるが、ひとつ決定的に違うのは、幻水が蝦夷ではなく都の人間だということ。都で冷遇されてきた幻水が、蝦夷と共に戦って初めて一人きりではなくなったと泣くシーンが熱い。風の陣や火怨で悲願を果たせずに散っていった多くが、全くの無駄ではなかったのだと感じられる。
    風の陣や火怨に比べてだいぶあっさりしているので、欲を言えばもっと読みたかった。

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    2023年07月20日
  • 噴怨鬼

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    神代の時代から時代が下り約半世紀奥州に鬼退治へと向かうさてどんな話にまたどんな合戦場面へと展開していくのか期待した。陰陽師が更に肉体から離脱して闘うのか楽しみにしたが最後には平和裏に終わり---平和主義の一冊であった。

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    2023年07月08日