高橋克彦のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ火怨の75年後、阿弖流為の曾孫 天日子が主人公。火怨と同じように、強く将の器である天日子と、知略に富んだ安倍幻水を中心に、物部が重要な導き手となってストーリーが進む。
天日子と幻水は火怨の阿弖流為と母礼を思い起こさせるが、ひとつ決定的に違うのは、幻水が蝦夷ではなく都の人間だということ。都で冷遇されてきた幻水が、蝦夷と共に戦って初めて一人きりではなくなったと泣くシーンが熱い。風の陣や火怨で悲願を果たせずに散っていった多くが、全くの無駄ではなかったのだと感じられる。
風の陣や火怨に比べてだいぶあっさりしているので、欲を言えばもっと読みたかった。 -
Posted by ブクログ
感想。恐怖小説というワードがあったので少しびびっていたのだが全然怖くなかった。グロくなかったし、心霊系でもなかったし。どちらかといえばミステリーかな?ミステリー色は薄いけど。
交通事故に遭った7歳の少女が目覚めると口を聞かなくなり、血圧異常や動脈硬化など身体の異常をきたしその理由を探っていくと、彼女の身体には別の何かがいるのではないか…?となりその何かが何なのか突き止めていくという話。その何かを追う為に調べていく話が歴史的史実なのでその辺、今はスマホでなんでも調べられるから検索しつつほほぅ…となりましてですね。
画像でみても凄いので実物見てみたいものだと思いましたよ。彼女の中の何かへの謎、彼女 -
Posted by ブクログ
高橋克彦 「浮世絵鑑賞事典」
主な浮世絵師の略伝とカラー刷りの代表作を載せた浮世絵入門書。正統派の浮世絵の歴史を知ることができる一冊
北斎、広重の自然絵、
春信、清長、歌麿の美人絵は
素人でもわかるほど群を抜いているように思う
写楽は、それまでの浮世絵師と比較して、色の組合せや構図が急に現代的になった印象を受ける。謎の多さも含めて、とても興味深い
派閥で見ると、豊国の役者絵、国芳の武者絵、芳年の残酷絵など歌川派の個性が際立つ
杉浦日向子 の解説も浮世絵を身近な存在にしている「江戸人にとって、浮世絵は写真週刊誌であり〜アイドルのピンナップ」
-
Posted by ブクログ
大長編のため手を出すのを躊躇っていた高橋作品の一つ。文庫版が手に入らず電子で購入。高橋ワールド全開で、またしても熱い男達に熱狂したものの、陸奥四部作に比べると少し面白みは劣るという印象。
本作は元寇襲来までの北条氏の内政から最後の対元の戦いまではスペクタクルに描く。まず時宗というタイトルの割に、前半の主人公は北条時頼で、後半は兄の時輔という形で少し時宗の存在感が薄いことが気にかかった。時頼の存在が非常に良く描かれていただけにどうしても二世感が強く共感ができなかった。ただ、時輔という死んだはずの人物を影の立役者に使う手法はお見事と感じた。本当にこういう腹心がいたからこそ、元を退治できたのかもし